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『11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち』(2012)

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『11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち』(2012)
監督:若松孝二 出演:井浦新、満島真之介、寺島しのぶ ほか

私は日本文学も政治や歴史も疎いから、三島由紀夫は名前は知っていても、
どんな小説を書いて、どんな人物で、なぜ自決したのか分からずに今作を観た。

やっと戦争が終わって、豊かになった日本で、なぜこんな学生による闘争が起きたのか、
この頃のことはよく映画でも取り上げられるけれども、まったくピンとこないのが正直な感想。

「日本の軍隊は自衛隊だ」

「武士道とは死ぬことと見つけたり」

三島さんは、あんなに穏やかな知識人でありながら、単に死にたいだけの人に見えるし、
森田さんにいたっては、逆に誰かを殺したいだけの殺人鬼に思える。
その背景に一体どんな思想、哲学があったのか、とても難しそうだが考えさせられる作品。

 

こんなに重いドキュメンタリータッチの映画の主役を堂々と張れるなんて新さん、スゲエ。

 


▼story(ウィキも参照にしてみたけど、間違ってたらゴメンナサイ



1966年、学費の値上げ等に反対して早稲田大学の学生が決起して150日間たてこもった。

 
浅沼を刺殺した青年は、拘置所内で首を吊って自殺した。

1967年「日本学生同盟」の指導者持丸博と出会う。
三島はペンを置き、自衛隊の訓練に参加する(「英霊イソベの霊がついているのかもしれない」て誰?
舩坂弘著『英霊の絶叫』の序文を書いた返礼として、日本刀・関孫六を贈られた。

「刀というものは鑑賞するものじゃない。生きているんだ」

ベトナム戦争が長引き、日本からも米軍機が連日飛び、反対者が出る。

 

 

山本「書くことと、行動することは違う。先生は書くことで戦えばいい」
三島「私は書くことを捨てました。安保条約の更新を機に軍隊をつくるのがライフワークだ」


森田必勝は自衛隊訓練に参加し、三島に心酔する。

1968年「楯の会」を結成。民間人を訓練して民兵とする組織。

川端康成が日本人初のノーベル文学賞を受賞。


1968年、「国際反戦デー」に新左翼が新宿で暴徒化した。
 

三島は学生らの前で演説し「天皇を神に戻す」というようなことを主張する。
「日本の象徴である日本刀でなければ意味がない」
「必要なのは知識ではない。志と行動。瑞々しく美しい精神だ。その精神は美しい肉体に宿る。
 美しく生きるということは、この国のために死ぬということだ」

1969年 沖縄デー


「誰かの命令がなければ死なないのか? それではフツーの会社員と同じです」

持丸が婚約を機に退会し、警備会社に就職すると申し出る。
「奥さんを養えるだけの給料を払うよ」と説得するもかなわず。
「一人の社会人として生きたい」
次期学生長には森田が就任する。

1年前と同じ暴動が再び起こったが、警察によって1600人が逮捕された。
 



三島「この国を守るのは自衛隊ではなくなったんだ。
   強大な警察の官僚たちが軍人にかわってしまった。
   これで完全に自衛隊の治安出動はなくなり、我々も決起の機会を失った」

森田「楯の会が憲法改正を発議させたらどうでしょうか?」

三島「死は文化だ。日本人は、キリスト教文化とは違い、命に罪を求めない。
   命の美しさを知っているからだ。だから死にも美しさを求める。
   オレも死を恐れてはいない。しかし、時間という物言わぬ力を恐れている」

浅沼を刺殺した青年が「先生はいつ死ぬんですか?」と訊ねてくる(彼は死んだのでは?

赤軍による「よど号ハイジャック事件」事件が起こる。


三島「我々が帰るところは自衛隊しかない」
山本「やるなら私を斬ってからにしてください」
三島「あなたは冷たい人ですな」

国会に入り、弾薬庫を占拠し、総監を拘束し、憲法改正を訴える計画をたてる。

 

 


三島「オレたちのしようとすることは、なんの効果もないのかもしれない。
   人によっては狂ってるというだろう。これはいわば絶望からの出発だ。
   世間の支持を期待するような、そんな思想ではもうダメなんだ。
   オレたちだけでやるしかない」


(なんだか明治維新を迎える前の会津軍を思い出した

最後の自決シーンは、苦しすぎて直視出来ない
どんな主義主張があるとは言え、人が死ぬところをじっくり観るなんてまともな心境ではいられない。






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