■『パニック障害 100のQ&A』(星和書店)
キャロル W.バーマン/著 東柚羽貴/翻訳 郭哲次/監訳
【内容抜粋メモ】
アメリカと日本の医療や文化などの差があるので注意。
※本書の有用なポイントは、マービンさんというパニック障害の方が、患者の立場からコメントをしていること。
・まえがき
男性の19%、女性の31%が、一生のうちいずれかの不安障害になる。
パニック発作の症状は、窒息感、発汗、心悸亢進など。
睡眠中に飛び起きる「夜間パニック発作」まである。
年間、30~40%がパニック発作を起こすが、パニック障害の生涯有病率は約3.5%。
正しい治療を受ければ、1ヵ月前後にパニック発作が消える確率は90%。
基本編
・パニック発作とは?
「DSM-Ⅳ」に基づく。
パニック発作を「不安発作」と混同しないこと。
再度、パニック発作が起こるかもしれないと、いつも心配している状態。「予期不安」
パニック発作が起こるしくみ
パニック発作が起こると、「闘争・逃走」の化学物質・エピネフリンが誤って放出される。
狭い場所に閉じ込められるという思い込み、恐怖体験が隠されている。
座って深呼吸し、認知行動療法を行うこと。衝動的に逃げるのは誤った行為。
逃げても症状を止めることにはならない(そうはゆってもねぇ・・・
パニック発作は、不安のエピソードがあり、「全般性不安」とは違う。
「全般性不安」はどこでも生じ、一生続く場合がある。
私たちが生活している現代は「不安の時代」と呼んでいる。
「強迫性障害」「社会恐怖」「PTSD」「全般性不安」「物質誘発性不安障害」など。
現在の薬物治療+精神療法は、必ずしも十分ではない。
だが、パニック障害のSSRIは有効。
現実感喪失とは?
今起こっていることが現実ではないと感じること。
例:地下鉄に乗っているほかの乗客がロボットのように見える。
パニック障害の方は、現実との接触を絶たれることを極端に恐れるため、飲酒、ドラッグを使用しない。
「離人症」とは?
「自分の外側にいる」感覚。
「万事大丈夫、すぐ自分を取り戻す」と自分に言い聞かせること。
離人症が長く続くことはほぼない。
パニック発作の原因は?
仮説の1つは、脳内の警告システムが誤って作動する。「青斑核」
何も悪い事態がないのに、恐怖におびえ、「闘争・逃走」反応になる。
最近は、GABA、セロトニン系の異常だという説もある。
神経系の化学物質の不均衡により引き起こされる。「脳の故障」ではない。
薬剤は「青斑核」に入り、治癒する。50%。
パニック発作で死ぬことはない
患者が立ち向かうべき主な対象は恐怖。
パニック発作の方は、動悸になると不安が増強する。心拍数の変化をより大きく感じる。
アドレナリンがあふれても脳や身体に害はない。
パニック発作の方はコントロール過剰な状態。リラクゼーション技法などで緩和できる。
パニック発作で気を失うか?
失神は「血管迷走神経反射」のこと。ふつうに呼吸し、過呼吸をしないこと。
過呼吸は、めまい・失神を引き起こす。
生理学的には、大幅な血圧の低下がある。脳循環血液量の減少がある。
コップ1杯の水を飲み、恐怖から気をそらすと防げる(そうカンタンにすぐおさまらないけどね
パニック発作の時、なぜ赤面するのか?
大半の聞き手は、患者が考えるほど話し手をジロジロ見てはいない。
赤面、動悸などの身体的感覚を無視すること。
高い山、酸素の少ない場所でパニック発作になりやすいのはなぜ?
身体の中の酸素が低いこと、二酸化炭素が高いことと関係がある(やっぱり。通勤電車内の酸素量を測って欲しいんだ
紙袋を口にあてて呼吸する方法も有効。
パニック発作の方は「過呼吸常習者」。
子どもの頃のいじめ体験は原因になりますか?
