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『絵本のある子育て No.34』

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『絵本のある子育て No.31』

発行:こどもの本の童話館グループ


絵本が好きなため、この冊子を見かけるとつい手にとってしまう
つまる所、絵本の定期購読の宣伝のための冊子なんだけれども
その根底にある理念には共感するものがある

HPに冊子とほぼ同じ内容が載っているけれども、
私が読んでひっかかった部分を抜粋したいと思う



【内容抜粋メモ】


【特集1】絵本の秘密と魅力 川端強/文

すぐれた絵本を
絵本であればなんでもよい、というわけでは決してありません。


絵本の三つの要素―①絵 ②言葉 ③物語り

①絵
子どもは絵本を読んでもらいながら、いっしんに絵を見ています。
絵本の絵は、子どもに見つめられるに足る美術であってほしい。
そうすることで、美しいものへの感性を育てたいと思います。
子どもに媚びた漫画的な絵や、いわゆる〝かわいい絵〟が絵本の絵にふさわしいのではありません。


②言葉を育む
すぐれた絵本は、洗練された美しい日本語によってつづられています。
絵本を読んでもらっている子どもの言葉の発達が早く、表現も豊かなのは、そのためです。
言葉が豊かになることは考えや学びが豊かになることです。
人が人らしく生き、社会のなかで、人とかかわりを持って生きるうえで、どれほど大切なことでしょう。


③子どもの真の姿を描く
その物語りが、その年ごろの子どもの心の世界と真に響き合っていることが、
すぐれた絵本として、子どもに静かに支持されるための、なくてはならない要素です。

〝絵本作家〟と自称し、他称される人たちの、ただの思いつきやギャグや、
絵日記に過ぎないようなものを、絵本とかんちがいしてしまうのですね

3才と5才の心の成長には、ずいぶんと開きがあります。
その子の心の成長に応じていないと、ミスマッチということになりかねません。


読んであげてください
絵本とは、文字を読めるようになった子どもが自分で読む本ではなく、
子どもに読んであげることで生命のかよう本です。

①本と仲良しになる
本を読むということは、 本の言葉を頭のなかで瞬間的に絵(イメージ)に描き、それを連続させていくことです。
この「眼に見えないもの(絵)を見る力(想像力)」が、
今、絵本を楽しみ、将来、自分で本を読むために必要な力です。


②生きることを語る
およそ5才から7、8才という年令は、子どもが自分をとおして人間を見つめ、
小学校入学を契機に、社会との接点に立とうとする年ごろでもあります。

親として語り伝えておきたいと願うこと。
愛し、愛される、人間への洞察、正義と善、友情、一歩踏みだす勇気、
やさしさ、ユーモア、悲しみや喜びへの共感、支え合って生きる、自然、働くこと…。

聞く、話す、読む、書く、という言葉の力のなかで、最も早くに発達するのは、聞く力です。
聞くことができれば、ずいぶん深い内容を理解できますし、情感を深めていくことができます。


③愛し、愛される
絵本を読んでもらうことは、自分へ向けられる直接の愛の表現だと、子ども自身が知っているということです。
家庭で絵本を読んでもらってきている子どもたちの表情が穏やかで、
言動にも落ちつきがあるのは、彼らが言葉の愛に満たされているからです。

言葉をとおして心の世界を共有できたと感じられるとき、人と人は深く結びつくのですね。
自分を愛し、自分と同じように他の人を愛し、信頼することができます。

今の子どもたちの苦しみの多くは、無償の、ただ温かく抱きとめられるだけの愛に満たされていないからだと、私は思います。
親の気に入る「良い子」でいることで、その対価として愛情が与えられる、と子どもが感じているのだとしたら・・・。


心の土壌を耕すことから~早期教育
幼年期のお子さんのいる家庭には、月刊雑誌と教材のセットなどの勧誘が盛んに行われているようです。
幼稚園や保育園をとおして購入することのある、廉価の月刊絵本についても同じです。
絵本に数多く接することが大切なのではありません。
数は少なくとも、真に心に響く絵本に出会うこと

就学前の幼児教室や塾も盛んなようです。
この年令の子どもは〝お勉強〟をする時期ではありません。

子どもは今を生きる人です。
今を存分に、子どもらしく生きることが未来につながることを思っていましょう。


真に学ぶ力を
絵本は楽しむものです。


工夫と動機づけも
現在のように、子どもの周りに、子どもの関心をそそるものが多くあると、
子どもと絵本を近づけるにも、工夫と動機づけが必要です。


家庭に静かな時間を
スマートフォンで遊ばせ、テレビでもついていないと子どもとの間がもたない、ということもあるでしょう。
でも、子どもの前では、できるだけテレビを消してみませんか。

おしゃべり、お絵描き、折り紙やあやとり、散歩やお手伝い・・・
きっと、子どもとの新しい“出会い”があると思います。

すぐれた絵本の物語りには、先に生きた人々の、子育ての知恵が語りこまれています。
絵本のある子育てをとおして、親だけの孤立した子育てから、
多くの人々の経験や知恵とともにある子育てへと、提案したいと思います。


