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文化勲章受賞記念上映 『≒草間彌生 わたし大好き』(ネタバレ注意)@アップリンク渋谷(2016.11.7)

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草間彌生(ウィキ参照


●草間弥生さん、文化勲章受章@アートシーン
 
草間さんかっけー!

「その章にも勝るもっともっと素晴らしい人間愛と
 世界の平和のために、私たちは芸術をやっていくことができれば
 これにまさる光栄はないと思っております」

 

『≒草間彌生 わたし大好き』記念上映@アップリンク渋谷(2016年11月5日(土)~延長決定11/25(金))
2008 年/日本/DV/102分
監督::松本貴子
協力:草間彌生スタジオ

“草間を、1 年半もの間追い続けたドキュメンタリー。
 今まで観ることの叶わなかった、草間の創作活動と日常、自らを天才と自負する揺るぎ無き自信、
 作品に挑む時の凛とした精神の高み、日常の佇まいに見え隠れする人間味あふれる表情と仕草などを、
 映像のひとつひとつが解き明かしていく。”


「このたびは文化勲章をいただくことになり、大変嬉しく思っております。
 今後もなお一層、自分の芸術を高めるために努力を惜しむことなく
 闘ってまいります。」――草間彌生


ツイートでこの情報を見つけて、早速Nさんを誘って行ってきたv
天気予報では15℃になってて寒いかと思ったけど、
Nさんの晴れ晴れパワーもあってか、それほど寒さは感じなかった

Bunkamuraより先へは、ほとんど行ったことがないから、細い道なりに行ってみると、
HPにあるとおりのオシャレなカフェが見えてきた
その横のガラスドアを開けると、チケットカウンターがある


UPLINK


11月7日(月)は13:10~15:02の1回のみ!
混まなさそうな月曜を選んで、1Fで軽く食べるために1時間ほど前に行ったら、
席数が少ない小さな劇場だけに、真ん中2列はすでに埋まっていて、一番後ろの中央をとった


1F Tabela カフェレストラン
 

その隣りにカフェが併設されていて、それほどは食べられないから、
3種類のスウィーツの盛り合わせにしようとしたら、店員女性が
「1人では多いですよ」というので、じゃあ、1つを2人で分けて食べようってことにして
出てきたのを見たら・・・え?小食な私たちでも、これはフツーに食べられますよ???
なんだかフシギだったけど、時間もないので(「時間がかかります」と言われたし)1皿を2人で分けた


2F UPLINK MARKET


劇場のある2階は、一見、どこが入り口か分からないフツーの雑貨屋さんみたいな雰囲気
草間さんグッズはなく、Tシャツとか書籍などで、サラっと見た

カウンターには草間さんほかパンフレットが売っていたけど、
冊子という形態とはちょっと違った嗜好が凝らしてあった
ほかにも気になる映画がたくさん!


2F UPLINK X スクリーン3


“部屋サイズのアップリンクで一番小さな映画館。リラックスして鑑賞できるソファをセンター部分に設置しています。
 座席数40席スクリーン140インチシネスコサウンドスクリーン”

中に入って、またビックリ
まるで誰かの部屋にお邪魔したような、居心地のいい空間
寝てしまいそうなオシャレソファがカラフルで、右の壁には本棚がある
小さめのスクリーンだったけど、内容が濃かったから、終始見入ってしまった


“映画は、F100号のモノクロ作品シリーズ50作が完成するその貴重な瞬間に密着する。
 真っ白なキャンパスから作品完成までを、定点カメラで捉えた映像”




▼内容ネタバレ注意

「定点カメラ」は、一部で、女性カメラマン(声だけで顔は映らないけど)が間近で撮影している
さすがに50点もの大作の制作を真横で撮られてたら「集中できないから」と言われて、上からの撮影は定点だったけど、
隙間から撮っていたら「大体の構想は見えてきたから入ってもいいわよ」と声をかけてくれてた

あらゆるシーンで、「ありがとう」とスタッフや、関係者1人1人に声をかけていた謙虚さもステキ

病を抱えていることもあるけれども、作業に没頭したいだろうに、よく撮影させてくれたなあ!
それで、こんな貴重な製作過程を私たちも観ることができるわけだけど
カメラがあんなについて回っていたんじゃインスピレーションもおりてこないだろうに


