■『闇の子供たち』(2008)
監督・脚本:阪本順治
▼trailer
出演:
南部浩行:江口洋介
清水哲夫:豊原功補
土方正巳:塩見三省
音羽恵子:宮崎あおい
与田博明:妻夫木聡
梶川克仁:佐藤浩市
梶川みね子:鈴木砂羽
梶川翼:田畑弦
チット:プラパドン・スワンバーン
ナパポーン:プライマー・ラッチャタ
大山:外波山文明
矢田:三浦誠己
ほか
主題歌:♪現代東京奇譚/桑田佳祐
「GYAO!」で8月25日配信期限が迫っていたので観てみた
ずっとレンタル屋の棚の中で気になっていたけど、最近、重いテーマだと不安感が強いので遠慮していたもの
私は今作を観る覚悟ができているだろうか?
観ていて、演じている子どもたちへの影響がとても心配になった
ウィキの説明には相当の配慮をしたとあるけど、かなりドギツイセリフ、シーンも演じさせている
リアルさを出すために必要だという理由も分かるが、これも児童虐待と言えないだろうか
▼あらすじ(ネタバレ注意
狭く汚い部屋にいる女児たち。
女性スタッフが「ご指名よ」と呼びに来て、
アランヤーを見て「もうダメね」と言い捨てて鍵をかける
チェンライという男が村の貧しい一家の男児をトラックで連れていく
道路では象優先。今でも使役に使われているのか
新聞記者・南部浩行は、隠し撮りで捕まった与田博明に会う
ミャンマー連邦、タイ入国管理局
チェンライが数人の子ども連れの女性をバンに乗せ、子どもは預かって、女性には金を渡して別れる
新聞社社会部上司・土方から南部に電話が入る
「日本人の子どもの臓器売買の情報が欲しい」
店を経営する馴染みの男に金を渡して尋ねる
「日本に帰る時、連れてってくださいよ」
「ここは天国だ。帰らないよ」
音羽恵子は、人権と教育のための社会福祉センター「バーウンナイラック(愛あふれる家)」に来る
ケイコは、東京の人権センターでボランティアをしていて、タイに留学経験もある
「どうしてタイなの? 日本でもやることはあるでしょ?」といきなり女性スタッフにに食いつかれる
「自分の目で見ないと、現状は分かりませんから」
南部は飲食店で元仲介人の情報屋と会うと、まず金を要求
「日本で匿名記事になるだけだ」
「自分に子どもができてから耐えられなくなったんだ この業界は1人、2人じゃない」
彼から聞いた話を上司に報告する
「生きたまま臓器を提供される 麻酔をかけられて手術台に乗せられる 殺されるんです」
「それじゃまるで生贄じゃないか!」
取材を続行するため資金を送るよう本社に要請
地元の汚職警官ににらまれる
花を売る少女の目も死んでいる
ゴミ袋に入れられた子どもの死体?が映る
ケイコは、都市が見えるスラム街を視察する
少女アランヤーの父に「娘さんが学校に来ない」と様子を伺うと
「働いていて、教室に行く暇がないんだ」
「リンパ腫がはれていたけど、病院へ連れていった?」
「自然に治って元気だよ」
アランヤーは、客のペンを借りて手紙を書く
(幼児売春するってどんな気持ち? 吐き気がする・・・
南部が取材に来て、ケイコらと会う
「日本人の子どもの心臓移植がバンコクで行われています。闇のルートで
仲介人の情報がない 生きたまま心臓を取られるんです」
バンに乗せられた子どもたちは、都市部にある雑居ビルに連れていかれ、夜、袋に入れて渡される
中では闘鶏の賭け事をしている
お客の要求を断った男児をムチで叩いて、タバコを押し付ける
「お前たちにはもう帰ることろはない 逃げようとしたら、脚の骨を叩き折ってやる」
性行為を強要され、吐いてしまう少女を殴る
チェンライは、DVを受けていた母と、子どもの頃に義父から受けた性暴力の記憶を思い出して吐く
白人に連れていかれてるのは、さっき叩かれていた少年ローイ
「楽しんで」と見送るチェンライ
背中にはムチの傷跡、肛門からは血が流れてる
捨てられたゴミ袋から出てくる少女
チェンライは汚職警官トイと絡んでる
ホテルに来た日本人観光客のトランクにはさっきの少女が入っている
彼もまた少女売春が目的で動画を撮る
「これから雛饅頭を食べます」
その後ネットに書いて報告 少女はヒモで縛ってある
元仲介人は「警官に目をつけられた もう連絡よこすな チャワリット医師」とメモを残して消える
医療シンポジウムに行き、チャワリット医師と接触
「心臓移植のドナーは誰ですか?」
「君には関係ない」
「親の了解や、倫理委員会の承認を得ていますか?」
「私はリストに登録された患者しか扱わない」
情報屋に「臓器提供者のことを知りたい」と電話する
「1人じゃない。予備の子が用意される 今度連絡したらお前を消すからな」
アランヤーからの手紙が事務所に届く
「私は今、チェンライの売春宿で働いています
ここがどこだか分かりませんが、窓から象の絵が見えます
昨日、私より小さい子がゴミ収集車に投げ込まれました
病気だから捨てられたのです 助けてください」(生きたままって・・・
「病気ってエイズだな」(そういう観光客が世界中にHIVを蔓延させている可能性もあるのでは?
