映画『阪急電車』（2011）

■映画『阪急電車』（2011）

原作：有川浩　監督：三宅喜重　脚本：岡田惠和

trailer

出演者：
高瀬 翔子 - 中谷美紀
森岡 ミサ - 戸田恵梨香（兵庫県神戸市出身）
萩原 時江 - 宮本信子（若い頃の時江 - 黒川芽以）
伊藤 康江 - 南果歩（兵庫県尼崎市出身）
権田原 美帆 - 谷村美月（大阪府出身）
門田 悦子 - 有村架純（兵庫県伊丹市出身）
萩原 亜美 - 芦田愛菜（兵庫県西宮市出身）
小坂 圭一 - 勝地涼
カツヤ - 小柳友
マユミ - 相武紗季（友情出演）（兵庫県宝塚市出身）
羽田 健介 - 鈴木亮平（友情出演）（兵庫県西宮市出身）
披露宴の会場係 - 大杉漣（特別出演）
小峰 比奈子 - 安めぐみ
小林駅の駅員 - 菊池均也
門田 悦子の友達 - 森田涼花（京都府京都市出身）
樋口 翔子 - 高須瑠香（大阪府出身）
健吾 - 高橋努
遠山 竜太 - 玉山鉄二（京都府出身）
ほか


「GYAO！」で6月30日まで無料配信されていたので観てみた
中谷美紀さんは好きな女優さんの１人


▼あらすじ（ネタバレ注意






“人はそれぞれみな、いろんなやりきれない気持ちを抱えて生きている
　死ぬほど辛いわけではないけれども、どうにもならない思いを抱えて生きている
　そして、その気持ちは誰にも言えないのだ

　誰かに言っても仕方がないと諦めるしかないと皆そう思っている
　自分で解決するしかないんだ

　この世界にはこんなに人がいるのに
　同じ場所、同じ時間に生きてる人がいても、なんの意味も持たない

　私の人生も誰にも影響しない　世界はそう成り立っているんだ
　そう思っていた　でも、、、”




