■目で見る経済 「お金」のしくみと使い方(さ・え・ら書房)
アルヴィン・ホール/著 相良倫子/訳
絵と写真がたくさんある分かりやすさだけでなく、著者のユーモアセンスと、
その裏にある、読者に考えさせる哲学・思想がちゃんとあるところも素晴らしい。
そして、なんといっても、そこいらじゅうにいろんなピクトさんがわんさかいる
「経済学」なんて聞いただけで、拒否反応が出てしまう私のような者でも、
基本から、歴史から、お金の流れ、仕組みが、なんだか分かった気がしてくるv
【内容抜粋メモ】
●経済とは?
主にお金やヒト、建物などの資源の使い方をいう。
●お金の役割
1.交換の手段:モノを交換していた時代は不便だった。そこで登場したのが「交換媒介物」としてのお金。
2.価値の貯蔵
3.価値の尺度:お金の単位を使って、数種類あるモノの中から、値段と価値が比べることができる。
**************************お金の歴史
「貨幣学」お金と、その歴史を研究する学問のこと。
●物々交換
取引が成立しない時がある。「おつり」がもらえない不便さもある。
そこで、誰もが見分けられる金属を利用して「硬貨」が誕生した。
→でも、金貨を持ち歩くのは重いし危険。
→銀行が“金貨10枚と交換できる券”を発行。人々は金貨を銀行に預けた。
その「引換券」で買い物をするようになった。「紙幣」の誕生。
「兌換紙幣」金銀と交換が可能。
「不換紙幣」金銀と交換が不可能。現在の紙幣。
**************************お金の進化
1.ウシなど、欲しいモノ同士の物々交換
2.「銀塊」中国・紀元前5000年ごろから。重さで価値が決まった。
3.タカラガイ:中国・紀元前1200年ごろから。お金に関する漢字の部首が「貝」の由来(例:貸、財、貯など
4.道具型硬貨:小刀など日常道具が使われた。
5.エレクトラム貨:金銀の自然合金でできている。
6.最初の紙幣:中国・紀元後800年ごろから→大量に作られ価値がなくなり、1455年に廃止。
「古代リディアのクロイソス王」
世界初、金貨・銀貨を作った。
最古の銀行は、紀元前3000年ごろのバビロニア。貴重品を神殿に保管した。
「マネー」の由来は忠告の女神ユノ・モネタ。古代ロージンがお金をカピトル神殿に保管していた。
「為替の原理」(お金の受け渡しを現金以外で行うこと)
古代エジプトでは、穀物がお金として使われ、倉庫に預けた。この記録をもとに実物を移動させずに取引が行われた。
**************************お金はめぐる
中世ヨーロッパで探検ブームが起きる
「隊商交易」
その土地でしか生産されない商品は、他の地で高く売れる。一度に大量に運ぶしくみができた。
当時、胡椒は貴重な交易品だった。お香を運ぶ「香の道」もできた。
●新しい交易路の必要性
交易船は、外国の港に泊まるたび税金を払った。
コロンブス
赤道を通ると死ぬと信じられていた時代、コロンブスは、大西洋を渡ってインドにいく計画を立てた。
バスコ・ダ・ガマ
インド→ヨーロッパに香辛料を運ぶには、ムーア人の陸路を通るため、値段が釣りあがる。
バスコ・ダ・ガマは、喜望峰を回る交易路を開いた。
エルナン・コルテス
黄金を求めて中米アステカ王国を侵略、金銀を略奪し、スペインへ持ち帰った。
(おいおい、探検家が海賊しちゃダメでしょ
●国際通貨(今はドル)の必要性
・オランダ東インド会社:世界初、株券を発行。
・チューリップ恐慌:チューリップが流行って、投機が失敗し、大勢が大損した。
・アメリカドル:1792年、アメリカで貨幣法が作られ、ドルとセントが通貨の正式な単位となった。
南北アメリカ、アフリカ、南太平洋、アジアなど多くの国でドルとセントが使われているが、その価値は国によって違う。
●資本主義vs共産主義
・カール・マルクス
