■『日本と世界のちがいを考える本1 国際理解にやくだつ こんなにちがう日本の常識・世界の常識』(ポプラ社)
飯塚峻/監修
わりと基本中の基本を書いた本だった。
初版が2000年で、世の中の変化のスピードが超高速になってるせいで、けっこう古い印象を受ける文章も多いけど、
でも、いまだに外国のホテルの廊下をスリッパで歩いちゃうおじさんとかいそう
お互い文化が違うんだってことで、全部、欧米に倣う必要もないしね。
むしろ、今は「和食」「お弁当箱」などなど、日本文化の素晴らしさが
やっとそのまま理解されるようになってきた。
逆に、日本人が忘れかけているのが残念だけど。
「日本人は受け身だ」「ディベート力が育たない教育」の話には耳が痛い。
宮さん(宮崎駿)も「校長の話だって、戦争の軍隊の名残り。あんなの要らない」ゆってたっけ。
本書にも、学生服は軍隊の名残りだって書いてあった
中学の時だったか、校長の話の途中で貧血になって女子生徒が3人も倒れたのに、話を最後まで延々と止めなかったことがあった。
それを見て、校長っていうのは、生徒の健康より、自分の権威を示したいんだなってことと、
そんな校長を止めない他の先生を見て、教育の世界も縦社会で、上には逆らえないんだなってことを学んだんだ。
【内容抜粋メモ】
日本人のあいさつ おじぎはふしぎな習慣
もとは、武家に伝わる秩序を守るための礼儀で、相手に敬意、感謝を表す行為。
正式な「座礼」は、おじぎの完成形。相撲、歌舞伎の口上、落語などの挨拶で見られる。
立ったままのおじぎは「立礼」といい、今は主流。
欧米は握手が正式
日本で選挙候補者が握手するのは、自分を印象づけようとする作戦の1つ(言い切ってるねえ!
正式には、相手に合わせて握手する。握手は世界共通になりつつある。
もとは、ヨーロッパで、森で出会った時、笑って、敵意がないことを表し、
手を出して武器がないことを示し、安心してもらうためだった(どんだけ危険なんだ
おじぎ同様、握手も目下の人が先に右手を差し出し、手を握って上下に振る。
がっちり握って、大きく振るのはアメリカ式。ヨーロッパではやわらかく、振り方も小さい。
和食
外国人が食べられない和食のベスト3
・刺身
・納豆
・梅干し
慣れて、好んで食べる人もいる。
食事のマナー
和食
「本膳料理」武士の作法による。結婚式、茶道の懐石料理、本膳料理を庶民的にした「会席料理」、即席料理、家庭料理。
料理を楽しむ気持ち、もてなす人への感謝、食べる姿の美しさが作法(作り手への感謝は?
箸置きがない時は、持つほうをお膳の外に出す。わん盛りは、食べ終わったら蓋をする。
(それより、音を立てて食べるほうが気になる
洋食
音を立てないこと、口に入れたまま喋らないこと(食レポはアウトだね)、パンは料理がくるまで食べないこと。
(イタリア人って、パスタをスプーン使わないってホントかな? イタリア人でもズルズル食べる人はいるだろうね
お正月とクリスマス
お正月:年神さまを迎える行事。農業の始まりも意味していた。
(母の実家では、正月、冬だけは農作業をやらずに父母が家にいたから嬉しかったって母が話してたけどな
「年賀状」
江戸時代の終わり頃に始まった。最初は店の主人が1軒ずつ歩いて年始回りをしていたが、
数が増えて、代理人が行く→玄関に名刺を置く→明治になって名刺を郵便で送り→「年賀状」になった。
海外には、「年賀状」はなく、クリスマスカードに「そして、新年おめでとう」と書く。
アメリカなどでは、カウントダウンパーティで、1月1日の午前0時になると「ハッピー・ニュー・イヤー」と歓声を上げる。
キリスト教国で、日本のクリスマスのように大騒ぎをするところはない。
イヴは町の店を閉め、家族と静かに夜を過ごす。
(クリスマス商戦はどこも同じ気がするけど、この時期に旅行に行くと店が閉まってたって話は聞いたことある
日本人は無宗教が多い
日本憲法では「信仰の自由」が保障されている。
日本人の65%が「信仰を持っていない」と答えるが、宗教行事には参加することから、単に宗教に無関心なだけかも。
神社周辺を掃除したり、盆踊りを踊ったり、仏壇・神棚に手を合わせたり、
教会で結婚式を挙げたり、葬式はお寺であげたり、お祭りでは神主さんのお祓いをしたり、
宗教というより、地域の風俗習慣に変わった。
戒律が厳しいユダヤ教は、金曜日の日没から「安息日」が始まり、次のことが禁じられる。
働くこと(イイね)、電気器具を使うこと、自動車に乗ること、髪の毛を洗うことなど。
日本人は祭り好き
宗教と関係ないお祭りが続々と作られ、地域の活性化に役立てている。
費用は、地域の人たちの寄付などや、観光協会の予算でまかなっている(なんか生々しい話に・・・
右利きと左利き
世界中の多くは右利き。
理由は、心臓が左にある人がほとんどなので、危険な仕事をする時など、心臓に遠い右手を使うためといわれる。
(え、心臓って左にあるの?! ちょっと調べたら、真ん中って書いてあったけど・・・?
