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『ワンダフルライフ〜After Life』(1999)

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『ワンダフルライフ〜After Life』(1999)
監督・脚本:是枝裕和
出演:井浦新、小田エリカ、寺島進、内藤剛志、谷啓、由利徹、伊勢谷友介、阿部サダヲ ほか

「貴方の一番大切な思い出を1つだけ選んでください。」


『幻の光』につづき是枝監督2作目の映画。
是枝監督、井浦さん、内藤さん、阿部ちゃんまで揃ってたら、観ないわけにはいかないでしょうv
けっこう探して、やっと見つけた1本。新さんも、伊勢谷さんも、今作が初出演ってビックリ。

本作を観れば、みんな、はて、自分はどんな思い出を選ぶだろう?
そもそも、そんな幸せな記憶なんてあったろうか?と、出演者とともに考えさせられることだろう。
私もここ数年かけて、部屋中のあらゆるものを片付けて、自分の過去を改めて掘り返していることともリンクした

観ているうちに、どこまでがフィクションか、ノンフィクションか分からなくなってくる。


trailer

▼story
廃校のようなところに死者が集められ、1週間かけて、自分のこれまでの人生の中でもっとも大切な瞬間を1つ選んでくださいといわれる。
1つ選べたら、スタッフがそれを映像として再現して上映し、
その思い出を鮮明に思い出せたら、あちら(天国)に行けるというシステムになっている。
悪いことをした人でも、地獄に落ちることはない。

1人ずつに担当者がついて、いろんな思い出話を聞くが、
自分の付き合った大勢の女の自慢話ばかりする人(由利さんサイコーw


「選ぶ必要なんて全くないですから」と反抗的態度の若者(伊勢谷さんは、素そのものな感じw
「過去を振り返って、その瞬間を繰り返すだけなんて、オレにとってはものすごく辛いこと。この体制を作り直すべき」て、らしい発言だし、私も同感。

ディズニーランドに行った時が楽しかったという女子高生に対して、担当のしおりは
「そう言う若いコはたくさんいるんだよね」と言ったことで、女子高生は改めて母の思い出を語る。

お年寄りは戦時中の話が多いんだね、やっぱり。

逆に生後5ヶ月頃の記憶を持っている男性もいる(平均は4歳なんだ/驚
「胎児の記憶まで戻る精神療法もあるっていうからねえ」

西村キヨさん(原ひさ子)は、次の段階にもうすでに行っちゃってるらしい。さすが。


何も思いつかない渡辺さんには、1本に1年分の記憶が録画されたビデオテープが渡される。
見合い結婚だった渡辺(若い頃を阿部ちゃんが演じてる)の新婚当時。
渡辺「そこそこの学歴で、そこそこの会社に入って、そこそこの結婚をして、ずっと幸せだったと思っていた」


渡辺さんの担当をしていた望月は、珍しく担当を替えて欲しいと願い出る。


「これは仕事なんだから、割り切らないと身がもたないよ」
「選ばない、という責任の取り方もある」

とうとう選択の日が来て、そのイメージになるべく近い映像を撮る様子は、映画づくりのよう

渡辺「私は、私の70年を肯定することができた」

 




和琴とか使った音楽も素朴でステキ。本編内で吹いてる内藤さんのペットは自前?
 

私も伊勢谷さんと同意見で、死後の世界で、今生の過去の思い出にずっとしがみつくなんて意味がないと思う。
記憶なんて、あくまで自分に都合のいい主観だし、曖昧なもの。「自分にとっての幸せなイメージは何か?」てことなのか?
これまでよく言われてる「死ぬ前に走馬灯のように一生が見える」てだけでもいいんじゃないの?

その代わり、この世から戦争や飢餓や不平等がなくなって、みんなが幸せになって暮らしている未来を観てみたい。
その未来にも自分がいるだろうし、いつか絶対そういう未来になるって信じているから。

 


DVD特典には、予告編ほか、フォトギャラリー、メイキング映像等あり。木村多江さんがセリフ1つもなく出演してたのが意外/驚
一般の方は、当時選んだ記憶を話されていたってわけね。お昼休みの雑談風景や、未公開シーンもあった。

一番の見所は、新さんのインタビュー映像。たぶん監督が聞いて撮ってるんだよね。
場所は、新さんの独自ブランド“REVOLVER”の事務所か?
きっかけのワードを聞いて、それにまつわる記憶を語るって設定。

 

【新さんのインタビュー 一例】

「台所」
冷蔵庫が好きで、つねに開けていた。いつも母のつくった野菜ポタージュがあって、フツーにジュースみたいに飲んでた。今でも懐かしくなる味。

「映画館」
映画館での失敗は多い。好きな人と行って、イイとこ見せようとして、お腹が鳴ったりとか
緊張して全然ストーリー覚えてなかったりとか。

「屋上」
事務所の階段をのぼって屋上へ。途中に佐藤製薬の企業キャラクター「サトちゃん」置きすぎっ!
「映画も水産試験場から景色見えましたよね?」てゆってるから、DVD化に向けて、当時を思い出して撮った映像なのかな?

 





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