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『陰陽師7 天后』(白泉社)

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『陰陽師7 天后』(白泉社)
夢枕獏/原作 岡野玲子/著 初版1998年

※2002.10~のノートよりメモを抜粋しました。
「マンガ感想メモリスト」カテゴリーに追加しました。


▼あらすじ(ネタバレ注意

●管公 女房歌合わせを賭けて囲碁に敵らむ
天徳4年(960)3月30日に清涼殿にて催された一大イベント「内裏歌合」
霞、鶯などのお題にそって歌人に依頼し、当日、講師に詠ませて、判者が勝敗を決める。

帝を中央にして、女房、応援する公卿らも、赤(左)と青(右)という対峙するコントラストで分かれて並び、
詠んだ歌の紙は山海等の小宇宙を形どった州浜に刺し、負けたら、その都度、酒の罰杯を受け、
大差で左が勝つと、左右交替に唱歌奏楽が夜明けまで続く雅さだった。

今巻では、そこに例の菅原道真公が雷となって落ちて邪魔するもくろみで、
真葛は得意の囲碁で足止めし、その間、守護を任された清明が、殿の上に結界を張る。

左のほうが位が高い。左(火・陽)、右(水・陰)
右の講師を頼まれた博雅は、お題を間違えて詠み、赤恥をかくw

“囲碁は神のつくった聖技”とは、またおもしろい解釈。

「囲碁は易と同じ。基盤が静、碁石が動(時の流れ)、
 黒白は陰陽、闇と光、交互に打つのが時の流れそのもの。
 碁盤は宇宙。つまり宇(無限に広がる空間)、宙(永劫、無限に続く時の流れ)を意味する」

「碁盤の中央(太極)は、万物を生じる根元の天御中主」


道真「人の身には、皆、魂魄がある。互いに拘束しているが、死ぬと離れ、
   魂気は天(陽・肝・木・理)に上がって神に、魄気(識・陰・肺・金・性)は下降して鬼となる。
   魂は昼は目に宿って視、夜は肝で夢を見る。夢とは神遊ぶなり


清明「琵琶で言うなら、左は紫で天、右は黄で地、音はその応呼で音魂、
   故に糸もの和琴と琵琶は、高貴な楽器と言われる」


歌合で敗れた忠見は、無念のうちに死に、歌を詠みながら徘徊するという。
管公は仲間にしようとするが、博雅が歌を労うと昇天する。

「生まれて来ぬ先も、生まれて住むる世も、罷るも、神の懐のうち」

何層もの次元が開き、女神が降りた様は美しい

「言祝は最上の呪(浄化)だ。事に窮したら、まず誉めちぎって祝福するにかぎる」

「他人を救って、自らは墓穴を掘る特殊能力もある。偉業なのに生涯誰にも理解されない」


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