幼少期の精神的外傷体験は、パニック障害を引き起こす可能性がある。
幼少期にトラウマ歴のある人は、パニック発作でよく受診する。
発作で苦しむ患者に精神療法をするのはとても難しい。
いじめのような精神的外傷体験を隠すことで、警戒と不安を引きずることがある。
パニック発作の方は、恐怖の中で生きてきた。それらの問題を扱って、ようやくラクになる。
「広場恐怖」とは?
パニック障害者は、子どもを作らないほうがいいか?
生物学的第一親等の同胞は、それ以外と比べ4~7倍、パニック障害になる確率が高い。(つまり遺伝する可能性が高い
女性は、男性より罹患することが多い。
将来、遺伝子工学は、遺伝子改造まで発達し、生まれる前に疾病を取り除けるかもしれない。
リスクと原因
コーヒーを飲んだ後にパニック発作になる
刺激物は、パニック発作を起こす中枢神経系経路を活性化する。
コーラ、お茶などカフェイン入りの飲料はやめたほうがよい。
麻黄を含む中国ハーブ、マテ茶は刺激剤となる(あ、マテ茶飲んでます
十分な睡眠をとらないとパニック発作を起こす?
パニック発作の対処法は、睡眠・食事を十分にとり、ライフスタイルを規則正しくすること。
規則正しい朝食・昼食・夕食のスケジュールをつくる。
深夜までにベッドに入り、8時までには起きる。8時間睡眠は非常に重要な習慣。
パニック障害になったら禁酒したほうがいい?
アルコールがパニック発作の引き金だと気づいている患者がいる。予防にもなる。
多くの抗うつ剤、パニック障害の治療薬は、アルコールと併用してはいけない。
女性のほうがパニック発作になりやすい?
広場恐怖のないパニック障害の場合は女2:男1、
広場恐怖のあるパニック障害の場合は女3:男1、理由は不明。脳内ホルモンの起因と思われる。
アルコールやドラッグはパニック障害を隠すため、男性が飲酒やドラッグでパニック発作を隠しているとも考えられる。
「女性の問題」として考えて、認めたがらないため。
エスニック系はパニック発作を起こしやすい?
エスニック系は他と比べてパニック発作を起こしません。
エスニック系は他と比べて治療薬に対して異なった反応を示す。より多くの副作用・毒性が出ることもある。
しかし、発作の重要性を否定・無視する人もいる。
精神障害にかかることは、社会的に排斥される可能性があるため。
昔は、屋根裏部屋に閉じ込められた(ショック療法とかね
そうした虐待、否定的態度がなくならなければ、進んで認める社会にはならない。
年齢と関係はある?
年齢は1つの因子。青年期後期~30代半ばまでにパニック発作が起こる。
高齢の場合は、甲状腺機能亢進症、低血糖かもしれない。
パニック発作のリスクを調べる検査はあるか?
リスクを決定する血液検査などはないが、身体疾患を除外する検査をする。
しかし、これでパニック発作かどうか診断はできない。
チョコレートなど砂糖を大量に食べるとパニック発作になる?
明確な研究はない。ブラックチョコレートは赤ワイン同様、心臓に良いことが分かっている。
極端に糖分摂取する人はかかりやすい説もあるが、証明はされていない。
「僧帽弁逸脱症」は、パニック発作の原因になる?
原因にはならないが、僧帽弁逸脱症の50%はパニック発作を持っている。理由は分からない。
都会から田舎に移住したら、パニック発作が止まりました
都会の喧騒が神経にさわったり、パニック発作のエピソードを増やすことに気づく人もいる。
1つの要因に焦点を絞るのは誤りで、可能性は少ない。
自分のストレスレベルが減少することなら何でも試してみるべき。
ヨガ、ピラティス、アレクサンダー・テクニックなど。
精神療法でパニック発作は止まるか?
