司会:竹内薫、南沢奈央
予録のまとめ見シリーズ
【内容抜粋メモ】
今、スポーツは、空前のデータ解析ブーム
あらゆるプレイが数値となって、戦略にも大きく影響しています
野球では、試合前からもう勝負が始まっています
対戦するピッチャーの投球を、あらかじめリアルにシミュレーションできます
![]()
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今、注目を集めているこちらのヘッドフォンは、脳に電気刺激を与えて
トレーニングの効果を高めるといいます
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人間の脳の研究も加速しています
無意識で動くとき、脳に何が起きているのか その謎も明らかになろうとしています
テクノロジーは、アスリートをどのように進化させるのか その最前線です
![]()
タ:最近スポーツ中継を見ていると、いろんなデータが出てきますよね
な:この間、バレーボールで心拍数とか出てました
タ:
今や科学技術の進歩によって、スポーツの世界が大きく変わろうとしています
![]()
これは世界に3つしかないボールです
この中に、傾きや、速さを検知するセンサーが入っていて
スピードや、回転数を測ることができます ちょっと投げてみましょう
![]()
実は、ダルビッシュ投手は、ストレートの回転数が1分間で2500回 全然違う
な:でも、こうやって数字で見ると、もっと投げて、速くしたいという気持ちになりますね
タ:数値目標があると頑張りがいがありますよね
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こうした種目でもデータを計測するグッズが開発されているんです
例えばテニスやゴルフは、スイングスピードや軌道が分かる
スノーボードや自転車は、加速度や、位置情報が分かる
今、こうしたデータの計測がトップアスリートの世界に広がりつつあります
●メジャーリーグのスーパープレイ
ファンを熱狂させるメジャーリーグのスーパープレイ
今、その凄さは、データによってより具体的に示されます
ホームランは、飛距離や対空時間、打球速度、角度まで
ピッチャーの投球は、投げた瞬間と、ホームベースを通過するときの球速の違い
野手は、ボールの落下地点まで無駄なく走れているかを示すルート効率までわかります
![]()
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メジャーリーグでは、このシステムを全てのホームグラウンドに導入
フィールド内、全てのプレイをデータ化しています
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(こんなにデータにするなら、CGのゲームでいいんじゃない? 予測不能だから面白いのに
●「ドップラーレーダー」
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これを可能にしたのは、バックネット裏に設置した「ドップラーレーダー」という装置です
レーダーの電波は、球場全体を立体的な網の目状に張り巡らされています
計測は、1秒間に4万回 1mm単位で動きをとらえます
![]()
(こんなにレーダーを浴びまくって、ニンゲンは大丈夫ですか?![]()
![]()
ほかにも、目に見えないだけで、あらゆる電波が無数に飛び交っているのに
・『くらしにあふれる危険な電磁波』(ポプラ社)
例えば、ボールをどう見るかと言うと、
ボールが近づく場合、反射波の波長は短くなります
一方、遠ざかる場合、反射波の波長は長くなります
![]()
![]()
さらにボールの回転も分かります
![]()
画面で示したボールの場合、
ボールの上側は、レーダーに向かってくる回転となるため、返ってくる波長が短く
ボールの下側は、レーダーから遠ざかる回転となるため、返ってくる波長は長くなります
こうして、ボールの向きや回転を精緻に捉えることができるのです
●「戦力外通告」を受けた投手のパフォーマンスが激変
こうした分析は、今、選手の運命をも変えています
デビューから1勝も出来ずに「戦力外通告」を受けたコリン・マクヒュー投手
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そんな彼を獲得したチームは、あるデータを高く評価していました
それは、カーブの回転数
![]()
平均よりも500回転も多く、切れ味が鋭いことがわかりました
さらに投球を分析すると、他の変化球が多く打たれていることがわかりました
そこでマクヒュー投手は、カーブ主体の配球に変えてみたところ
1年で「奪三振率」が2倍以上の高さになり
3年連続で2桁勝利を挙げるなど、飛躍的に成績が向上したのです
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●「ピッチングデータ」を収集する最新機器
スポーツにおけるデータの活用は、アスリートのあり方を大きく変えると専門家は見ています
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ベースボールアナリスト・金澤さん:
これまでは、選手の獲得のためにデータを活用することが多かったのですが
選手のプレーそのものを変えていく、選手の強化に使うということに変わってきていると思います
こうしたデータの活用は、日々のトレーニングにも広がっています
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「ピッチングデータ」を収集する最新機器
小型で設置も簡単なため、大学や、社会人の野球チームが導入を検討しています
ピッチングを計測すると、その場で、球速や、回転数、ボールの変化量など
8つの項目を見ることができます
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データ解析会社 ベースボール事業部・岡野さん:
プロ野球に限らず、アマチュアでも、いろんな場面で活用できると思います
さらに、画像解析もアスリートを進化させようとしています
●卓球の速い球も解析可能
これまで、小さく、速く動くボールを捉えることは技術的に難しいとされてきました
それが今や、市販のカメラとコンピューターで画像を捉えることができるようになったのです
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2台のカメラを設置し、卓球台の三次元画像を再現します
そして、ボールを認識させると、1秒間に60枚の画像で位置情報を捉えていきます
対象物を明るさで認識する技術を用いて、ボールだけを区別することで
リアルタイムの画像処理が実現し、ボールの軌跡から、回転数まで割り出せます
![]()
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例えば、飛んできたボールがバウンドした後に加速すると「順回転」
逆に、ボールがバウンドした後に減速すると「逆回転」
この加速・減速の数値を見ることで回転数の目安を割り出しているのです
こうして、自分と対戦相手の打球速度やボールの軌道
どのエリアに飛んでくるのかまで、ラリーの情報が全て蓄積されるのです
![]()
体験した中学生:
細かいところまで分析できるので、徹底的に自分のことが知れると思いました
このシステムを体感した元オリンピック代表選手・遊澤亮さん:
こうやってデータを取っていただくと、自分の得点パターンや
ラリーのパターンが分かりやすいと感じました
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●データ分析が様々なスポーツを変える
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専門家・神武さん
私はもともと宇宙航空研究開発機構(JAXA)で人工衛星を使って
地球の環境変動ですとか、農作物の農場のデータを取ってきたのですが
地球を対象に、人工衛星を使って地球の変化を見ることと
アスリートを対象に、人工衛星やいろんなセンサーを使って、
変化や特徴を見ることは同じではないかと考えて
スポーツ選手を対象にした研究を行っています
タ:
戦力外通告を受けたピッチャーが劇的に変わったというのはびっくりしたのですが
これからは、集めたデータをどう使うかという時代に突入するんですか?
ジ:
そうですね やっぱりデータがいっぱいあっても、
それをどう使うかというところがとても大事で
例えば、メジャーリーグで、最近「フライボール革命」と言って
今まではバッターには、多くのチームが、ボールをできるだけ
「ゴロを打つようなスイングをしなさい」と指導するチームが多かったのですが
取りためたデータを分析してみると
「フライを打つようなスイング」をしたほうがよいと分かったため
チームによっては、フライを打つためのスイングに指導を変えているところもあります
実際に、今年の6月のメジャーリーグの月間のホームラン数は1101本で、今までの記録を更新していて、
ホームランを量産するような指導法に変わってきている
データによって効果が出ている、一つの成果じゃないかと思います
●バーチャルリアリティ「VR」
スポーツを支えているもう一つの大きな技術が「バーチャルリアリティ」です
スタジオに、最新のトレーニング装置を用意しました
開発した三上弾さん(主任研究員 NTT メディアインテリジェンス研究所)です
![]()
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み:こちらがバッティングのトレーニングができる「VRシステム」です
なおちゃんが体験
な:球場だ 広いですね
![]()
み:
これを使うと、本当のバッターボックスの位置から、ボールの球筋を体験できます
![]()
足元を見ていただくと黒い丸が出ていると思うんですけれども、
それがおよその足の位置になっています
なので今、バッターボックスに立っている状況になっています
タ:しかも、これはピッチャーを選ぶことができるようになっているんですよね
み:
プロ野球選手、複数のピッチャーのボールを体験できるようになっていまして
今日は、則本選手を体験していただこうと思っています
タ:今一番三振を取っている人ですよね
な:どんなボールが来るんでしょう
み:まず最初は、ストレートからいきましょうか じゃあ投げます