資本主義は、自由市場において、お金を儲けたいという人々の欲望によって働く経済システム。
マルクスは「生産者の利益を雇い主が得る、つまり労働者は見合った賃金がもらえない」と考えた。
共産主義は、すべての財産をみんなで共有する思想だと説いた。
●自由競争
・アダム・スミス
『国富論』(1776)で、自由市場が社会の利益につながると説いた。
「金本位制」
お金の価値が金の量と結び付けられている金融制度。
1816年、イギリス政府は、ポンドの価値を金の量で表す制度を始めた。1931年に廃止。
**************************現代のお金
世界で、政府が経済政策に積極的に関わるようになった。
・ジョン・メイナード・ケインズ
アダム・スミスは「政府は経済活動に関わるべきでない」(自由放任主義)を主張したが、
ケインズは、それがうまく機能していないので「政府は経済活動に関わるべき」と説いた。
理由1.失業者がいる。2.貧富の差が激しい。こういう問題の解決のために政府があると言った。
「ブレトンウッズ協定」
国連が大戦後、3つの機関を設立した。
「国際通貨基金(IMF)」「国際開発復興銀行(IBRD)」「関税および貿易に関する一般協定(GATT)」
●クレジットカードの誕生
実業家フランク・マクナマラは、レストランで食事をして財布を忘れたことに気づいた。
他の人が同じように恥ずかしい思いをしないよう、「ダイナースクラブ」を設立。
会員は、メンバーカードを見せれば、食事代をダイナースクラブに請求→クラブは会員に請求。
●ユーロ誕生
1999年、欧州連合の11ヶ国が共通通貨として導入。実際に人々が手にしたのは2002年になってから。
●ATM
1960年、NYの銀行の「バンコグラフ」がはじまりと言われる。
現金を支払う機械が登場したのは、1967年、ジョン・シェパード・バロン氏がチョコレートの自販機から思いついたという
紙幣そのものは紙切れにすぎない。
だが、国が発行し、政府が価値があると決め、人々が認めているからこそ、紙幣には価値がある。
**************************世界のお金いろいろ
「原始貨幣」
アフリカ中部では、妻を鈴50個で買えた
・腕輪のお金:1500年代、ポルトガル。1つ3ペンスほどの価値があった。
・ベルトのお金
・巨石のお金
・トランプ:17Cのカナダ。現地の司令官がカードを1/4に切り、金額を書いて、サインした。買い物にも使えた。
「為替レート」
ある通貨が他と比べ、どれほどの価値があるか示す比率。その総額は毎日変わる。
現在、世界には約180種類の通貨がある。
紙幣や硬貨は、日々新に作られ、廃棄されている/驚
●世界中にある金の量
1年間に生産される金の量は、約2500t。
金の価格は常に変わる。1g2500円とすると、2500tの金塊は約6兆2500億円になる。
現在の技術で掘れる金は、7万8000tと推定されている。
**************************お金をつくる
世界初、硬貨が作られたのは、紀元前7C頃。金銀から1枚ずつ手づくりだった/驚
今は、より長持ちする合金から作られる。
●紙幣の印刷には偽造防止のため、最大5種類の方法が使われている
・記番号
・綿や麻が材料。
・すかし:光に当てると浮かび上がる絵や文字。
・ホログラム:3Dイメージが浮かび上がる。
・微小文字
・金属の線:プラスチックや金属の線が織り込まれている。
・秘密の図柄:赤外線、紫外線を当てると見える。
・署名入り:昔は1枚ずつ手書きしていた。
●偽造とのたたかい
硬貨が作られた頃から偽造もはじまった。
縁のギザギザは、昔、縁を少しずつ削って→溶かし→新たな硬貨を作る人がいたから/驚
注:偽造だけでなく、“損傷”も禁ずる国が多い。お金を作るにも大金がかかるため!