中枢神経系を穏やかにするのに役立つ。
精神療法は、人々が葛藤を処理し、抱いている気持ちに気づき、
自己の行動を分析するよううながすことで、パニック発作が減少する(カウンセリングを1年間受けたことは、とても役に立ったと思うな
ふつうは、感情を抑圧して仕事に出かけてしまう。
パニック発作の引き金になるのは、こうした「感情の抑圧」。
自分が何を感じているのかを知り、表現することでパニック発作が消えることがある。「陰性転移」
診断
パニック発作は、ほかの病気と関係がある?
パニック発作に似ている病気は多い。甲状腺機能亢進症、高血糖・低血糖、褐色細胞腫など。
精神科医なら、内分泌専門医、心臓病専門医、リューマチ専門医などを紹介可能。
パニック発作の方は、たいてい内科的には健康な状態にある(そう。健康診断はいつもOK
パニック発作は、うつ病と関係がある?
パニック障害とうつ病は共通の遺伝性があると思われている。
幸い、抗うつ剤で療法の治療が可能。
「大うつ病」と呼ばれる病型の基準がある。
「双極性障害」と、パニック障害に同時にかかることはある?
あり得る。双極性障害の方の多くがパニック発作を起こす。
双極性障害だったゴッホや、バージニア・ウルフの話は知られているが、
パニック障害の著名人の話はそれほど多くない。
パニック発作のもっとも頻繁に起こる時間は決まっている?
パニックはいつでも発作が起きる。
外出時に起こる場合は「広場恐怖」に発展することがある。
夜間に目覚めてしまう人は、「夜驚症」と区別しなければならない。
パニック発作で目覚めるなら、治療薬を見直す必要がある。
時に少量の追加投与で消えることもある。
投薬量増減の変更に躊躇するのは誤り。治療は、進行中のプロセス。
公衆の面前で話す時いつもパニック発作が起きる。これは社会恐怖?
「社会恐怖」は持続性の恐怖。自分の恐れを分かっていて、それを避ける。人口の3~13%が罹患している。
引っ込み思案の子ども時代を経て、十代の頃に始まる。
パニック発作と「全般性不安障害」を持っているが、違いは?
パニック発作は、「全般性不安障害」より間欠的で、エピソード的。
「全般性不安障害」は、常に落ち着きのなさ、倦怠感、不眠が気になる。
人前で困惑したり、不潔なことに対する不安。
多くは子どもの時に発症する。パニック障害と違ってSSRIは効かない。個人療法が有効。
高所恐怖が引き金となった発作は、パニック発作?
パニック発作には3種類ある。
1.突然のもの。きっかけのないもの。
2.状況依存性のもの。高所、動物など。
3.状況依存傾向のあるもの。起こりそうだが、起こらなくてもよい状況。部屋にいれば起こらないかもしれない。
高所恐怖が引き金のパニック発作は、2と考えられる。
たいていは、1で、きっかけもなく起こる。より潜行性(混んだ電車で急に起きたのは1か? 2か?
状況から身を守れないため、広場恐怖に発展する。
9.11後、パニック発作が起こる
「PTSD」とパニック障害の両方の可能性がある。
9.11のような大惨事はパニック発作を引き起こす。
主な診断に「PTSD」とするか、「併存」と診断することがある。
「PTSD」は、強い恐怖、無力感、嫌悪を伴う。
関連した刺激を避け、孤立した感覚などを抱く。
レイプされた患者さんの場合、女性がレイプされる映画やテレビを見るたびパニック発作が起こる。
夫がパニック発作を起こし、頻脈と高血圧だと分かって心配
最初にすべきなのは精神科医にかかること。
時に、身体的に健康だと信じられず、ドクターショッピングする人がいる。
「心気症」は、パニック発作には良くない状態。
パニック発作の後、意気消沈し、自己嫌悪に陥る
パニック発作後に、羞恥・落胆が出現する。うつ病の併発診断が必要。
人は不都合なことは自分には起こらないと信じることを、善意をもった親などから「訓練」される。
自然の成り行きを継続的に受け入れることを可能にする意味で、精神療法は有用。
否定的な思い込みを検討することが必要。
予防と治療
パニック発作を治療するのはどんな医師?