昔は幼いうちから、無理やり右利きに変える練習をさせた(左利きのほうがカッコいい気がする
最近は、左利き用のスポーツ用品なども増えている。
本来の右利きと左利きの割合は世界中同じようなもの(あれ、最初に「右利きが多い」って
イスラム教では、右手で食べ、左手は「不浄」(トイレで使う)なので、ものを渡す際など注意。
子どもたちの生活
アメリカでは、教室に入る時は、担任がドアを開けて、初めて中に入れるため、教室の入り口に並んで待つ。
(ドラマとかでそんなシーン見たことないが
終業後の掃除は、専門の人がやってくれる(じゃあ、「男子サボらないでよ~!」ていうのはないねw
「朝礼」は、ドイツ以外ではほとんどない。
上履きに履きかえることもない(こないだジムで執拗に「中履き」と言い替えられたのは意味があるのか?
ランチは、給食よりお弁当の持参が多い。自宅に帰って食べる国もある。
日本のように、教室で生き物を飼うのは、世界的に見て珍しいこと(へえ!
ジャパニーズイングリッシュ(英単語を組み合わせた日本語)
世界にも外来語はあるが、日本ほど自由に使いやすくしている国は珍しい。
例:
「バックミラー」=rearview mirror
「ナイター」=night game
「外来語辞典」をひくと、本来の英語が分かる。
習慣の違い(ボディランゲージの話だね
人を呼ぶ時の手つきは、日本と反対/×のポーズはない
「いただきます」の挨拶は外国にはない。
イスラム教では頭に魂が宿るといわれるので子どもの頭はなでない/南米チリでは人前で靴を脱ぐのはとても恥ずかしいこと(へえ
イスラムの女性は、屋外では髪と顔を布で隠す決まりがある(これは女性差別だ
参照:ピースやOKサインもNG?海外旅行でトラブルのもとになる10のジェスチャー
海外旅行者や、国内で外国人と英語で喋れない人がやってたりすると焦ることもある
こどもの意見を尊重する海外
日本では、家族1人1人より、まとまりを第一に考える傾向があり、
気づかないうちに、子どもがまるで親の所有物のように扱われている場合もある。
社会的な場で、自分の意見を発表する機会も少なく、自分なりの考えを持つことが少ない。
日本、韓国、中国、トルコなど7カ国の調査で、
「父母との心理的距離が遠い」「父母とうまくいっていない」と答えたのは、日本がダントツ1位だった。
スウェーデンでは、子どもも国民の1人ということで、権利が守られる様々な法律がある。
国連では「子どもの権利条約」が1989年にできたが、日本が調印したのは1994年。
「子どもにも自分の意見を言う権利がある」
「子どもにもプライバシーを持つ権利がある」
日本にも1996年には、夫婦別姓でもよいという動きが出た。
家族のまとまりにこだわらず、1人1人の権利を考えてみよう。
「義務教育」とは?
「義務教育」とは、みんなが等しく教育を受ける権利があることに基づいて法律で定めている。
日本の子どもは6~15歳までは必ず学校で勉強しなければなりません。
(こないだの「週刊ニュース深読み」で、これが大きな誤解で、自殺の原因にも影響しているってゆってたよね
「義務教育」の解釈の誤解
「子どもは学校に行かなければならない」と捉えている人が多いが、
本来の意味は、「大人が子どもに教育を受けさせる義務がある」ということ。
つまり、子どもに働かせている国も多いから、教育を受けるチャンスを与えることを義務づけたって意味と私はとらえているんだけど。
日本では、3月に卒業式、4月に入学式だが、欧米の多くは新学期は9月から始まる。
西暦(太陽暦、グレゴリオ暦)と、「太陰暦」を使う国による違いもある。
日本の学校は生徒40人に先生一人で大いそがし
日本では、体力・体格・健康・通学路などを考えてクラス編成をしている(そうなの!?驚
1クラス40人まで、41人だと2クラスに分ける。これは、昔の教室の広さから計算された名残り。
明治時代は定員80人でギュウギュウ詰めだった!?
アメリカは1クラス30人、イギリスは40人以下、フランスは25~30人(あまり変わらなくない?