![]()
な:怖い! 臨場感がすごいですよ パーンって音が
み:キャッチャーが取った時の音を提示しています 次は変化球いきます
![]()
な:また全然違う
み:
こういう軌道になっています
球筋は本当にピッチャーが投げたボールを計測して、
それを再現して正しい球筋にしています
タ:どんな感じでしたか?
な:
全然バットが振れなかったですね 速かったです
実際の選手のいろんな球を体験できるのは本当にいい練習になりそうですね
タ:
このシステムは、実際にプロ野球のトレーニングで使われているんですよ
どうやって使っているのか見てみましょう
●この装置を導入している楽天
練習しているのは銀次選手
試合前に、対戦相手のタイミングを体感することで、初球から慣れるといいます
![]()
![]()
銀次:
前から飛んでくるボールに合わせられるのがいい それはすごく大きいです
ボールの軌道だったり、試合に一番近い状態で見られるので
こんなことしていいのかなっていうのは正直ありますw
み:
しばらく対戦してない選手のピッチャーのボールを、
あらかじめ頭の中で予想して、バッターボックスに立つのと
そうじゃないのとは全然違うんですね
これで何度もトレーニングして、打つことができるようになります
な:バッターのほうが有利になりませんか?
み:
VRは、バッターのための仕組みですけれども、
もちろんピッチャーにも、自分が投げているボールが
バッターに対して、どういう球筋かも体験できます
ピッチャーも、バッターも、データをどんどん使う時代になっています
な:これはいろんな所に応用ができそうですね
み:他の競技に関しても検討を開始しているところです
●今、開発を進めているのがテニス
2人の選手がボールを打ち合うテニスは、一見、ピッチャーとバッターの関係に似ています
しかし、野球のバッティングでは、選手はその場からほとんど移動しません
一方、テニスの場合、選手はコート内を動き回ります
再現する空間は、野球のおよそ10倍にもなるんです
開発現場では、その検証作業が進んでいます
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プロテニスプレイヤーのサーブを、バーチャル空間に球速や軌道を忠実に再現しました
ボールが当たると、ラケットが振動し、
視覚と触覚でテニスを体感できるようにしようとしています
![]()
![]()
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(もうみんなとっくの昔から、いろんなデータ分析をしていると思ってたけど
フィギュアスケートとかも
画像メディアプロジェクト 研究員・高橋さん:
この振動を使って、より適切なタイミングで
ボールが当たった時のフィードバックを返してあげると
より高臨場な体験が可能になると思います
こうした研究が進めば、テニス界にも革命的なトレーニング装置が生まれるかもしれません
み:
VRは、宇宙開発などでは、昔から使われていたんですね
宇宙飛行士が、普段は行くことができない宇宙空間でのトレーニングを地上で行う
最近は、バーチャルリアリティのためのテクノロジーが
安価に多くの人が使えるようになってきて
VRがスポーツの分野に大きく広がってきていると言えます
ゲームとかとは違って、実際にVRで体験したことを使って
本番でパフォーマンスを発揮しないといけないので
VRと本物の間に、小さな差でもあると、
大きなトラブルになってしまう可能性があると思っています
しっかりとパフォーマンスにつながるものを作ることが
我々のミッションだと思うし、やりがいだと思います
な:やっぱりアスリートの方って、イメージが 大事なんですね
み:
そうですね いかにイメージを体に染み込ませて
戦っていくかというのはすごく大事だと思います
タ:
また、体だけではなくて、その体を動かすのは、やはり脳
その脳を鍛えるというような取り組みもされているんです
●脳科学によってアスリートの力を飛躍的に向上させる@サンフランシスコ
今、ある装置に世界が注目しています
音楽を聴くヘッドフォンのようですが、
よく見ると、頭と接する部分に灰色の突起物があります
![]()
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実は、脳に電気的な刺激を与えて、アスリートのトレーニング効果を高める装置
開発したのは、ブレット・ウィンガイアーさんです
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ウ:
効果的なトレーニングには、体をコントロールする脳の力を強化することが重要です
私たちの装置でそれが可能になるのです
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運動するとき、脳の運動野から出た電気信号が筋肉を動かしています
しかし疲労すると、その信号が筋肉を十分に動かすことができなくなります
そこでウィンガイアーさんは、装置を使って、運動野に電流を流して
筋肉に送られる信号を強めることで、筋肉を活性化しようと考えました
(欧米の研究はいきすぎてて怖い・・・
そこまでして勝たせたいのは、スポンサーの金絡みか