警察に届けようというケイコに「何もわかってないのね」といつも反発する女性スタッフ
所長「あっちにはゲーオ(職員)がいる。象はなにかの看板よ」
ソーポン(職員)には潜入調査を頼む所長
ゲーオは「あの手紙だけじゃ警察は動かない」といわれたという
売春宿の場所が分かる
ソーポンは客を装い、ゴンが呼ばれる
「ボランティアで、アランヤーという12歳の子を探している」
「そんなこと言ったら殺される 帰って!」
用心棒がナイフを見せて帰れという
ソ「これ以上の聞き込みは中の子に危険です」
所長「ボスには会えない?」
ゲ「直談判はやめたほうがいい。彼は裏で麻薬も扱っている」
所長「じゃあ、乗り込みましょう!」
「じゃあ、僕が行く」とレック(職員)が行ったら酷く殴られた
ケイコは♪サッちゃん を歌う
所長「日本に帰りたい?」
ケ「アランヤーがエイズでゴミ捨て場に捨てられるなら、そこで見張れば会えるような気がして」
所長は日本に帰れという「もう1人のタイの子を救うの」
所長は南部に相談するが「NGOじゃないから協力できない」と断る
所長「日本のマスコミはアジアの子どもたちに冷たいわ」
ホテルを抜け出した少女は山の中を彷徨う
(そう、樹のエネルギーをもらったほうがいいよ
「センラー・・・」
東京に戻る南部。ケイコも一緒に、土方、清水と会議をする
「依頼主は8歳の心筋症の男児。資産家・梶川の息子
5000万円の半分以上は執刀医、日本とタイの仲介者、そのバックに流れる」
ケ「日本の親は知ってるんでしょうか、提供者のこと」
土「知ってたら止めるでしょう、フツウはね」
ケ「私は手術を止めます!」
清「1つ止めても、仕組みが残っているかぎり、また次の事例が生まれるんだよ
だからその仕組みを暴こうとしてるんじゃないか」
ケ「世界は1人の子どもを救うことすら出来ないんですか?!」
(これが現地との温度の違いか
梶川の家を訪ねる3人
清水「あんたなんでタイになんか行ったの?
所詮、自分探しなんだろ? ムキになるってことはドンピシャなんだろ?」
梶川峰子に接触すると取材を断られる
ケ「タイの子どもの命が奪われるんです、考え直してください!
峰子「そんなこと知りません!」
夕方、夫が戻り、取材を受ける梶川克仁
「2月に大山という男から電話があり、タイで移植ができると聞いた
日本では15歳未満の臓器提供は認められていません
補助人工心臓すら日本にはないんですよ
ですから体力のあるうちに海外で手術を受けなければ翼は助からないんです
大山は唯一のネットワークに登録すれば、アメリカやドイツで提供者を待つより早く手術が受けられ、
タイの移植技術は、アメリカに劣らないとも言っていた
タイの提供者については一切聞いていません
大山という名前は伏せてください
大山の連絡先は教えられない 手術費用は来月払う予定です」
タイの事情を知っている様子の夫婦
妻「手術を受けさせないと、息子の命はあと半年ももたないんです
アメリカでの手術を待っていたら手遅れになる
あなたは息子に死ねというんですか?