「スーパーノート」
本物そっくりの100米ドル札。1990年、北朝鮮がアメリカ経済を揺るがす目的で大量に作ったといわれる。
**************************電子マネー
デビットカード:使用者の預金口座からすぐ引き落とされる。
クレジットカード:カード会社が支払いを肩代わり→使用者に請求する。
番号のヒミツ:
偽造防止のため、ホログラムが数字にかかるようデザインされている。
最初の6桁は発行した会社の識別番号、カード所有者の番号、最後の1桁はカード番号が正しいかをチェックする数字。
●オンラインバンキング:ネットや電話で銀行の用事が済む。
●ATM:世界中には約160万台ある(もっとありそうな気がするけど・・・
**************************株と債券
証券:会社が事業に必要な資金を集めたい時に発行する。株と債券がある。
債券を買う=その会社にお金を貸すこと。儲けた分、会社は決められた日までに一定の利子をつけて全額を返すと約束する。
投資:利益を得る目的で、会社やモノに資金を出すこと。
投機:将来の価格の変化を予想して、株など金融商品を買うこと。
「先物取引」
未来の決めた日、決めた値段で、特定の量の商品を買う約束をすること。
たとえば、農業経営者などが安定した収入が得られる。
「立会場」
昔は「場立ち」というトレーダーらが手サインで取引をしていた。
今はコンピュータ化され、効率的になった。
「ブル・マーケット(雄牛市場)」
強気市場。投資家が相場が上がるのを期待して積極的に買う状態。
「ベア・マーケット(クマ市場)」
弱気市場。商品の値段、全体的な相場が下がると予測すること。
**************************キャッシュレスの時代はくるか?
LETS「地域交換取引制度」
カナダでうまれた地域通貨。参加者だけで通用する通貨。2000以上の地域で使用されている。
実際、グリーンドルはなく、口座の数字だけが増減する。
電子決済:電子データをやり取りして支払う方法。
ETC:有料道路の料金所で停車する必要がなくなる
スピードパス:ガソリンスタンドでキーホルダー型の装置を使う。
携帯電話で支払い
ポイントカードが現金の代わり
小切手の使用は減ってきている。
**************************お金の使い道
お金は、ヒトによってちがう意味をもつ。働いたご褒美、不安解消、贅沢、尊敬される条件などなど。
・子どもへのおこづかいは、限られたお金を上手に使う練習になる。
・祝い金などは、使わずにとっておけば大金になる。なにか大きなモノを買う目標があるヒトは銀行に預けるのがおすすめ。
・お金は、時間がたつとインフレのせいで価値が下がる
・子どもに許されている仕事の種類は、法律で決められている。
・ある国では16歳以上でないと銀行口座を開設できない(日本では親の同意があればOK
・多くの国では、未成年は、親の同意がないと投資できない。
●金利とは?
銀行は、預金を使って、大きな買い物をしたいヒト、事業を始めるヒトに貸して利益をあげ、
その一部を利息として預金者に支払う。預ける期間が長いほど、利息は増える。
「複利」
一定の期間についた利息を元金に加えて、次の期間の元金とし、利息を計算すること。
例:
金利10%の場合、元金1万円を、1年預けると千円の利息がつき1万1千円になる。
2年目には、1万1千円が元金となり、10%の利息で1万2100円になる。
「72の法則」
元金を2倍にするには、72を金利(%)で割ればいい。
例:金利10%。72÷10=7.2年
**************************買い物上手のコツ
・本当に欲しいモノだけを買う→安売りに誘惑されない。
例:似たモノが家にないだろうか?(分かっちゃいるけど・・・だよね
・「割引率」に誤魔化されない。最終的にいくらかを考える。
例:バーゲンで6万→2万になっていても、普段買う服は8000円なら、高い買い物ってことになる。
・商品が安くても、そこに行くまでの交通費なども考える。
・ドリンクやスナック類は、小より大サイズのほうが安いことが多い。
自分を幸せにするものは何か? 人生には「選ぶ」ことが重要。
「インセンティヴ」(特定のモノや行為を選ぶ動機付け)
・どっちが楽しい? どっちがカッコいい?
