■『野獣死すべし』(1980)
原作:大藪春彦 監督:村川透
出演:松田優作、小林麻美、室田日出男、鹿賀丈史、根岸季衣 ほか
▼trailer
松田優作さん出演作&角川映画シリーズ。
アクション映画はワンパターンだと高をくくっていたら、全然違ったストーリーとテイストだった。
優作さんのキャラクターも、前回観た『蘇える金狼』と真逆でビックリ。
インテリで、お酒も飲めないし、女性にも興味なし、でも銃に詳しいところは同じ。
『蘇える金狼』で朝倉が住んでいた穴倉みたいなところも妙だったが、今作の主人公・伊達が住む部屋も異様。
大好きなクラシックを聴くためのスピーカーがデカい!
『蘇える金狼』と今作は、出演者もけっこうかぶってて、岩城滉一さんが軽妙な脇役をしているのも面白い。
▼story(ネタバレ注意
大雨の夜、警部補が刺殺され、銃が盗まれ、その銃によって3人のチンピラが賭博場で射殺される事件が起こる。
犯人は、大手通信社の戦場記者だった伊達邦彦。クラシック音楽を愛聴し、たびたびコンサートに行く(指を動かすのが癖
伊達は、宝石屋に電話をして、ダイヤが欲しいからと銀行で待ち合わせる。
銀行の受付に「前に座っている男はダイナマイトと銃を持っている」と匿名で電話すると、
「伝票のチェックお願いします」という合図で、宝石屋の男は取り押さえられ、警察が駆けつけた時間を正確に測る伊達。
(そんな合い言葉や、緊急対応策があるんだねえ!
警視庁捜査第一課刑事・柏木は、「死んだような眼をした長身の男だった」という目撃情報だけで、伊達を追跡しはじめる。
コンサートホールで隣り合わせた華田令子は、レコード屋で偶然再会した伊達に声をかけるが、女性に興味を示さない。
(昔って、レコ屋に、あんなに立派な視聴室があったんだあ/驚
大学の同窓会で、友人がボーイの真田徹夫と些細なことでケンカになり、その様子を食い入るように見つめる伊達。
(アフロのボーイって! 鹿賀さん、キレッキレで怖すぎ
伊達は、クラブの上に住んでいる真田に会いに行く。
真田「その眼どーなってんだ、死んでるぞ」
伊達「君もそうです」
真田には恋人・原雪絵がいるが、フラメンコダンサーになるために渡米したいという夢があり、
その金が作れない真田の代わりに、米兵と付き合って売春をしているが、止められないという。
伊達「あなたの場合、少し世間が狭すぎるんじゃないですか?」
伊達は、真田を自らの現金強奪計画の仲間にしようと決める。
狙うのは、最初にチェックした銀行の地下金庫にある2億円。
そのために伊豆に別荘を借りて、真田に銃を撃つ練習をさせる。
(いつも朗読してるのは、萩原朔太郎の「漂泊者の歌」らしい
「女も連れてこい」と呼んだのは、動く標的として利用するためだった。
「ちょっと風にあたってくる」と外に出て、雷雨の中、もう墓穴を掘って待ってる
ここでの根岸季衣さんのダンスは、情熱的でキマってる
「あの女は確実に死んだ。土に戻る。素晴らしいじゃないか!
人殺しの快感に戸惑っているだけなんだ。不安はじき消えます。
君は今、確実に美しい。ボクと一緒に一気に駆け抜けるんだよ」
計画実行の日。
男性社員だけを容赦なく抹殺して、現金をバッグに詰めさせる。
伊豆に戻る途中の地下鉄車内で、柏木から声をかけられる。
所用で青森に行くと偽るが、新幹線にも同乗してくる。
「なぜ、通信社を辞めたんだ?」
「調べはついているんでしょう?」
戦場の前線で伊達が撮った写真を観たという柏木。
「あれはオレたちが見る検死の顔よりひでえや。
日本の新聞は穏健だから、あんたみたいなハードな写真は載せないだろう。
どうしてああゆう写真しか撮らなくなったんだ?」
伊達が犯人だと確信する柏木。
柏木「どうしてもあんたをバラしたくなってきた。そうしろと、あんたの眼が誘ってるんだよ」
「午前0時になりました。車内を暗くするので、明日の朝までごゆっくりお休み下さい」という案内が流れる。
(へえ! 夜行列車って、こんなアナウンスが入るの?驚
「寝ますか?」
伊達は、なぜか柏木に「リップ・ヴァン・ウィンクル」の話を聞かせる。
「浦島太郎」みたいな話。その時、小人にすすめられたお酒は、ラム。「これで終わりって酒だ」(そうなの???
「寝ましょう、今日は」
戦闘服を着て、すっかり狂気と化す伊達は、洞窟の中で、戦場で初めて人を殺した時の話をする。
なぜ、伊達は女性を撃たなかったのか?
きっと、戦場において女性、子どもがもっとも犠牲になっている様子を嫌というほど見てきたからでは?
実際の戦場写真が差し込まれていたり、急に映像が粗くなるラストなどの演出も凝っている。
それにしても、優作さんの映画を観るには、気力と体力が要るなあ
追。
ふとした疑問。銃で撃たれる人って、全身真っ白い服を着てることが多くないですか? 気のせい?