精神科医はエキスパート(人によるよ
リラクゼーション、フラッディング、モデリング、など。
フラッディングは、パニック発作の方には有害。
臨床心理士やソーシャルワーカーは、精神療法を行うが、治療薬の処方はできない。
みな異なる専門技術をもっている。
例:医学博士、整骨治療医などもつ精神科医もいる。
パニック発作の治療薬にValium、Xanaxは良くないと聞いたが?
Valium、Xanaxは依存につながる可能性がある「ベンゾジアゼピン系薬剤」の仲間。
長期戦の場合、GABA系に好ましくない影響を与える。
脳は内因性ベンゾジアゼピンを持っていて、パニック発作の方は自然の物質が十分でないといわれる。
パニック発作を止める最良の薬剤は?
抗うつ剤。SSRI、三環系抗うつ薬(TCA)も効果がある。
抗うつ剤が効くのに2~6週間かかるため、ベンゾジアゼピン系薬剤の併用が必要。
治療薬にはいろいろ悪い評判が出回るもので、できるだけ服用しないほうがよいと思い込みがち。
「自然に即した方法」を希望する人も多いが、精神障害には効果がない(言い切ってるのがアメリカらしい。日本では漢方も出すけどね
クスリの多くは、自然の治療薬としてスタートし、人工的に生産されるようになった。
大量生産、経済的理由で、植物性の化学薬品が製造されている。
パニック発作のSSRIを服用したら、吐き気と強い頭痛があった
パニック発作の方の多くはSSRIに感受性が高い。
薬剤の量は、体重に比例し、肝機能に左右されることがある。
薬剤と一緒にドライクラッカーを食べたり、ジンジャエール(!)を飲むのも1つの方法(なにか胃に入れたほうがいいとは思うけど
「ノセボ反応」:あるクスリに過剰反応し、有害な反応を示す。
「プラセボ反応」:砂糖でも陽性の効果が出る。
パニック発作は、良くなる人と、良くならない人がいるのはなぜ?
クスリを服用しても治らない人がいる。理由は分からない。その比率は半々。
抗うつ剤を服用している人の50%が1年間パニック発作が起こらず、50%は再発する。
中断せずに1年間服用すること。同時に精神療法を行うのが最良の治療計画の1つ。
精神療法は、実際、脳内の化学現象を変化させる。
行動療法とは?
系統的脱感作療法、リラクゼーション訓練、フラッディング、モデリング、正・負強化、バイオフィードバックなど。
「条件づけ」は新しい反応を獲得、訓練する過程。
広場恐怖、動物恐怖、水恐怖などにはとくに有効。
「バイオフィードバック」血圧・脳波・体温などの情報を自分で知り、体調を自己制御する方法。
もっとも重症のパニック発作とは?
2年間、1日約20回パニック発作を起こしていた高校教師がいた。
彼女は仕事、運転をやめ、45歳で引きこもった。
投薬開始4週間後、パニック発作は1日10回に減った。
仕事に復帰し、運転を再開、数ヶ月後にパニック発作は止まり「服用を中止してもよい」と言ったがまだ続けている。
パニック発作が軽減しても、再発するか?
再発はある。数年後の人もいる。
ストレスの多い状況は、再発の可能性がある。
パニック発作の方は、融通がきかず、完全主義、自分の過ち・病気を受け入れない傾向がある。
「洞察精神療法」は1つの方法。
多くの病気は慢性経緯となり、何年も付き合うのは糖尿病、関節炎などと同じ。
【予防対策】
・カフェインを避ける(コーヒー、緑茶など、コーラなど
・刺激薬を使用しない(アンフェタミン、エフェドラ、コカイン
・規則正しい生活、6~8時間の睡眠
・野菜・果物、健康な食生活
・高地のような低酸素環境は避ける
パニック発作にビタミンBは効く?