制服、制帽は軍隊の名残り
明治時代の陸軍下士官の制服が原型で、当時の東京帝国大学の学生服に採用されたのが始まり。
海外から見ると、日本の学生服は軍隊のようだという声が聞かれるのも当然。
女子のセーラー服も、イギリス海軍水兵の制服で、昭和5年頃から学生服として全国に広がった。
(学校は兵隊を作るところだって意味だね
近年は、制服を廃止しようという学校も増えた(へえ
アメリカでは、ごく一部の私立を除いて制服の決まりはほぼない。
だが、世界的に見ると、制服がある国のほうが多い。
制服の決まりがないのは、オランダ、イタリアなどわずか(前髪は目にかからないところまで切るとかいうのもないのかな
イギリスでは、身分・階級の違いが続いているため、小・中・高校まで制服を着る学校が多い。
学校給食
日本の公立小学校では99%、中学86%が給食を食べている。
大正時代に本格的に始まった。貧しい家が多く、栄養を確保するためだった。
アメリカでも92%が給食(カフェテリアみたいなやつじゃなくて?
いろいろな民族が集まっていて、宗教上の習慣の違いなどもあるためメニューがいくつかある。
アメリカ人は、日本人の約2.5倍以上も牛乳を飲むという統計がある。
だが、多くのアメリカ人は、カルシウム不足。炭酸飲料の飲みすぎが原因ではといわれる
日本でも、全員が同じものを、同じ量食べる給食に疑問が出て、お弁当と選択できる試みがある。
(量が食べきれない、食べるのが遅い、好き嫌いが激しいために、給食の時間は嫌いだったな
クラブ活動と部活動
小学校の「クラブ活動」は、「特別活動」(児童会、学級会など)の1つで、時間割に含まれる。
文部省の「学習指導要領」には、「学年、学級から離れ、同好の児童で組織し、共通の趣味を追及する活動」とある。
中学では、小学校の「クラブ活動」と区別して「部活動」と言われる(全然、意識してなかった!
週3回ほどだが、毎日ギリギリまで練習する部もある。
海外には、入学式、運動会、文化祭がほぼ行われないため、地域のスポーツクラブなどに入るのが一般的。
「阪神淡路大震災」以降、「特別活動」でボランティア活動に取り組む学校もある(イイね
「ICSPE」(国際スポーツ体育協議会)の東京会議(1964)で、
「スポーツ宣言」が採択され、「生涯スポーツ」が推進された。
日帰りの遠足 宿泊する移動教室、社会科見学
海外では少ない。これも集団活動を学ぶ「特別活動」の1つ。
集団活動の中で「公衆道徳」などを考える機会としている。
江戸時代の寺子屋で行っていた花見の習慣を真似たのが遠足のはじまりといわれる。
「遠足」と呼ばれるようになったのは明治から。
「林間学校」「臨海学校」などと呼ぶところもある(私の学校はそうだったな
キャンプファイアーの始まりは、イギリスのボーイスカウト。
海外で暮らす日本人のための「日本人学校」では、遠足などの行事を行っている。
修学旅行
これは日本独特。
明治21年に、教師志望の人が通った師範学校の行事として始まり、旧制中学校、高等女学校が真似て広まった。
修学旅行をしなければいけない決まりはなく、校長が決める。
大手旅行代理店には「教育部」というセクションがあり、修学旅行用のプランを用意している
私立などでは、海外への修学旅行も増えている(長野の公立でもあったような?
海外では、仲良しグループでサイクリングやピクニックなどの「卒業旅行」をすることがある。
集団の遊び
今の日本の子どもたちは、広い空き地が少ない、交通事情などで、屋外で遊ぶ機会が減った。
その代わり一人でも遊べる遊び(テレビゲーム、マンガ)などが増えた。
海外でも、日本のアニメは人気で、各国の言葉に吹きかえられている。
日本のこどもは塾通いでいそがしい
約8割の小学生が、平均週3回ほど(中には毎日)、習い事に通っている。
塾通いが多く、地域に1ヵ所は塾があるのは、日本の特徴。
ベトナムも中学に進学するため塾通いが多い。
【小学生の習い事ランキング】
男子
1位:塾
2位:野球
3位:習字
女子
1位:ピアノ
2位:塾
3位:習字
クラブの本場はヨーロッパ
もともとは、同好会、同じ趣味の人たちの集まり。
ロンドンで、同じ政治的考えを持った人たちの集まりが始まりと言われる(女人禁制ね
日本にもスポーツクラブが増えた。メンバの年齢幅が広く、いろんな経歴を持つ人が集まる
スウェーデンでは、職場の残業はほぼなく、地域のクラブチームの運営に協力する。
日本のこどもはお金持ちか?
