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notes and movies(2003.4〜 part1)

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過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
今回はピンク色のルーズリーフからご紹介。
会社の同僚に教えられて江原さんのスピリチュアル本にハマったらしい。

  

photo1:このライブビート公録でバンバンを初めて見たv
photo2:ジャック・タチをスクリーンで。
photo3:宇宙芸術展@横浜のメモ。

昔のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


■『純愛譜』(2000)
監督:イ・ジェヨン 出演:イ・ジョンジェ、橘実里、キム・ミニ、余貴美子、大杉漣 ほか
1組の男女が出会うまでの話。「人の出会いは縁で、偶然も必然だ」ってゆー江原さんの説を映画にしたような感じ。
イ・ジョンジェが、これまたいつになくぼーっとしたフツー男を演じているw かえって難しいのかもね。

ネットの空想的アイドルと巡り会うなんて、いかにも現代オタク男の夢だな
写真の切り抜きを持ち歩いて、アイドルの顔にのせたり!、着た服の匂いは嗅ぐわ、
およそ変態っぽい行為のオンパレードなんだが、これが現実の、平均的男の日常なのかもw

対して、さすがに少女のほうは、あくまで透明、純粋。死にたい願望も中途半端。
行きずり男と子どもを作った母を持つダンサー?と会って、不幸なのは自分だけじゃなく、過去と今の自分は違うと気づく。

なんで人は、親と同じになるもんかって思っても、同じ道にいるんだろう?
ちょっと時間の流れが流行りのリワインド気味なのが面白い。


■『ストーカー』(2002)
監督:マーク・ロマネク 出演:ロビン・ウィリアムズ、コニー・ニールセン ほか
ロビンは様々な悪役を演じるのを楽しんでいるみたい こういう人、フツーにいそうなのがヤバイ。
ストーカーは、自分が異常行動をしていることに気づかないという。
彼側からすれば正義心からやった道徳的行為、外から見れば立派な犯罪。
日々進行する新たな犯罪に法が追いつかないのが現状。

事情聴取で「子どもに虐待したりする奴は許せん!」みたいにキレて、
自分の幼児期の片鱗をうかがわせる演出だったが、結局殺すよりも侮辱のほうがより効果的かも。
Aは懲りて浮気をしなくなるだろうし、家庭も崩壊、でもJには直接被害はない。心の傷は深いとしても。
リアルに徹した分、心理サスペンス的で思ったほどスリル感のない印象が残った。
マネージャー役の俳優は『アメリカン・ゴシック』以来、端役が続いてるけど、もっとブレイクしないかな。


■『ゴースト・シップ』(2002)

監督:スティーブ・ベック 出演:ジュリアナ・マルグリース、ガブリエル・バーン ほか
文句なしおもしろいホラー 『CUBE』ではスパッと切れる人体シーンがあったが、今回は一気に数百人斬りに挑戦?!
『タイタニック』ばりの豪華さと哀愁、悪魔まで絡んできちゃうサスペンス。
最後の1分まで目が離せない極上エンタテイメント! 美しく恐ろしい最新ホラー。


■『カンパニーマン』(2001)
監督:ヴィンチェンゾ・ナタリ 出演:ジェレミー・ノーザム、ルーシー・リュー ほか
冴えない変身願望の男から、タバコ、酒、ゴルフをたしなむカッコいい男へと変貌。
しがないサラリーマンには夢のような話w
D.ドゥキャブニーならハマりすぎ、久々ノーザムのカッコいい主演作。
しかも相手が今チャリエン続編でさらに人気沸騰中のルーシーだから申し分ない。

二重、三重に仕掛けられる罠に自分が何者なのか、誰を信じるのかハラハラドキドキ。
スパイ稼業もハイテク最先端! 目をビローンと広げる洗脳マシンや、
地下数百mまで一気に下がるロケットエレベーター、周囲の皆がグルでフツーのおばちゃんから電話を渡されたり、
乗った飛行機で皆中毒にされていたりと、驚くアイデア満載のSFサスペンスの逸品。


■『運命の女』(2002)
監督:エイドリアン・ライン 出演:リチャード・ギア、ダイアン・レーン ほか
毎日、三面記事に載る浮気と殺人を改めてじっくり描いた1本。
ダイアンの円熟味の増した色っぽさが際立つ。ギアとのベテラン競演が見所。

そこまで我を忘れさせる性欲ってあるだろうか?
夫は妻のことをよく分かってると言ったが、それほどじゃなかったらしい。
愛されていても気づかないこともあるし、愛してると思っても伝わっていないこともある。
誰が悪いという人もいない。

魔が差したといっても、その裏には何かしら理由となる土台があるはず。
こんなささいなよくあるすれ違いから起こる哀しい事件が多すぎる。
誰かを理解し、自分を理解してもらいながら生活し、社会と向き合うって難しい。


■『カルマ』(2002)
監督:ロー・チーリョン 出演:レスリー・チャン、カリーナ・ラム ほか
先日、自ら命を絶ったレスリーの最後の作品。
これからも素晴らしい安定した演技力で円熟味も加わって活躍してゆくはずの彼が、なぜ突然消えなくてはならなかったのか?