ビタミンB他のサプリが有効だという研究はない。
鍼治療やハーブ療法などの代替医療を試す人も多いが、人によって効果は違う。
part2につづく・・・
キャロル W.バーマン/著 東柚羽貴/翻訳 郭哲次/監訳
【内容抜粋メモ】
アメリカと日本の医療や文化などの差があるので注意。
※本書の有用なポイントは、マービンさんというパニック障害の方が、患者の立場からコメントをしていること。
・まえがき
男性の19%、女性の31%が、一生のうちいずれかの不安障害になる。
パニック発作の症状は、窒息感、発汗、心悸亢進など。
睡眠中に飛び起きる「夜間パニック発作」まである。
年間、30~40%がパニック発作を起こすが、パニック障害の生涯有病率は約3.5%。
正しい治療を受ければ、1ヵ月前後にパニック発作が消える確率は90%。
基本編
・パニック発作とは?
「DSM-Ⅳ」に基づく。
パニック発作を「不安発作」と混同しないこと。
再度、パニック発作が起こるかもしれないと、いつも心配している状態。「予期不安」
パニック発作が起こるしくみ
パニック発作が起こると、「闘争・逃走」の化学物質・エピネフリンが誤って放出される。
狭い場所に閉じ込められるという思い込み、恐怖体験が隠されている。
座って深呼吸し、認知行動療法を行うこと。衝動的に逃げるのは誤った行為。
逃げても症状を止めることにはならない(そうはゆってもねぇ・・・
パニック発作は、不安のエピソードがあり、「全般性不安」とは違う。
「全般性不安」はどこでも生じ、一生続く場合がある。
私たちが生活している現代は「不安の時代」と呼んでいる。
「強迫性障害」「社会恐怖」「PTSD」「全般性不安」「物質誘発性不安障害」など。
現在の薬物治療+精神療法は、必ずしも十分ではない。
だが、パニック障害のSSRIは有効。
現実感喪失とは?
今起こっていることが現実ではないと感じること。
例:地下鉄に乗っているほかの乗客がロボットのように見える。
パニック障害の方は、現実との接触を絶たれることを極端に恐れるため、飲酒、ドラッグを使用しない。
「離人症」とは?
「自分の外側にいる」感覚。
「万事大丈夫、すぐ自分を取り戻す」と自分に言い聞かせること。
離人症が長く続くことはほぼない。
パニック発作の原因は?
仮説の1つは、脳内の警告システムが誤って作動する。「青斑核」
何も悪い事態がないのに、恐怖におびえ、「闘争・逃走」反応になる。
最近は、GABA、セロトニン系の異常だという説もある。
神経系の化学物質の不均衡により引き起こされる。「脳の故障」ではない。
薬剤は「青斑核」に入り、治癒する。50%。
パニック発作で死ぬことはない
患者が立ち向かうべき主な対象は恐怖。
パニック発作の方は、動悸になると不安が増強する。心拍数の変化をより大きく感じる。
アドレナリンがあふれても脳や身体に害はない。
パニック発作の方はコントロール過剰な状態。リラクゼーション技法などで緩和できる。
パニック発作で気を失うか?
失神は「血管迷走神経反射」のこと。ふつうに呼吸し、過呼吸をしないこと。
過呼吸は、めまい・失神を引き起こす。
生理学的には、大幅な血圧の低下がある。脳循環血液量の減少がある。
コップ1杯の水を飲み、恐怖から気をそらすと防げる(そうカンタンにすぐおさまらないけどね
パニック発作の時、なぜ赤面するのか?
大半の聞き手は、患者が考えるほど話し手をジロジロ見てはいない。
赤面、動悸などの身体的感覚を無視すること。
高い山、酸素の少ない場所でパニック発作になりやすいのはなぜ?
身体の中の酸素が低いこと、二酸化炭素が高いことと関係がある(やっぱり。通勤電車内の酸素量を測って欲しいんだ
紙袋を口にあてて呼吸する方法も有効。
パニック発作の方は「過呼吸常習者」。
子どもの頃のいじめ体験は原因になりますか?
