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Channel: メランコリア
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会見が始まる前、自分ならどうするかを考えていた。
私なら、息子が子どもの頃の写真などを見せて、母性愛を示し、息子を返して欲しいと涙ながらに訴えるだろうと。

けれども、石堂順子さんが訴えたのは、原発反対、世界平和、自然保護だったことに驚いた。
日本の国営放送から、世界中に発信した生の声は、人類を代表しているかのようで、

地球の自然を守りたい、平和でありたいという気持ちは皆同じだと思う。
原子力エネルギーを使うなら、もっと良い方法がある。

皆で力をあわせればより良くできる。
そのためなら、私の命など捨てても構わない。


この母親にして、あの息子さんなんだな。
「自己愛」を超えた「他者愛」、「人間愛」。




でも、ニュースでは「どうか息子を救って欲しい」というほうに焦点を当てていた。
事前に出していた「声明文」によるもののようだが、
生放送中では、順子さんは「息子を返して欲しい」ということについては短い言葉だけだった印象が残った。
むしろ、産まれて2週間の乳飲み子を残して、友人を助けに行く決断について疑問を持つ、と言っていた。

後藤健二さんはビデオで「これは完全に自己責任でやっている」と言いつつ、
結果的に周囲に迷惑をかけたことを、母親は詫び、周囲に感謝さえしていた。


私も共に祈りたい。
後藤さんの無事帰国と同時に、
地球に住む生きとし生けるものが、すべて等しく分かち合えることを。



ああ、こんなに気持ちのよい朝。
この青い空が、世界中のどこまでも同じく続いているというのに、
ヒトはどうして、いつまでも小さくて、いがみあっているんだろう。



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