■ドラマ10『コントレール~罪と恋~』(全8話)
脚本:大石静 音楽:♪泣きたいよ/鈴木雅之
出演:石田ゆり子、井浦新、原田泰造、桜庭ななみ、堀内敬子、野際陽子 ほか
5話 残酷な恋の終わり
アヤが探し回っていることを伝える佐々岡。
「あの人は何も知らない。たぶん、自分が喋っても信じないでしょう
愛し合うことの出来ない間柄であるということを、あなたの口から話してください
そして、今度こそ、あの人があなたを追いかけないで済むようにキッパリと捨ててやってください
このとおりです。頼む!」と頭を下げる。
店にくるオサベ。
「もう会えません。6年前、品川で、あなたのご主人を殺したのは僕です。申し訳ありませんでした」
ドライバーの前は弁護士だと知るアヤ。
「何が起きたんだ? オレは死ぬのか? なぜなんだって、フシギそうな顔してご主人は僕を見つめていました」
「その話が本当ならどうしてリョウジさんは逮捕されなかったの?」
「法的措置がどうであれ、あなたのご主人を殺したのは事実です
人を殺した人間が、法律を操る場に立っていることに心が耐えられなくなりました
法廷で突然、声が出なくなったのがその証拠です
自分に罰を与えるつもりでしたが、結局は、何もかもから逃げ出したかったんです。自分の運命からも」
橋から身を投げようとしたが、出来ず、運送会社の社長に助けてもらった。
「何も望まず、淡々と生きていこう。それが罪の償いだと思ってドライバーをしていたんですけれど、
それでもやはり、誰とも語り合わない、誰とも心通じ合わない日々は、空しくて、寂しくて
だからアヤさんに会った時、僕はあなたに一筋の光を見てしまいました
アヤさんに自分と同じ匂いを感じました。あなたとなら出直せる。
声が出た時、僕はその錯覚をたしかなものと感じてしまいました
ひこうき雲を見て、アヤさんと出逢ったことにも宿命を感じました
でも、僕らは決して愛し合う関係ではなかった。それもまた宿命です
僕のことは忘れてください。僕も忘れます」
友樹が起きてしまい、「さよなら。お元気で」とオサベは去る。
佐々岡「オサベと別れたんですね。それが正解だと思います」
友樹を放っておいたことで自分を責めるアヤ。
「希望を持ったのが間違いだったの? 恋なんて望んではいけなかったのに。
これからは、友樹の母として生きます。佐々岡さんと東京で住む道も選びません」
「そう決意したなら、自分の想いは封印して、青木さん親子を応援します」
友樹との日々が続く。
オサベはドライヴインにも入らなくなり、酒を飲み荒れる日々。
(それでも月日は淡々と過ぎていった。好きだったよアヤさん)
その声がアヤに届く。
ケーキ屋で働くケイコを訪ねる佐々岡。
「あなたの辛いお気持ちはお察ししますが、どうか前を見て進んでください
あの事件の捜査も裁判もすべて終わっています」
「私は終わらせません! 本当は終わらせたかった。ケジメつけてやり直すつもりだった
役立たず! 警察なんかもう二度と信じない!」
サユミはカヤの外にされてイラつき、義母に「常連さんがアヤに“今晩どう?”とか言ってるんですよ」と耳打ちする。
アヤは義母のお誕生日にすき焼きに誘う。
酔った義母はアヤを責め、思わずアヤに生卵を投げつける。
県道が3ヶ月ぶりに開通し、店はすっかり閑散としてしまう。
桜が舞い散る中、オサベと再会してしまう(どんだけ縁があるんだ
なにか口ずさむが分からない。再び見ると、もういない。
泣き崩れるアヤ。車中で涙を流すオサベ。
6話 あなたは もういない
別れて1週間。
アヤは店を閉じて、土地を売り、駅前でドライカレーを売り、午後からはスーパーレジのパートをする決意をする。
(シングルマザーは、パートで低収入っていう問題
お得意先のサネカワ運輸の分析機が運送中に破損し、1000万円の弁償が払えないため、運送会社は倒産の危機となる。
オサベは法的にどうか調べ、訴えている相手を訪ね、証拠がないのであれば公正取引委員会に調査してもらうと告げる。
注文の際、精密機械の注意を口頭でゆっただけだったということで、損害賠償の取り下げを認めさせる。
スーツを着て、すっかり変身!
