『おつきさま』葉祥明（フレーベル館）

■『おつきさま』（フレーベル館）
やすいすえこ／作　葉祥明／絵

※「作家別」カテゴリーに追加しました。

葉祥明さんシリーズ。

葉祥明さんの絵を一番最初に見たのはいつだろう？
まっすぐな草原にポツンと建つ１軒の家のかわいいこと
どんな季節も、夜でも昼でも、同じ構図が全然飽きない

今作は夜の話だから、あらゆる微妙にちがった青色を使って
吸い込まれそうな夜景ばかり

ヒト、小動物、かかしも含めて、いろんな命が等しく月を眺めて思っている
葉祥明さんの絵本の中にそんな自由平等、世界平和などのメッセージがこめられていると知ったのはごく最近のこと

昔は、この家と草原の絵だけで十分満足していた

２００１年に発行された比較的新しい増刷版なのに
すでにあちこちテープで補修されていて、
真ん中も外れそうなページもあり、
たくさん、たくさん、読み継がれてきたことが分かる

大人から子どもへの読み聞かせも無数にあったことだろう

こないだ読んだ『ルリユールおじさん』（理論社）に修理してもらいくらい


【内容抜粋メモ】




みています。みています。

やねのうえで　のらねこが　おつきさまに　いいました。

「こんばんは、おつきさま。
　おれの　うたを　きいてくれよ」

のらねこは　いい　きもちで　つきよのうたを　うたいます。





ひろい　はたけの　まんなかで
かかしが　おつきさまを　みつめて　いいました。

「こわくない。こわくない。
　ながい　よる、おつきさまが
　ぼくを　みていてくれるもの」


よるです。
こんやは　まんまるの　おつきさま。