やせ細って、口もきけない私の息子を見てください!」
南部には子どもはいるが一緒に住んではいない
克仁「オレだって他の国に頼りたくはなかったよ。石油じゃないんだからさ」
南部「オレと、清水は大山を探す あんたはバンコクへ帰れ
あんたのしたことは説得じゃない ただの感情だ」
清水「俺たちは見て見ぬフリはしないよ 見て、見たことを書くんだ 同じことが起きないように」
南部「音羽さん、オレはあんたを裏切ってる・・・」と謎の言葉を残す
暴力団に暴行される南部と清水
大山「子ども5人もいて大変なんだ 触んないでくれ」
(自分の子どもと他人の子どもは違うのか 親になるってそういうことなのか?
NGOに戻るケイコ
所長「チョンプーは、私が救った子なの。虐待していたのは日本人よ」
南部は自分の子どもに久しぶりに電話する(ワーカホリックで家庭崩壊のパターンか?
「あのドイツ人、この2人にヤラせて見てただけよ」
売春宿にまた臓器移植の話がくる
ボス「血液型が合わなければ、またどこかから調達だ ついでにエイズのガキも診てもらえ
見込みのない奴はチェンライに安く売り飛ばせ」
家まで這い戻ってきた少女
(でも親が売ったんじゃないの? 複数子どもがいる中でどうしてこの子なんだろう センラーって誰?
売春宿で震えて死ぬ少年
「アレが真っ黒よ」
「ホルモン剤をいくつ打った?」
「4本か5本よ」
「4本も打てば、大人でも死ぬ!」
「警察を呼ぶ」というと、「買い取るよ、葬式代も払う」(これも芝居か
「ドイツに行く子で、手付金ももらってあるんだ 7000ドルはくだらない」
白人女性はクレカであっさり払う
与田博明はまた捕まった 南部は保釈金を払い、潜入写真を撮るよう頼む
「タイは東京から地図でたった20cmだ」
「目が合うのが怖いから隠し撮りのほうが自分に合うんです
見たいけど、見られたくないっていうか・・・」
路上で倒れている(亡くなっている?)ホームレスを撮るヨダ
病院の救急用の入り口にはって撮るよう指示する
南部の電話に無言電話がかかり、医師に見つかる
警官と売春宿の男に銃で狙われる
(吐くシーン多すぎ。嘔吐恐怖症なんだってば
「外国には外国のルールがある おかげで売春がやり放題で見ててヘドが出る 気色悪い日本人め
これ以上調べるのを止めたら殺すのは心の中だけにしてやる」
すぐ土下座して謝る南部
「止めよう」というヨダに「止めない。気色悪い日本人と一緒にされたからだ」
NGOのカンパから戻った所長。レックは射殺される
梶川夫婦が成田に向かった(吐いてばっかりの南部
南部「写真家が1枚も写真撮らないで帰るのか?」
ヨダ「物乞いの子を撮りましたよ」
南部「あれは撮ったって言わない 盗んだっていうんだ」
梶川峰子らが空港から出てきたところを撮る
「10日間検査して、提供者が連れて来られる
犠牲者の子どもがどんな風に運ばれるのか、助けられなかった代わりに、見て、それを書くんだ」
ヨダは帰国を止めて、南部の家に来る
「オレも見て、見たものを撮りたくなりました」
息子の写真が部屋にあるのを見つけるヨダ
ケ「チェンライに行かせてください 私にもできることがあります」
「臓器提供を受けた者ですが、体調が悪いから診てもらいたい」とウソの電話をかけるゲーオ
「火水木はどれも手術で1日がかりだ」と言われ、木曜だと見当をつける南部
ケイコとソーポンは売春宿を見張る
所長はスラム街にビラを配る
せっかく家に戻った少女は、ほとんど看病もされないまま死んだ
少女を焼く時は一応、母親は本気で泣いてくれるのか
子どもは親を恨んじゃいないだろう
(嗚呼、みんな許されますように/祈×∞
提供者の子どもは体を洗われる
ゴミ収集車が来て、止めようと走り寄るケイコ
トラックを止めて、アランヤーを助けて病院へ
「私、けがれてる?」
「そんなことない」
「だったらキスして」
額にキスすると
「やっぱりけがれてるんだ」
唇にキスしてやっと微笑みが戻る
つっけんどんだった女性スタッフがケイコの傷の手当をしてくれる
彼女の首に傷があるのは、やっぱり虐待?
集会には大勢が集まり、警備の警察も大勢取り囲む
ゲーオは仲間を数人連れてくる
梶川のバンが病院に着く
このコがセンラーなのか?