佐々岡は、ドライカレーを東京で大量注文をとれるよう計らってくれる。
兵藤は刑事の勘で「お前を幸せにする女とは思えないな」と言う。
オサベとアヤはまた再会し、お茶する。
「今は力強い感じ。6年前までそんな感じだったんだなって初めて知った。
あなたは人の痛みを知っているから、きっと6年前よりいい弁護士さんになれると思うの」
「出会った頃から強引なところがあったけど、変わってませんね」
(あの人はもうひこうき雲を見てもパニックを起こさないのかな。
いつも何かに脅えているあの人が愛おしかった。もういないんだ。あの頃のリョウジさんは)
オサベは法律事務所を立ち上げることを決意する(再登録が必要なのね
アヤ「佐々岡さん、友樹を連れて、佐々岡さんのところに行ってもいい?」
1ヵ月後。佐々岡と再婚して東京に引っ越す。こんな日にもひこうき雲を見るって・・・
7話 消せない傷
3ヶ月後。友樹はまだ佐々岡を「お父さん」とは呼ばない。
(私は幸せなはずだった)
運送会社に弁護士事務所を開業したオサベは、身近な人々のトラブルに対応する。
東京地方裁判所に行き、佐々岡に会い、アヤと結婚し、友樹も養子縁組したことを知る。
「アヤと子どもは自分が守ります」
その直後、ヨウヘイから母親が倒れたと電話が入り、行ってみると、
父から[長男は殺人犯!」とオサベ家を非難するスキャンダル記事が載っている本を見せられる。
弟「父が裁判官を退官する今年、その名を汚されるのは耐え難いんだ」
父「こんな雑魚を相手に名誉毀損することはできないことは分かっているな
お前がどこでどう生きようと、私の息子であることは消せないのだよ
この話がリークしたのは、お前の身近な人間ではないのか?
この手のものには一切口をつぐみなさい。話はそれだけだ」
佐々岡とアヤ、友樹は、ケイコと再会(だから、どんだけ狭い世間なんだ
「青木さん、カレシ変えたんですか?」
(忘れようとしているのに、何かが必ず私を引き戻す)
スキャンダル記事のネタを提供したのはケイコ。
目撃証言を裏付ける証拠がない限り、誰も相手にしないと言う取引相手。
イラだったケイコは、SNSに匿名でオサベの実名・住所を連投する。
(今の時代はこんな方法もあるからねえ・・・
佐々岡は、家族との時間を増やすため、「捜査一課」から「地域科」に異動したと兵藤に伝える。
「バカかお前は。もう少し頑張れば、花の捜査一課のデカ長になれたのに」
兵藤はスキャンダル記事のことを教える。
「デカとして起こったことは頭に入れとけ。でも、旦那としては忘れて帰れ」(いい上司だなあ
友樹が突然、佐々岡のカバンを開けて、スキャンダル記事の載った本がアヤの目に入る。
(そんな偶然もなんだか・・・。家の中に前夫の位牌があるっていうのも難しい環境だね
記事をリークしたのはケイコだと直感したアヤは、ケイコを訪ねる。
「私の時計は、アツシさんが死んだあの時から止まってるんです
アツシさんが死んだのは私のせいじゃない!」
(自己愛の強いコだけど、心のどこかでそう思っていたから怒りや憎しみの持っていき場がないんだな
SNSでディスられているのを見るケイコ。
(こんな投稿に返事するヒマ人がいるのも悲しい。余計エスカレートさせるのは目に見えてるし
「メンヘラ」なんて言葉も初めて知った。2ちゃんはヒトの闇そのもの・・・
サユミから電話があり、サユミと義母も記事を見てアヤを責める。
「知って別れたの? それで佐々岡さんに乗り換えたの? あんたたちおかしい!
アヤはジェットコースタードラマみたいに劇的人生、気分良く生きて(これは大石さんの自虐的セリフ?
アヤのことずっと可哀相だと思って、毎日この店手伝ってきたけど、バッカみたい。私のことなんか利用してただけじゃない!