今作はホラーであると同時に、それぞれが抱える心の奥底のトラウマと正面から向き合い、
恐怖、不安、悲しみを受け止めることで解放してゆく心理ドラマに力が入っている。

ちょっと『リング』の貞子とかぶってる。鏡などに映りこむ女の姿って、なんでこう恨みいっぱいで恐怖心を煽るのかな。
浮遊霊は何か訴えたくて未練があって残るという。すべては人の念の強さ、執着心ということか。


■『ぼくの伯父さんの授業』(1967)(劇場にて
監督・出演:ジャック・タチ ほか
一体何の講座なのか、黒スーツのオッサン相手にパフォーマンスと観察力について講義するタチ。
タバコの吸い方から、スポーツはテニス、乗馬、釣り・・・
大会社社長、中小企業社長、初心者、上品ぶった婦人etc...それぞれの例を見せてゆく。
果ては階段でのつまずき方、パネルへのぶつかり方など、丁寧にも高度な計算により割り出された歩数によって皆練習してみる。
最後にド派手に頭をぶつけてフラフラのタチは、講義を終えて外に出ると、
高層ビルは作り物で、その奥のバラックに住んでいるというオチ。


■『のんき大将』(1949)(劇場にて
監督・出演:ジャック・タチ ほか
「当時はまだ新しい実験だったカラーと、念のためモノクロも同時に撮り、
 公開はモノクロだったが、今回タチの遺志を考え、カラーで公開する」という説明付き。

「アメリカがなにさ、速いだけじゃないか。待つ甲斐のある手紙もいいもんだよ」

笑わせて、どこか哀しさも漂ったり、癒されたり・・・タチのあったかいまなざし、
意外に芸達者で細かい計算された制作裏が垣間見れて、新たな印象が付け加えられた。

ショップにはいろんな書籍、ポストカードもあった。
Afternoon Teaって雑貨屋でも『プレイタイム』等の展示があるみたいだし、
客は10〜20人くらいだったけど、日本でももっと観てほしい。
ユロ叔父さんだけでなく、こうした短編ものにもタチのこだわりが満載だ。

(これはまさに『ぼくの伯父さんは、のんきな郵便屋さん』(平凡社)の映画版だな


■『スパイダー 少年は蜘蛛にキスをする』(2002)
監督:デヴィッド・クローネンバーグ 出演:レイフ・ファインズ ほか
期待のクローネンバーグ作品。エグエグかと思いきや、意外にアッサリしてたw
レイフが目玉か。最近『レッド・ドラゴン』等、異常者役が続いたが、
彼の繊細な美しさが、どうしても悪者に見えない。

つまり、ふしだらで下品でなく理想の母として葬りたかったのか、
それとも理想の母を父にとられ、女の部分を見せられたのが許せなかったのか?
よく分かんない終わり方。

“中身のない人間ほど厚着をする”とかと親しげに話す施設の老人のセリフがなかなかイイ。
この俳優どこかでよく見る。


■『戦場のピアニスト』(2002)

監督:ロマン・ポランスキー 出演:エイドリアン・ブロンディ ほか
文句なしの名作。重く複雑な物語をよくぞリアルかつ叙情的に描ききった。
あらゆる悲しく凄惨な出来事の中でもナチスドイツのユダヤ人虐殺は、まだ歴史の片隅においやるには生々しすぎる。
その中で死ぬ者、生きる者を分けたのは、まさに作品中のセリフ「神のみぞ知る」。
残された者は記憶を受け継ぐ使命を負うが、民族同士の戦争も絶えないのが現実。

本作は、彼の自伝を基にしていて、エイドリアンが細身で八の字型の眉が印象的なのに比べ、
本人は丸顔のハツラツとした感じ。

本作を観て一番感じたのは人の寿命。
それぞれの役割、人との縁等々は人間には推し量れないということ。
シュピルマンは、なんと何人もの人に助けられ、いくつもの偶然に救われたことか!
それも彼が素晴らしいピアニストとして無数の人々に感動を与え、
また、この重い体験を書き、こうして映画化されることで、より多くの人々に
戦争や殺人の悲惨さ、空しさを伝えるための計らいと思えて仕方ない。

弟の読んだ本のとおり「殺されても憎むべからず・・・」復讐や憎しみは、新たな殺しの連鎖を生むだけ。
それぞれの時代、人生でできる限り良心をもって、ベストを尽くすしか私たちには術がないのかもしれない。



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