観ていて、笛のすずやかな音が聴こえてきた途端に、栗コーダーカルテットだって分かった
エンドロールにも流れて、とっても癒された


*********

メインは、モノクロ作品シリーズ50作を制作していく過程を丁寧に追うシーン

海外の美術館担当者いわく

「彼女はドットばかりのイメージが定着してしまっているが
 作品はもっと幅広いし、年齢を重ねてもどんどん新しく変化していっている
 そんなアーティストはなかなかいない ピカソくらいかな」

担当者との打ち合わせでは、英語で堂々と会話していたのも印象的

「彼女はとてもチャーミングだ ウィッグのことを帽子と呼んでいるんだよ


*********

50点中半分くらいを、早めに海外でお披露目となり、それも取材
作品の裏面にサインとタイトルを書いて、自分の頭上を運ばれてゆくのを観て
「コレ素晴らしいわねえ!」と自画自賛w

本来のお茶目さと、自己肯定感が強いのは、見ていても気持ちがイイ


海外のギャラリーには、次々とお客が入ってゆき、その騒がしいこと
しーーーーんとした空間で、ロープを張られて鑑賞する日本のスタイルとはまったく逆
作品を観て、ああだこうだと連れと感想を言い合いながら観ていく

高齢の女性「私は彼女の大ファンなの! 次の個展の新作が楽しみだわ!」
(今観たばかりなのに、気が早いなw

音楽をイヤフォンで聴きながら楽しむラッパー風な青年「いい感じだね 丁寧に描きこまれているよ」

一番よかったのは、10歳くらいの少女の感想

「同じパターンの繰り返しかと思ったけど、よく観たら1つずつ違う 顔もあるし
 全部が繋がっているのがいいと思った

(素晴らしいなあ 本質を理解してる

その個展の取材を大型のテレビ画面で見る草間さん
映像の中には、NY時代の古い友人の姿も映っている

友人「彼女は一心不乱に描いていて、病院に運ばれたこともあったよ」


*********


長野県松本市の種苗業を営む家に生まれた

「父は放蕩者で、妾のいる店に行ったら、“ここは子どもの来るところじゃない”って言われた
 雪の上に血を吐いて、母は看病を断ったが“お願いだ”と言われて、家に戻った
 回復すると、また放蕩三昧 母は眠れず、病となり、私も同様になったため、
 医者から“お母さんの真似をしているのでは?”と言われたの」


撮影の最中も、とても明るく冗談を言いながら描いている時もあれば(それもスゴイ!
「ちょっと今日は具合が悪いから」と撮影拒否をする場面もある

「10歳の時(?)川に行って自殺しようと思ったこともある でも絵を描き始めた
 ある時、母は“絵なんか描いて遊んでばっかり”と言って、絵の具などを蹴って
 描いていた絵もめちゃくちゃにされた」


NYに渡り、前衛芸術家として名を成し、数々の賞も受賞
急にもてはやされて戸惑ったというようなことももらしていたな

若い頃は、全裸の男女とパフォーマンスをしているところに警官が来て、走って逃げたり、
友人のインタビューでは「部屋を真っ暗にして作品を見せないんだ 僕にだけは見せてくれた」
アイロン台と性器のオブジェで斬新 「出来上がるまで何になるのか分からないんだよ」

前も思ったけど、目が大きくて、黒髪で、溌剌としていて、個性の強い美人さんだな

冒頭で、カメラマンに誕生日を祝われ「先生はおいくつになられましたか?」と聞かれ
「そういうのが嫌なのよ」

*********

制作の撮影の途中で、まさに高松宮殿下記念世界文化賞?受賞の連絡が入って
本人が電話で授与しなきゃいけないルールらしく、

「光栄です」肩書きをどうするか聞かれて「前衛芸術家としてください」

あとで「天皇の前で賞をもらうのに、車椅子じゃダメかしら?」とか「何着ていこう」なんてことも

この時から脚が痛かったんだな 今では車椅子を使われている

授賞式、その後の記者会見、スピーチの様子も映された


*********

頭に四角い箱をかぶって、ドットの衣装を着た女の子のダンサーと一緒にパフォーマンスのリハをする場面

男性「服にドット(シール)を貼っていってください」

最後はみんな一緒に踊る 草間さんもノリノリで踊る
男性「自由に踊ってくださって結構です」

なにかと思ったら、「たけしの誰でもピカソ」に出演した時の映像/驚
番組中では、ダンサーの中央にたけしさんが座って、
そのスーツに草間さんがドットのシールを貼ってゆき
最後は、2人が中央で自由に踊って終わる

番組内で「たけしさんはご存知ですか?」「いえ、知りません」て言われて本人がコケるっていう
帰りのタクシー内でも「有名な方なの?」「ええ」(スタッフ)


*********

『南瓜』(1994年)が直島に設置されるシーンも興味深い
工事現場みたい 鉄板で造られてて丈夫だし、中に入れるのね!



