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『キャタピラー』(2010)

『キャタピラー』(2010)
監督:若松孝二 出演:寺島しのぶ、大西信満、吉澤健、井浦新 ほか

“『ジョニーは戦場へ行った』と、江戸川乱歩の短編小説『芋虫』をモチーフにしたオリジナルストーリー
 2010年ベルリン国際映画祭コンペティション部門に出品し、寺島しのぶが最優秀女優賞(銀熊賞)を受賞した。”(ウィキ参照

凄い作品だろうということは予告編から分かっていたけど、重いだろうと思ってそのままにしていたが
新さんが友情出演しているということで観てみたら、想像以上に重かったImage may be NSFW.
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久蔵を家族のもとに連れてきた兵士役。

trailer

実際の戦争映像、原爆投下、苦しむ市民の映像も流れ、いかに狂った時代だったかが伝わる。
同時に、戦争という困難の上に、さらに“女性である”ことの二重の苦しみがあったことが
寺島さんの飾らない熱演によって伝わって、余計に苦しかった。
劇場ではとてもじゃないが観られなかっただろうなImage may be NSFW.
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▼story
1940年、農村に住む黒川久蔵は、村人に盛大に見送られて日中戦争へと徴兵された。
4年後、妻シゲコのもとに帰ってきた久蔵は、手脚がなく、頭部には醜い火傷を負い、
耳が聞こえず、言葉も話せない無残な姿だった。

村人たちは「生きた軍神」として彼を崇め、久蔵の家族は厄介払いをするようにシゲコに世話を押しつける。
以前「石女(うまずめ。子供のできない女の意)の役立たずがっ!」とシゲコを殴り、辱めていた夫が、
いまや、食べて、寝るだけの肉塊となりながらも、シゲコへの性欲は衰えなかった。

「食べて、寝て、食べて、寝て、それでいいじゃない」

シゲコは、そんな夫を軍神として村を引き回すことで、ようやく理性を保っていたが、
戦時中、敵の民間女性をレイプして殺した記憶が蘇り、久蔵は不能となる。



東京大空襲、沖縄本土決戦、原爆投下、そして敗戦。
戦後、戦犯の絞首刑の様子まで映像に撮っていたことに驚いた。



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