幼少期の精神的外傷体験は、パニック障害を引き起こす可能性がある。
幼少期にトラウマ歴のある人は、パニック発作でよく受診する。
発作で苦しむ患者に精神療法をするのはとても難しい。
いじめのような精神的外傷体験を隠すことで、警戒と不安を引きずることがある。
パニック発作の方は、恐怖の中で生きてきた。それらの問題を扱って、ようやくラクになる。
「広場恐怖」とは?
パニック障害者は、子どもを作らないほうがいいか?
生物学的第一親等の同胞は、それ以外と比べ4~7倍、パニック障害になる確率が高い。(つまり遺伝する可能性が高い
女性は、男性より罹患することが多い。
将来、遺伝子工学は、遺伝子改造まで発達し、生まれる前に疾病を取り除けるかもしれない。
リスクと原因
コーヒーを飲んだ後にパニック発作になる
刺激物は、パニック発作を起こす中枢神経系経路を活性化する。
コーラ、お茶などカフェイン入りの飲料はやめたほうがよい。
麻黄を含む中国ハーブ、マテ茶は刺激剤となる(あ、マテ茶飲んでます
十分な睡眠をとらないとパニック発作を起こす?
パニック発作の対処法は、睡眠・食事を十分にとり、ライフスタイルを規則正しくすること。
規則正しい朝食・昼食・夕食のスケジュールをつくる。
深夜までにベッドに入り、8時までには起きる。8時間睡眠は非常に重要な習慣。
パニック障害になったら禁酒したほうがいい?
アルコールがパニック発作の引き金だと気づいている患者がいる。予防にもなる。
多くの抗うつ剤、パニック障害の治療薬は、アルコールと併用してはいけない。
女性のほうがパニック発作になりやすい?
広場恐怖のないパニック障害の場合は女2:男1、
広場恐怖のあるパニック障害の場合は女3:男1、理由は不明。脳内ホルモンの起因と思われる。
アルコールやドラッグはパニック障害を隠すため、男性が飲酒やドラッグでパニック発作を隠しているとも考えられる。
「女性の問題」として考えて、認めたがらないため。
エスニック系はパニック発作を起こしやすい?
エスニック系は他と比べてパニック発作を起こしません。
エスニック系は他と比べて治療薬に対して異なった反応を示す。より多くの副作用・毒性が出ることもある。
しかし、発作の重要性を否定・無視する人もいる。
精神障害にかかることは、社会的に排斥される可能性があるため。
昔は、屋根裏部屋に閉じ込められた(ショック療法とかね
そうした虐待、否定的態度がなくならなければ、進んで認める社会にはならない。
年齢と関係はある?
年齢は1つの因子。青年期後期~30代半ばまでにパニック発作が起こる。
高齢の場合は、甲状腺機能亢進症、低血糖かもしれない。
パニック発作のリスクを調べる検査はあるか?
リスクを決定する血液検査などはないが、身体疾患を除外する検査をする。
しかし、これでパニック発作かどうか診断はできない。
チョコレートなど砂糖を大量に食べるとパニック発作になる?
明確な研究はない。ブラックチョコレートは赤ワイン同様、心臓に良いことが分かっている。
極端に糖分摂取する人はかかりやすい説もあるが、証明はされていない。
「僧帽弁逸脱症」は、パニック発作の原因になる?
原因にはならないが、僧帽弁逸脱症の50%はパニック発作を持っている。理由は分からない。
都会から田舎に移住したら、パニック発作が止まりました
都会の喧騒が神経にさわったり、パニック発作のエピソードを増やすことに気づく人もいる。
1つの要因に焦点を絞るのは誤りで、可能性は少ない。
自分のストレスレベルが減少することなら何でも試してみるべき。
ヨガ、ピラティス、アレクサンダー・テクニックなど。
精神療法でパニック発作は止まるか?