婚約者・羽田から「別れてくれ」と急に言われたショウコ３２歳
相手はショウコの会社の後輩で妊娠している　自殺まで図ったそう




（鈴木亮平さん、雰囲気違う　相手は安さん？

ショウコ：
３年も婚約してた私の気持ちはどうなるの？
（謝る後輩に）分かっててやったんでしょ？

羽田：大丈夫やろお前は　泣かへんし　このコにはオレがおらんと
（中島みゆきさんの歌詞みたい

ショウコ：
仕事もできない、友だちもできない後輩の面倒みて失敗だったわ
１つだけ条件がある　それができなきゃ婚約不履行で訴える　確実に勝つわよ


萩原時江　夫を亡くして、孫の面倒をみるのが楽しみ



門田悦子１８歳　関西学園は子どもの頃からの憧れだったが、ギリギリだと進路指導に言われる



森岡ミサ２１歳大学生　彼氏・カツヤと半同棲中


「家事も嫌いじゃないけど、ズルズル半同棲はどうかな　部屋を探さない？」と言うと
キレて暴力をふるうカツヤ（この時点でもうダメだ



出会った頃は優しく、周りから「カッコいいカレシがいてイイなあ！」と言われるのが自慢だった



伊藤康江４２歳主婦　父と息子とにぎやかに過ごしているが・・・
ママ友らにランチに急に誘われる　フレンチに４０００円　断れない　きっかけは息子のＰＴＡ


（南果歩さんって気づかなかった！驚


１９歳大学生　小坂圭一
オスプレイみたいなのを見て「すごいのう！」と夢中（ミリタリオタク？






権田原美帆１９歳大学生（どんだけキャラクターいるの？　しかも朝ドラ関係２人目
学校近くにオオバコを見つけ「天ぷらにすると美味しいねん」



寂しそうに歩く少女８歳（もう覚えきれません



＊

往路　１０月　宝塚駅

孫・亜美「犬が欲しい」とねばる
タキエ「ダメです　なんでも欲しい、欲しいってゆって、続いたことがないでしょ？」

トキエは車内でみんなケータイを見ているのを見て呆れる
席に割り込み、大声で喋る関西のおばちゃんの中にヤスエもいる


【宝塚南口】



ウエディングドレスを着てホームに立つショウコ
結婚式に呼ぶのが条件でウエディングドレスを着て来た

「絶対、私のほうがキレイだ」



好奇の視線にさらされつつ、新郎新婦が来て、ショウコを見て固まる
「お幸せに」と満面の笑顔にグラつく羽田

式場で新郎の母が申し訳なさそうに会釈する　ショウコは途中で帰る
式場スタッフが引き出物を「余らせてはいけないものなので」と無理矢理渡す


（この１シーンだけのために大杉漣さん！　贅沢なキャスティング

亜美「あ、お嫁さんだ」と言われて泣き出すショウコ
ショウコ「ごめんね、お嫁さんじゃなくて」

トキエ「討ち入りの成果はどうだったの？　よかったら話してみない？　気がラクになるわよ」

隣りに座り、事情を話す


【逆瀬川】

ミサとカツヤが部屋を見つけるために乗り、ショウコを見かけ、話を聞いてしまう

ショウコ：
寝取られたんです　マリッジブルーの間に
結婚式のたびに私を思い出させたかった　人生で最良の日になんかさせない（頭のいい復讐だね

トキエ：いい気味

ショウコ：フツーなら“自分が惨めになるだけだ　忘れろ”とか言われるかと思って

トキエ：
後悔しない自信があるならスッキリする
自分が傷つくのを覚悟の上でやったんでしょ？

ショウコ：たまたま一緒の電車に乗っただけなのに　嬉しかったです

トキエ：
新郎新婦とは同じ会社？
あなたが会社にいることで彼が肩身の狭い思いをするのは自業自得
でも、気が済んだら、会社は辞めなさい　自分のためにね
それから、小林駅で降りて休んでいきなさい　いい駅だから


【小林】（人の名前みたいな駅名だな

ショウコは降りて一礼

「何があったんやろ」隣りの車両で見てて気になるヤスエ　今度は高いケーキ屋に誘われる

やだ可愛い柴さん出てきた！　ケンだって
ガウってちゃんと家の番してるのねー



来客のお尻に噛みついちゃった
２人で散歩してると黒柴にも吠えられる男


（トキエと夫の若い頃の記憶か


カツヤにショウコの様子の話をして、
ミサ：男の人ってそういう常識なんにも知らないんだね
車内でも「うるせんだよブス！」と怒鳴り、アミも泣き出す



小林駅では、駅員が花に丁寧に水をやっている　ツバメの巣も守られている

　

ショウコ：なんか和むし降りてみるか

豚まんを食べて、衣装に気づき、服を買って着替える
ウエディングドレスに「ご苦労様」と言ってゴミ箱に捨てる




【仁川】

カツヤは降りて、突き飛ばされたミサに手当するトキエ

トキエ：くだらない男ね　やめといたほうがいいと思う

アミにも「泣くのはいい　でも自分の意思で涙を止められる女になりなさい」

トキエの言葉を思い返し、「もうウンザリです。さようなら。ミサ」とカツヤにメールしようとして悩む


高校生３人組　カレシの愚痴を言ってるエツコ

エツコ：
洗濯も出来ない大卒　アホ過ぎてビックリしたわ
受験終わるまでヤラないって約束してくれてる
人懐っこい犬みたいな顔

ミサ：ええなあ　私よりいい恋愛してる

メールを悩んだ挙句、保存してケータイを閉じる


【甲東園】（短い区間なのに、けっこうな人が利用してるのね

今度はヘリが来てテンション高まるケイイチに声をかけるミホ
「あれは自衛隊のヘリだ」と話が止まらない
（知らない人に話しかけるって都内じゃあり得ないな　映画だから？


【門戸厄神】（なにかいわくありげな名前

“軍オタ”を知らないミホは感心する
ミホ：珍しいもの見つけると得した気持ちになるから、今日はラッキー
自己紹介するケイイチ　「同級生だよ　君の名前は？」
答えられず黙り込むミホ


終点　【西宮北口】

人に突き飛ばされて引き出物が割れたショウコ
エツコらは「駅員さん呼びますか？」と声をかける
引き出物もゴミ箱に捨てるショウコ

「浪人するなよ、カレシのためにも！」とエツコに声をかけるミサ

ケイイチを呼び止めて、名前を言うミホ

ミホ：
名字を言うといつも笑われて、ゴンちゃんとか言われて
それがイヤで、大学デビューで新規一転しようと思ってもムリで
しかも私、田舎者やし、なんか浮いてて、ウソつこうかなと思ったら親に申し訳ないなとか・・・