(サユミは、自分を不幸に思っていて、それをアヤに投影して手伝っていた感じがするな
義母:
ウチの人が死んだ時、私、43だったの。海の事故じゃ、犯罪被害者給付金なんてもらえないし
息子を育てるために朝から晩まで必死で働いたわ。
(だから協力してたのか。怨むなら、国のシステムだ
大切に育てた子どもを、ある日、突然殺された。とんでもない嫁ね。私はなんのために生まれてきたの?
生きていくってことは、みんなこんなに悲しいの?
(被害者同士で傷つけ合うって因果だなあ。夫を亡くしたら、ずっと一人でいなきゃいけない理由もないし
(生きてることは、みんな悲しい。だから、その悲しさを忘れるために、私はあの人を好きになったんだ
リョウジさんもきっと、悲しみを忘れるために)
ケイコはオサベを訪ね、オサベのスマホを盗って、アヤに電話する。
「これからオサベと品川に行って、あの時起きたことを確かめます。あなたも来てください」
「私は見ました。あなたが青木さんの首を切りつけるのを」
「青木さんを殺したのは私です」
「じゃ、どうしてあなたは裁かれなかったんですか?」
「この(腕の)傷が消えないように、僕の罪も消えません。
あの時、犯人を止めたくても恐怖で足が動かなくて。
無差別殺人を止めた男性を助けたい、でも、こんな所で命を落とすのは損だ逃げよう、
2つの気持ちが次々と心に突き上げてきて、動けませんでした。
あの時、僕はもっと早く決断して飛び出していれば、青木さんは生きていたと思います
あの時の優柔不断さが今も許せません」
「じゃあ、償って!」
「たとえリョウジさんが死んでもあなたはけして報われない。私がそうだったから。
私も犯人を引きずり出して問い詰めたいと思った。なんでこんな目に遭うのが私たちなの?
あなたが言う通り、あの時から時計は止まってしまったの
そんな時、私はリョウジさんと出会って、生きる希望を見つけることができた
でも、リョウジさんがあっちゃんを刺した人だと分かって、結果的に別れるしかなかった
だけど、イヤでも朝は来る。だから生きていくしかないの。
だからあなたも時計を止めたままにしないで。あなたは生きてるんだから」
「そんなのムリよ。だってアツシさんがいない。彼は私をかばって死んだ。私の身代わりに」
「誰のせいでもないのよ。リョウジさんも時計を進めてね」
「アヤさんも」
ケイコとリョウジは、その直後、車に轢かれる(この辺もやっぱドラマだなあ
8話 明日、ひこうき雲が
リョウジだけが重傷で救急車に運ばれる。アヤはケイコに
「あの人、今度はためらわずにあなたを助けたのね。あんたも祈っててオサベさんが助かるように」
オサベの母と弟が来て、アヤを迎えに来る佐々岡。
(そっか、病院では家族じゃなきゃ、付き添ってても病状も教えてくれないんだ
「なぜオサベに会ったんだ? なんでケイコは道路に飛び出したんだろうな?
オサベがいなくなれば僕たちはラクになるのにな。助かればまた新しい人生が始まるさ。どっちも本当の気持ちだよ」
佐々岡の助言で義母とアヤは話し合う。
「アツシが生きてたらねえ・・・」
眠れないアヤは、翌日も病院に駆けつけてしまう。
佐々岡もオサベを訪ねる。
「オサベさん、アヤの心はあんたしか求めてない。今も。
恐ろしいなあ。眠っていてもアヤを捕まえて放さない。
でも、アヤと肩を並べて歳をとっていくのは自分ですから」
佐々岡が初めて、闇の部分を垣間見せた。ここまでくると執着心だな
またリョウジの声がアヤに届く。
意識が回復したことをアヤに伝えると「関係ないわ」「関係ないことないだろ!!」と初めて大きな声を出す佐々岡。
店は売れ、隅々からオサベのことを思い出すアヤ。
(リョウジさん。会いたい)
(会いたいよ、アヤさん。命を取り戻したら、君への想いが激しくよみがえった)
ケイコがオサベを訪ねる。
「雑誌にオサベさんのことを話したのは私です。
私の命を2度も救ってくださってありがとうございました。
さよなら。時計を進めます」
店に寄るサユミ。
「もしかして、あの人のことが忘れられないとか? 独身じゃないんだからダメだよ
中学、高校の時は私たち夢がいっぱいだったじゃん。でも歳をおうごとにどんどん諦めていったでしょ?
