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ドラマ『R−17』(2001 全12話)

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ドラマ『R−17』(2001 全12話)
出演:中谷美紀、桃井かおり、田辺誠一、佐藤仁美、黒澤優、西村雅彦、内藤剛志 ほか

▼karte01 私、17歳のSOSが聞こえる/栗山千明、松重豊


家族や親戚中の期待を背負って、インターハイを目指しているテニス部のサオリは、
コートや部室等で、保健体育指導の大垣から「背骨が曲がってるから整体しよう」などの口実で触られまくり。
中学時代にダブルスを組んでいた同級生のユリエは、分かっていながら、自分がイジメられる対象になるのが怖くて
何も言えないことで、トイレで吐く行為を繰り返している。

春休み中に女子生徒の投身自殺が起きたことで、PTAをなだめるために体裁だけでもと
若くて、実績のない新人スクールカウンセラー森山(過敏性腸症候群)がやってきた。
白泉女学院の理事長・矢沢は、事なかれ主義で、その娘・カヲルは、表面的には優等生だが、影をもっている。

場所がないため、生物の部屋を借りて、理科教師・松崎と毎日顔を付き合わせるが、
「どうせ教師の言うことなんて聞きゃしないんだから」とテストを全部100点にしたりとなげやり。
自身もカウンセリングを受けていて不眠症ながら、毎回、なにかしら謎の質問をして、森山の抱えるトラブルに首をつっこむ。

松崎「ピザ屋3人で並んで配達してる理由って何だと思う?」
「人は身を守るウソをつくために言葉を覚えたのよ」

サオリは、緊急会議に呼ばれ、他の部員からも「別にフツーでした」と証言され、
森山に「あんたなんかに話すんじゃなかった。死にたい」ともらす。味方かと思われたカヲルからも、

カヲル「自殺したコ、花壇に包まれて、すごく幸せそうだったって。ねえ、いつ死ぬの?
    わたしね、人が死ぬとこ一度見てみたかったんだ」

女子学生は、ボーダー出版社でこれから流行りそうな商品アンケートでバイトしたり、麻薬売買等やり放題。


千明ちゃん若い! 今回の問題は教師による生徒へのセクハラ。あんなに人前で堂々と触る奴なんているのかねえ
松重さんやりすぎっ


▼karte02 教師のセクシャルハラスメント


屋上から飛び降りようとするサオリに、どうしようも出来ず「ここで見てるから」
森山に「死にたい」とメールを送っていたのは、ユリエのほうだった。
「大人なんかに本当のことを言ってもムダじゃんか!?」(10代の本音はそうなんだよね。
ユリエの吐きダコについて森山は「自分の中に許せない自分がいて、吐き出したいから」と分析する。

カヲル「自分が死ねないなら、相手を殺せばイイ」

松崎「コーヒーカップの取っ手って右側についてるの?左側なの?」

骨の標本をジョニーって呼んで、尾骨がないっ!て慌てたりして可笑しい
まだカウンセラーとかが胡散臭い、恥ずかしいものだって思われてた時代なのかな。
森山の部屋はゴミ屋敷


▼karte03 生きてる実感が、刺激が、欲しい


比較的大人しい生徒だったサエコが、生物の授業中にキレて、自分の指を火傷させた。
サエコは自分をふったナツヤを襲おうとして失敗し、自分の腕を切り、それ以降「緘黙(かんもく)」状態になってしまう
(喋りたいことが溢れているのに声に出せない状態

「毎日、退屈」とこぼしていたケイコも、ナツヤと付き合いだしてからすっかり変わってしまう。
万引き、売春を装って客から金を盗む、クラスメイトの財布から金を盗む・・・
ナツヤはケイコの腕にも「N」とイニシャルをナイフで切りつけて「お前は特別だから」と囁く。
(殴って、謝るってDVの典型だねぇ

ボーダー出版社の編集者ミカも元白泉女学院の中退者。
「彼女たちが欲しいのは、癒しじゃなくて刺激」

松崎「ババなしのババぬきは、刺激のない人生みたいなものよ」


▼karte04 恋のために、親を殺せますか?