・同じモノを2つ食べるより、違うモノを1個ずつ食べるほうが満足度は高い
・すでに持っているモノより、持っていないモノをもらうほど嬉しい。
●必需品と贅沢品
欲しいモノと、必要なモノはちがう。あるヒトにとって必要なモノが、別のヒトには贅沢な場合もある。
生活に必要なモノ
住居費:多くの人は、住む場所を確保するために全収入の1/3を支払う。
交通費:クルマを買えば、購入費、ガソリン代、高速料金、保険、自動車税も入る。
食費:自分で作るのが一番安上がり(最近、そうでもない気がする・・・
服飾費:服は必要だけど、オシャレは贅沢。
水道光熱費:電気、水道、ガス、電話、税金、年金、保険等
●物価の変化
政府は、一般消費者が購入する数百の商品の値段を定期的に調査し、インフレ率を発表している。
「インフレーション」
需要が供給を上回る→モノ・サービスの値段が上がる→物価が収入より上昇すると購買力は下がる
つまり、インフレになると、同じモノを買うのに高く支払うことになり、お金の価値が下がったことになる。
●もしもの時の備え
・老後のための蓄え:年金制度には、個人年金、企業年金、公的年金などがある。
・保険:事故、火事、盗難などの損害を補ってもらえる。
例:自動車保険、医療保険、海外旅行保険、ペット保険まである。
ヨーロッパでは、税金を高くして、公的な保険制度を提供している。
Q:4000万円すぐにもらえる宝くじ、毎年150万円を死ぬまで受け取れる宝くじ、どっちを選ぶ?
・すぐもらって大きな買い物をするorあと40年生きるとしたら6000万円になる。
・住宅ローンを一括払いor一部をローンに当てて、残りで旅行に行く。
・投資すればもっと儲かるor生活費にあてる
(毎年150万くれる会社が、数年後に潰れるって可能性もあるよね
大切なのは、持っているお金の額より、そのお金で何ができるか。
**************************経済学とは?
経済学=モノ、サービスの生産、分配、消費を研究する学問。社会科学の1つ。
経済学では、子どもや大人、企業、政府、国がどんな選択をするかを研究する。
その選択が積み重なり、どんな影響を与え合うかを、大きな視野で調べることでもある。
「経済学とは、お金を研究する学問ではない。ヒトやヒトの感情、行動に関する学問だ。
そして、ヒトほど理解するのが難しいものはない」
「経済学は、数字をあつかう科学であり、感情をあつかう芸術でもある」
「ヒトがどんな選択をするかを研究する学問だ」
「どちらを買ったほうが幸せになれるだろうか?」
●4大資源
1.天然資源:たくさんの労力が必要。限りがある。
2.資本的資源:仕事をするためにはPCなどの設備、維持するコストが必要。
3.人的資源:モノを作ったりするヒトや、サービスを提供するヒト、その人たちを管理するヒトも必要。
4.企業家精神:アイデアはけして尽きることはない。これがないと何も始まらない。
●供給と需要
起業して、商品にふさわしい値段を決めるには「供給と需要の法則」がある。
「供給」消費者が購入できるモノやサービスの量。
「需要」消費者が購入したいと思うモノやサービスの量。
需要が上がると値段も上がる、需要が下がると値段も下がる
値段が高いと買う人は減る、値段が安すぎると、どこの店に行っても売り切れて、買えない消費者が出る。
生産者はモノの利益が上がると分かると量を増やす。
→市場に同じモノが大量に出回り、供給が需要を上回る→値段は下がる
→供給と需要がバランスよく釣り合うことで「均衡価格」となる。
アダム・スミスの「見えざる手」の考えには、このことも含まれる。
モノの値段は「均衡価格」に向かって常にコロコロ変わる。
●自由市場とは?
「計画経済」政府が資源を所有し、何をどれだけ作るかなどを決める経済システム。
儲けは国のものになる。共産主義国、社会主義国で用いられている。
自由市場経済では、自分の好きな値段で商品を売ることができる。
1.住居、職業など自由に選べる。
2.生産者は、生産コストより高い値段で商品を売り、利益を自分のものにできる。
3.稼いだお金を自由に使える。
4.複数の企業で競争が生まれ、価格が下がる。
注:子ども、違法薬物、偽ブランド品などは売買してはいけない。また、利益の一部は税金として納める。
「私有財産」
稼いだ分だけ自分のものになるから働き甲斐となる。
「サンクコスト(埋没費用)」
たとえば花屋を開こうとして、開店のために使った300万のうち200万円使ったところで、近所に大手の花屋ができた。
開店しても利益は見込めないから、計画をやめても回収できないコストをサンクコストという。
●グローバル経済(国同士の取引)
【3つの市場】
・地域経済
・国家経済
・グローバル経済
モノの売買には輸送が欠かせないが、情報、アイデアなどの無形物や、人材には必ずしも必要ない。
「国債」国が発行する債券。一般の人々が買うことで国にお金を貸す→利子をつけて返す
「借款」別の国からの借り入れ→利子をつけて返す
返せない場合・・・
利子だけを返す
「棒引き」返さなくてもよい→国は信用を失う→先進国や国際機関などの救済を受ける必要が出てくる。
●経済にも四季がある(その長さはさまざまで予想は難しい)
・春:新しいビジネスが生まれ、雇用も増え、将来に対し楽観的になる。
・夏:景気がよくなり、恩恵を受ける。需要が増え、インフレが起こる。
・秋:購買力が減り、企業の利益が減り、人員削除など。
「景気の後退」国や地域の経済活動が6ヶ月以上縮小し続けること。
・冬:政府が税金や金利を下げる。少しずつ買うモノが増える。企業の生産が増加する。
経済循環の予測が難しいのは、お金の動きより、将来に対するヒトの感情の影響を受けるから。
例:
楽観:拡大期の時
不安:近い将来、この好景気は終わるのでは?
