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世界の声に耳を傾けて@スーパープレゼンテーション

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世界の声に耳を傾けて@スーパープレゼンテーション

予録のまとめ見シリーズ

これだけ「グローバル時代」「IT時代」と言われていても
人は、自分の興味のある分野以外に興味を示さず、類友の範囲で世界を見ているという
彼の意見は説得力があり、興味深い観点だった


【内容抜粋メモ】

イーサン・ザッカーマン「世界の声に耳を傾けて」
Listening to global voices/Ethan Zuckerman





彼がTEDに出演した時は、2010年のサッカー試合が行われていた年だった



あるバナーがネット上を賑わせた話を取り上げて、何のことやらと調べてみたら
絶滅危惧種の鳥の名前だった





とても美しくて かぶりものに使われるだけではなく、 ある幻覚誘発剤を含んでいるそうで
Galvaoの乱用が起きているのです。(この画像の辺りから怪しい






・・・というジョークだった?!

(ネットを調べてみたら、そういう鳥がいるという情報も出てくる
 このサッカーのバナーは中傷だと分かったけれども、この鳥の存在は謎のまま
 ネットって、本当に知りたいことをピンポイントで調べようとすると
 広大すぎて、何が真実で、何がウソか見極められなくなるのが危険


※以下、リンク先の翻訳を引用させて頂きました




実は、「Cala a boca, Galvao」というのは ポルトガル語で「Galvao、おだまり!」という意味
具体的には、テレビ局のメイン実況者Galvao Buenoを指しています。
ブラジル人の友だちが言うには、彼は陳腐なフレーズを何回も連呼することで
どんなに面白い試合でも、つまらなくしてしまう。

そこで、ブラジル人はこの垂れ幕を出して、Twitterのキャンペーンを始めたのです。
世の中の人々に「Cala a boca, Galvao」とツイートするように、と。


この事柄から 学べることは、いくつかあります。

まず一つ目は、オンラインで人の行動を促すというのは そんなに難しくない、ということです。
あるフレーズをRTするくらいの簡単な行動であれば結構できてしまうものなのです。




二つ目は、 多くのブラジル人がTwitterを使っている、ということです。
500万人以上は、日本に次いで 第2位の利用割合です。



それをみんな知らない ネットは世界中のみんなとつながっているはずなのに
なぜなら、ソーシャル・ネットワークというのは 自分が選んだ人と接点を持つスペースだからです。

同様に、多くのアメリカ人は、アフリカ系アメリカ人が多いという事実に驚きます。
最近、Twitter社は、ユーザ層を解析したリサーチを発表しました。
アメリカにおけるTwitterユーザの24%がアフリカ系アメリカ人だそうです。
これは、実際の人口比率の 約2倍です。



Twitterのトラフィックを 1週間分蓄積したところ
「人気のトピック」の多くは人種によって分かれているということが分かったのです。

例えば、石油流出を話題にするのは主に白人アメリカ人で
アフリカ系アメリカ人が話題にするのはバーベキューのこと

わたしたちは、知っている人や同じタイプの人としか関わらず、視野が広がらない
友人のEli Pariserはこれを「フィルター・バブル」と呼んでいます。
私たちは、全体像が見えにくい状態にいるのです。


インターネットの黎明期を思い返してみましょう。



Nick Negroponteが 「ビーイング・デジタル」を書いていた頃
当時、インターネットというのは 文化の違いを撤廃し、
何らかの形で世界中の人々を同じ土台に持っていく強大な力になるだろう、
という予想でした。

「アトム(物質)」でコネクションを作るのは難しいだろう、という発言で始まります。
物質を遠くまで運ぶのは大変だから、これからは「情報(ビット)」の時代
場所・時間は関係なくなり世界は変わるだろうと予測した

彼は、フロリダの技術系イベントに参加していて、テーブルに置いてある
Evianのペットボトルを眺め 「これはオールド・エコノミーだ」と言った



Negroponteの予想の多くは当たりましたが これは、大ハズレでした。
例えば、フィジーで詰められ、莫大な運送費をかけて運ばれてきた
ペットボトルをアメリカで買うのは、とても簡単なことです。



一方、フィジーの映画を観たり、フィジーの音楽を聞くのはとても難しい
フィジーのニュースを入手するのは、非常に困難です。

フィジーでは、クーデター、軍事政権、言論の自由が弾圧されるなど、
いろいろ起きていますので、考えてみると不思議な状態です。
フィジーは、私たちが注目すべき場所だと言えるでしょう。




航空路線図で見れば、世界はもうひとつながりです
しかし、便の数を見ると印象が変わります
つながりに相当ムラがあることに気づきます



(これを見ると、日本の飛行機の便の数も相当なものだと分かる/驚


1970年代のアメリカでは、夜のニュース番組は35~40%が国際ニュースでした。
今は、12~15%まで落ちています。偏った報道をしていることが分かる




これは、以前のTEDトークで、Alisa Millerが使ったスライドです。

1ヶ月の間でアメリカのニュース番組がピックアップした国の統計地図です。
アメリカのニュース番組が言う「世界」というのは、膨れ上がったアメリカと
侵攻したいくつかの国で構成されていることが分かります。