サエコ同様、ケイコも親を殺して1000万円盗み、ナツヤと南の島で遊んで暮らすと言い出す。
(フツーの家庭のコなのに、どうしてこうなるんだろうね?
 たとえ親しい友だちでも、お金の貸し借りだけはイヤだな。

カヲル「親殺すんだ。ステキじゃん」

松崎「魔法使いなのに、“使わないだけ”ってこと、証明できる?」


▼karte05 私は女の子を愛してしまいました


学生の英語スピーチコンテストで、アヤが最優秀賞をとった。
ぜんそく持ちの野村ユカリ(宮崎あおい)が、イジメられているのを救うアヤ。
(トイレでモップでこすられたり、便器に頭入れられたりって、こんな昭和っぽいこと、まだしてるの
 このドラマのヒロイン演じるコって、今じゃすっかり大人気若手女優さんばかりだね/驚

イジメてたコはノギに叱られて、イジメは加速する。そのやり方に森山は反対し、意見が食い違う。
ユカリが森山の絵を描きたいと言い、アヤの独占欲と嫉妬心は暴走する

松崎は、発明家でレズビアン? ほうぼうに借金もある。急に森山の家に押しかけて同居し、真ん中に境界線をもうける。

「世の中には、境界線が見えないヒトもいる。勝手に入ったら侵略。ストーカーだって、本人は純愛だと思ってるのよ」
「あなたは人と関わり合いたくないから、部屋を片付けないんじゃないの?」
「世の中にはいろんな考え方があるの。どうして多数決で、私の考え方を否定されなきゃいけないの?」

松崎は、ミカからも金を借りていて「土下座したらチャラにする」と言われ、生徒の前であっさり土下座する。
ミカとケンカになった森山は、ミカを叩いてしまい、自宅謹慎となるが、
ミカ「フリールームに来ないでくれたら告訴しない。あすこは彼女らの唯一の居場所だから」と言われる。

アヤは、ユカリに睡眠薬を飲ませて、部屋に軟禁する。


▼karte06 教室にたてこもる子供たち


アヤの母は多忙で、子どものプライバシーに干渉しない主義。
ユカリは解放されるが、アヤのココロには穴があいているから、ふさがなきゃダメという松崎。

「なんでも母親の養育のせいなの? もっと根本的なところを見てない!」


▼karte07 何故手を出すのか?


「アンフェタミン」
痩せるクスリ、自信がわく、集中力が出るなどと言われて出回っている錠剤だが、
飲むと疲労感、幻覚を見ることもあり、中毒性があり止められなくなる。

ボーダーに出入りするコージからスピードをねだるリサは完全にヤク中。
「止めたければ、いつでも止められるってゆったじゃん。嘘つき」

2年後の受験のために毎晩寝ないで勉強しているキョウコは、眠気防止に手にシャーペンを刺したりしてもムリ。
しかも、太っていると気にしていて、雑誌の「太めちゃんの着こなし」コーナーに自分が載ってるのを見てショックを受ける。
次第に小食になり、食べたら吐くようになり、リサはキョウコにもクスリをあげる。
試しに飲むと、徹夜しても全く眠くならず、テストの成績は急に上がる。

最初はタダで渡して、中毒になってから金をとり、最終的には売春などをさせる、暴力団らがバックにあるんだな
松崎「習慣は止められないわよ」

 

キョウコの父(内藤さん、やっと登場!)は麻薬取締官で、リサを現行犯逮捕しにきて、
リサが慌てて相談室のラムネに隠したクスリを、知らずに森山は食べてしまう。


▼karte08 きっと、やめられる!


森山は、学生時代の親友サエの幻覚を見る。松崎はたくさんの水を飲ませて解毒させる。
「問題児は排除せざるを得ない」とリサは自主退学させられる。

松崎は、ミカが3時間ごとに飲むヤク中と見抜き、
「あんたには石川五右衛門になってほしいんだよ。学生の前でのたうち回って死ぬとこ見せてあげたいの」
「ユメから醒めて、現実に戻れる人は少ないのよ」

キョウコはコージから1万円でクスリを買う常連となる。止める森山に
「ドラッグと共存していけますから。私は大丈夫です」と言い切る。
(コワイねぇ・・・学校でもドラッグで廃人になった人の映像とか見せればいいのに。そんな授業のことニュースでやってたよ


▼karte09 命をかけて、ドラッグ最後の闘い


松崎「ただ見てるだけで、当事者にならない。なれない。あんたはずっとそーやって生きてきた。逃げてきたんでしょ?!」
森山「人を救うって一緒に地獄に落ちるってことなんですか? じゃなきゃココロなんて救えないんですか? だったら私はもうダメです」
松崎「みんな無力だよ。でも、あんたは、まず自分と向き合わなきゃダメ」

父は、「オレはキョウコを信じる。覚せい剤が安全で、すぐに止められるのなら、自分も一緒に証明する」
と、自分の腕に注射する。「注射も、錠剤も成分は同じなんだ」
森山がきた時には、父はのたうち回っていた。「オレには17年分の責任があるんだよ」

あんな状態になっても治るのかな? 内藤さんの渾身の演技に泣いた/涙


▼karte10 カウンセラーこれが、衝撃の告白
カヲルの母は興信所に頼み、カヲルとノギが仲良さそうにしている写真を見て、けがらわしい!とノギを責めるが、
カヲル「パパの浮気相手に対抗してキツい香水とか、厚化粧とかしてたまんないんだよね。死んじゃえば?」

春休みに投身自殺したミサキもノギが好きで、その内容の手紙が図書館の本から出てくる。

カヲル「私が先生を助けてあげる」
ノギはカヲルの気持ちを受けとめ、2人で一夜を過ごすが、「先生を殺して、私も死ぬから」と言われて驚く。
(なぜ相手をラクにするのに殺すしかないなんて思うんだろ?



