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ドラマ『大地の子 第1部 父二人』(1995 全11話)

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ドラマ『大地の子 第1部 父二人』(1995 全11話)
原作:山崎豊子


出演:
陸一心(松本勝男) - 上川隆也(少年期:笠原秀幸)
松本耕次 - 仲代達矢
松本タキエ - 田中好子
松本耕平 - 牟田悌三
張玉花(松本あつ子) - 永井真理子

大沢咲子 - 飯塚雅弓(帰国後の咲子:十勝花子)

陸徳志 - 朱旭
王淑琴 - 呂中

袁力本 - 馮国強(少年期:張利敏)
陸秀蘭 - 高常林

江月梅 - 蒋?麗

趙丹青 - 盖麗麗
馮長幸 - 廖京生
楊祐民 - 銭学格
冷珠 - 鄭振瑶
黄書海 - 薄宏

陸燕々 - 趙娃

稲村嘉三 - 西村晃
柿田潔 - 宇津井健
斎木吾郎 - 児玉清
紅谷擁 - 山下輝彦
工場長 - 角野卓造

狭間信一 - 渡辺文雄


【ブログ内関連記事】
『シリーズ戦争孤児4 引揚孤児と残留孤児~海峡を越えた子・越えられなかった子』(汐文社)

上記の本を読んでこのドラマを観たくなった。
随分前に、母もこのドラマをテレビで観たらしく感動したと言っていたのを思い出した。

一番驚いたのは、上川隆也さんの中国語の流暢さ
「この人、中国人だったの?!」と思って調べたほど。
意味は分からないまま、短時間で音で覚えたって書いてあったけど、凄すぎる。
中国語にも、日本同様、地域によっていろいろアクセントが違うと分かった。

このドラマの主人公のたどった苦悩の連続の人生は、まさに上記の本の証言通りで、
原作者の山崎豊子さんの想い入れもひしひしと感じた。

まだまだ知らない歴史があるなあ。
それも、生き証人がいらっしゃる、そう遠い過去じゃないこと。

戦争は、その時、命を奪われるのも悲劇なら、その後の人生にも長い、はかり知れない影を落とすものだと改めて知った。



▼あらすじ(ネタバレ注意
「文化大革命」
「労働改造所」

1966年。「文化大革命」により、日本人の子で中国人の養父母に育てられた陸一心は、
スパイの冤罪をかけられて「労働改造所」(極寒の僻地の強制労働所)に送られる。
そこでは毎晩のように夢に戦争から逃げる家族、妹アツコが出てくるが、当時のショックが大きく記憶はなくなってしまっている。



陸一心の実父・松本耕次は、東洋製鉄の社員。
満州開拓団にいた妻タキエ、父耕平、長男勝男、長女アツコ、次女ミツコらと別れたまま、死んだものとして仏壇に弔っている。



柿田本部長も、妻を満州で亡くしている。
耕次が海外出張から戻ると、柿田から、マレーシアにいた耕次の妻(再婚相手・ノブコ)がくも膜下出血で急死したと知らせる。


昭和20年。ソ連参戦、必死の逃避行
 

昭和20年。ソ連参戦の知らせが信濃郷満蒙開拓団(!)に入り、タキエらも含め全員とりあえずの荷物を持って徒歩で逃げる。

 

へとへとになって関東軍駐屯地に着くと、兵らはとっくに逃げた後。
リーダーは「満鉄まで行けば大丈夫だ。あと170km頑張ろう!」
残っていた数人の兵士らも「一緒に行く」といって指揮をとる。

途中でトラック、布団など、重荷になるものは「全部捨てていけ!」と言われる。
大河を渡る時、リーダーの妻は溺れ死ぬ。

タキエが背負っていたミツコも冷たくなっていて「父ちゃんに会わせる顔がねえ!」と泣き崩れる。
「赤ん坊はここに放置していってほしい」と言われる。(8/15)

「5歳以下の子どもは足手まといだ。全員殺せ! 母親が殺らないなら、オレたちが殺る!」と兵士が命令。
アツコは6歳だと誤魔化して助かる。

道の途中で捨てられている老人、子どもがいて、祖父・耕平も「わしもここに残る!」と言い出し、タキエは祖父を背負って歩く。
その後、祖父は病気となり「勝男、父ちゃんには、母ちゃんは偉かったと言うんだぞ」と言って亡くなる。

佐渡開拓団に着くと皆、集団自決した後だった
リーダー「イランに向かう。そこからハルピンに行く!」




佐渡開拓団でソ連軍の爆撃
敗戦のビラを落とす飛行機を信じず銃で撃ち落したため、ソ連軍は反撃のため爆撃し、開拓民も皆殺しとなる。
死んだふりをして助かった勝男は、ショックで自分も家族も分からなくなる。

 
「母という実感がなかった。涙も出なかった」

親しい大沢咲子も助かり、母タキエの死体を見せる。咲子の家族も皆死んだ。
アキコは助かり、勝男と再会する。

その後、現地民がきて、3人は連れ去られ、咲子は「オレの嫁にする」とつれていかれ、アツコも皆バラバラとなる。
「七台屯」で強制労働させられていた勝男は、命からがら家を逃げ出し、列車に乗り込む。



小学校教師・陸徳志、その妻・淑琴との出会い
汽車では、袁力本という少年に助けられる。家が貧しく、口減らしにあったという。
勝男らは駅員に見つかり、逃げる途中でエンと離れ離れになる。
着いた大きな駅は、その後「長春」と分かる。
妹がいるかもしれないと言われた場所で、毎日のように探したが見つからなかった。

ゴミ箱から食べ物をあさったりして路上生活をしていると「ご飯いっぱい食べさせてあげる」と日本語で話しかけられ、
ついていくと、彼は「人売り」だと分かる。

 

「行商、荷運びなんでもやるよ!」と売られているのを見た、小学校教師・陸徳志は、「可哀想だ」と言って、
なけなしのお金で勝男を買い、家に連れて帰る。

その後、一心は「黒液病」にかかり、クスリ代が高いため、「日本人街」に連れていけば、誰か助けてくれるかもしれないと思ったが、
まったくのゴーストタウンとなっていて、徳志はいったん勝男を置いていくが、「私の子だ! ウチへ帰ろう!」と連れて帰り
養子にして「陸一心」と名付ける。

 

この街にも革命の戦火が押し寄せ、徳志の実家に行くことにする。「蘇家屯」
途中、2ヶ所、関所?があり、勝男の中国語のアクセントがおかしいと言われて呼び止められ、、
引き裂かれそうになるが、徳志が小学校教師であることと、泣いて頼んだことが「親子愛は、思想に忠実だ」と言われ、
勝男は夫婦のもとに駆け寄り、初めて「父、母」と呼ぶ。

途中、食糧の略奪に遭うが「あの人たちは私たちより飢えている。食べさせてやりなさい」と徳志。

徳志「一心は、実の父母の名前を忘れてしまうほど辛い目に遭った。今後も一生差別と闘うことになるだろう」

徳志の兄弟の子らは一心をイジめたが、末っ子の秀蘭だけは仲良くしてくれた。
エンとも再会する。エンは秀蘭が好きだった。

 

ここにも革命の「紅衛兵」が来て、日本人の子を育てているせいで、徳志は“売国人”と呼ばれ、引き回しの刑にすると脅される。



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