■『メカニック大図解10 原子力発電所』(福武書店)
ケルビン・ゴズネル/著
1992年初版だから、今から22年前ってことは、今ある原発の初期の頃の話かな。
図解してくれても、その仕組みは全然分からないんだけど、
アインシュタインさん、天才なんだから、安全な廃棄の方法まで教えてくれたらよかったのに
【内容抜粋メモ】
「火力発電所」
石油や石炭を使い、炭坑での事故では、たくさんの人が亡くなってきた。
吐き出すガスは大気を汚染し、タンカーから石油が漏れれば海を汚す。
「原子力発電所」
火力発電所に比べて、造るのにとてもお金がかかり、核廃棄物の後始末がとても難しい。
もっともお金がかかるのは、核物質を扱う装置や機械の開発、試験をすること。
核分裂
コントロールされた反応(必要なエネルギーを取り出す)
原子炉:核分裂をおこさせるところ。
炉心:原子炉の中心。
格納棟:放射能が外に漏れないようコンクリートと鋼鉄でできている。
制御棒:制御室からリモコンで動かす。緊急事態の際は、数秒以内に原子炉を止めることができる。
ウラン
たくさんあって、安く手に入る。核燃料に使うのはウラン235。半減期は7億1000万年。
地中から掘り出し、精錬した後、ペレット(小さな粒)にして金属の管につめる。
【放射線の種類】
アルファ線:薄い紙1枚でも防げる。
ベータ線:アルミニウムなどの薄い金属板で防げる。
ガンマ線:鉛など重い金属で厚い壁をつくらないと防げない。
ガイガーカウンター:放射線を調べる機械。
************************いろいろな原子力発電所
加圧水型原子炉
いちばん多く、世界に190以上ある。もとは潜水艦を動かす力だった。
改良型ガス冷却炉
高速増殖炉
いちばん多くエネルギーをつくれる。燃料は「プルトニウム」。複雑なつくりで取り扱いが難しい。お金もかかる。
************************エネルギーをつくる方法
さまざまな発電所があっても、方法は同じ。
核分裂でできた熱を蒸気にかえて、タービンを回し、電気をつくる。
蒸気でプロペラを回す力が発電に使われる。蒸気は、復水器に入って水に戻り、繰り返し使われる。
発電所による違いは、核分裂をどうコントロールするか、出た熱をどんな冷却材で運ぶか。
濃縮ウラン燃料のほうが、高い熱が出て、エネルギーを安くつくれる。
発電機
************************電気を送る
原子力発電所は、少ない費用で24時間運転し、ずっとある量の電気を流している。
電気は「変圧器」に行く。
************************使用ずみ燃料
ウランは、だんだん弱くなるので、新しい燃料と取り替えなくてはならない。
使い終わったウラン燃料は「使用ずみ燃料」「高レベル放射性廃棄物」と呼ぶ。
使用ずみ燃料は、貯水池で数ヶ月間冷やされる。
使い終わっても、つくりなおして燃料にする。作業はすべてリモコンで行う。
こうして残るのは、もとの使用ずみ燃料の約3%で、数千年にわたって放射線を出しつづける。
使用ずみ燃料からとりだされたプルトニウムは、原子力発電所か「核兵器」しか使い道がない。
核廃棄物(放射性物質)
原子力発電所から出る廃棄物。高中低レベルに分かれる。
貯蔵タンクで、冷やされ、工場に運ばれ、ウランの棒を酸で溶かす→ステンレスのタンクに入れる。
※すべての核廃棄物を貯蔵すると、原子炉1基で1500億円かかるといわれる。
核廃棄物を扱うリモコン/厚いコンクリートの格納ドームを造っているところ
低レベルの危険が少ないものは、地中に埋められる。
(ドラム缶て・・・
イギリスでは、特殊な地下トンネルをつくって埋めようとしている。
また、コンクリートで覆い、地中に埋め、放射能がなくなるまで135年待つという計画もある。
何年も取り壊しを待つ廃炉(使わなくなった原子力発電所)