南部「撮れたからいいんだ 俺もあのコの顔をちゃんと見たよ」
所長のスピーチ
「タイだけじゃない。国境の向こうからも子どもたちが連れてこられ
子どもたちをまるで商品のように扱い、身も心も奪い去る外国人も同罪です!」
ソーポンがゲーオの協力に礼を言うと
「NGOが増えすぎたから潰しまくってるんだよ あんたらはやり過ぎた オレたちのボスが怒ってる」
ゲーオは警官や周囲を無差別に撃つ。レックを撃ったのはゲーオ? 彼も撃たれる
南部「大使館に行こう、日本に帰るんだ!」
ケ「私は自分に言い訳したくない!」
もしや南部にも虐待の経験が?と思ったら、なんと、少年を買ったほうだった!
道端で泣き崩れる(自分で記憶を消してしまったの??? あの息子の写真は?
ボスらは全員逮捕され、子どもたちは全員助けられる
でも彼女たちはほんの氷山の一角なんだ
逮捕された仲間をなぶり見る部下。彼もまた犠牲者だ
懲役15年は短過ぎる/驚
ヨダはまたタイに戻り、南部の家に行くが、首吊り自殺した後だった
清水とともに彼の荷物を整理すると、カーテンの裏には性犯罪者の記事だらけ
「それは息子の写真じゃない 南部の子どもは娘さんだよ」
アランヤーは無邪気に河で遊ぶ
桑田さんの歌がここで流れるのは辛いな・・・
*
今の映画界はマンガ原作しか客寄せが出来ないのだろうか?
こうした世に問う小説を原作とした作品も目を背けていては何も変わらない
だけど、観ていて本当に辛かった。胃が痛い。トラウマになる
これが今でも続いている。いつ止まるんだ?
原作者の梁石日さんの遍歴も濃い
『血と骨』(2004)
【ブログ内関連記事】
シリーズ格差を考える『経済格差』(ほるぷ出版)
シリーズ格差を考える『教育格差』(ほるぷ出版)
『子どもの人身売買 売られる子どもたち』(リブリオ出版)
『児童労働 働かされる子どもたち』(リブリオ出版)
監督・脚本:阪本順治
▼trailer
出演:
南部浩行:江口洋介
清水哲夫:豊原功補
土方正巳:塩見三省
音羽恵子:宮崎あおい
与田博明:妻夫木聡
梶川克仁:佐藤浩市
梶川みね子:鈴木砂羽
梶川翼:田畑弦
チット:プラパドン・スワンバーン
ナパポーン:プライマー・ラッチャタ
大山:外波山文明
矢田:三浦誠己
ほか
主題歌:♪現代東京奇譚/桑田佳祐
「GYAO!」で8月25日配信期限が迫っていたので観てみた
ずっとレンタル屋の棚の中で気になっていたけど、最近、重いテーマだと不安感が強いので遠慮していたもの
私は今作を観る覚悟ができているだろうか?
観ていて、演じている子どもたちへの影響がとても心配になった
ウィキの説明には相当の配慮をしたとあるけど、かなりドギツイセリフ、シーンも演じさせている
リアルさを出すために必要だという理由も分かるが、これも児童虐待と言えないだろうか
▼あらすじ(ネタバレ注意
狭く汚い部屋にいる女児たち。
女性スタッフが「ご指名よ」と呼びに来て、
アランヤーを見て「もうダメね」と言い捨てて鍵をかける
チェンライという男が村の貧しい一家の男児をトラックで連れていく
道路では象優先。今でも使役に使われているのか
新聞記者・南部浩行は、隠し撮りで捕まった与田博明に会う
ミャンマー連邦、タイ入国管理局
チェンライが数人の子ども連れの女性をバンに乗せ、子どもは預かって、女性には金を渡して別れる
新聞社社会部上司・土方から南部に電話が入る
「日本人の子どもの臓器売買の情報が欲しい」
店を経営する馴染みの男に金を渡して尋ねる
「日本に帰る時、連れてってくださいよ」
「ここは天国だ。帰らないよ」
音羽恵子は、人権と教育のための社会福祉センター「バーウンナイラック(愛あふれる家)」に来る
ケイコは、東京の人権センターでボランティアをしていて、タイに留学経験もある
「どうしてタイなの? 日本でもやることはあるでしょ?」といきなり女性スタッフにに食いつかれる
「自分の目で見ないと、現状は分かりませんから」
南部は飲食店で元仲介人の情報屋と会うと、まず金を要求
「日本で匿名記事になるだけだ」
「自分に子どもができてから耐えられなくなったんだ この業界は1人、2人じゃない」
彼から聞いた話を上司に報告する
「生きたまま臓器を提供される 麻酔をかけられて手術台に乗せられる 殺されるんです」
「それじゃまるで生贄じゃないか!」
取材を続行するため資金を送るよう本社に要請
地元の汚職警官ににらまれる