これからもその連続だから、早く慣れなきゃ。あたしなんか、ずっと前から夫のことを諦めてるもん」
(励ましてるつもりで、“歳とったらすべて終わり”っていう自分の価値観を押し付けてるなあ
人の心配や世話より、まず、自分の幸せを見つければいいのに。この2人、根本的な価値観が違うよね
(私たち親子は少しずつ前に進み始めていた)
(アヤさん、僕たちの時計は進んでいるんだろうか?)
野菜を刻み続けるアヤ。刻む時計の音。
アヤはリョウジに電話をかける。
「どうしても会いたいの。明日、コントレールに来て」
駆けて来るリョウジ。
「何をしてても聞こえるの。もう1人の自分の声が。違う、違うって。私が好きなのはリョウジさんだって」
「意識が戻ってからアヤさんのことばかり考えた。アヤさんの腕の中で終わってればよかったのにって思ったよ」
「でも、あなたは生かされた」
「生かされたんだから、アヤさんと生き直したい。
佐々岡さんから奪い返す方法がないかいろんなことを考えた。だけど・・・」
「どうにもならないことは、どうにもならない。
友樹が成長したら事件のことを知ることになる。そしたら、リョウジさんはまた苦しむことになる
明日、ここが人手に渡るの。すべて消える。
この思い出だけで生きていけるくらい。私の体にあなたを刻んで」
(映画『マディソン郡の橋』を思い出した
(さようなら。一生忘れない)という声が聞こえたようなリョウジ。
友樹の小学校入学式の日も、ひこうき雲が見える。
オサベも見るが、もう発作に襲われることはない。
街を歩いててもスレ違うって、前世で相当な縁があったのでは?!
これで終わるのも寂しいなあ。。。うーーーーーーーーーーん。
そもそも不倫の話だから仕方ないのか?
同じ不倫でも、男の浮気は義母から嫁が責められて、嫁の浮気は、さらに人格否定するほど責められて、
シングルマザーは二重苦、三重苦だな。
脚本:大石静 音楽:♪泣きたいよ/鈴木雅之
出演:石田ゆり子、井浦新、原田泰造、桜庭ななみ、堀内敬子、野際陽子 ほか
5話 残酷な恋の終わり
アヤが探し回っていることを伝える佐々岡。
「あの人は何も知らない。たぶん、自分が喋っても信じないでしょう
愛し合うことの出来ない間柄であるということを、あなたの口から話してください
そして、今度こそ、あの人があなたを追いかけないで済むようにキッパリと捨ててやってください
このとおりです。頼む!」と頭を下げる。
店にくるオサベ。
「もう会えません。6年前、品川で、あなたのご主人を殺したのは僕です。申し訳ありませんでした」
ドライバーの前は弁護士だと知るアヤ。
「何が起きたんだ? オレは死ぬのか? なぜなんだって、フシギそうな顔してご主人は僕を見つめていました」
「その話が本当ならどうしてリョウジさんは逮捕されなかったの?」
「法的措置がどうであれ、あなたのご主人を殺したのは事実です
人を殺した人間が、法律を操る場に立っていることに心が耐えられなくなりました
法廷で突然、声が出なくなったのがその証拠です
自分に罰を与えるつもりでしたが、結局は、何もかもから逃げ出したかったんです。自分の運命からも」
橋から身を投げようとしたが、出来ず、運送会社の社長に助けてもらった。
「何も望まず、淡々と生きていこう。それが罪の償いだと思ってドライバーをしていたんですけれど、
それでもやはり、誰とも語り合わない、誰とも心通じ合わない日々は、空しくて、寂しくて
だからアヤさんに会った時、僕はあなたに一筋の光を見てしまいました
アヤさんに自分と同じ匂いを感じました。あなたとなら出直せる。
声が出た時、僕はその錯覚をたしかなものと感じてしまいました
ひこうき雲を見て、アヤさんと出逢ったことにも宿命を感じました
でも、僕らは決して愛し合う関係ではなかった。それもまた宿命です
僕のことは忘れてください。僕も忘れます」