森山は、高校生の頃、親友タエが自殺したと言ったが、本当は自分が殺したと告白する。


▼karte11 あなたを独りになんか、しない!
タエは毎日「死にたい、死にたい」と言って「親友なら一緒に死んでくれるでしょ?」ということばかり言っていた。
ある日、ナイフで刺されそうになって、奪い取って逆に刺し殺してしまった。
「正当防衛」と認められて無罪釈放となったが、ココロに大きな傷として残った。

松崎「正当防衛は、17歳に大人がつけた屁理屈なのよ」
森山「でも、本当はタエが死んでくれたらと思っている自分もいた。その後、毎日ユメに出てきた。
   あの時の音、感触が毎日、毎日、毎日、、、」

松崎「あんたには罪をちゃんと抱えて生きて欲しい。そろそろ自分の人生を生きてもらわなきゃね。
   動物が痛みを感じるのは、死なないため。今、本当の痛みと向き合ってるんだよ」

「今のコはすぐ死にたいっていう。すぐ飛び降りちゃう。そんな時、大人はどうして止められなかったんだろう。
 もっと単純に“生きてろ”と伝えてあげられなかったんだろ。
 そんな気持ちを知っているあんたが、スクールカウンセラーをやってる。それってスゲーぜ!
 生きてりゃいいこともあるんだって!」

森山「部屋を片付けるっていうのは、過去との決別の意味もあるかもしれません」

松崎は、カヲルとタエが似ているから、親身に話を聞けずに避けてたことを指摘する。
学校の屋上で、誕生日プレゼントをあげると言って、ナイフを首にあて、先生が飛び降りたら、私もすぐいくと言うカヲル。

カヲル「人間にはこの世界に向いてる人間と向いてない人間がいる。向いてる人間は毎日が楽しい。
    でもそうじゃない人間もいる。世の中って不公平ですよね」

(うん、分かるなぁ・・・でも、本当に地獄の底で苦しんでいる人を救うことなどできるんだろうか?
 それは生死そのものよりもっと高度な難題だ


▼karte12 心のカルテ鍵を解くのはあなた
寸前で森山はカヲルを止める。だが、その後、無感覚になって、何も食べず、反応しなくなる。
父の理事長は、政治家になる予定を優先して、警察沙汰にもせず、「森山を絶対家に入れるな!」と妻に命令する。

松崎「アメリカでは前科のある人がカウンセリングをしてる。同じ苦しみを知ってる人間のほうが分かるから」
(ここで、こないだ「Mr. Guder」で書いた虫歯の話がリンクするなんてね/驚

松崎「世の中には腹黒い人間はたくさんいるわよ」
森山「腹は黒くたって、どっかに白いところが必ずあって、その白いところが最後には勝つんだって、私信じてますから!」
(うん、まったく同意

森山「ヒトは、意思の力で体を衰弱させることができるんです!」

死が愛だと思っていたカヲルは、ノギ先生が助かって欲しいと願った。その気持ちこそが愛なんだと教える森山。

「タエは、死ぬって言いながら、本当は生きる理由を探していた。
 本当は、私に言って欲しかったんだ。わたしにはあなたが必要だから、一緒に生きようって。
 それに気づいてあげられなかった。
 生きることは、汚いことじゃない。あなたにも1つあるよね、あなたが生きる理由」

森山「受け止めてくれる人もなく、ポッカリあいた穴を見つめながら、
   どうしていいか分からない子どもたちがまだまだきっとたくさんいるはずです」

森山「今って生きづらいよね。本当は大人が“生きてるって楽しいんだよ”てお手本を示してあげなきゃいけないと思うのね。
   でも、辛いとかばっか言うと希望も持てない。でも、私は生きてて良かった!」

理事長は、妻から離婚届を渡されるが破り捨てる。それって単なるワガママじゃん

森山「もう本当に二度と会えないんですか?」
松崎「なんか聞きたいことがあったら、自分の中に答えは全部あるから。
   “今のコたちは何を考えてるか分からない”て言うけど、大人たちも迷いながら毎日を生きてるのよ」

2人の別れは切ないけど、森山がようやく自分の中の問題と正面から向き合って、
これからも大勢の子どもたちのココロの問題を親身になって聞いてくれるんだろうなって思わせるラストは清清しくもあった。


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