『ピルエット』 東逸子（河出書房新社）

■『ピルエット』（河出書房新社）
東逸子／絵・文

先日借りたＣＤ『銀河鉄道の夜』の絵に惹かれて、図書館で絵本を探して借りてみた

図書館で借りたCDシリーズ～銀河鉄道の夜　久石譲　ほか


“それがどのような深いところに潜んでいようとも、
　人間は、誰しも潜在的に美意識の所有者です。
　この美意識を表現したいからこそ、私たちは踊るのです。”（アンナ・パブロワ



【内容抜粋メモ】

少女たちは点で立たなければならない　ひたすら羽根のように

　


少年たちは、まだ幼い足を交差させる　何度も　何度も




「ピルエット！　まわって　さあ　コマになって！
　跳んで！　もっと高く！　もっともっと・・・」





自然に学びなさい
木々のゆらぎ　色彩の囁き　翼の動き


ある時　突然気がつく
動から解放された自在な身体、心
すべてがひとつになって歌いだす

踊るとは　こういうことだったのか　と





「サッシュはちゃんと結べてる？」

ベルが鳴る
一瞬、その表情に
エトワールが宿った





＊

絵本のジャンルをこえた美しさ
１枚１枚、額縁に入れて飾れる絵画
私の好きなドガの踊り子たちのよう

高く、美しく跳躍する様子は
フィギュアスケートの厳しくも、美意識の高い世界を思い出させた

ヒトの身体の美しさ
その原点はやはり自然

心技体がひとつになって、無に至った時
初めて、踊る喜びを体感し、観る者の心を震わせる


その裏には、幼い頃からのたゆまぬ練習につぐ練習があり
どれほど努力しても届かない極みに気づき
脱落せざるを得ない者もいて

選ばれた者のみが
主役となって世界を周り、賞賛の大喝采を浴びる


バレエでいつも不自然だと思うのは、点で立つことだな
ヒトとして自然な行為ではないのに、なぜ、ここに至ったのだろう？

ヨガを習っていた時、バレエの要素を取り入れているインストラクターさんがいて「バレトン」
私もバランスをとる姿勢を何度もやってみたけれども
まず、振りが覚えられない/汗×5000

日常にない動作で、手足がバラバラになり、バランスが崩れ、
頭がパンクして、ただただ大きな敗北感だけが残り
自分には縁のない世界だと痛感した

１つ１つの動きを絵にでも描いて、家でも練習すれば
できたかもしれないけど・・・

普段どれだけ体の軸がズレているか
筋肉の使い方を間違えているか
立ち姿勢、座り姿勢からいろいろ学べたことは貴重