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『ばっちゃん 助けられた繁殖犬たち』(小学館)

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『ばっちゃん 助けられた繁殖犬たち』(小学館)
井上夕香/文

以前読んだ『介助犬ターシャ』と同じシリーズ。
ペットショップで売られている可愛い子犬たちの背景に、こんな悲惨な事実が隠されているなんてショックすぎる。


「繁殖場」ペットショップで売る犬の赤ちゃんを産ませる施設。

【内容抜粋メモ】
 
1998年、愛知県の「動物保護管理センター」に94匹の繁殖犬が運ばれてきた。
登録も予防注射もしていない犬たち。ひどい病気になり、手当てもされず死んでいた犬もいた。
小屋には水もなく、数日に1度、鶏の頭が生で与えられていた。


 
ボランティアが集まって、薬のお風呂に入れてあげると、待ちきれずにほかの犬が寄ってくる。
力尽きた犬はやむをえず死なせなければならなかった。



そこにいたのが“ばっちゃん”(表紙と同じコとは思えない!
右目はなにかに強く殴られたのか、水晶体が破裂していた。
強い犬が噛みつくので、おとなしい犬は、おちおち眠ることもできない。



やっと迎えた譲渡会の日。最後まで生き残った62匹全員が温かい家族に迎えられた。


【あとがきの抜粋メモ】
日本は、動物保護に関してとても遅れた国だ。

役所がこのような業者を指導して飼育の仕方を改めさせる制度もなく、
どんなに動物を虐待しても罰金はわずか3万円以下なので、警察もとりあってくれない。
法律の改正を求める署名が集まり、1999年12月に「動物の愛護及び管理に関する法律」が制定された。

動物を虐待して死なせたり怪我をさせた場合は罰金100万円以下、懲役1年以下。
わざと動物に水や食べ物を与えないで衰弱させた場合は、罰金30万円となった。
けれども、この程度の改正では、まだ動物を守るために十分な法律とはいえない。

まだまだ私たちの知らないばっちゃんたちが日本中にたくさんいる。


「人になつき、愛をもとめ、やがて絶望して、
 文句も言わずに寂しく死んでいく犬たち」


地球生物会議


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