子どものおこづかいの額は、家庭の事情によって違うが、
海外の子どもは、欲しいものがあれば、アルバイトをするよう親から教えられる。
日本では、ほとんどの小・中学校がバイトを禁止している
貧しい国では、子どもたちが貴重な労働力となり、家業の分担を受け持つ。
レンガをつくるネパールの少女
ケニアでは小学校の8年間が義務教育で無料だが、高学年になると1/3がやめてしまう。
家族の一員として収入を得るために働きに出るため。
【ブログ内関連記事】
ブラックバイトにご用心!@あさイチ
『児童労働 働かされる子どもたち』(リブリオ出版)
『みんなのチャンス ぼくと路上の4億人の子どもたち』
ほか
日本の疲れる長期休暇
日本の長期休暇では、子どもの休みに合わせて、会社の休みも同時期(お盆、正月、GW)なので、どこも大混雑となる。
中国では、正月以外はとくに決まっていない。
欧米ではかなり長期間の休みがとれるため、家族でバカンスを楽しむことが多い
ヨーロッパでは、第二次世界大戦前の1936年、2週間の休みをとる法律ができ、ヨーロッパで広まり、
ILO(国際労働機関)が約3週間の休みを規準とした。
フランス、デンマーク、スウェーデン、ルクセンブルクは、約5週間に決めた(いいなあ・・・
日本は有給休暇が少なく、働かせすぎとの批判があり、祝祭日を増やして対応している。
きつい日程で名所をめぐる連休と違い、海外は時間をたっぷり使える。
「海水浴」
鎌倉時代から行われ、遊びではなく「潮浴み」という病気治療の1つだった。
明治になって、医者がレジャーとしてもよいと言い、「大磯海水浴場」を開いた。
地続きの外国旅行がない日本
(先日聴いた、バンバンラジオで黒川さんがゆってた「外国人に比べて、日本人は国外に出たがらない」て話とリンクした
日本は、オーストラリア、フィリピンなどと同様、海に囲まれた、世界で珍しい地理的条件。
日本には北海道から沖縄まで20ヶ所の国際空港がある
日本は、必ず飛行機か、船に乗るため、外国旅行は特別なものという感覚が強い。
ヨーロッパには四方に国境があり、いくつもの国を越える鉄道網があり、外国旅行も特別ではない。
EUという共同体となってから、出入国の検査もなくなり、パスポートなしで自由に旅行ができる。
TGV
東京の山手線は3分に1本!
日本は乗り継ぎさえすれば、鉄道でほぼ全国に行ける(タモさんの名言みたいw
ほぼ時刻表通りの運転で、外国のように2~3日待たされることもない。
山手線の片側だけで、平日の午前7~8時台には、1時間に20本の電車が新宿駅に入る。
朝夕のラッシュが酷いのも日本の特徴。
NYやロンドン、パリでは、朝の混雑を避けるため、自動車をやめて、地下鉄、郊外鉄道を利用して通勤する人が増えた。
日本は、高速道路の舗装率100%、一般国道は約90%。
都心の路線バスの時間の予測はつきにくい。これは世界共通の悩み。
日本もバス優先道路があるが、海外にはバス専用道路をつくったり、
反対車線にバスだけ逆行できる「バス誘導路線」をつくって対策している。
カナダの公共交通は同じ切符が何度も使える。ただし2時間以内。
地下鉄、ストリートカー、路面電車、シティバスの路線網が発達している。
(じゃあ、ゆづくんもそれを便利に使ってるのかな?
