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『マンガ ギリシア神話8 オデュッセウスの冒険』(中央公論新社)

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『マンガ ギリシア神話8 オデュッセウスの冒険』(中央公論新社)
里中満智子/著 初版2001年

※2002.1~のノートよりメモを抜粋しました。
「マンガ感想メモリスト2」カテゴリーに追加しました。


▼あらすじ(ネタバレ注意

オデュッセウスは、帰路に寄ったポセイドンの息子・1つ目巨人の島で捕まり、
喰われそうになったところを知恵で逃げるが、ポセイドンの怒りを買う

風神からもらった風の袋は、目前にした故国イタカ島から一気に遠ざけられ
魔女キルケに部下を動物にされ、救うために愛を受け入れ1年半をムダにする

ヘリオスの牛を食べた部下は皆死に、オデュッセウスのみ漂流する
オデュッセウスの妻ペネロペは、国を狙う近隣の王に求婚を迫られ
「この布を織ったら決める」と毎日織っては、夜ほどいて時間を稼ぐ

オデュッセウスは、カリュプソの愛を受け入れて、またもや道草
パイアケス人の「ナウシカ」(!)に救われて、船でイカタまで連れていってもらう

アテネに老人に化身させられ、弓で筒を射抜き、他王を皆殺しにして妻の元へ戻る


<他の短篇>

理想の女彫像を生身にしてもらったピグマリオン

ヘルメス+アフロディテの子で美少年のヘルマプロディトス+泉ニンフのサルマキスがくっついて両性具有となる

ロミジュリの元ネタ、ピュラモスとティスベ

「王様の耳はロバの耳」の元ネタ、ミダス王



ラストは、感動した

人界をチェックしに化けたヘルメスとゼウスは、
貧しくても愛し合い、客をもてなした老夫婦以外を鳥にかえ、神殿をあたえ、
「その番人でいいから、2人死ぬ時も一緒に」との望みを叶えて樫と菩提樹になった話





解説は、前巻に続く「ジェンダー」の話

「昔から変わらぬ人間の本質を描いたからこそ、ギリシア神話は今日まで魅力がある」

しかし、実は、その裏に「家父長制度」の仕組みがあった

神話の前にトルコで「協調形態」という男女平等社会が実在していたというのは驚き
のちに「支配形態」となる

裁縫などの服飾作業=女性従属のシンボルとして女子教育に奨励される
家庭内で行われ、忍耐、沈黙、従順、貞節を養う無償の女性労働




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