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『おさらをあらわなかったおじさん』 バーバラ・クーニー(岩波書店)

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岩波の子どもの本『おさらをあらわなかったおじさん』(岩波書店)
フィリス・クラジラフスキー/文 バーバラ・クーニー/絵 光吉夏弥/訳

「作家別」カテゴリーに追加しました。


この変なタイトルと、表紙絵だけで、もうすっかり楽しくなってしまう
可愛い黒猫もいるし



あとがきで知ったが、クーニーは本やストーリーによって絵のスタイルを変えて
何度も描き直す“完ぺき主義者”だったのかあ

今作のようなレトロな絵柄が、私にとってはクーニーを最初に知った時のらしさを感じる
雑貨屋さんに置いてあるような、時代を感じさせる素朴さ、独特な色使いが魅力

毎晩ぐったり疲れてしまうほど食べるおじさんってw
たしかに、仕事から疲れて帰って、晩ご飯を作って、食べ終わると、
その後の片付けは億劫になるけどね

お皿の数もハンパないけど、植木鉢や、灰皿、花瓶まで使うって、それらは洗わなくてもいいの?w
が洗浄機代わりになるといっても、トラックに積み上げたなら
下のほうの汚れとか、油汚れは落ちないのでは・・・

いやいや、絵本にそんな理屈はいらないんだな
「ナンセンス絵本」なんてジャンルがあるのかと初めて知ったし

この本を読んで、思わず笑ってしまう子どもたちの顔が見えるような1冊


【訳者まえがき 内容抜粋メモ】

このお話は、作者が19歳の時、がんで死にかけていた小さい男の子のために書いたもので
たくさんのお話の手紙の中で、その子が一番好きだったものだそう
その後、出版、クーニーの最初の子どもの本にもなった

“子どもたちには、明るい笑いを”というのが作者の信条

クーニーは、本によっていろいろな手法を使い、何度でも描き直しますが、
どれもが端正で明快なのは、彼女の完全主義の賜物と言えるでしょう


▼あらすじ(ネタバレ注意

町外れの小さな家に一人きりで住んでいる男の人がいました

ある晩、いつもよりずっとお腹を空かして帰ってきて
うんとたくさん晩ご飯を作りました

もともと料理が大好きで、いろんな美味しいものを作れるので
とても美味しい晩ご飯でした

けれども、あまりたくさんだったので、食べ終わるととてもくたびれて
お皿はそのまま流しに放っておいて、明日の晩洗うことに


しかし、次の晩は、お腹は倍もペコペコ、晩ご飯を倍つくり、
食べるのに倍時間がかかり、倍も疲れてしまいました


日が経ち、お皿はいつも洗わずじまい
流しに入りきらず、テーブルの上、本棚、床にも積み上げて、家に入るのも困るくらいに!




ある日、きれいなお皿がもうないと気づき、風呂場の石鹸入れで食べました
灰皿、植木鉢で食べ、花瓶で水を飲みましたw




気づくと流しがどこにあるかも分からず、洗うことも出来ません
そこに突然雨が降り出し、いい考えが浮かびました

猫の驚きっぷりがww



トラックにお皿などを全部積み、雨の中を運転すると、雨がすっかり洗ってくれたのです!



そこで、家に運び、すべて元の場所へ戻し
これからは、晩ご飯が済み次第、ちゃんと洗うことにしました


(ちょっと耳が痛いな




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