『ニューヨーク・タイムズ』のマッピングも同じ結果でした。
裕福な国々と 私たちが侵攻した国々が取り上げられています。





これはWikipediaの記事をマッピングしたものです。
一般人が作る百貨事典でさえ、北アメリカと西欧に 大きく偏っていますね。
結局、ユーザーが多い地域のことばかりになってしまう




今はいろんな外国の新聞が読めるけれども、読まないですよね?
ネット人口の上位10カ国では、ニュース購読の95%が国内のニュースサイトを対象としています。




これらの事象をまとめると 私が「想像的世界主義」と呼んでいる状態が見えてきます。

わたしたちはインターネットを使えば 世の中のことが分かると思い込んでしまいます。
いろんな問題を解決するには、世界規模の話し合いが必要だから
これが、我々が解決しなければいけない問題です。





そこで私は6年前から、Global Voicesというグループを創設しました





世界中のブロガーが集まったグループです。
世の中のメディアを直すことをミッションに、2004年に始めました。
お気づきかもしれませんが、あまり進展していません。

ここで学んだことは、ウェブを活用してより広い世の中を作り出すための「配線直し(rewiring)」の作業に使える、と思えてきます。


まず、世の中には注目されていない地域があります
夜中の地球を表現したNASAの地図で見ると、電気がない地域が暗いエリアで分かる




暗いエリアの一つは、マダガスカルです。
マダガスカルでFoko Clubという団体を設立した人たちの最初の目的は
英語を勉強し、コンピュータやインターネットのスキルを身につけるクラブでした。

でも、マダガスカルでクーデターが起き、ほとんどの独立メディアは閉鎖されました。
Foko Clubの高校生たちは、突然、デモや暴力、国の現状についての情報を世界に発信しはじめました




さて、ここで難しいのは ほとんどの人は、マラガシ語を話さないということです。
中国語を話す人も少ないでしょう。ネット人口1位の国の言葉なのに

じゃあ、どうすればいいか?
Google Chromeを使って中国語のサイトをワンクリックで翻訳することができます。
残念ながら、機械翻訳なので、精度がかなり低く、たまに笑ってしまうような訳が出てくる




理想は、ボタンをクリックしたら、人間が翻訳してくれるシステム
論外だと思うかもしれませんが、中国に「Yeeyan」というグループがあります。



登録ユーザーは15万人
彼らは、毎日ウェブ上で英語で書かれている面白いコンテンツを探します。
毎日約100本の記事を翻訳し、全て無料でオンラインで読むことができます。

創設のきっかけとなったのは「チベット騒乱」
その時のアメリカでの報道の偏り具合に唖然として、米中間の理解を促進するために始めて
今では15万人もの翻訳ボランティアがいる

これの英語版もあればいい!
中国のネット人口は4億人ですよ
面白い話題がいくつもあるはず


ネットでの情報入手方法は2つ まずは検索です。



でも、思いがけない発見をしたいなら、ソーシャル・ネットワークを使います。
友だちが見ているものは 自分も見るといいのかもしれない、と。

このスタンスの問題は 集団の知恵からしかインプットがないことです。
自分に似た人たち、つまり自分と同じような興味がある人と群がることになり
世界のほかの地域の人の話が聞けない



別の群れに導いてくれる「ガイド」が必要なんです


そのガイドが、Global Voicesの中東のエディター、Amira Al Hussainiです。
非常に難しい仕事をしています。
中東の面白い話題をセレクトして、人々に普段と違う記事を読ませる



例えば、ラマダンの1ヶ月間は禁煙をしている人の話とか
どんなネタがあり、なにがウケるかを把握してDJをするということ



人々がノレるものを提供することです
視野を広げたい人は、薦められた記事を読めばいい




これは、私の大好きなブログ「AfriGadget」からとった写真です。
アフリカという切り口からテクノロジーを探求するブログです。
このナイロビ在住の鍛冶屋は、廃車の部品で“たがね”を作っています



スーダン産まれでケニヤ育ち 彼は「橋渡し役」なのです。

アフリカとアメリカの技術系コミュニティの両方に軸を置いているので、
キベラの鍛冶屋の話題を、技術の転用、制限から生まれる発明、資源再利用という切り口で
ストーリーとして組み立てることができるのです。


シンシナティ・ベンガルズの Dhani Jonesは「Dhani Tackles the Globe」というテレビ番組を担当しています。
この番組で、彼は、毎週どこかの国に旅をして、地元のスポーツを体験します
彼にとってスポーツというのは、この大きな世界の素晴らしさと交わるための「言葉」だからです。



ある人にとっては「言葉」は音楽、食べ物、文学かもしれません。
世界とつながる手段はいろいろあるのです。


でも、これを達成するには個人的な努力では不十分です。

現存する仕組みを配線し直して、メディアを直し、インターネットを直さなければいけません。
教育システム、移民政策を直さなければいけません。

偶然の発見があるようにする 言葉の壁をなくす
橋渡し役を大切にし、もっと“外国好き”を増やすんです
これが、私のやろうとしていることです。ご協力お願いします。




【JOI's superview 内容抜粋メモ】

「xenophobia(外国人嫌い)」という言葉はよく使われますが
イーサンは「xenophile(外国人好き)」と言っているところがポイント






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