************************原子力発電所の事故
いちばん多いのは、原子炉から放射能が漏れること。
原子炉を冷却する仕組みが故障すると、自動的に運転を止める安全装置が働く。
「メルトダウン(炉心溶融)」がもっとも恐ろしい。
もし、地下に燃料がもぐりこみ、地下水にぶつかったら大爆発が起こり、大量の放射能が広範囲を汚染する。
メルトダウンまであと1時間という事故を起こしたアメリカのスリーマイル島の原子力発電所
防護服を着ていても、わずかな時間しか放射能を防げない
チェルノブリの事故後、「国際原子力機関(IAEA)」は、世界共通の安全基準をつくることにした。
安全のためにも、とてもお金がかかる
多くの国が、原子力発電所の建設計画を取りやめるようになった。
************************未来の原子炉は核融合炉?
核分裂とは逆に、2つの軽い原子が融合する時にもすごい熱が出る。
太陽は、核融合でエネルギーを生み出している。
核融合では、ヘリウムと中性子が生まれるが、放射能はない。
燃料の「三重水素」は放射能物質で、半減期は12年。100年ほどでもう一度使えるようになる。
(どのみち放射能物質かい
1991年、ヨーロッパの研究所で、初めて磁場核融合でエネルギーを取り出すことに成功した。
日本の原子力研究所にある、熱核融合炉の実験装置
「潮力発電機」
クリーンエネルギーのひとつだが、海辺の生物への影響が懸念される。
************************原子力の歴史
1905年 アインシュタインが「特殊相対性理論」を発表。
原子核を組み替えると、ものすごいエネルギーがとりだせると予言した。
1929年 太陽は核融合で燃えていると発表。
1938年 核分裂を発見。
1942年 アメリカのシカゴ大学で初めて原子炉がつくられた。
「マンハッタン計画」でがスタート。原爆に必要なウラン235、プルトニウムを生産。
1945年 原爆が完成し、広島・長崎に落とされた
1950年 アメリカで、平和目的の核融合の研究が本格的となる。
1952年 水爆を完成(全然平和じゃないじゃん
いま、世界には、アメリカ、ヨーロッパ、日本に「三大トカマク」という実験装置がある。
制御された核融合のエネルギーとして、人類が初めて手にしたもの。
ケルビン・ゴズネル/著
1992年初版だから、今から22年前ってことは、今ある原発の初期の頃の話かな。
図解してくれても、その仕組みは全然分からないんだけど、
アインシュタインさん、天才なんだから、安全な廃棄の方法まで教えてくれたらよかったのに
【内容抜粋メモ】
「火力発電所」
石油や石炭を使い、炭坑での事故では、たくさんの人が亡くなってきた。
吐き出すガスは大気を汚染し、タンカーから石油が漏れれば海を汚す。
「原子力発電所」
火力発電所に比べて、造るのにとてもお金がかかり、核廃棄物の後始末がとても難しい。
もっともお金がかかるのは、核物質を扱う装置や機械の開発、試験をすること。
核分裂
コントロールされた反応(必要なエネルギーを取り出す)
原子炉:核分裂をおこさせるところ。
炉心:原子炉の中心。
格納棟:放射能が外に漏れないようコンクリートと鋼鉄でできている。
制御棒:制御室からリモコンで動かす。緊急事態の際は、数秒以内に原子炉を止めることができる。
ウラン
たくさんあって、安く手に入る。核燃料に使うのはウラン235。半減期は7億1000万年。
地中から掘り出し、精錬した後、ペレット(小さな粒)にして金属の管につめる。
【放射線の種類】
アルファ線:薄い紙1枚でも防げる。
ベータ線:アルミニウムなどの薄い金属板で防げる。
ガンマ線:鉛など重い金属で厚い壁をつくらないと防げない。
ガイガーカウンター:放射線を調べる機械。
************************いろいろな原子力発電所
加圧水型原子炉
いちばん多く、世界に190以上ある。もとは潜水艦を動かす力だった。
改良型ガス冷却炉
高速増殖炉
いちばん多くエネルギーをつくれる。燃料は「プルトニウム」。複雑なつくりで取り扱いが難しい。お金もかかる。
************************エネルギーをつくる方法
さまざまな発電所があっても、方法は同じ。
