【THE BIG ISSUE VOL.342】
今号はビッグイシュー15周年記念(祝)ということで、
7人の作家が「ホーム」を題材にショートストーリーが掲載されていた
【内容抜粋メモ】
“ホーム”には無数ともいえる意味がある
ビッグイシューは15年間、仕事とビッグイシューの“ホーム”をつくり続けたいと願ってきた
15周年を迎え、7人の作家にお願いして、それぞれの“ホーム”を描いていただきました
あなたの“ホーム”を想像してみませんか?
●「三笠エス司」 星野智幸/作
ジーコがサッカー日本代表監督をしていた約30年前のこと
ジーコはしばしば「うち」という言葉を使った
いや、ジーコは日本語で話していないので、
通訳が「うち」というのが口癖だった
でも、ジーコが「うち」と言っているようで、その違和感が面白かった
たぶん「うち」という、とても日本的な感覚や概念は
外国人のメンタルには存在しないと思い込んでいたからだ
「うちの会社」「うちの娘」・・・
その大半は「私たちの」という漠然とした広い共同性を指す
漢字だと「内」で、「外」に対して「内」を強調しているのだろう
同時に「家」「居場所」の意味もある
英語で言えば「ホーム」で、「アワー(私たちの)」とニュアンスが違う
となると「ホームレス」とは、「うち」をなくした状態となる
内と外という区分けをなくした状態
暮らす場所がもはや「内」ではない状態
長尾は、呼び鈴を鳴らし「ただいま」と言った
美木子は知らない若い男に言われて、追い返した
息子の吐夢が帰宅した時、長尾はくっついて入ってきて
コップをとり、スポーツドリンクを注ぎ
長尾:うちのドリンクはうまいよね と幸福な笑顔を3人に向ける
警察を呼ぶと家族は騒いだが
長尾:どうして僕が住むのが問題なの?
「君は家族じゃないから」
「信用できないから」
長尾:
初対面で信用できなければ、全員が犯罪者?
さあ、夕飯にしよう カレーにする?
とりあえず、その日は警戒しながら食卓の下に泊めた
長尾は翌朝、働きに行き、また同じ時刻に帰ってくる
夕飯を食べながら、職場の出来事を楽しげに語り、食卓の下で寝た
そんな日が続き、家族は心を許す気持ちと
ずっと続く不安が半々になった
長尾:
夏休みにはみんなで大阪に旅行に行こうか
オレ、お好み焼き、食うたことあらへんねん
その晩はお好み焼きを作って、愉快に感じた
長尾がいると、普通で退屈なことが目新しく感じる
日系ペルー人の友人という女性を連れてきて
長尾:三笠エス司でしょ?
女性:Mi casa es tu casa 私のうちはあなたのうち、というスペイン語の諺
チカと名乗るその若い女も住み着いてしまった
吐夢はチカの働くパン工場でバイトをして、一浪した
長尾とチカは帰らなくなり、その日に自分のうちだと感じた場所に泊まっているという
美木子は、チカの足の赴く先についていった
2つ先の駅のマンションで、呼び鈴を押すチカ
「ここがうちだと思う」
そこに住む若いカップルに激しく拒絶されても、
チカと一緒に4人で暮らすことにワクワクする美木子
チカも美木子も帰らず、吐夢は学校の友人を連れてきて、その家の子になった
男子の母親が凄まじい剣幕で怒鳴り込んできて、母親も住むことになった
美木子の夫・優斗は隣県に住まいを見つけ、そこの家族になった
新同居人を受け入れた者たちはひと皮むける
何かから解放され、住処とかどうでもよくなる
いたるところがホームに感じられる
大移動の後、私たちは皆、ホームレスが普通になっている
長尾はどこに行ったのか
長尾はあなたでしょ、とピヨンに言われるが覚えていない
それで問題ないのだから、幸福な人生だ
***
面白い話だ 眉村卓さんのSFみたい
みんなが「家
」やら「所有欲」を手放して、
「シェア」すれば、格差も貧困も戦争もすべて解決するだろう
そんな社会は、かつて日本にもあったし、今も世界の集落にある
先進国にはそうした集落は「文化が未発達」「野蛮」だと思われている
「お金」が札やコインではなく、空中を浮遊する「電子マネー」にかわり
結婚して「家」を持つ若い世代が減り
グローバリゼーションで「国境」がなくなり
インターネット、SNSで情報を瞬時に共有できる![]()
SFはどんどん日常化している
ヒトが思い描くことは、いつか実現するんだ
***
「ビッグイシュー日本版 BIGISSUE JAPAN」
“1冊350円で販売。180円が販売者の収入になります。”
[ホームレスの仕事をつくり自立を応援する]
「ビッグイシュー」は、ホームレスの人々に収入を得る機会を提供する事業として
1991年、ロンドンで始まった 創設者はジョン・バード氏
住まいを得ることは、単にホームレス状態から抜け出す第一歩に過ぎない
[仕組み]
1.販売者は、この雑誌10冊を無料で受け取る
2.売り上げ3500円を元手に、以後は170円で仕入れ、350円で販売 180円を収入にする
[条件]
顔写真つきの販売者番号の入った身分証明書を身につけて売る
このほか「8つの行動規範」に基づいて販売している
【ブログ内関連記事】
「ボブとジェームズ、東京へ行く」@ビッグイシュー
「猫のボブが私をホームレスから一人の人間にしてくれた」@ビッグイシュー
『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ(A Street Cat Named Bob)』(2016 ネタバレ注意)
求む! オフィス・スペース!