原作:大藪春彦 監督:村川透
出演:松田優作、小林麻美、室田日出男、鹿賀丈史、根岸季衣 ほか
▼trailer
松田優作さん出演作&角川映画シリーズ。
アクション映画はワンパターンだと高をくくっていたら、全然違ったストーリーとテイストだった。
優作さんのキャラクターも、前回観た『蘇える金狼』と真逆でビックリ。
インテリで、お酒も飲めないし、女性にも興味なし、でも銃に詳しいところは同じ。
『蘇える金狼』で朝倉が住んでいた穴倉みたいなところも妙だったが、今作の主人公・伊達が住む部屋も異様。
大好きなクラシックを聴くためのスピーカーがデカい!
『蘇える金狼』と今作は、出演者もけっこうかぶってて、岩城滉一さんが軽妙な脇役をしているのも面白い。
▼story(ネタバレ注意
大雨の夜、警部補が刺殺され、銃が盗まれ、その銃によって3人のチンピラが賭博場で射殺される事件が起こる。
犯人は、大手通信社の戦場記者だった伊達邦彦。クラシック音楽を愛聴し、たびたびコンサートに行く(指を動かすのが癖
伊達は、宝石屋に電話をして、ダイヤが欲しいからと銀行で待ち合わせる。
銀行の受付に「前に座っている男はダイナマイトと銃を持っている」と匿名で電話すると、
「伝票のチェックお願いします」という合図で、宝石屋の男は取り押さえられ、警察が駆けつけた時間を正確に測る伊達。
(そんな合い言葉や、緊急対応策があるんだねえ!
警視庁捜査第一課刑事・柏木は、「死んだような眼をした長身の男だった」という目撃情報だけで、伊達を追跡しはじめる。
コンサートホールで隣り合わせた華田令子は、レコード屋で偶然再会した伊達に声をかけるが、女性に興味を示さない。
(昔って、レコ屋に、あんなに立派な視聴室があったんだあ/驚
大学の同窓会で、友人がボーイの真田徹夫と些細なことでケンカになり、その様子を食い入るように見つめる伊達。
(アフロのボーイって! 鹿賀さん、キレッキレで怖すぎ
伊達は、クラブの上に住んでいる真田に会いに行く。
真田「その眼どーなってんだ、死んでるぞ」
伊達「君もそうです」
真田には恋人・原雪絵がいるが、フラメンコダンサーになるために渡米したいという夢があり、
その金が作れない真田の代わりに、米兵と付き合って売春をしているが、止められないという。
伊達「あなたの場合、少し世間が狭すぎるんじゃないですか?」
伊達は、真田を自らの現金強奪計画の仲間にしようと決める。
狙うのは、最初にチェックした銀行の地下金庫にある2億円。
そのために伊豆に別荘を借りて、真田に銃を撃つ練習をさせる。
(いつも朗読してるのは、萩原朔太郎の「漂泊者の歌」らしい
「女も連れてこい」と呼んだのは、動く標的として利用するためだった。
「ちょっと風にあたってくる」と外に出て、雷雨の中、もう墓穴を掘って待ってる
ここでの根岸季衣さんのダンスは、情熱的でキマってる
「あの女は確実に死んだ。土に戻る。素晴らしいじゃないか!
人殺しの快感に戸惑っているだけなんだ。不安はじき消えます。
君は今、確実に美しい。ボクと一緒に一気に駆け抜けるんだよ」
計画実行の日。
男性社員だけを容赦なく抹殺して、現金をバッグに詰めさせる。
伊豆に戻る途中の地下鉄車内で、柏木から声をかけられる。
所用で青森に行くと偽るが、新幹線にも同乗してくる。
「なぜ、通信社を辞めたんだ?」
「調べはついているんでしょう?」
戦場の前線で伊達が撮った写真を観たという柏木。
「あれはオレたちが見る検死の顔よりひでえや。
日本の新聞は穏健だから、あんたみたいなハードな写真は載せないだろう。
どうしてああゆう写真しか撮らなくなったんだ?」
伊達が犯人だと確信する柏木。
柏木「どうしてもあんたをバラしたくなってきた。そうしろと、あんたの眼が誘ってるんだよ」
「午前0時になりました。車内を暗くするので、明日の朝までごゆっくりお休み下さい」という案内が流れる。
(へえ! 夜行列車って、こんなアナウンスが入るの?驚
「寝ますか?」
伊達は、なぜか柏木に「リップ・ヴァン・ウィンクル」の話を聞かせる。
「浦島太郎」みたいな話。その時、小人にすすめられたお酒は、ラム。「これで終わりって酒だ」(そうなの???
「寝ましょう、今日は」
戦闘服を着て、すっかり狂気と化す伊達は、洞窟の中で、戦場で初めて人を殺した時の話をする。
なぜ、伊達は女性を撃たなかったのか?
きっと、戦場において女性、子どもがもっとも犠牲になっている様子を嫌というほど見てきたからでは?
実際の戦場写真が差し込まれていたり、急に映像が粗くなるラストなどの演出も凝っている。
それにしても、優作さんの映画を観るには、気力と体力が要るなあ
追。
ふとした疑問。銃で撃たれる人って、全身真っ白い服を着てることが多くないですか? 気のせい?