核分裂でできた熱を蒸気にかえて、タービンを回し、電気をつくる。
蒸気でプロペラを回す力が発電に使われる。蒸気は、復水器に入って水に戻り、繰り返し使われる。
発電所による違いは、核分裂をどうコントロールするか、出た熱をどんな冷却材で運ぶか。
濃縮ウラン燃料のほうが、高い熱が出て、エネルギーを安くつくれる。
発電機
************************電気を送る
原子力発電所は、少ない費用で24時間運転し、ずっとある量の電気を流している。
電気は「変圧器」に行く。
************************使用ずみ燃料
ウランは、だんだん弱くなるので、新しい燃料と取り替えなくてはならない。
使い終わったウラン燃料は「使用ずみ燃料」「高レベル放射性廃棄物」と呼ぶ。
使用ずみ燃料は、貯水池で数ヶ月間冷やされる。
使い終わっても、つくりなおして燃料にする。作業はすべてリモコンで行う。
こうして残るのは、もとの使用ずみ燃料の約3%で、数千年にわたって放射線を出しつづける。
使用ずみ燃料からとりだされたプルトニウムは、原子力発電所か「核兵器」しか使い道がない。
核廃棄物(放射性物質)
原子力発電所から出る廃棄物。高中低レベルに分かれる。
貯蔵タンクで、冷やされ、工場に運ばれ、ウランの棒を酸で溶かす→ステンレスのタンクに入れる。
※すべての核廃棄物を貯蔵すると、原子炉1基で1500億円かかるといわれる。
核廃棄物を扱うリモコン/厚いコンクリートの格納ドームを造っているところ
低レベルの危険が少ないものは、地中に埋められる。
(ドラム缶て・・・
イギリスでは、特殊な地下トンネルをつくって埋めようとしている。
また、コンクリートで覆い、地中に埋め、放射能がなくなるまで135年待つという計画もある。
何年も取り壊しを待つ廃炉(使わなくなった原子力発電所)
************************原子力発電所の事故
いちばん多いのは、原子炉から放射能が漏れること。
原子炉を冷却する仕組みが故障すると、自動的に運転を止める安全装置が働く。
「メルトダウン(炉心溶融)」がもっとも恐ろしい。
もし、地下に燃料がもぐりこみ、地下水にぶつかったら大爆発が起こり、大量の放射能が広範囲を汚染する。
メルトダウンまであと1時間という事故を起こしたアメリカのスリーマイル島の原子力発電所
防護服を着ていても、わずかな時間しか放射能を防げない
チェルノブリの事故後、「国際原子力機関(IAEA)」は、世界共通の安全基準をつくることにした。
安全のためにも、とてもお金がかかる
多くの国が、原子力発電所の建設計画を取りやめるようになった。
************************未来の原子炉は核融合炉?
核分裂とは逆に、2つの軽い原子が融合する時にもすごい熱が出る。
太陽は、核融合でエネルギーを生み出している。
核融合では、ヘリウムと中性子が生まれるが、放射能はない。
燃料の「三重水素」は放射能物質で、半減期は12年。100年ほどでもう一度使えるようになる。
(どのみち放射能物質かい
1991年、ヨーロッパの研究所で、初めて磁場核融合でエネルギーを取り出すことに成功した。
日本の原子力研究所にある、熱核融合炉の実験装置
「潮力発電機」
クリーンエネルギーのひとつだが、海辺の生物への影響が懸念される。
************************原子力の歴史
1905年 アインシュタインが「特殊相対性理論」を発表。
原子核を組み替えると、ものすごいエネルギーがとりだせると予言した。
1929年 太陽は核融合で燃えていると発表。
1938年 核分裂を発見。
1942年 アメリカのシカゴ大学で初めて原子炉がつくられた。
「マンハッタン計画」でがスタート。原爆に必要なウラン235、プルトニウムを生産。
1945年 原爆が完成し、広島・長崎に落とされた
1950年 アメリカで、平和目的の核融合の研究が本格的となる。
1952年 水爆を完成(全然平和じゃないじゃん
いま、世界には、アメリカ、ヨーロッパ、日本に「三大トカマク」という実験装置がある。
制御された核融合のエネルギーとして、人類が初めて手にしたもの。