（名前だけでこんなにコンプレックスある人もいるのか

ケイイチ：笑わんよ、そんなことで　軍オタの話聞いてくれて嬉しかったし　よろしくミホちゃん
２人並んで階段をのぼる


少女：誰か助けて・・・



＊

雪が降り、梅が咲き、、、

復路　３月
（今度は逆行して、それぞれのその後を追うのか　面白い構成だな


【西宮北口】

ミサはサッパリした顔
トキエの言葉でやはり別れるメールをした
カツヤの家に荷物を取りに来ると、カツヤが帰ってくる

カツヤ：付き合ってやってんだろ！

自宅にも押しかけてくる/怖怖怖



友人とその兄同伴で話し合うことにした
（第三者を入れるのはグッドアイデアだと思う

兄は怖い顔で「あんま困らせんでほしいんやけど」
カツヤ「オレたち付き合ってるわけで　ケンカの範囲ですよ」

兄：
ミサちゃんは別れたいそうや　これは全部お前のせいや
女殴ったり、アパートで叫んだり　別れてくれるな
もし返事もらわれんなら空手道場で話そうか

カツヤ「いいえ」（自分より強い相手には弱いんだよね

親友「ケータイ出して」

へし折って水没　かっけー

ミサをぶつマユミ
「やからいうたやん　なんでもっと早く相談せえへんの！」
一緒に泣く２人



また大騒ぎで電車に乗るおばちゃんたち
座ろうとした席にバッグを投げて、席をとられたショウコは苦笑
遅れてきたヤスエは「とっといたで」と言われた席に座る

ミサ：おばちゃんてサイテーやな

今度は中華に誘われているが、胃が痛くなるヤスエ
「私ちょっとムリそうやから次の駅で降ります」


【門戸厄神】

一緒に付き添うミサ　近くに内科があると教える
ヤスエ：時々あるの　病院は大丈夫　胃薬持ち歩いているから


年上のカレシ・遠山竜太とデートしても上の空のエツコ

エツコ：今日でいいよ　どこでもいい連れてって


ホテルに来る２人　落ち着かないリュウタ


（「お父さん、みよ子は今、男の人と一緒にホテルにいます・・・」
　えっと・・・高校生は、法に触れないんだっけ？

リュウタ：
ちゃんと話してくれよ！　オレはエツコのこと大切にしたいと思ってる
今日がええって日までちゃんととっときたいんやて　分かるか？

泣いて事情を話すエツコ


エツコ：
進路指導の教師にギリギリと言われて、親にお金を払ってもらうのが申し訳ない
弟２人も受験やし　滑り止めの入学金何十万をドブに捨てるようなことできひん
（役柄も朝ドラに似てる