中枢神経系を穏やかにするのに役立つ。
精神療法は、人々が葛藤を処理し、抱いている気持ちに気づき、
自己の行動を分析するよううながすことで、パニック発作が減少する(カウンセリングを1年間受けたことは、とても役に立ったと思うな
ふつうは、感情を抑圧して仕事に出かけてしまう。
パニック発作の引き金になるのは、こうした「感情の抑圧」。
自分が何を感じているのかを知り、表現することでパニック発作が消えることがある。「陰性転移」
診断
パニック発作は、ほかの病気と関係がある?
パニック発作に似ている病気は多い。甲状腺機能亢進症、高血糖・低血糖、褐色細胞腫など。
精神科医なら、内分泌専門医、心臓病専門医、リューマチ専門医などを紹介可能。
パニック発作の方は、たいてい内科的には健康な状態にある(そう。健康診断はいつもOK
パニック発作は、うつ病と関係がある?
パニック障害とうつ病は共通の遺伝性があると思われている。
幸い、抗うつ剤で療法の治療が可能。
「大うつ病」と呼ばれる病型の基準がある。
「双極性障害」と、パニック障害に同時にかかることはある?
あり得る。双極性障害の方の多くがパニック発作を起こす。
双極性障害だったゴッホや、バージニア・ウルフの話は知られているが、
パニック障害の著名人の話はそれほど多くない。
パニック発作のもっとも頻繁に起こる時間は決まっている?
パニックはいつでも発作が起きる。
外出時に起こる場合は「広場恐怖」に発展することがある。
夜間に目覚めてしまう人は、「夜驚症」と区別しなければならない。
パニック発作で目覚めるなら、治療薬を見直す必要がある。
時に少量の追加投与で消えることもある。
投薬量増減の変更に躊躇するのは誤り。治療は、進行中のプロセス。
公衆の面前で話す時いつもパニック発作が起きる。これは社会恐怖?
「社会恐怖」は持続性の恐怖。自分の恐れを分かっていて、それを避ける。人口の3~13%が罹患している。
引っ込み思案の子ども時代を経て、十代の頃に始まる。
パニック発作と「全般性不安障害」を持っているが、違いは?
パニック発作は、「全般性不安障害」より間欠的で、エピソード的。
「全般性不安障害」は、常に落ち着きのなさ、倦怠感、不眠が気になる。
人前で困惑したり、不潔なことに対する不安。
多くは子どもの時に発症する。パニック障害と違ってSSRIは効かない。個人療法が有効。
高所恐怖が引き金となった発作は、パニック発作?
パニック発作には3種類ある。
1.突然のもの。きっかけのないもの。
2.状況依存性のもの。高所、動物など。
3.状況依存傾向のあるもの。起こりそうだが、起こらなくてもよい状況。部屋にいれば起こらないかもしれない。
高所恐怖が引き金のパニック発作は、2と考えられる。
たいていは、1で、きっかけもなく起こる。より潜行性(混んだ電車で急に起きたのは1か? 2か?
状況から身を守れないため、広場恐怖に発展する。
9.11後、パニック発作が起こる
「PTSD」とパニック障害の両方の可能性がある。
9.11のような大惨事はパニック発作を引き起こす。
主な診断に「PTSD」とするか、「併存」と診断することがある。
「PTSD」は、強い恐怖、無力感、嫌悪を伴う。
関連した刺激を避け、孤立した感覚などを抱く。
レイプされた患者さんの場合、女性がレイプされる映画やテレビを見るたびパニック発作が起こる。
夫がパニック発作を起こし、頻脈と高血圧だと分かって心配
最初にすべきなのは精神科医にかかること。
時に、身体的に健康だと信じられず、ドクターショッピングする人がいる。
「心気症」は、パニック発作には良くない状態。
パニック発作の後、意気消沈し、自己嫌悪に陥る
パニック発作後に、羞恥・落胆が出現する。うつ病の併発診断が必要。
人は不都合なことは自分には起こらないと信じることを、善意をもった親などから「訓練」される。
自然の成り行きを継続的に受け入れることを可能にする意味で、精神療法は有用。
否定的な思い込みを検討することが必要。
予防と治療
パニック発作を治療するのはどんな医師?