チップ制がない日本
「チップ」
もとは、1652年、コーヒーショップが流行り、混んだため、
「お金を入れれば迅速にサービスします」(To Inquire Promptness)と書いた箱を置いたのが最初。
日本の旅館・ホテルはチップ制が廃止になっていて、サービス料(宿泊料の20~30%)を加算せず、
宿泊料に含まれているのは、外国人にもとても好評。
外国では、金額、割合がそれぞれ違うため、慣れないと難しい。
荷物を運ぶベルボーイ、客室のメイド、ルームサービス係、レストランのウェイターなど。
チップも働く人の大切な収入となる。
海外のホテルの廊下は外と同じなため、部屋着やスリッパで出るのは非常識
温泉は「hot spring」と呼ばれるが、水着着用が常識。
なので、外国人が日本に来て戸惑うのは、浴衣で街中を歩くこと、裸で入る共同浴場だと言われる。
ホームステイ
今は、学校の授業とセットになっていることも多い。
日本に来る留学生をホームステイで受け入れる家庭もある。
共同浴場などを無理強いすると「ホームシック」になることもある。
なにより大切なのはコミュニケーション。
海外で暮らす日本人の子どもは「日本人学校」「インターナショナルスクール」に通う。
ストックホルムでは、定期的に日本人補修学校を開くところもある。
カナダもアメリカ同様、多くの人種が集まる国だが、お互いの文化を認めているため、「人種のモザイク」と呼ばれる。
飯塚峻/監修
わりと基本中の基本を書いた本だった。
初版が2000年で、世の中の変化のスピードが超高速になってるせいで、けっこう古い印象を受ける文章も多いけど、
でも、いまだに外国のホテルの廊下をスリッパで歩いちゃうおじさんとかいそう
お互い文化が違うんだってことで、全部、欧米に倣う必要もないしね。
むしろ、今は「和食」「お弁当箱」などなど、日本文化の素晴らしさが
やっとそのまま理解されるようになってきた。
逆に、日本人が忘れかけているのが残念だけど。
「日本人は受け身だ」「ディベート力が育たない教育」の話には耳が痛い。
宮さん(宮崎駿)も「校長の話だって、戦争の軍隊の名残り。あんなの要らない」ゆってたっけ。
本書にも、学生服は軍隊の名残りだって書いてあった
中学の時だったか、校長の話の途中で貧血になって女子生徒が3人も倒れたのに、話を最後まで延々と止めなかったことがあった。
それを見て、校長っていうのは、生徒の健康より、自分の権威を示したいんだなってことと、
そんな校長を止めない他の先生を見て、教育の世界も縦社会で、上には逆らえないんだなってことを学んだんだ。
【内容抜粋メモ】
日本人のあいさつ おじぎはふしぎな習慣
もとは、武家に伝わる秩序を守るための礼儀で、相手に敬意、感謝を表す行為。
正式な「座礼」は、おじぎの完成形。相撲、歌舞伎の口上、落語などの挨拶で見られる。
立ったままのおじぎは「立礼」といい、今は主流。
欧米は握手が正式
日本で選挙候補者が握手するのは、自分を印象づけようとする作戦の1つ(言い切ってるねえ!
正式には、相手に合わせて握手する。握手は世界共通になりつつある。
もとは、ヨーロッパで、森で出会った時、笑って、敵意がないことを表し、
手を出して武器がないことを示し、安心してもらうためだった(どんだけ危険なんだ
おじぎ同様、握手も目下の人が先に右手を差し出し、手を握って上下に振る。
がっちり握って、大きく振るのはアメリカ式。ヨーロッパではやわらかく、振り方も小さい。
和食
外国人が食べられない和食のベスト3
・刺身
・納豆
・梅干し
慣れて、好んで食べる人もいる。
食事のマナー
和食
「本膳料理」武士の作法による。結婚式、茶道の懐石料理、本膳料理を庶民的にした「会席料理」、即席料理、家庭料理。
料理を楽しむ気持ち、もてなす人への感謝、食べる姿の美しさが作法(作り手への感謝は?
箸置きがない時は、持つほうをお膳の外に出す。わん盛りは、食べ終わったら蓋をする。
(それより、音を立てて食べるほうが気になる
洋食
音を立てないこと、口に入れたまま喋らないこと(食レポはアウトだね)、パンは料理がくるまで食べないこと。
(イタリア人って、パスタをスプーン使わないってホントかな? イタリア人でもズルズル食べる人はいるだろうね
お正月とクリスマス
お正月:年神さまを迎える行事。農業の始まりも意味していた。
(母の実家では、正月、冬だけは農作業をやらずに父母が家にいたから嬉しかったって母が話してたけどな
「年賀状」
江戸時代の終わり頃に始まった。最初は店の主人が1軒ずつ歩いて年始回りをしていたが、
数が増えて、代理人が行く→玄関に名刺を置く→明治になって名刺を郵便で送り→「年賀状」になった。
海外には、「年賀状」はなく、クリスマスカードに「そして、新年おめでとう」と書く。
アメリカなどでは、カウントダウンパーティで、1月1日の午前0時になると「ハッピー・ニュー・イヤー」と歓声を上げる。
キリスト教国で、日本のクリスマスのように大騒ぎをするところはない。
イヴは町の店を閉め、家族と静かに夜を過ごす。
(クリスマス商戦はどこも同じ気がするけど、この時期に旅行に行くと店が閉まってたって話は聞いたことある
日本人は無宗教が多い
日本憲法では「信仰の自由」が保障されている。
日本人の65%が「信仰を持っていない」と答えるが、宗教行事には参加することから、単に宗教に無関心なだけかも。
神社周辺を掃除したり、盆踊りを踊ったり、仏壇・神棚に手を合わせたり、
教会で結婚式を挙げたり、葬式はお寺であげたり、お祭りでは神主さんのお祓いをしたり、
宗教というより、地域の風俗習慣に変わった。
戒律が厳しいユダヤ教は、金曜日の日没から「安息日」が始まり、次のことが禁じられる。
働くこと(イイね)、電気器具を使うこと、自動車に乗ること、髪の毛を洗うことなど。
日本人は祭り好き
宗教と関係ないお祭りが続々と作られ、地域の活性化に役立てている。
費用は、地域の人たちの寄付などや、観光協会の予算でまかなっている(なんか生々しい話に・・・
右利きと左利き
世界中の多くは右利き。
理由は、心臓が左にある人がほとんどなので、危険な仕事をする時など、心臓に遠い右手を使うためといわれる。
(え、心臓って左にあるの?! ちょっと調べたら、真ん中って書いてあったけど・・・?
