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『ダウンタウンブックス 結婚ごっこ』(晶文社)

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■『ダウンタウンブックス 結婚ごっこ』(晶文社)
(画像なし
ニルス・ベルイクヴィスト/著 奥田継夫、木村由利子/訳
初版1982年 1200円

※2002.5~のノートよりメモを抜粋しました。
「読書感想メモリスト」カテゴリーに追加しました。


真の意味で先進国といえるスウェーデン出身の作家が、10代の性について丁寧に書いた作品
日本でも世界でも10代の妊娠、堕胎、性犯罪が急増する現代

重要なのは、アダルトビデオや本による暴力的で一方的な誤った性知識に染まる前の
小学校低学年からの正しい性教育だという

それも学校の今の保健体育で教える、“子どものでき方”というハンパなものではなく
男女の性体験の違い、愛の交わし方を、学校だけに頼らず、身近な大人、両親から
子どもを信用して話すことこそ真の性教育で、エイズ、性病感染も未然に防げるだろう

性の解放運動が爆発した'70
10代の子どもを持つ親が悩みながら
温かくしっかりとカップルを見守り、導き、信用することで
どんなに子どもが自由に、安全に初体験を迎え、
その後も愛情をゆっくりと育んでいけるかを書いた1冊

今からでも多くの大人、10代のカップルにも読んでもらいたいもの


【ブログ内関連記事】
『HIV/エイズとともに生きる子どもたち ケニア』(小学館)
私たちは“買われた”@あさイチ
『くらべてわかる世界地図3 ジェンダーの世界地図』(大月書店)
『もう、死なせない! 子どもの生きる権利』(フレーベル館)



▼あらすじ(ネタバレ注意

ネネ17歳、アヴァ16歳

2人は付き合いはじめて、互いに本当のステディなパートナーとして
これからも長く付き合っていきたいと思う一方
激しい性衝動にかられた時の対処法を知らず戸惑っている

ネネの母はただ「気をつけて」と言うばかり
父は「スキンを使えば、あとはどーにでもなる」と突き放す


一方、母を亡くし、父と妹リランと暮らすアヴァは、父から愛情こもった話を聞き、
ある日、父が家をあけた日、2人で地下のホビールームで手でペッティングし合って
満足するやり方を覚えて満たされる

その後もネネはアヴァの父から男女のオーガズムの時間や、方法が違うこと
2人が同時のリズムをもてるために
時間をかけた愛撫、キス、言葉はとても重要なこと等を教えてもらう


友や大人同士の下ネタ話は、女の子をまるでマットレス代わり
ビールで酔わせて、押し倒し、数だけこなして自慢するというお粗末さ

女の子も「彼を引き留めるために仕方なく」というもの

心の触れ合い、体の触れ合いは、こんなに豊かな表現と幸福感を生み出すと知った2人

父が妹も犬も連れて出かけた週末、ようやくセックスまで体験し、
2人同時の喜びを分かち合う




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