Quantcast
Channel: メランコリア
Viewing all articles
Browse latest Browse all 8634

熊谷守一 『はじまるよ』(福音館書店)

$
0
0
『はじまるよ』(福音館書店)
熊谷守一/絵 ぱくきょんみ/文 おかざき乾じろ/ブックデザイン

素晴らしい絵本に出逢った 大好きなモリカズさん

世界中に無数にある本の中で
こうした1冊との巡り合わせはとても貴重


真四角の形と表紙の絵に吸い込まれる 「朝のはぢまり」

中を開くとヨコに長い長方形いっぱいに広がる
やさしい色とさまざまな自然の形と色
それに寄り添う瑞々しいシンプルな言葉もイイ


「朝の日輪」




しかし、観れば観るほどフシギ
板の上に描いてるんだっけ

まず下地を塗ってから、絵の色を重ねるのかな
どの段階で茶色のふちどりをするのか

その風貌、生き方ともに謎だらけ
モリカズさんは絶対、仙人なんだ


これだけシンプルな形に描くまで、きっとデッサンもたくさんしたろうし
毎日毎日、時間を忘れて自然を眺めていたことがうかがえる

これ以外は考えられない、なんともいえない単色と
その組み合わせも仙人的

その周囲も絵にピッタリ合った色を塗っているハケの跡がある

今回は絵本のデザインに合わせた工夫や変更も多少あったかもしれないが
モリカズさんの世界はそのまま伝わる


有名な、私も大好きな猫もいる 「猫」



よく観たら、細い木の上で器用に寝ている/驚
目を細めてスヤスヤ眠る温かい息づかいまで伝わる

いつまでも見飽きないし、いくつになってもココロが躍る



「石亀」





「かまきり」





この絵本を読み聞かせてもらう子どもたちの
イキイキとした目が浮かぶようだ

豊かな絵本は、ココロを豊かにしてくれる

1冊800円というお値段も手ごろ
描いた本人は、ケーザイなどからもっとも離れた所に生きていたのかも


1ページ1ページが厚紙でできていて丈夫だから
1冊あれば子ども、またその子ども・・・とつながって

モリカズさんの描くゆったりとした時の流れ
ゆたかな自然と生き物の世界が
たくさんのヒトの手に渡るとイイなあ


裏表紙にすべての作品の情報があり、豊島区立熊谷守一美術館以外にも
いろんな所にモリカズさんの絵が観られることも知った




豊島区立熊谷守一美術館


今、開かれている貴重な展覧会も早く観たい
モリカズさんのここまで大々的な展覧会はなかなかない

没後40年 熊谷守一 生きるよろこび@東京国立近代美術館


「宵月」






Viewing all articles
Browse latest Browse all 8634

Trending Articles