友樹が起きてしまい、「さよなら。お元気で」とオサベは去る。
佐々岡「オサベと別れたんですね。それが正解だと思います」
友樹を放っておいたことで自分を責めるアヤ。
「希望を持ったのが間違いだったの? 恋なんて望んではいけなかったのに。
これからは、友樹の母として生きます。佐々岡さんと東京で住む道も選びません」
「そう決意したなら、自分の想いは封印して、青木さん親子を応援します」
友樹との日々が続く。
オサベはドライヴインにも入らなくなり、酒を飲み荒れる日々。
(それでも月日は淡々と過ぎていった。好きだったよアヤさん)
その声がアヤに届く。
ケーキ屋で働くケイコを訪ねる佐々岡。
「あなたの辛いお気持ちはお察ししますが、どうか前を見て進んでください
あの事件の捜査も裁判もすべて終わっています」
「私は終わらせません! 本当は終わらせたかった。ケジメつけてやり直すつもりだった
役立たず! 警察なんかもう二度と信じない!」
サユミはカヤの外にされてイラつき、義母に「常連さんがアヤに“今晩どう?”とか言ってるんですよ」と耳打ちする。
アヤは義母のお誕生日にすき焼きに誘う。
酔った義母はアヤを責め、思わずアヤに生卵を投げつける。
県道が3ヶ月ぶりに開通し、店はすっかり閑散としてしまう。
桜が舞い散る中、オサベと再会してしまう(どんだけ縁があるんだ
なにか口ずさむが分からない。再び見ると、もういない。
泣き崩れるアヤ。車中で涙を流すオサベ。
6話 あなたは もういない
別れて1週間。
アヤは店を閉じて、土地を売り、駅前でドライカレーを売り、午後からはスーパーレジのパートをする決意をする。
(シングルマザーは、パートで低収入っていう問題
お得意先のサネカワ運輸の分析機が運送中に破損し、1000万円の弁償が払えないため、運送会社は倒産の危機となる。
オサベは法的にどうか調べ、訴えている相手を訪ね、証拠がないのであれば公正取引委員会に調査してもらうと告げる。
注文の際、精密機械の注意を口頭でゆっただけだったということで、損害賠償の取り下げを認めさせる。
スーツを着て、すっかり変身!
佐々岡は、ドライカレーを東京で大量注文をとれるよう計らってくれる。
兵藤は刑事の勘で「お前を幸せにする女とは思えないな」と言う。
オサベとアヤはまた再会し、お茶する。
「今は力強い感じ。6年前までそんな感じだったんだなって初めて知った。
あなたは人の痛みを知っているから、きっと6年前よりいい弁護士さんになれると思うの」
「出会った頃から強引なところがあったけど、変わってませんね」
(あの人はもうひこうき雲を見てもパニックを起こさないのかな。
いつも何かに脅えているあの人が愛おしかった。もういないんだ。あの頃のリョウジさんは)
オサベは法律事務所を立ち上げることを決意する(再登録が必要なのね
アヤ「佐々岡さん、友樹を連れて、佐々岡さんのところに行ってもいい?」
1ヵ月後。佐々岡と再婚して東京に引っ越す。こんな日にもひこうき雲を見るって・・・
7話 消せない傷
3ヶ月後。友樹はまだ佐々岡を「お父さん」とは呼ばない。
(私は幸せなはずだった)
運送会社に弁護士事務所を開業したオサベは、身近な人々のトラブルに対応する。
東京地方裁判所に行き、佐々岡に会い、アヤと結婚し、友樹も養子縁組したことを知る。
「アヤと子どもは自分が守ります」
その直後、ヨウヘイから母親が倒れたと電話が入り、行ってみると、
父から[長男は殺人犯!」とオサベ家を非難するスキャンダル記事が載っている本を見せられる。
弟「父が裁判官を退官する今年、その名を汚されるのは耐え難いんだ」
父「こんな雑魚を相手に名誉毀損することはできないことは分かっているな
お前がどこでどう生きようと、私の息子であることは消せないのだよ
この話がリークしたのは、お前の身近な人間ではないのか?