昔は幼いうちから、無理やり右利きに変える練習をさせた(左利きのほうがカッコいい気がする
最近は、左利き用のスポーツ用品なども増えている。
本来の右利きと左利きの割合は世界中同じようなもの(あれ、最初に「右利きが多い」って
イスラム教では、右手で食べ、左手は「不浄」(トイレで使う)なので、ものを渡す際など注意。
子どもたちの生活
アメリカでは、教室に入る時は、担任がドアを開けて、初めて中に入れるため、教室の入り口に並んで待つ。
(ドラマとかでそんなシーン見たことないが
終業後の掃除は、専門の人がやってくれる(じゃあ、「男子サボらないでよ~!」ていうのはないねw
「朝礼」は、ドイツ以外ではほとんどない。
上履きに履きかえることもない(こないだジムで執拗に「中履き」と言い替えられたのは意味があるのか?
ランチは、給食よりお弁当の持参が多い。自宅に帰って食べる国もある。
日本のように、教室で生き物を飼うのは、世界的に見て珍しいこと(へえ!
ジャパニーズイングリッシュ(英単語を組み合わせた日本語)
世界にも外来語はあるが、日本ほど自由に使いやすくしている国は珍しい。
例:
「バックミラー」=rearview mirror
「ナイター」=night game
「外来語辞典」をひくと、本来の英語が分かる。
習慣の違い(ボディランゲージの話だね
人を呼ぶ時の手つきは、日本と反対/×のポーズはない
「いただきます」の挨拶は外国にはない。
イスラム教では頭に魂が宿るといわれるので子どもの頭はなでない/南米チリでは人前で靴を脱ぐのはとても恥ずかしいこと(へえ
イスラムの女性は、屋外では髪と顔を布で隠す決まりがある(これは女性差別だ
参照:ピースやOKサインもNG?海外旅行でトラブルのもとになる10のジェスチャー
海外旅行者や、国内で外国人と英語で喋れない人がやってたりすると焦ることもある
こどもの意見を尊重する海外
日本では、家族1人1人より、まとまりを第一に考える傾向があり、
気づかないうちに、子どもがまるで親の所有物のように扱われている場合もある。
社会的な場で、自分の意見を発表する機会も少なく、自分なりの考えを持つことが少ない。
日本、韓国、中国、トルコなど7カ国の調査で、
「父母との心理的距離が遠い」「父母とうまくいっていない」と答えたのは、日本がダントツ1位だった。
スウェーデンでは、子どもも国民の1人ということで、権利が守られる様々な法律がある。
国連では「子どもの権利条約」が1989年にできたが、日本が調印したのは1994年。
「子どもにも自分の意見を言う権利がある」
「子どもにもプライバシーを持つ権利がある」
日本にも1996年には、夫婦別姓でもよいという動きが出た。
家族のまとまりにこだわらず、1人1人の権利を考えてみよう。
「義務教育」とは?
「義務教育」とは、みんなが等しく教育を受ける権利があることに基づいて法律で定めている。
日本の子どもは6~15歳までは必ず学校で勉強しなければなりません。
(こないだの「週刊ニュース深読み」で、これが大きな誤解で、自殺の原因にも影響しているってゆってたよね
「義務教育」の解釈の誤解
「子どもは学校に行かなければならない」と捉えている人が多いが、
本来の意味は、「大人が子どもに教育を受けさせる義務がある」ということ。
つまり、子どもに働かせている国も多いから、教育を受けるチャンスを与えることを義務づけたって意味と私はとらえているんだけど。
日本では、3月に卒業式、4月に入学式だが、欧米の多くは新学期は9月から始まる。
西暦(太陽暦、グレゴリオ暦)と、「太陰暦」を使う国による違いもある。
日本の学校は生徒40人に先生一人で大いそがし
日本では、体力・体格・健康・通学路などを考えてクラス編成をしている(そうなの!?驚
1クラス40人まで、41人だと2クラスに分ける。これは、昔の教室の広さから計算された名残り。
明治時代は定員80人でギュウギュウ詰めだった!?
アメリカは1クラス30人、イギリスは40人以下、フランスは25~30人(あまり変わらなくない?