教師から「戦わんと逃げるか　やっぱりお前はあかんな」と言われた

エツコ：頑張りが足りなかったかもしれないけど、逃げてなんかいない！
リュウタ：間違ってない　なんやその教師　そいつの見る目がないんや！



関西学園までついてきてくれるリュウタ
エツコが声をかけたのは、すっかり仲よさげなミホとケイイチ

エツコ：やっぱりすごい勉強しましたか？
２人：むちゃくちゃした！　頭ヘンになるくらい

それを聞いて笑ってお礼を言うエツコ
「もう大丈夫」


【甲東園】

いつもいるな、おばちゃん

ミホは蕨がある場所を教える
「もうすぐ春やから　とられへんかなあ　命綱つければ」ｗ



ケイイチ：蕨なんていくらでもあるやんか
ミホ：そこにはケイイチくんおらんもん

ケイイチ：どうして、君は・・・（このひと言に飛行機飛ぶほどヤラれたらしいｗｗ


ｘｍａｓの夜（場面飛んだな


ミホが友だちからゲームもらったから遊ぼって、箱開けたらコンドーム

ケイイチ：からかわれたんよ、友だちに
慌ててしまうミホ

ケイイチ：あのさ、、、使ってみる？
ミホ：せっかくのご好意ですし　よろしくお願いします
思い出してニヤけるケイイチ

ケイイチ：春休みにハイキング行こう　ユキノシタの葉っぱ、天ぷらにしたら美味しいらしいし
ミホ：野オタ？（野草オタクのことらしい

ケイイチ：ミホちゃんが好きかなと思って　今はゴンダワラミホオタ？
ミホ：あなたはどうして・・・


（こんなステキカップル見たことないでｗｗ


胃薬の場面に戻る


ヤスエ：
私ね、ほんまは行きたくなかったの　中華のランチ５０００円もするの
５０００円使うなら近所のラーメン屋で家族で食べるほうがええの
でも、断られへんの

ミサ：
断ってハブられんなら、私かてようせえへんわ
あの人たち、相当おばちゃんのこと軽く見てるで　友だちとちゃうで
価値観の違う人とは辛いと思ううちに離れといたほうがええねん
ムリに合わせてると、自分もそっちの価値観に慣れてまうから
自分で決めることやけどね

ヤスエ：頑張ってみるわ


胃の痛みが消えてる　家族に急いで帰ると電話する

（電車すぐ来るから便利だね


あれ、トキエさん、急にダックスを飼うことにしたんだ　名前はケン

席を譲ってくれたリュウタは、夫にソックリで驚くトキエ

リュウタ：
僕、誰かに似てます？　よう言われるんですよ　昔飼ってた犬に似てるとか
犬あかんねん　子どもの頃噛まれて　家族は飼いたいのを我慢してくれてた

（嬉しくて、つい買っちゃったのね、トキエさん


【小林】

ショウコはいつもの駅員に声をかける（ここに住んでるのか

小学生の女の子たちが「ミドリちゃんなら一人で帰ったよ」
少女「聞いてないのに教えてくれてありがとう」（イジメられてるのか

ショウコ：やだやだ、あの歳でも女だね～

寂しげな少女が気になり声をかける


ショウコ：
カッコよかったわよ、今のあなた　私は好きよ
（泣き出す少女にハンカチを渡す）　今なら私の影で見えないから

なんとなく、あなた、私に似てる
きっとこれからもいっぱい損すると思う
でも、この世界にはあなたのことちゃんと見てる人もいるから
だから頑張れ

少女：お姉さんは幸せですか？


ショウコ：
そうきたか
いろいろ失敗しちゃってさ　引っ越して、再就職して、今やり直し中
でも、私は絶対幸せになってやるから
キレイな女はね、損するように出来てるのよ、コレがまた
だから一緒に頑張りましょう

（中谷美紀さんが言えば、違和感ゼロ

少女：ショウコです
ショウコ：ちなみに私もショウコ　字も同じ！
やっと笑顔が出る少女


あとはこのオバチャンらだ・・・


【逆瀬川】

ケンと一緒に乗るトキエ

アミ：
なんで電車の中であんなにうるさいの？
幼稚園で教わったよ　電車はみんなで使うものやから静かにしなさいって

トキエ：あなたはまた面倒臭いところに絡んだわねえ（ｗ

おばちゃん：子どもにどんな教育をしてるのかしら

トキエ：
孫には常識的な教育をしていますが、なにか？
この子の言ったことにひとつも間違いはないと思います
嫌味なばあさんより、迷惑なおばさんのほうがよっぽどマシです

おばちゃん：ボケてんのかしらねーｗ

トキエ：あなたたち、どうやら私を怒らせたみたいね

それからずーーーーーーーーっと説教するトキエ




トキエ：あなたたちがそうだから、マナーの悪い子どもたちが増えるのよ

（まあ、こんなことじゃ、人の性格は一気に変わらないと思うけどね
　おばちゃんたちも胸にぽっかり空いた穴を、食べ物で埋めてるのかもしれないし


【宝塚】（１駅分？　なら３分くらいかな

「あんなオバハンに会いたないわねえ～！」と逃げるおばちゃんたち

拍手するミホとケイイチ　トキエさんの笑顔もチャーミング


ショウコはミホと会う

ショウコ：もしよかったらお茶でもどう
ミホ：私も話したいです　人生の機微について

ショウコ：いいお友だちになれそう　なんか悪くないよね、この世界も
ミホ：はい、悪くないです

＊

１人ずつの抱えていたモヤモヤがスッキリして、気持ちよく終わる映画を久々観た
阪急電鉄ファンも楽しめるのかな　区間が短い割に、けっこう長い車両
そして、締めはａｉｋｏの歌


“この世はそんなに悪くない”って言える映画やドラマが増えるとイイなあ