もともと軍事の研究か
![]()
この研究費をどこが出しているかでおおよそ見当がつくだろう
これは、20分間の刺激の後、装置を外しても、1時間ほど効果が持続します
脳からの電気信号は強いまま、結果としてトレーニング中
高いパフォーマンスが長く持続するといいます
この装置を使って、3週間トレーニングしたスキージャンプの選手は
ジャンプ時の力強さが30%近く上昇
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アメリカンフットボールのD.J.キャリー選手は、
4週間で、なんと垂直跳びの記録が20cmも伸びました
![]()
ウ:
スポーツ界は転換期にあります
あらゆるテクノロジーが人間の潜在能力を最大限に引き出すのです
●スポーツと脳の新しい関わり@厚木市
![]()
注目しているのは「無意識」の領域の脳の働きです
スポーツ脳科学プロジェクト 上席特別研究員 柏野さん:
高いパフォーマンスを出すためには、体が必要なのは間違いない
ただ、闇雲に筋肉を鍛えればいいかと言うとそういうわけでもない
いかに体を最適に操るかという部分なんですよね
例えばバッティング
ピッチャーが投げたボールがバッターに届くまでの時間は約0.5秒
![]()
この瞬間に、打者は脳内で投手の動きを見る、球筋を見極める、バットを振る
という複雑な情報処理を行っています
しかも、このプロセスは一瞬のため、ほとんどが無意識に行われていると言います
●この無意識の秘密を調べる実験
画面に丸いターゲットが現れ、それに応じて手を動かすというものです
![]()
![]()
実験では、バッターにターゲットとは逆方向に手を動かすように指示します
この時の手の動きを見てみると、左にターゲットが現れた時の手の反応です
![]()
研究者が注目したのは、ターゲットが出現してから0.2秒以降のところで
一度、左につられた後に、指示されたように右側に向かっています
![]()
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この0.2秒あたりの動きが、体の無意識の反応です
ここが重要だということが分かってきました
大学野球部のレギュラーと、補欠を比較してみたところ
レギュラーのほうが、反応までの時間が、およそ3.5%短く、
加速のピークも約4割ほど大きかったのです
![]()
トップアスリート、特に優れた人を分析した時に
こういうところが優れていると分かってくれば
そこに向けて、効率的に関係するところを鍛えていくことができる可能性がある
な:脳を研究すると、目で見てわからなかった選手の優れた特徴が分かってくるんですね
み:
スポーツをやっている間に、どういう動きをしているかというのは
まだ解明されていないので、すごくホットトピックだと思います
タ:
子どもの頃に、練習した逆上がりですけど、
あれが初めてできるようになった時って、
別に直前と直後で筋力が増したわけじゃない
あれも、結局、脳が体の動かし方をうまく命令できるようになったということなんですかね?
み:
きっと何かしらの、脳に達するインプットがあって、
無意識のうちにできるようになったのではないかと思います
な:脳に電流を流すのは大丈夫なんですか?
み:
脳に刺激を与えるということが、どの程度まで行っていいのか
また、副作用に影響する可能性、刺激を与え続けることで
だんだん脳が刺激に慣れてしまうこともあります
やはり可能性と課題を常に考えながら進めていくことが大事ではないかと思います![]()
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な:
こういうスポーツへの脳科学的なアプローチ
今後は、どういうことを期待されてますか?
み:
今まで、体のフィジカルやテクニックのスキルに
いろいろなテクノロジーが使われてきました
「心技体」の心 こころと脳は、非常に関係するところがあるので
脳科学の成果が「メンタルトレーニング」につながるなど、いろいろな広がりがある
まず、脳科学がスポーツにどう役立つのか研究しながら
それをどうスポーツのルールの中に入れていくかを考えるのが第一であり
可能性はいろいろあるのではないかと思っています
世界のトップレベルの競技に、いろんなテクノロジーが貢献する
それを我々は、実際に東京オリンピックで見ることができるので
すごく期待することが多いと思います
今回は、トップアスリートとかプロ野球選手を対象に使われているというのを話してきましたけれども、
もう小学校で、スポーツを始めた瞬間からテクノロジーを使って
「自分に向いているスポーツは何か?」とか
「どうやってトレーニングをしていくと、より速く、高く、上手になるのか」を考えたり
そういう選手がトップアスリートになったり、コーチになったり、監督になったりすることで
もっともっと色々な可能性が生まれてくるんじゃないかなという風に思っています
予録のまとめ見シリーズ
【内容抜粋メモ】
今、スポーツは、空前のデータ解析ブーム
あらゆるプレイが数値となって、戦略にも大きく影響しています
野球では、試合前からもう勝負が始まっています
対戦するピッチャーの投球を、あらかじめリアルにシミュレーションできます