この手のものには一切口をつぐみなさい。話はそれだけだ」
佐々岡とアヤ、友樹は、ケイコと再会(だから、どんだけ狭い世間なんだ
「青木さん、カレシ変えたんですか?」
(忘れようとしているのに、何かが必ず私を引き戻す)
スキャンダル記事のネタを提供したのはケイコ。
目撃証言を裏付ける証拠がない限り、誰も相手にしないと言う取引相手。
イラだったケイコは、SNSに匿名でオサベの実名・住所を連投する。
(今の時代はこんな方法もあるからねえ・・・
佐々岡は、家族との時間を増やすため、「捜査一課」から「地域科」に異動したと兵藤に伝える。
「バカかお前は。もう少し頑張れば、花の捜査一課のデカ長になれたのに」
兵藤はスキャンダル記事のことを教える。
「デカとして起こったことは頭に入れとけ。でも、旦那としては忘れて帰れ」(いい上司だなあ
友樹が突然、佐々岡のカバンを開けて、スキャンダル記事の載った本がアヤの目に入る。
(そんな偶然もなんだか・・・。家の中に前夫の位牌があるっていうのも難しい環境だね
記事をリークしたのはケイコだと直感したアヤは、ケイコを訪ねる。
「私の時計は、アツシさんが死んだあの時から止まってるんです
アツシさんが死んだのは私のせいじゃない!」
(自己愛の強いコだけど、心のどこかでそう思っていたから怒りや憎しみの持っていき場がないんだな
SNSでディスられているのを見るケイコ。
(こんな投稿に返事するヒマ人がいるのも悲しい。余計エスカレートさせるのは目に見えてるし
「メンヘラ」なんて言葉も初めて知った。2ちゃんはヒトの闇そのもの・・・
サユミから電話があり、サユミと義母も記事を見てアヤを責める。
「知って別れたの? それで佐々岡さんに乗り換えたの? あんたたちおかしい!
アヤはジェットコースタードラマみたいに劇的人生、気分良く生きて(これは大石さんの自虐的セリフ?
アヤのことずっと可哀相だと思って、毎日この店手伝ってきたけど、バッカみたい。私のことなんか利用してただけじゃない!
(サユミは、自分を不幸に思っていて、それをアヤに投影して手伝っていた感じがするな
義母:
ウチの人が死んだ時、私、43だったの。海の事故じゃ、犯罪被害者給付金なんてもらえないし
息子を育てるために朝から晩まで必死で働いたわ。
(だから協力してたのか。怨むなら、国のシステムだ
大切に育てた子どもを、ある日、突然殺された。とんでもない嫁ね。私はなんのために生まれてきたの?
生きていくってことは、みんなこんなに悲しいの?
(被害者同士で傷つけ合うって因果だなあ。夫を亡くしたら、ずっと一人でいなきゃいけない理由もないし
(生きてることは、みんな悲しい。だから、その悲しさを忘れるために、私はあの人を好きになったんだ
リョウジさんもきっと、悲しみを忘れるために)
ケイコはオサベを訪ね、オサベのスマホを盗って、アヤに電話する。
「これからオサベと品川に行って、あの時起きたことを確かめます。あなたも来てください」
「私は見ました。あなたが青木さんの首を切りつけるのを」
「青木さんを殺したのは私です」
「じゃ、どうしてあなたは裁かれなかったんですか?」
「この(腕の)傷が消えないように、僕の罪も消えません。
あの時、犯人を止めたくても恐怖で足が動かなくて。
無差別殺人を止めた男性を助けたい、でも、こんな所で命を落とすのは損だ逃げよう、
2つの気持ちが次々と心に突き上げてきて、動けませんでした。
あの時、僕はもっと早く決断して飛び出していれば、青木さんは生きていたと思います
あの時の優柔不断さが今も許せません」
「じゃあ、償って!」
「たとえリョウジさんが死んでもあなたはけして報われない。私がそうだったから。
私も犯人を引きずり出して問い詰めたいと思った。なんでこんな目に遭うのが私たちなの?