悲観:自信を失う
希望:最悪は過ぎたと思う
●経済学を築いた人たち
経済学の歴史は、18Cに入ってからでまだ浅い。
・カウティリヤ 紀元前350−283 世界で最初の経済学者。『実利論』は世界初の経済書と言われる。
・アダム・スミス 1723−1790 (前述)
・トマス・マルサス 1766−1834 『人口論』で人口の急激な増加、飢餓・貧困を示唆した。
・カール・マルクス 1818−1883 (前述)資本主義は、労働者や農民が反発する時がくると予言した→革命を引き起こし共産主義国家を誕生させた。
・アルフレッド・マーシャル 1842−1924 アダム・スミスの理論を数学的に証明し「供給と需要の法則」の生みの親。
・ジョン・M・ケインズ 1883−1946 「国の経済が危機の時は、政府が刺激し回復させるべき」と説いた。
・ミルトン・フリードマン 1912−2006 経済的に自由な社会には、政治的な自由も訪れると考えた。「レッセ・フェール」(自由放任主義)
「いかなる状況においても、いかなる名目や理由のためにも、税金は可能なかぎり減らされるべきである」と説いた。
・ジョン・F・ナッシュ 1928− ダーム理論の第一人者。相手の選択を知れば、自分の取るべき選択に役立つと説いた。
**************************税金
政府の大事な仕事の1つは、税金を使って国民にサービスを提供するor税金を安くして民間企業からサービスを買ってもらうか決めること。
●政府がお金を集める3つの方法
1.お金を印刷する→インフレを引き起こす
2.借りる→返さなきゃならない
3.税金をとる「徴税」
●税金の使い道
国際援助、学校等の建設、ごみ収集、裁判所、社会保障、年金制度、国防費・・・etc
●税金制度を使って、国民の行動を変えることができる
・タバコに高い税をかけて喫煙者を減らす。など
・IT企業にかかる税金を減らして活性化させる。
●税金の公平さ
例:A氏の収入は200万円、B氏の収入は2億円の場合。
・両方から20万円ずつとる。
・両方から収入の10%をとる。A氏は20万円、B氏は2000万円。
**************************幸せはお金じゃ買えない
「お金より時間が欲しいと思うこともある」
「友情はお金では買えない」
「買えば買うほどモノは欲しくなる」
「ごちそうは、毎日食べるより、時々食べたほうが幸せな気分になれる」
●幸福のものさし
政府の仕事は、国民を安心させ、幸せにすること。それには以下のような指標がある。
GDP(国内総生産)
1年間に国内で生産されたモノ・サービスの価値の合計額。高いほど国民は豊か。
だが、交通事故、環境破壊、凶悪事件などにかかったお金も含まれるため不適切だという考えもある。
GPI(真の進歩指数)
GDPを基に、無償の活動(ボランティア、家事など)の価値をお金に換算して加え、犯罪などの価値を差し引く。
HDI(人間開発指数)
GDPだけでなく、長寿命、識字率・就学率など、総合的に見る。
GNH(国民総幸福量)