今、注目を集めているこちらのヘッドフォンは、脳に電気刺激を与えて
トレーニングの効果を高めるといいます

人間の脳の研究も加速しています
無意識で動くとき、脳に何が起きているのか その謎も明らかになろうとしています
テクノロジーは、アスリートをどのように進化させるのか その最前線です

タ:最近スポーツ中継を見ていると、いろんなデータが出てきますよね
な:この間、バレーボールで心拍数とか出てました
タ:
今や科学技術の進歩によって、スポーツの世界が大きく変わろうとしています

これは世界に3つしかないボールです
この中に、傾きや、速さを検知するセンサーが入っていて
スピードや、回転数を測ることができます ちょっと投げてみましょう

実は、ダルビッシュ投手は、ストレートの回転数が1分間で2500回 全然違う
な:でも、こうやって数字で見ると、もっと投げて、速くしたいという気持ちになりますね
タ:数値目標があると頑張りがいがありますよね

こうした種目でもデータを計測するグッズが開発されているんです
例えばテニスやゴルフは、スイングスピードや軌道が分かる
スノーボードや自転車は、加速度や、位置情報が分かる
今、こうしたデータの計測がトップアスリートの世界に広がりつつあります
●メジャーリーグのスーパープレイ
ファンを熱狂させるメジャーリーグのスーパープレイ
今、その凄さは、データによってより具体的に示されます
ホームランは、飛距離や対空時間、打球速度、角度まで
ピッチャーの投球は、投げた瞬間と、ホームベースを通過するときの球速の違い
野手は、ボールの落下地点まで無駄なく走れているかを示すルート効率までわかります


メジャーリーグでは、このシステムを全てのホームグラウンドに導入
フィールド内、全てのプレイをデータ化しています

(こんなにデータにするなら、CGのゲームでいいんじゃない? 予測不能だから面白いのに
●「ドップラーレーダー」

これを可能にしたのは、バックネット裏に設置した「ドップラーレーダー」という装置です
レーダーの電波は、球場全体を立体的な網の目状に張り巡らされています
計測は、1秒間に4万回 1mm単位で動きをとらえます

(こんなにレーダーを浴びまくって、ニンゲンは大丈夫ですか?


ほかにも、目に見えないだけで、あらゆる電波が無数に飛び交っているのに
・『くらしにあふれる危険な電磁波』(ポプラ社)
例えば、ボールをどう見るかと言うと、
ボールが近づく場合、反射波の波長は短くなります
一方、遠ざかる場合、反射波の波長は長くなります


さらにボールの回転も分かります

画面で示したボールの場合、
ボールの上側は、レーダーに向かってくる回転となるため、返ってくる波長が短く
ボールの下側は、レーダーから遠ざかる回転となるため、返ってくる波長は長くなります
こうして、ボールの向きや回転を精緻に捉えることができるのです
●「戦力外通告」を受けた投手のパフォーマンスが激変
こうした分析は、今、選手の運命をも変えています
デビューから1勝も出来ずに「戦力外通告」を受けたコリン・マクヒュー投手

そんな彼を獲得したチームは、あるデータを高く評価していました
それは、カーブの回転数

平均よりも500回転も多く、切れ味が鋭いことがわかりました
さらに投球を分析すると、他の変化球が多く打たれていることがわかりました
そこでマクヒュー投手は、カーブ主体の配球に変えてみたところ
1年で「奪三振率」が2倍以上の高さになり
3年連続で2桁勝利を挙げるなど、飛躍的に成績が向上したのです

●「ピッチングデータ」を収集する最新機器
スポーツにおけるデータの活用は、アスリートのあり方を大きく変えると専門家は見ています

ベースボールアナリスト・金澤さん:
これまでは、選手の獲得のためにデータを活用することが多かったのですが
選手のプレーそのものを変えていく、選手の強化に使うということに変わってきていると思います
こうしたデータの活用は、日々のトレーニングにも広がっています