精神科医はエキスパート(人によるよ
リラクゼーション、フラッディング、モデリング、など。
フラッディングは、パニック発作の方には有害。
臨床心理士やソーシャルワーカーは、精神療法を行うが、治療薬の処方はできない。
みな異なる専門技術をもっている。
例:医学博士、整骨治療医などもつ精神科医もいる。
パニック発作の治療薬にValium、Xanaxは良くないと聞いたが?
Valium、Xanaxは依存につながる可能性がある「ベンゾジアゼピン系薬剤」の仲間。
長期戦の場合、GABA系に好ましくない影響を与える。
脳は内因性ベンゾジアゼピンを持っていて、パニック発作の方は自然の物質が十分でないといわれる。
パニック発作を止める最良の薬剤は?
抗うつ剤。SSRI、三環系抗うつ薬(TCA)も効果がある。
抗うつ剤が効くのに2~6週間かかるため、ベンゾジアゼピン系薬剤の併用が必要。
治療薬にはいろいろ悪い評判が出回るもので、できるだけ服用しないほうがよいと思い込みがち。
「自然に即した方法」を希望する人も多いが、精神障害には効果がない(言い切ってるのがアメリカらしい。日本では漢方も出すけどね
クスリの多くは、自然の治療薬としてスタートし、人工的に生産されるようになった。
大量生産、経済的理由で、植物性の化学薬品が製造されている。
パニック発作のSSRIを服用したら、吐き気と強い頭痛があった
パニック発作の方の多くはSSRIに感受性が高い。
薬剤の量は、体重に比例し、肝機能に左右されることがある。
薬剤と一緒にドライクラッカーを食べたり、ジンジャエール(!)を飲むのも1つの方法(なにか胃に入れたほうがいいとは思うけど
「ノセボ反応」:あるクスリに過剰反応し、有害な反応を示す。
「プラセボ反応」:砂糖でも陽性の効果が出る。
パニック発作は、良くなる人と、良くならない人がいるのはなぜ?
クスリを服用しても治らない人がいる。理由は分からない。その比率は半々。
抗うつ剤を服用している人の50%が1年間パニック発作が起こらず、50%は再発する。
中断せずに1年間服用すること。同時に精神療法を行うのが最良の治療計画の1つ。
精神療法は、実際、脳内の化学現象を変化させる。
行動療法とは?
系統的脱感作療法、リラクゼーション訓練、フラッディング、モデリング、正・負強化、バイオフィードバックなど。
「条件づけ」は新しい反応を獲得、訓練する過程。
広場恐怖、動物恐怖、水恐怖などにはとくに有効。
「バイオフィードバック」血圧・脳波・体温などの情報を自分で知り、体調を自己制御する方法。
もっとも重症のパニック発作とは?
2年間、1日約20回パニック発作を起こしていた高校教師がいた。
彼女は仕事、運転をやめ、45歳で引きこもった。
投薬開始4週間後、パニック発作は1日10回に減った。
仕事に復帰し、運転を再開、数ヶ月後にパニック発作は止まり「服用を中止してもよい」と言ったがまだ続けている。
パニック発作が軽減しても、再発するか?
再発はある。数年後の人もいる。
ストレスの多い状況は、再発の可能性がある。
パニック発作の方は、融通がきかず、完全主義、自分の過ち・病気を受け入れない傾向がある。
「洞察精神療法」は1つの方法。
多くの病気は慢性経緯となり、何年も付き合うのは糖尿病、関節炎などと同じ。
【予防対策】
・カフェインを避ける(コーヒー、緑茶など、コーラなど
・刺激薬を使用しない(アンフェタミン、エフェドラ、コカイン
・規則正しい生活、6~8時間の睡眠
・野菜・果物、健康な食生活
・高地のような低酸素環境は避ける
パニック発作にビタミンBは効く?
ビタミンB他のサプリが有効だという研究はない。
鍼治療やハーブ療法などの代替医療を試す人も多いが、人によって効果は違う。
part2につづく・・・