制服、制帽は軍隊の名残り
明治時代の陸軍下士官の制服が原型で、当時の東京帝国大学の学生服に採用されたのが始まり。
海外から見ると、日本の学生服は軍隊のようだという声が聞かれるのも当然。
女子のセーラー服も、イギリス海軍水兵の制服で、昭和5年頃から学生服として全国に広がった。
(学校は兵隊を作るところだって意味だね
近年は、制服を廃止しようという学校も増えた(へえ
アメリカでは、ごく一部の私立を除いて制服の決まりはほぼない。
だが、世界的に見ると、制服がある国のほうが多い。
制服の決まりがないのは、オランダ、イタリアなどわずか(前髪は目にかからないところまで切るとかいうのもないのかな
イギリスでは、身分・階級の違いが続いているため、小・中・高校まで制服を着る学校が多い。
学校給食
日本の公立小学校では99%、中学86%が給食を食べている。
大正時代に本格的に始まった。貧しい家が多く、栄養を確保するためだった。
アメリカでも92%が給食(カフェテリアみたいなやつじゃなくて?
いろいろな民族が集まっていて、宗教上の習慣の違いなどもあるためメニューがいくつかある。
アメリカ人は、日本人の約2.5倍以上も牛乳を飲むという統計がある。
だが、多くのアメリカ人は、カルシウム不足。炭酸飲料の飲みすぎが原因ではといわれる
日本でも、全員が同じものを、同じ量食べる給食に疑問が出て、お弁当と選択できる試みがある。
(量が食べきれない、食べるのが遅い、好き嫌いが激しいために、給食の時間は嫌いだったな
クラブ活動と部活動
小学校の「クラブ活動」は、「特別活動」(児童会、学級会など)の1つで、時間割に含まれる。
文部省の「学習指導要領」には、「学年、学級から離れ、同好の児童で組織し、共通の趣味を追及する活動」とある。
中学では、小学校の「クラブ活動」と区別して「部活動」と言われる(全然、意識してなかった!
週3回ほどだが、毎日ギリギリまで練習する部もある。
海外には、入学式、運動会、文化祭がほぼ行われないため、地域のスポーツクラブなどに入るのが一般的。
「阪神淡路大震災」以降、「特別活動」でボランティア活動に取り組む学校もある(イイね
「ICSPE」(国際スポーツ体育協議会)の東京会議(1964)で、
「スポーツ宣言」が採択され、「生涯スポーツ」が推進された。
日帰りの遠足 宿泊する移動教室、社会科見学
海外では少ない。これも集団活動を学ぶ「特別活動」の1つ。
集団活動の中で「公衆道徳」などを考える機会としている。
江戸時代の寺子屋で行っていた花見の習慣を真似たのが遠足のはじまりといわれる。
「遠足」と呼ばれるようになったのは明治から。
「林間学校」「臨海学校」などと呼ぶところもある(私の学校はそうだったな
キャンプファイアーの始まりは、イギリスのボーイスカウト。
海外で暮らす日本人のための「日本人学校」では、遠足などの行事を行っている。
修学旅行
これは日本独特。
明治21年に、教師志望の人が通った師範学校の行事として始まり、旧制中学校、高等女学校が真似て広まった。
修学旅行をしなければいけない決まりはなく、校長が決める。
大手旅行代理店には「教育部」というセクションがあり、修学旅行用のプランを用意している
私立などでは、海外への修学旅行も増えている(長野の公立でもあったような?
海外では、仲良しグループでサイクリングやピクニックなどの「卒業旅行」をすることがある。
集団の遊び
今の日本の子どもたちは、広い空き地が少ない、交通事情などで、屋外で遊ぶ機会が減った。
その代わり一人でも遊べる遊び(テレビゲーム、マンガ)などが増えた。
海外でも、日本のアニメは人気で、各国の言葉に吹きかえられている。
日本のこどもは塾通いでいそがしい
約8割の小学生が、平均週3回ほど(中には毎日)、習い事に通っている。
塾通いが多く、地域に1ヵ所は塾があるのは、日本の特徴。
ベトナムも中学に進学するため塾通いが多い。
【小学生の習い事ランキング】
男子
1位:塾
2位:野球
3位:習字
女子
1位:ピアノ
2位:塾
3位:習字
クラブの本場はヨーロッパ
もともとは、同好会、同じ趣味の人たちの集まり。
ロンドンで、同じ政治的考えを持った人たちの集まりが始まりと言われる(女人禁制ね
日本にもスポーツクラブが増えた。メンバの年齢幅が広く、いろんな経歴を持つ人が集まる
スウェーデンでは、職場の残業はほぼなく、地域のクラブチームの運営に協力する。
日本のこどもはお金持ちか?