「ピッチングデータ」を収集する最新機器
小型で設置も簡単なため、大学や、社会人の野球チームが導入を検討しています
ピッチングを計測すると、その場で、球速や、回転数、ボールの変化量など
8つの項目を見ることができます

データ解析会社 ベースボール事業部・岡野さん:
プロ野球に限らず、アマチュアでも、いろんな場面で活用できると思います
さらに、画像解析もアスリートを進化させようとしています
●卓球の速い球も解析可能
これまで、小さく、速く動くボールを捉えることは技術的に難しいとされてきました
それが今や、市販のカメラとコンピューターで画像を捉えることができるようになったのです



2台のカメラを設置し、卓球台の三次元画像を再現します
そして、ボールを認識させると、1秒間に60枚の画像で位置情報を捉えていきます
対象物を明るさで認識する技術を用いて、ボールだけを区別することで
リアルタイムの画像処理が実現し、ボールの軌跡から、回転数まで割り出せます


例えば、飛んできたボールがバウンドした後に加速すると「順回転」
逆に、ボールがバウンドした後に減速すると「逆回転」
この加速・減速の数値を見ることで回転数の目安を割り出しているのです
こうして、自分と対戦相手の打球速度やボールの軌道
どのエリアに飛んでくるのかまで、ラリーの情報が全て蓄積されるのです

体験した中学生:
細かいところまで分析できるので、徹底的に自分のことが知れると思いました
このシステムを体感した元オリンピック代表選手・遊澤亮さん:
こうやってデータを取っていただくと、自分の得点パターンや
ラリーのパターンが分かりやすいと感じました

●データ分析が様々なスポーツを変える

専門家・神武さん
私はもともと宇宙航空研究開発機構(JAXA)で人工衛星を使って
地球の環境変動ですとか、農作物の農場のデータを取ってきたのですが
地球を対象に、人工衛星を使って地球の変化を見ることと
アスリートを対象に、人工衛星やいろんなセンサーを使って、
変化や特徴を見ることは同じではないかと考えて
スポーツ選手を対象にした研究を行っています
タ:
戦力外通告を受けたピッチャーが劇的に変わったというのはびっくりしたのですが
これからは、集めたデータをどう使うかという時代に突入するんですか?
ジ:
そうですね やっぱりデータがいっぱいあっても、
それをどう使うかというところがとても大事で
例えば、メジャーリーグで、最近「フライボール革命」と言って
今まではバッターには、多くのチームが、ボールをできるだけ
「ゴロを打つようなスイングをしなさい」と指導するチームが多かったのですが
取りためたデータを分析してみると
「フライを打つようなスイング」をしたほうがよいと分かったため
チームによっては、フライを打つためのスイングに指導を変えているところもあります
実際に、今年の6月のメジャーリーグの月間のホームラン数は1101本で、今までの記録を更新していて、
ホームランを量産するような指導法に変わってきている
データによって効果が出ている、一つの成果じゃないかと思います
●バーチャルリアリティ「VR」
スポーツを支えているもう一つの大きな技術が「バーチャルリアリティ」です
スタジオに、最新のトレーニング装置を用意しました
開発した三上弾さん(主任研究員 NTT メディアインテリジェンス研究所)です


み:こちらがバッティングのトレーニングができる「VRシステム」です
なおちゃんが体験
な:球場だ 広いですね

み:
これを使うと、本当のバッターボックスの位置から、ボールの球筋を体験できます

足元を見ていただくと黒い丸が出ていると思うんですけれども、
それがおよその足の位置になっています
なので今、バッターボックスに立っている状況になっています
タ:しかも、これはピッチャーを選ぶことができるようになっているんですよね
み:
プロ野球選手、複数のピッチャーのボールを体験できるようになっていまして
今日は、則本選手を体験していただこうと思っています
タ:今一番三振を取っている人ですよね
な:どんなボールが来るんでしょう
み:まず最初は、ストレートからいきましょうか じゃあ投げます