赤ちゃんと、絵本と、静かな時間。
赤ちゃんには、すでに、感じる力が備わっています。
この世界は、いったい、どんなところかを、耳をすまして知ろうとしているのです

赤ちゃんへの最高の贈りものは、祝福と静けさです。
人工の音から赤ちゃんを守りましょう。

テレビの害は、まずは音です。
家族がテレビを見る時は、音量を下げるか、イヤフォンを使うのをおすすめします。

スマートフォンやテレビに反応を示しているのは、その刺激的な映像に反応しているだけです。


この世界を品よく紹介する
生後6か月くらいから赤ちゃんは言葉に興味を持ちはじめます。
赤ちゃんのための絵本を選ぶのが、いちばん、むずかしいのです。


焦らないで、さりげなく
1才くらいでは、絵本を読んであげようとしても、
絵本に関心を示さなかったり、頁を次々と自分でめくったりすることがあります。

まだ無理に押しつけないようにしましょう。
絵本のなかの、今読んでいるところを、絵をとおして、自由にお話をしても差しつかえありません。




【特集2】テレビなど電子メディアと子ども 「『スマホに子守りをさせないで!』日本小児科医会」




「親と子の童話館ぶっくくらぶ」会員の声

神奈川県 「大きいさくらんぼコース」(およそ6~7才)
息子は、保育園のころから、機関車のキャラクターの絵本に夢中で、
読み聞かせをしようとしてもじっとしてくれず
しかし夫が入院し、息子は不安やさびしさを、
私と絵本を共有することで癒していたのかなと思いました。


福島県 「小さいくるみコース」(およそ3~4才)ほか
共働きでなかなか時間がなく、読み聞かせの時間がつくれないと思っていた私。
つくる気が足りなかったことに気づかされました。

子どもたちの見えるところに本を移動させると、
日課だった風呂あがりのテレビが読書にかわり、
自分の好きな本を1冊持って、ベッドで読む習慣になりました。


北海道・「大きいいちごコース」(およそ2~3才)
親のための本の『子どもと生きる・あまえ子育てのすすめ』『子どもへのまなざし』は、とても心に残りました。
たくさんあまえさせ、ぎゅーっと抱きしめ、
イヤイヤをするその向こうに隠れた気持ちをのぞく、心の余裕を持つことができました。



父親は、子どもに、絵本を読んであげて、親になる。
「絵本は母親が読んであげればいいし、それに、“あんなレベル”のものにはつき合えないよ」とお思いですか。

赤ちゃんや幼いひとにとって、母親の情愛はなくてはならないものです。
けれど、およそ5~6才くらいから、子どもは、自分をとおして人間を見つめ、
社会との接点に立ち、やがて、自分の力でこの社会を生きはじめようとします。

とはいえ、子どもが大きくなって、いざ、絵本を読んであげようとしても、
父親も子どもも、互いに照れくささを感じてしまいます
ですから、赤ちゃんや幼いころから、絵本とのしぜんなつながりをつくっていくことをおすすめします。


「子どもを愛する方法・父親を愛する方法」
子どもは、父親の胡坐にすっぽりと納まり、母親からの情愛と同じ快さを味わいながら、
同時に、父親は、子どもを愛する方法を見つけたことを知るでしょう。
このようにして築かれていく信頼と結びつきは、生涯、消えることはありません。


絵本は、祖父母と孫の心のかけ橋
おもちゃや、洋服は・・・では、絵本の贈りものはいかがでしょう

人生をより長く生きて、その光と影に出会ってきた人が知る
人生のふしぎさと喜び、人間の心の善悪、知恵、経験
それらを、あとに続く世代へ伝えていくよう手助けをすることです。



***


「想像力」は、創造力や、共感、寄り添う気持ちにもつながる

コピーしか作れない私のような者は、子どもの描く自由な絵を観るのが大好きだが、
子どもが描いた“キチンとした絵”―空は青く、花は赤い花弁が数枚、、、を観ると
自分の子ども時代を思い出して哀しくなる

私が就学前、庭でぬり絵を“キチンと”塗っている横で、
近所の女の子は“デタラメ”な色を塗っていて、
なぜ、そんな風にはみだしたり、空をいろんな色に塗っているのか理解できなかった

でも、今は逆に、
大人や周りを見て「空は青く塗らなければおかしい」と知った子どもの絵は、ぜんぶ同じでつまらない

周囲を敏感に察知し、“褒められたい”と思うあまりに、
本来もっている自由な色が強制され、統一化されてゆく

それを観た大人も「上手く描けたねー」と褒めたり
空を赤く塗る子どもに「空はこんな色じゃないでしょ」と否定する

そうして、みんな似たようなつまらない大人になってゆき
集団からはみだした者を排除し、攻撃するようになる

そんな「想像力」の欠けた子どもと大人がどんどん増えている気がするんだ





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