『The best 10 stories by Osamu Tezuka ザ・クレーター１』（秋田書店）

■『The best 10 stories by Osamu Tezuka ザ・クレーター１』（秋田書店）
手塚治虫／著　初版1994年　600円

※2002.1～ part3～のノートよりメモを抜粋しました。
※「マンガ感想メモリスト」カテゴリーに追加しました。

星新一のショートショートみたいなフシギなＳＦ、ミステリーもので、短編集ながら濃い内容ばかり。

▼あらすじ（ネタバレ注意

「二つのドラマ」
貧乏なチンピラと、自由のない坊ちゃん２人は互いを夢の中の男と思っていて、
恋人ナンシーを巡って殺し合い、誤って女を刺す～というのは全て自殺したナンシーの妄想だった。

「溶けた男」
死体処理用溶解液の研究者Ｓは、昭和初期の教室へタイムトリップして
軍に利用される前に自分を実験台にした男と話す。

「雪野郎」
スキーのライバル同士の２人は、執拗に追ってくるトラックに襲われるが、
轢かれそこねたエゾシカの怨念が見せた幻だった。

「風穴」
ライバル同士のレーサー２人は同居していて、マネキンの女の子を巡ってケンカ。
洞窟でケンカし、人形は谷底へ。命からがら逃れた２人。実は片方は人形だった。

「三人の侵略者」
コテコテの逃亡犯に化けた宇宙人が忍び込んだ山小屋にいる３人が、実は本物の逃亡中の極悪犯で、
博士と思ったのは手塚自身。締め切りに追われるオチは笑えるｗ

「オクチンの大いなる怪盗」
尾のような未来の姿が見えるメガネでジャクリーヌの尾を盗もうとして、
幸せに見えて、本当は不幸だと知る。「オレは未来のお前なんだ」

「大あたりの季節」
なにかとツイているオクチンの秘密は、何度でも過去に戻ってやり直せるドカンの中の時間の川。
追いかけた番長は戻りすぎて消えてしまった。

「巴の面」
美しく悪い心の妹と、良い心の姉。目の悪い男は姉を選び、嫉妬した妹は、姉を落としいれ、夫に殺させる。
呪いで死んだ妹。呪いの面は個性的な顔がはやる現代になって溶けてなくなる。

「オクチンの奇怪な体験」
なんでも屋のオクチンは３０万円を貯めて原爆症に苦しむ女の子を助けようとする。
その体に天国待ちの女の子の魂が間借りして大混乱
金が貯まってみると、女の子は亡くなっていて、魂の子と知る。