な:怖い! 臨場感がすごいですよ パーンって音が
み:キャッチャーが取った時の音を提示しています 次は変化球いきます

な:また全然違う
み:
こういう軌道になっています
球筋は本当にピッチャーが投げたボールを計測して、
それを再現して正しい球筋にしています
タ:どんな感じでしたか?
な:
全然バットが振れなかったですね 速かったです
実際の選手のいろんな球を体験できるのは本当にいい練習になりそうですね
タ:
このシステムは、実際にプロ野球のトレーニングで使われているんですよ
どうやって使っているのか見てみましょう
●この装置を導入している楽天
練習しているのは銀次選手
試合前に、対戦相手のタイミングを体感することで、初球から慣れるといいます


銀次:
前から飛んでくるボールに合わせられるのがいい それはすごく大きいです
ボールの軌道だったり、試合に一番近い状態で見られるので
こんなことしていいのかなっていうのは正直ありますw
み:
しばらく対戦してない選手のピッチャーのボールを、
あらかじめ頭の中で予想して、バッターボックスに立つのと
そうじゃないのとは全然違うんですね
これで何度もトレーニングして、打つことができるようになります
な:バッターのほうが有利になりませんか?
み:
VRは、バッターのための仕組みですけれども、
もちろんピッチャーにも、自分が投げているボールが
バッターに対して、どういう球筋かも体験できます
ピッチャーも、バッターも、データをどんどん使う時代になっています
な:これはいろんな所に応用ができそうですね
み:他の競技に関しても検討を開始しているところです
●今、開発を進めているのがテニス
2人の選手がボールを打ち合うテニスは、一見、ピッチャーとバッターの関係に似ています
しかし、野球のバッティングでは、選手はその場からほとんど移動しません
一方、テニスの場合、選手はコート内を動き回ります
再現する空間は、野球のおよそ10倍にもなるんです
開発現場では、その検証作業が進んでいます


プロテニスプレイヤーのサーブを、バーチャル空間に球速や軌道を忠実に再現しました
ボールが当たると、ラケットが振動し、
視覚と触覚でテニスを体感できるようにしようとしています



(もうみんなとっくの昔から、いろんなデータ分析をしていると思ってたけど
フィギュアスケートとかも
画像メディアプロジェクト 研究員・高橋さん:
この振動を使って、より適切なタイミングで
ボールが当たった時のフィードバックを返してあげると
より高臨場な体験が可能になると思います
こうした研究が進めば、テニス界にも革命的なトレーニング装置が生まれるかもしれません
み:
VRは、宇宙開発などでは、昔から使われていたんですね
宇宙飛行士が、普段は行くことができない宇宙空間でのトレーニングを地上で行う
最近は、バーチャルリアリティのためのテクノロジーが
安価に多くの人が使えるようになってきて
VRがスポーツの分野に大きく広がってきていると言えます
ゲームとかとは違って、実際にVRで体験したことを使って
本番でパフォーマンスを発揮しないといけないので
VRと本物の間に、小さな差でもあると、
大きなトラブルになってしまう可能性があると思っています
しっかりとパフォーマンスにつながるものを作ることが
我々のミッションだと思うし、やりがいだと思います
な:やっぱりアスリートの方って、イメージが 大事なんですね
み:
そうですね いかにイメージを体に染み込ませて
戦っていくかというのはすごく大事だと思います
タ:
また、体だけではなくて、その体を動かすのは、やはり脳
その脳を鍛えるというような取り組みもされているんです
●脳科学によってアスリートの力を飛躍的に向上させる@サンフランシスコ
今、ある装置に世界が注目しています
音楽を聴くヘッドフォンのようですが、
よく見ると、頭と接する部分に灰色の突起物があります


実は、脳に電気的な刺激を与えて、アスリートのトレーニング効果を高める装置
開発したのは、ブレット・ウィンガイアーさんです

ウ:
効果的なトレーニングには、体をコントロールする脳の力を強化することが重要です
私たちの装置でそれが可能になるのです

運動するとき、脳の運動野から出た電気信号が筋肉を動かしています
しかし疲労すると、その信号が筋肉を十分に動かすことができなくなります
そこでウィンガイアーさんは、装置を使って、運動野に電流を流して
筋肉に送られる信号を強めることで、筋肉を活性化しようと考えました
(欧米の研究はいきすぎてて怖い・・・
そこまでして勝たせたいのは、スポンサーの金絡みか
もともと軍事の研究か

