Quantcast
Channel: メランコリア
Viewing all articles
Browse latest Browse all 8633

『マルクス・ラジオ』(角川書店)

$
0
0
『マルクス・ラジオ』(角川書店)
いとうせいこう/監訳 初版1995年 1900円

※1997.3~のノートよりメモを抜粋しました。
「読書感想メモリスト」カテゴリーに追加しました。


▼あらすじ(ネタバレ注意

いとうさんがNYの書店で見つけた『フライウィール・シャイスター・アンド・フライウィール』という本を訳した日本版。
1932.11~1933.5までやっていた30分のラジオ番組の脚本で、
第21回を除く全25話が国会図書館の著作権事務所に眠っていたそうな。

表紙でグラウチョとチコをマネているのは、大竹まことさんときたろうさん。
このクセ者3人がみんなマルクスbros.に影響を受けていると知っても驚かない。

途中、景山民夫+中村有志らのMBに想いを寄せる原稿が入り、
番組の後には、いつも提供のガソリン会社エッソループのCMが入る。
それもグラウチョとチコによるコントにそれとなく名前を入れるというシンプルなもの。

ところで、内容のほうはというと、これがやっかい。
というのも、映画と違って、これはあくまで言葉で笑わせる世界(だからハーポもいないw)

つまり英語のひっかけによるギャグや、韻を踏むものが多くなり、
日本語に直訳すると、その単語や背景まで説明しなきゃならず、
注が本を2倍の厚さにしてしまう。

で、究極の選択として、日本語のダジャレにすり替えられてしまっているんだな。

いとうさんも「ダジャレは好きじゃない」と言っているが、
彼はマルクスではないから、彼が四苦八苦して考えたダジャレは、やっぱりいまひとつイケてない

読めば読むほど、原文、本当の会話はどうだったかな?と想像させる。


言葉遊びでないギャグは楽しい。

「フライウィール・インチキ法律事務所」で、法律も知らないのに、
借金や家賃滞納にいつも苦しんでいるとはいえ、一応、仕事のオファーはきている。

たまには事件まで解決しちゃうフライウィールと、
仕事はしないが金は欲しい、いつもフライウィールの邪魔ばかりして、
なぞなぞ好きで、結構気の合うパートナーぶりを見せるラベリ。

F「自分で事件を起こさなきゃ、いつまでたっても依頼なんかこない」とか、

F「なんで机の下で眠るんだ。机1つじゃ風邪をひくじゃないか。せめて2つにしろ」etc...

たくさんギャグをメモりたいのは山々だけど、なにせ今日で丸々4週間も借りっぱなし。
毎朝30分で1話ずつ読んでいたから、楽しい1日のスタートになったけど

今作中には、映画で使われたギャグも多い
その真髄を確かめるには、「ギャグの集大成」もしばらくしてから借り直すしかないかも。



Viewing all articles
Browse latest Browse all 8633

Trending Articles