Quantcast
Channel: メランコリア
Viewing all articles
Browse latest Browse all 8633

『火の鳥8 乱世編 下』(角川書店)

$
0
0
『火の鳥8 乱世編 下』(角川書店)
手塚治虫/著 初版1986年(1999年 38刷) 1400円

※2001.5~のノートよりメモを抜粋しました。
「マンガ感想メモリスト」カテゴリーに追加しました。


▼あらすじ(ネタバレ注意
平清盛は死に、木曽義仲が都に攻め入り、横暴を働く。
源頼朝も動き出し、牛若丸(義経)は、義仲軍を落とす。
妻でともに戦った巴御前は、ジャンヌダルクみたい!

義経は、妻を振り切って、火の鳥を追って死ぬ。

一ノ谷、壇ノ浦で平家を絶やす。
巡り会った父子は、そうとは知らず、父を殺す話も酷い。

おぶうと再会したのも束の間、義経があっさり斬る。

上皇にもてはやされた義経だが、頼朝の刺客に追われて平泉へ。

弁太は、祭りで一緒になったヒノエと幸せに暮らす平和を夢見るが、
頼朝の追っ手に皆殺しとなる。
弁太とヒノエは、逃げ延びたとの伝説もあるとか。



日本の歴史は、とる人によって善にも悪にもなる。
兄に殺された義経を哀れなヒーローとして崇める者もいれば、

今作では逆に勝手な復讐心のみの冷酷さで、弁慶も尊敬して従っていたわけではなく、
女のための腐れ縁のように描かれている。

歴史に登場する有名無名のヒーロー、悪人が、実際にはどんな人物だったかは分からない。
結果だけが後に伝わり、それも正しいかどうか確かめる術はないとすると、
案外、本当に正しく残っている話は少ないのかも。

明日をも知れない、殺し、殺され、兄弟も、親子も、友も、夫婦もない時代。

自分の一族のみ繁栄し、生き延びさせようなんて、動物以下だ。
戦に巻き込まれながらも、農民らにはそれなりに平和な時間もあったのだろうか?



Viewing all articles
Browse latest Browse all 8633

Trending Articles