この研究費をどこが出しているかでおおよそ見当がつくだろう
これは、20分間の刺激の後、装置を外しても、1時間ほど効果が持続します
脳からの電気信号は強いまま、結果としてトレーニング中
高いパフォーマンスが長く持続するといいます
この装置を使って、3週間トレーニングしたスキージャンプの選手は
ジャンプ時の力強さが30%近く上昇

アメリカンフットボールのD.J.キャリー選手は、
4週間で、なんと垂直跳びの記録が20cmも伸びました

ウ:
スポーツ界は転換期にあります
あらゆるテクノロジーが人間の潜在能力を最大限に引き出すのです
●スポーツと脳の新しい関わり@厚木市

注目しているのは「無意識」の領域の脳の働きです
スポーツ脳科学プロジェクト 上席特別研究員 柏野さん:
高いパフォーマンスを出すためには、体が必要なのは間違いない
ただ、闇雲に筋肉を鍛えればいいかと言うとそういうわけでもない
いかに体を最適に操るかという部分なんですよね
例えばバッティング
ピッチャーが投げたボールがバッターに届くまでの時間は約0.5秒

この瞬間に、打者は脳内で投手の動きを見る、球筋を見極める、バットを振る
という複雑な情報処理を行っています
しかも、このプロセスは一瞬のため、ほとんどが無意識に行われていると言います
●この無意識の秘密を調べる実験
画面に丸いターゲットが現れ、それに応じて手を動かすというものです


実験では、バッターにターゲットとは逆方向に手を動かすように指示します
この時の手の動きを見てみると、左にターゲットが現れた時の手の反応です

研究者が注目したのは、ターゲットが出現してから0.2秒以降のところで
一度、左につられた後に、指示されたように右側に向かっています


この0.2秒あたりの動きが、体の無意識の反応です
ここが重要だということが分かってきました
大学野球部のレギュラーと、補欠を比較してみたところ
レギュラーのほうが、反応までの時間が、およそ3.5%短く、
加速のピークも約4割ほど大きかったのです

トップアスリート、特に優れた人を分析した時に
こういうところが優れていると分かってくれば
そこに向けて、効率的に関係するところを鍛えていくことができる可能性がある
な:脳を研究すると、目で見てわからなかった選手の優れた特徴が分かってくるんですね
み:
スポーツをやっている間に、どういう動きをしているかというのは
まだ解明されていないので、すごくホットトピックだと思います
タ:
子どもの頃に、練習した逆上がりですけど、
あれが初めてできるようになった時って、
別に直前と直後で筋力が増したわけじゃない
あれも、結局、脳が体の動かし方をうまく命令できるようになったということなんですかね?
み:
きっと何かしらの、脳に達するインプットがあって、
無意識のうちにできるようになったのではないかと思います
な:脳に電流を流すのは大丈夫なんですか?
み:
脳に刺激を与えるということが、どの程度まで行っていいのか
また、副作用に影響する可能性、刺激を与え続けることで
だんだん脳が刺激に慣れてしまうこともあります
やはり可能性と課題を常に考えながら進めていくことが大事ではないかと思います



な:
こういうスポーツへの脳科学的なアプローチ
今後は、どういうことを期待されてますか?
み:
今まで、体のフィジカルやテクニックのスキルに
いろいろなテクノロジーが使われてきました
「心技体」の心 こころと脳は、非常に関係するところがあるので
脳科学の成果が「メンタルトレーニング」につながるなど、いろいろな広がりがある
まず、脳科学がスポーツにどう役立つのか研究しながら
それをどうスポーツのルールの中に入れていくかを考えるのが第一であり
可能性はいろいろあるのではないかと思っています
世界のトップレベルの競技に、いろんなテクノロジーが貢献する
それを我々は、実際に東京オリンピックで見ることができるので
すごく期待することが多いと思います
今回は、トップアスリートとかプロ野球選手を対象に使われているというのを話してきましたけれども、
もう小学校で、スポーツを始めた瞬間からテクノロジーを使って
「自分に向いているスポーツは何か?」とか
「どうやってトレーニングをしていくと、より速く、高く、上手になるのか」を考えたり
そういう選手がトップアスリートになったり、コーチになったり、監督になったりすることで
もっともっと色々な可能性が生まれてくるんじゃないかなという風に思っています