あなたが言う通り、あの時から時計は止まってしまったの
そんな時、私はリョウジさんと出会って、生きる希望を見つけることができた
でも、リョウジさんがあっちゃんを刺した人だと分かって、結果的に別れるしかなかった
だけど、イヤでも朝は来る。だから生きていくしかないの。
だからあなたも時計を止めたままにしないで。あなたは生きてるんだから」
「そんなのムリよ。だってアツシさんがいない。彼は私をかばって死んだ。私の身代わりに」
「誰のせいでもないのよ。リョウジさんも時計を進めてね」
「アヤさんも」
ケイコとリョウジは、その直後、車に轢かれる(この辺もやっぱドラマだなあ
8話 明日、ひこうき雲が
リョウジだけが重傷で救急車に運ばれる。アヤはケイコに
「あの人、今度はためらわずにあなたを助けたのね。あんたも祈っててオサベさんが助かるように」
オサベの母と弟が来て、アヤを迎えに来る佐々岡。
(そっか、病院では家族じゃなきゃ、付き添ってても病状も教えてくれないんだ
「なぜオサベに会ったんだ? なんでケイコは道路に飛び出したんだろうな?
オサベがいなくなれば僕たちはラクになるのにな。助かればまた新しい人生が始まるさ。どっちも本当の気持ちだよ」
佐々岡の助言で義母とアヤは話し合う。
「アツシが生きてたらねえ・・・」
眠れないアヤは、翌日も病院に駆けつけてしまう。
佐々岡もオサベを訪ねる。
「オサベさん、アヤの心はあんたしか求めてない。今も。
恐ろしいなあ。眠っていてもアヤを捕まえて放さない。
でも、アヤと肩を並べて歳をとっていくのは自分ですから」
佐々岡が初めて、闇の部分を垣間見せた。ここまでくると執着心だな
またリョウジの声がアヤに届く。
意識が回復したことをアヤに伝えると「関係ないわ」「関係ないことないだろ!!」と初めて大きな声を出す佐々岡。
店は売れ、隅々からオサベのことを思い出すアヤ。
(リョウジさん。会いたい)
(会いたいよ、アヤさん。命を取り戻したら、君への想いが激しくよみがえった)
ケイコがオサベを訪ねる。
「雑誌にオサベさんのことを話したのは私です。
私の命を2度も救ってくださってありがとうございました。
さよなら。時計を進めます」
店に寄るサユミ。
「もしかして、あの人のことが忘れられないとか? 独身じゃないんだからダメだよ
中学、高校の時は私たち夢がいっぱいだったじゃん。でも歳をおうごとにどんどん諦めていったでしょ?
これからもその連続だから、早く慣れなきゃ。あたしなんか、ずっと前から夫のことを諦めてるもん」
(励ましてるつもりで、“歳とったらすべて終わり”っていう自分の価値観を押し付けてるなあ
人の心配や世話より、まず、自分の幸せを見つければいいのに。この2人、根本的な価値観が違うよね
(私たち親子は少しずつ前に進み始めていた)
(アヤさん、僕たちの時計は進んでいるんだろうか?)
野菜を刻み続けるアヤ。刻む時計の音。
アヤはリョウジに電話をかける。
「どうしても会いたいの。明日、コントレールに来て」
駆けて来るリョウジ。
「何をしてても聞こえるの。もう1人の自分の声が。違う、違うって。私が好きなのはリョウジさんだって」
「意識が戻ってからアヤさんのことばかり考えた。アヤさんの腕の中で終わってればよかったのにって思ったよ」
「でも、あなたは生かされた」
「生かされたんだから、アヤさんと生き直したい。
佐々岡さんから奪い返す方法がないかいろんなことを考えた。だけど・・・」
「どうにもならないことは、どうにもならない。
友樹が成長したら事件のことを知ることになる。そしたら、リョウジさんはまた苦しむことになる
明日、ここが人手に渡るの。すべて消える。
この思い出だけで生きていけるくらい。私の体にあなたを刻んで」
(映画『マディソン郡の橋』を思い出した
(さようなら。一生忘れない)という声が聞こえたようなリョウジ。
友樹の小学校入学式の日も、ひこうき雲が見える。
オサベも見るが、もう発作に襲われることはない。
街を歩いててもスレ違うって、前世で相当な縁があったのでは?!
これで終わるのも寂しいなあ。。。うーーーーーーーーーーん。
そもそも不倫の話だから仕方ないのか?
同じ不倫でも、男の浮気は義母から嫁が責められて、嫁の浮気は、さらに人格否定するほど責められて、
シングルマザーは二重苦、三重苦だな。