![]()
「年間購読のお願い」@ビッグイシュー
![]()
売り切れていた316号もPDF版で購入可能にv
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今号はビッグイシュー15周年記念(祝)ということで、
7人の作家が「ホーム」を題材にショートストーリーが掲載されていた
【内容抜粋メモ】
“ホーム”には無数ともいえる意味がある
ビッグイシューは15年間、仕事とビッグイシューの“ホーム”をつくり続けたいと願ってきた
15周年を迎え、7人の作家にお願いして、それぞれの“ホーム”を描いていただきました
あなたの“ホーム”を想像してみませんか?
●「三笠エス司」 星野智幸/作
ジーコがサッカー日本代表監督をしていた約30年前のこと
ジーコはしばしば「うち」という言葉を使った
いや、ジーコは日本語で話していないので、
通訳が「うち」というのが口癖だった
でも、ジーコが「うち」と言っているようで、その違和感が面白かった
たぶん「うち」という、とても日本的な感覚や概念は
外国人のメンタルには存在しないと思い込んでいたからだ
「うちの会社」「うちの娘」・・・
その大半は「私たちの」という漠然とした広い共同性を指す
漢字だと「内」で、「外」に対して「内」を強調しているのだろう
同時に「家」「居場所」の意味もある
英語で言えば「ホーム」で、「アワー(私たちの)」とニュアンスが違う
となると「ホームレス」とは、「うち」をなくした状態となる
内と外という区分けをなくした状態
暮らす場所がもはや「内」ではない状態
長尾は、呼び鈴を鳴らし「ただいま」と言った
美木子は知らない若い男に言われて、追い返した
息子の吐夢が帰宅した時、長尾はくっついて入ってきて
コップをとり、スポーツドリンクを注ぎ
長尾:うちのドリンクはうまいよね と幸福な笑顔を3人に向ける
警察を呼ぶと家族は騒いだが
長尾:どうして僕が住むのが問題なの?
「君は家族じゃないから」
「信用できないから」
長尾:
初対面で信用できなければ、全員が犯罪者?
さあ、夕飯にしよう カレーにする?
とりあえず、その日は警戒しながら食卓の下に泊めた
長尾は翌朝、働きに行き、また同じ時刻に帰ってくる
夕飯を食べながら、職場の出来事を楽しげに語り、食卓の下で寝た
そんな日が続き、家族は心を許す気持ちと
ずっと続く不安が半々になった
長尾:
夏休みにはみんなで大阪に旅行に行こうか
オレ、お好み焼き、食うたことあらへんねん
その晩はお好み焼きを作って、愉快に感じた
長尾がいると、普通で退屈なことが目新しく感じる
日系ペルー人の友人という女性を連れてきて
長尾:三笠エス司でしょ?
女性:Mi casa es tu casa 私のうちはあなたのうち、というスペイン語の諺
チカと名乗るその若い女も住み着いてしまった
吐夢はチカの働くパン工場でバイトをして、一浪した
長尾とチカは帰らなくなり、その日に自分のうちだと感じた場所に泊まっているという
美木子は、チカの足の赴く先についていった
2つ先の駅のマンションで、呼び鈴を押すチカ
「ここがうちだと思う」
そこに住む若いカップルに激しく拒絶されても、
チカと一緒に4人で暮らすことにワクワクする美木子
チカも美木子も帰らず、吐夢は学校の友人を連れてきて、その家の子になった
男子の母親が凄まじい剣幕で怒鳴り込んできて、母親も住むことになった
美木子の夫・優斗は隣県に住まいを見つけ、そこの家族になった
新同居人を受け入れた者たちはひと皮むける
何かから解放され、住処とかどうでもよくなる
いたるところがホームに感じられる
大移動の後、私たちは皆、ホームレスが普通になっている
長尾はどこに行ったのか
長尾はあなたでしょ、とピヨンに言われるが覚えていない
それで問題ないのだから、幸福な人生だ
***
面白い話だ 眉村卓さんのSFみたい
みんなが「家
」やら「所有欲」を手放して、「シェア」すれば、格差も貧困も戦争もすべて解決するだろう
そんな社会は、かつて日本にもあったし、今も世界の集落にある
先進国にはそうした集落は「文化が未発達」「野蛮」だと思われている
「お金」が札やコインではなく、空中を浮遊する「電子マネー」にかわり
結婚して「家」を持つ若い世代が減り
グローバリゼーションで「国境」がなくなり
インターネット、SNSで情報を瞬時に共有できる

SFはどんどん日常化している
ヒトが思い描くことは、いつか実現するんだ
***
「ビッグイシュー日本版 BIGISSUE JAPAN」
“1冊350円で販売。180円が販売者の収入になります。”
[ホームレスの仕事をつくり自立を応援する]
「ビッグイシュー」は、ホームレスの人々に収入を得る機会を提供する事業として
1991年、ロンドンで始まった 創設者はジョン・バード氏
住まいを得ることは、単にホームレス状態から抜け出す第一歩に過ぎない
[仕組み]
1.販売者は、この雑誌10冊を無料で受け取る
2.売り上げ3500円を元手に、以後は170円で仕入れ、350円で販売 180円を収入にする
[条件]
顔写真つきの販売者番号の入った身分証明書を身につけて売る
このほか「8つの行動規範」に基づいて販売している
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