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世界の神話絵本『アマテラス』 東逸子(ほるぷ出版)

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世界の神話絵本『アマテラス』(ほるぷ出版)
舟崎克彦/著 東逸子/絵


<まえがき>

日本神話の中でもっとも知られているのが「天の岩屋戸ごもり」でしょう
さまざまな神話は、日本の古代からの習俗を色濃く残しているのではないかと考えられています

宇宙創世、国造り、人造り・・・
神話は古臭い昔話ではなく、人々の心の羅針盤として
世界各地で大切に受け継がれてきたのです


<世界の神話絵本シリーズ>

アダムとイヴ(旧約聖書)
女神イシス(エジプト)
ケツアルコアトルの道(アステカ)
アルテミス物語 (ギリシャ)
三体の神の物語(インド)
聖書物語 (旧約聖書)
フィンの伝説 (ケルト)


有名な日本の神話が、東逸子さんの幻想的な美しい絵でよみがえる
ほかの世界の神話絵本シリーズも気になる



▼あらすじ(ネタバレ注意

国をつくった男神イザナギと女神イザナミは
最後に太陽の女神アマテラスと、嵐の神スサノオを生み
アマテラスには「高天の原」、スサノオには海原をまかせた
しかし、スサノオは一日中泣きわめいて野山を枯らし、海を干上がらせてしまう




イザナギがわけを聞くと
「私は母上が恋しくてなりませぬ 死者の国へ行き、ひと目だけでもお目にかかりたくて泣いておるのです」

イザナギは怒って「そんな我がままを言うなら、この国から出て失せろ」

「わかりました では姉にわけを話してから、おいとまさせてもらいます」

スサノオは高天の原にのぼった




アマテラスは
「スサノオは海を治めるだけでは物足りずに、私の国を奪い取るつもりなのだ」と思い込み
戦の身なりで待ち受けた

弟のわけを聞いても納得せず、自分の心に嘘がないことを伝えるため
スサノオ「ではそれぞれ子どもを生み、どちらの心が正しいか決めましょう」


アマテラスは、弟の剣を口にふくみ吐き出すと3人の女神が生まれ
スサノオは、アマテラスの飾り物から男の神を生んだ

「この勝負は私の勝ちだ 心やさしい女の子が生まれたのは、私の心が正しい証です」

スサノオはつけ上がり、本性をあらわして暴れ、
ついに馬の皮を剥いで、機織り小屋に投げ込み、
驚いた機織り女は道具に体を貫かれて死んでしまう


さすがに見かねたアマテラスは、嘆き悲しみ、天の岩戸に姿を隠してしまう

日の神が姿を消して、世の中は真っ暗闇となり
それまで息を殺していた悪い神々が暴れ、国は乱れた

困り果てた高天の原の神さまたちは、天の安河原で集まり相談した
八百万の神の中でもっとも賢いと言われる思金の神が知恵を出す


暗闇でもよく鶏を用意させ、矛、鏡、玉飾り、榊をお供えに岩戸の前にしつらえた
力士の神で、一番の力持ちの手力男、踊り上手のアメノウズメを呼び
祝詞と捧げ、アメノウズメが舞った




次第に興がのったアメノウズメは上着を脱ぎ捨て踊り狂い
神々は膝を叩いて笑い転げ、驚いた鶏が一斉に鳴きはじめた


不思議に思ったアマテラスは、岩戸をかすかに開け
「なぜ皆はそんなにはしゃいでいるのです」

「あなたさまよりも尊い神さまがおられますので、こうして遊んでいられるのです」

そこへ鏡を差し出すと、映っているのが自分だと気づかず、アマテラスは胸が騒いだ

思わず岩戸の隙間から身を乗り出すと、手力男命が表に引き出し
布刀玉命は岩戸にしめ縄を張った

「二度とここへ戻ろうと思われますな」





天地は光を取り戻し、
神々はならずもののスサノヲの爪と髭を切り
高天の原から追い払った




<母なる大地の神々 吉田敦彦 内容抜粋メモ>

大地母神を表した像は、縄文時代のもっとも古い「草期」から「土偶」としてつくられた
乳房、腹などの表現から女神だと分かる

日本神話でもっとも活躍するイザナミは、日本の国土となる14の島を生んだ後
、川、山、草、木、風などを生んだ後、火の神を生み、体を焼かれて死んだが
苦しみながらも吐いたり、大小便からまでも神々が生まれたお蔭で
人間の暮らしに必要な金属、粘土、水、穀物などがもたらされたと語られている


長野県の上村(かみむら)で語られているのは、
ある時、1人の神さまが、お産で苦しむ山姥を介抱して
獣が1頭もいなかった谷が鹿であふれたという

山うばとは、人を食うこともある怖い化け物と考えられているが
獣をたくさん生み、狩人に獲物を与える有り難い女神だと語られている




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