子どものおこづかいの額は、家庭の事情によって違うが、
海外の子どもは、欲しいものがあれば、アルバイトをするよう親から教えられる。
日本では、ほとんどの小・中学校がバイトを禁止している
貧しい国では、子どもたちが貴重な労働力となり、家業の分担を受け持つ。
レンガをつくるネパールの少女
ケニアでは小学校の8年間が義務教育で無料だが、高学年になると1/3がやめてしまう。
家族の一員として収入を得るために働きに出るため。
【ブログ内関連記事】
ブラックバイトにご用心!@あさイチ
『児童労働 働かされる子どもたち』(リブリオ出版)
『みんなのチャンス ぼくと路上の4億人の子どもたち』
ほか
日本の疲れる長期休暇
日本の長期休暇では、子どもの休みに合わせて、会社の休みも同時期(お盆、正月、GW)なので、どこも大混雑となる。
中国では、正月以外はとくに決まっていない。
欧米ではかなり長期間の休みがとれるため、家族でバカンスを楽しむことが多い
ヨーロッパでは、第二次世界大戦前の1936年、2週間の休みをとる法律ができ、ヨーロッパで広まり、
ILO(国際労働機関)が約3週間の休みを規準とした。
フランス、デンマーク、スウェーデン、ルクセンブルクは、約5週間に決めた(いいなあ・・・
日本は有給休暇が少なく、働かせすぎとの批判があり、祝祭日を増やして対応している。
きつい日程で名所をめぐる連休と違い、海外は時間をたっぷり使える。
「海水浴」
鎌倉時代から行われ、遊びではなく「潮浴み」という病気治療の1つだった。
明治になって、医者がレジャーとしてもよいと言い、「大磯海水浴場」を開いた。
地続きの外国旅行がない日本
(先日聴いた、バンバンラジオで黒川さんがゆってた「外国人に比べて、日本人は国外に出たがらない」て話とリンクした
日本は、オーストラリア、フィリピンなどと同様、海に囲まれた、世界で珍しい地理的条件。
日本には北海道から沖縄まで20ヶ所の国際空港がある
日本は、必ず飛行機か、船に乗るため、外国旅行は特別なものという感覚が強い。
ヨーロッパには四方に国境があり、いくつもの国を越える鉄道網があり、外国旅行も特別ではない。
EUという共同体となってから、出入国の検査もなくなり、パスポートなしで自由に旅行ができる。
TGV
東京の山手線は3分に1本!
日本は乗り継ぎさえすれば、鉄道でほぼ全国に行ける(タモさんの名言みたいw
ほぼ時刻表通りの運転で、外国のように2~3日待たされることもない。
山手線の片側だけで、平日の午前7~8時台には、1時間に20本の電車が新宿駅に入る。
朝夕のラッシュが酷いのも日本の特徴。
NYやロンドン、パリでは、朝の混雑を避けるため、自動車をやめて、地下鉄、郊外鉄道を利用して通勤する人が増えた。
日本は、高速道路の舗装率100%、一般国道は約90%。
都心の路線バスの時間の予測はつきにくい。これは世界共通の悩み。
日本もバス優先道路があるが、海外にはバス専用道路をつくったり、
反対車線にバスだけ逆行できる「バス誘導路線」をつくって対策している。
カナダの公共交通は同じ切符が何度も使える。ただし2時間以内。
地下鉄、ストリートカー、路面電車、シティバスの路線網が発達している。
(じゃあ、ゆづくんもそれを便利に使ってるのかな?
チップ制がない日本
「チップ」
もとは、1652年、コーヒーショップが流行り、混んだため、
「お金を入れれば迅速にサービスします」(To Inquire Promptness)と書いた箱を置いたのが最初。
日本の旅館・ホテルはチップ制が廃止になっていて、サービス料(宿泊料の20~30%)を加算せず、
宿泊料に含まれているのは、外国人にもとても好評。
外国では、金額、割合がそれぞれ違うため、慣れないと難しい。
荷物を運ぶベルボーイ、客室のメイド、ルームサービス係、レストランのウェイターなど。
チップも働く人の大切な収入となる。
海外のホテルの廊下は外と同じなため、部屋着やスリッパで出るのは非常識
温泉は「hot spring」と呼ばれるが、水着着用が常識。
なので、外国人が日本に来て戸惑うのは、浴衣で街中を歩くこと、裸で入る共同浴場だと言われる。
ホームステイ
今は、学校の授業とセットになっていることも多い。
日本に来る留学生をホームステイで受け入れる家庭もある。
共同浴場などを無理強いすると「ホームシック」になることもある。
なにより大切なのはコミュニケーション。
海外で暮らす日本人の子どもは「日本人学校」「インターナショナルスクール」に通う。
ストックホルムでは、定期的に日本人補修学校を開くところもある。
カナダもアメリカ同様、多くの人種が集まる国だが、お互いの文化を認めているため、「人種のモザイク」と呼ばれる。