黄色いカボチャもあるけど、赤いのもあるのか


*********

草間さんが詩も書いていることも初めて知った
朗読する様子を撮影して、なにも置いていないギャラリーの片隅の壁に流れている
それを立ったまま、座ったりして、見る観客

詩も素晴らしくて、朗読の撮影後には「さすが本番に強い!」とスタッフに褒められていた(褒めるって大事
内容は哀しい感じだったけど、いつかじっくり読んでみたい
書籍も出しているし、本当に多才

自分でも「これ、素晴らしい詩ね」と自画自賛
自分を「天才」て言えるってイイ YO-KING並みのポジティヴパワーでかつ自然

それも、いろんな人生を歩んできた賜物
そして、他の人の作品も気持ちよく褒めてるし
それを超えたいと常に上、上を目指している

記者会見で「登山に例えたら、今、何合目ですか?」

草間「上には上がある 私は上にさらに山を盛りたい まだまだいける」


*********

草間さんの制作スタジオを美術館に改装したって噂はあれからどうなったのだろう?
もう完成したとか、夜、明かりがついていて、中の作品が見えたとか、耳に入ってはきてるんだけど

映像の中で「私が死んだら、作品をおもいきり高く売ってね」と笑っていた裏側には
彼女を支え続けているスタッフを養っているという意識もあるのでは?


お墓参りのシーンもあり、
「分骨したほうがいいわね 松本のほうはそのままでいけるけど、こっちにも分骨して」
お兄さんがどうとか? ご存命?

とにかく「ナオちゃん」(?)と呼ばれる女性スタッフさんを
心底、信頼して、頼りにしている様子が随所に見られた
事務的なことから、身の回りのことだけでなく、精神安定剤みたいな存在なのでは?

「こないだも自殺しかけたの」てサラっともらすシーンもある


想像を絶する病を抱えつつ、それがあるからこそ、
この独特な世界を創り出す原動力にもなっていることはたしか

作品には「生老病死」と名づけたものもある


パラノイア的に見える作品の中にも、人の横顔、ゆるキャラのような可愛い生物?もいて和む

カメラマン「どうして目を描くんですか?」

草間「目は力があって綺麗 鼻も 唇も」

始終、涙を拭いていなければ絵を描けない状態の時もある

「ものすごい眼圧をかけるから涙が出るのよ 止まらない」


が好きだという詩もあったな
一気に咲いて、一気に散る様子がいいとか


*********

ついに50枚目が完成して、周囲に祝われる
スタッフに協力してもらい、これまで「疲れた」と言いながらも仕上げた作品を
ズラっと並べて中央に座るシーンは迫力




カメラマン「先生、生まれ変わったら、どんなことされたいですか?」

草間「画家よ」

カメラマン「前世は何だったと思います?」

草間「画家よ とにかく絵を描きまくりたいの」





本当に観に行ってよかった 貴重な体験をした

客席の数もこれぐらいで丁度いい もうシネコンの時代は終わりだ
好きな映画を、1F、2Fくらいで、ゆったりくつろいで楽しむホームシアターみたいな感覚




いつでもゴチャゴチャしている渋谷を離れて、ぶくろに戻ってお茶した
以前寄った「ハーブス」は、列が出来ていて「30分待ち」と言われて、
その前のバーガー屋さんに入った 以前、一人でも入ったことがあるかも?


Organic Bruger Kitchen
大豆ミートB+アップル&エルダーフラワー(ハーブティー)


肉を使わずに大豆を使っているけど、けっこうボリュームがあった
美味しかったけど、1個でも後で胸がムカムカした

お腹が空いても、食べてもムカムカしている逆流性食道炎はほんとやっかい
で、ネットの検索中に「逆流性食道炎専用枕」がたくさんあると知ってビックリ!
こんなに国民病になってしまっているの???

私は、診断した医者から「枕を斜めにしたほうがいい」と言われた時
クッションを2つ重ねるくらいしか思いつかず、今もそうしているけど
まさか枕まで作って売るとはねぇ・・・

たしかに、食べる量が減って、枕を高くしたせいか、その後の検査では
「一生治らない」て言われたのが、少し改善していて医師も驚いていた
でも、まだまだムカムカしつづけているんだよね



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