花を売る少女の目も死んでいる
ゴミ袋に入れられた子どもの死体?が映る
ケイコは、都市が見えるスラム街を視察する
少女アランヤーの父に「娘さんが学校に来ない」と様子を伺うと
「働いていて、教室に行く暇がないんだ」
「リンパ腫がはれていたけど、病院へ連れていった?」
「自然に治って元気だよ」
アランヤーは、客のペンを借りて手紙を書く
(幼児売春するってどんな気持ち? 吐き気がする・・・
南部が取材に来て、ケイコらと会う
「日本人の子どもの心臓移植がバンコクで行われています。闇のルートで
仲介人の情報がない 生きたまま心臓を取られるんです」
バンに乗せられた子どもたちは、都市部にある雑居ビルに連れていかれ、夜、袋に入れて渡される
中では闘鶏の賭け事をしている
お客の要求を断った男児をムチで叩いて、タバコを押し付ける
「お前たちにはもう帰ることろはない 逃げようとしたら、脚の骨を叩き折ってやる」
性行為を強要され、吐いてしまう少女を殴る
チェンライは、DVを受けていた母と、子どもの頃に義父から受けた性暴力の記憶を思い出して吐く
白人に連れていかれてるのは、さっき叩かれていた少年ローイ
「楽しんで」と見送るチェンライ
背中にはムチの傷跡、肛門からは血が流れてる
捨てられたゴミ袋から出てくる少女
チェンライは汚職警官トイと絡んでる
ホテルに来た日本人観光客のトランクにはさっきの少女が入っている
彼もまた少女売春が目的で動画を撮る
「これから雛饅頭を食べます」
その後ネットに書いて報告 少女はヒモで縛ってある
元仲介人は「警官に目をつけられた もう連絡よこすな チャワリット医師」とメモを残して消える
医療シンポジウムに行き、チャワリット医師と接触
「心臓移植のドナーは誰ですか?」
「君には関係ない」
「親の了解や、倫理委員会の承認を得ていますか?」
「私はリストに登録された患者しか扱わない」
情報屋に「臓器提供者のことを知りたい」と電話する
「1人じゃない。予備の子が用意される 今度連絡したらお前を消すからな」
アランヤーからの手紙が事務所に届く
「私は今、チェンライの売春宿で働いています
ここがどこだか分かりませんが、窓から象の絵が見えます
昨日、私より小さい子がゴミ収集車に投げ込まれました
病気だから捨てられたのです 助けてください」(生きたままって・・・
「病気ってエイズだな」(そういう観光客が世界中にHIVを蔓延させている可能性もあるのでは?
警察に届けようというケイコに「何もわかってないのね」といつも反発する女性スタッフ
所長「あっちにはゲーオ(職員)がいる。象はなにかの看板よ」
ソーポン(職員)には潜入調査を頼む所長
ゲーオは「あの手紙だけじゃ警察は動かない」といわれたという
売春宿の場所が分かる
ソーポンは客を装い、ゴンが呼ばれる
「ボランティアで、アランヤーという12歳の子を探している」
「そんなこと言ったら殺される 帰って!」
用心棒がナイフを見せて帰れという
ソ「これ以上の聞き込みは中の子に危険です」
所長「ボスには会えない?」
ゲ「直談判はやめたほうがいい。彼は裏で麻薬も扱っている」
所長「じゃあ、乗り込みましょう!」
「じゃあ、僕が行く」とレック(職員)が行ったら酷く殴られた
ケイコは♪サッちゃん を歌う
所長「日本に帰りたい?」
ケ「アランヤーがエイズでゴミ捨て場に捨てられるなら、そこで見張れば会えるような気がして」
所長は日本に帰れという「もう1人のタイの子を救うの」
所長は南部に相談するが「NGOじゃないから協力できない」と断る
所長「日本のマスコミはアジアの子どもたちに冷たいわ」
ホテルを抜け出した少女は山の中を彷徨う
(そう、樹のエネルギーをもらったほうがいいよ
「センラー・・・」
東京に戻る南部。ケイコも一緒に、土方、清水と会議をする
「依頼主は8歳の心筋症の男児。資産家・梶川の息子
5000万円の半分以上は執刀医、日本とタイの仲介者、そのバックに流れる」
ケ「日本の親は知ってるんでしょうか、提供者のこと」
土「知ってたら止めるでしょう、フツウはね」
ケ「私は手術を止めます!」
清「1つ止めても、仕組みが残っているかぎり、また次の事例が生まれるんだよ
だからその仕組みを暴こうとしてるんじゃないか」
ケ「世界は1人の子どもを救うことすら出来ないんですか?!」
(これが現地との温度の違いか
梶川の家を訪ねる3人
清水「あんたなんでタイになんか行ったの?
所詮、自分探しなんだろ? ムキになるってことはドンピシャなんだろ?」
梶川峰子に接触すると取材を断られる
ケ「タイの子どもの命が奪われるんです、考え直してください!
峰子「そんなこと知りません!」
夕方、夫が戻り、取材を受ける梶川克仁
「2月に大山という男から電話があり、タイで移植ができると聞いた
日本では15歳未満の臓器提供は認められていません
補助人工心臓すら日本にはないんですよ
ですから体力のあるうちに海外で手術を受けなければ翼は助からないんです
大山は唯一のネットワークに登録すれば、アメリカやドイツで提供者を待つより早く手術が受けられ、
タイの移植技術は、アメリカに劣らないとも言っていた
タイの提供者については一切聞いていません
大山という名前は伏せてください
大山の連絡先は教えられない 手術費用は来月払う予定です」
タイの事情を知っている様子の夫婦
妻「手術を受けさせないと、息子の命はあと半年ももたないんです
アメリカでの手術を待っていたら手遅れになる
あなたは息子に死ねというんですか?
やせ細って、口もきけない私の息子を見てください!」
南部には子どもはいるが一緒に住んではいない
克仁「オレだって他の国に頼りたくはなかったよ。石油じゃないんだからさ」
南部「オレと、清水は大山を探す あんたはバンコクへ帰れ
あんたのしたことは説得じゃない ただの感情だ」
清水「俺たちは見て見ぬフリはしないよ 見て、見たことを書くんだ 同じことが起きないように」
南部「音羽さん、オレはあんたを裏切ってる・・・」と謎の言葉を残す
暴力団に暴行される南部と清水
大山「子ども5人もいて大変なんだ 触んないでくれ」
(自分の子どもと他人の子どもは違うのか 親になるってそういうことなのか?
NGOに戻るケイコ
所長「チョンプーは、私が救った子なの。虐待していたのは日本人よ」
南部は自分の子どもに久しぶりに電話する(ワーカホリックで家庭崩壊のパターンか?
「あのドイツ人、この2人にヤラせて見てただけよ」
売春宿にまた臓器移植の話がくる
ボス「血液型が合わなければ、またどこかから調達だ ついでにエイズのガキも診てもらえ
見込みのない奴はチェンライに安く売り飛ばせ」
家まで這い戻ってきた少女
(でも親が売ったんじゃないの? 複数子どもがいる中でどうしてこの子なんだろう センラーって誰?
売春宿で震えて死ぬ少年
「アレが真っ黒よ」
「ホルモン剤をいくつ打った?」
「4本か5本よ」
「4本も打てば、大人でも死ぬ!」
「警察を呼ぶ」というと、「買い取るよ、葬式代も払う」(これも芝居か
「ドイツに行く子で、手付金ももらってあるんだ 7000ドルはくだらない」
白人女性はクレカであっさり払う
与田博明はまた捕まった 南部は保釈金を払い、潜入写真を撮るよう頼む
「タイは東京から地図でたった20cmだ」
「目が合うのが怖いから隠し撮りのほうが自分に合うんです
見たいけど、見られたくないっていうか・・・」
路上で倒れている(亡くなっている?)ホームレスを撮るヨダ
病院の救急用の入り口にはって撮るよう指示する
南部の電話に無言電話がかかり、医師に見つかる
警官と売春宿の男に銃で狙われる
(吐くシーン多すぎ。嘔吐恐怖症なんだってば
「外国には外国のルールがある おかげで売春がやり放題で見ててヘドが出る 気色悪い日本人め
これ以上調べるのを止めたら殺すのは心の中だけにしてやる」
すぐ土下座して謝る南部
「止めよう」というヨダに「止めない。気色悪い日本人と一緒にされたからだ」
NGOのカンパから戻った所長。レックは射殺される
梶川夫婦が成田に向かった(吐いてばっかりの南部
南部「写真家が1枚も写真撮らないで帰るのか?」
ヨダ「物乞いの子を撮りましたよ」
南部「あれは撮ったって言わない 盗んだっていうんだ」
梶川峰子らが空港から出てきたところを撮る
「10日間検査して、提供者が連れて来られる
犠牲者の子どもがどんな風に運ばれるのか、助けられなかった代わりに、見て、それを書くんだ」
ヨダは帰国を止めて、南部の家に来る
「オレも見て、見たものを撮りたくなりました」
息子の写真が部屋にあるのを見つけるヨダ
ケ「チェンライに行かせてください 私にもできることがあります」
「臓器提供を受けた者ですが、体調が悪いから診てもらいたい」とウソの電話をかけるゲーオ
「火水木はどれも手術で1日がかりだ」と言われ、木曜だと見当をつける南部
ケイコとソーポンは売春宿を見張る
所長はスラム街にビラを配る
せっかく家に戻った少女は、ほとんど看病もされないまま死んだ
少女を焼く時は一応、母親は本気で泣いてくれるのか
子どもは親を恨んじゃいないだろう
(嗚呼、みんな許されますように/祈×∞
提供者の子どもは体を洗われる
ゴミ収集車が来て、止めようと走り寄るケイコ
トラックを止めて、アランヤーを助けて病院へ
「私、けがれてる?」
「そんなことない」
「だったらキスして」
額にキスすると
「やっぱりけがれてるんだ」
唇にキスしてやっと微笑みが戻る
つっけんどんだった女性スタッフがケイコの傷の手当をしてくれる
彼女の首に傷があるのは、やっぱり虐待?
集会には大勢が集まり、警備の警察も大勢取り囲む
ゲーオは仲間を数人連れてくる
梶川のバンが病院に着く
このコがセンラーなのか?
南部「撮れたからいいんだ 俺もあのコの顔をちゃんと見たよ」
所長のスピーチ
「タイだけじゃない。国境の向こうからも子どもたちが連れてこられ
子どもたちをまるで商品のように扱い、身も心も奪い去る外国人も同罪です!」
ソーポンがゲーオの協力に礼を言うと
「NGOが増えすぎたから潰しまくってるんだよ あんたらはやり過ぎた オレたちのボスが怒ってる」
ゲーオは警官や周囲を無差別に撃つ。レックを撃ったのはゲーオ? 彼も撃たれる
南部「大使館に行こう、日本に帰るんだ!」
ケ「私は自分に言い訳したくない!」
もしや南部にも虐待の経験が?と思ったら、なんと、少年を買ったほうだった!
道端で泣き崩れる(自分で記憶を消してしまったの??? あの息子の写真は?
ボスらは全員逮捕され、子どもたちは全員助けられる
でも彼女たちはほんの氷山の一角なんだ
逮捕された仲間をなぶり見る部下。彼もまた犠牲者だ
懲役15年は短過ぎる/驚
ヨダはまたタイに戻り、南部の家に行くが、首吊り自殺した後だった
清水とともに彼の荷物を整理すると、カーテンの裏には性犯罪者の記事だらけ
「それは息子の写真じゃない 南部の子どもは娘さんだよ」
アランヤーは無邪気に河で遊ぶ
桑田さんの歌がここで流れるのは辛いな・・・
*
今の映画界はマンガ原作しか客寄せが出来ないのだろうか?
こうした世に問う小説を原作とした作品も目を背けていては何も変わらない
だけど、観ていて本当に辛かった。胃が痛い。トラウマになる
これが今でも続いている。いつ止まるんだ?
原作者の梁石日さんの遍歴も濃い
『血と骨』(2004)
【ブログ内関連記事】
シリーズ格差を考える『経済格差』(ほるぷ出版)
シリーズ格差を考える『教育格差』(ほるぷ出版)
『子どもの人身売買 売られる子どもたち』(リブリオ出版)
『児童労働 働かされる子どもたち』(リブリオ出版)