1972年、ブータンの国王が唱えた。経済成長でなく、精神的な豊かさ、自然環境保護などを目指す。
**************************ヒトはなぜ働くのか?
「世界を動かすものがお金ならば、毎朝ヒトを起こすものは仕事だ」
ヒトは人生を通して、平均75,000時間も仕事に費やしている。
●働く理由のいろいろ
・お金のため
・チームの一体感が好き
・職場の仲間が好き
・大切な仕事だから
・忙しくしていたいから
「最低賃金」法律によって決められている。
「労働条件」企業は法律に基づき、健康保険制度、有給休暇など設けなくてはならない。
「差別」 企業は性別、国籍、民俗、宗教、年齢などを理由に差別してはならない。
「労働時間」労組の努力により、1週間の労働時間が、1日8時間×5日と制限された。日本は週40時間
(超えてる会社のほうが多い気がするけどね
「定年退職」寿命が延び、定年で辞めるヒトが減った。
「ヤミ市」違法薬物、武器、盗品が売買される。子どもや、不法滞在者が劣悪な環境で働かされている。
16歳以下の子どもの労働は禁じられている。途上国では、子どもが家族を養っている場合がある(子役の俳優ってどうなの???
●みんなが消費者、税金を払っている
家の材料となる木材等、建てる、冷暖房に使うエアコン、電気、通信、エンターテイメント、輸送機関、クスリ、
わたしたちは、他の誰かがつくったモノ、サービスを意識せずに使っている。
子どももお菓子を買えば、税金を払っていることになる。
**************************会社のしくみ
会社を分類する方法の1つとして「だれが得をするか」という考え方がある。
家族、株主、共同経営者、従業員、顧客、慈善団体、一般社会・・・
「株式会社」
一般のヒトが株を買う。株主は取締役(代表者)を通じて、さまざまな決定を行い、株の数に応じて配当金を受け取る。
「合名会社」社員が会社を所有、経営し、損失の責任を負う。
「合資会社」債務の責任が少ない社員が含まれる。こちらのほうが一般的。
「社会的企業」商売をして利益をあげつつ、社会に役立つ目的をもつ。
「フランチャイズ」他社の商品を売る権利を買って商売すること。ファーストフード店など。
「同族経営」1つの親族が所有・支配、経営などする会社。
「協同組合」組合のサービスを利用する人々によって所有・経営され、「議決権」を持ち、意思決定を多数決で決める。
●会社の組織図
【経営陣】
会長、取締役会 株主代表→CEOの決定が違法じゃないか、利益にかなっているか確認する。
CEO(最高経営責任者・代表取締役・社長)
COO(最高執行責任者)CEOをサポート
CFO(最高財務責任者)お金の流れを管理
マーケティング部部長 広告など
情報システム部の部長 コンピュータ、ソフトウェアなどの管理
人事部部長 人材募集、従業員の評価など
●会社の成長の論理的パターン
例:テニスボールの場合
1.テニスボールの販売数を増やす。
2.それ以外のボールも売る。
3.いろんなスポーツ用品を売る。
4.テニスクラブに売り込む。
5.第三者とフランチャイズ契約を結ぶ。
6.他の会社を買収、または合併する。
「企業間取引」
個人にボール1個売るより、大企業と交渉すれば、たくさん売れる。
「複合企業(コングロマリット)」
直接関係ない事業を含め、幅広い業種に携わる大会社のこと。リスクを分散させる。
世界最大の複合企業は、ゼネラル・エレクトリック社。
「専門企業」
核となる事業以外を切り離して別会社にしたりして、得意事業に専念する。
**************************未来の働き方
●通信技術の発展
自宅、車内、飛行機の中でも仕事ができる。デメリットは、プライベートの時間がなくなる、など。
●多国籍企業
途上国で安く雇う。
●グローバル化
世界が1つの市場となる。
一部のヒトは「グローバル化はすべての国を“同じ”にする」と反対する(それのどこがいけないの?
●中国の巨大市場
中国の人口は13億人。世界人口の1/5。
ここ25年間で経済が著しく成長し、毎月100万人が貧困から抜け出していると言われる。
●インド、ブラジル、ロシアも発展
インドの人口は現在11億人。2050年には中国を追い越すと言われる。
国民の約60%が農業で生計を立てているが、先端技術産業も盛んになってきている。
●「終身雇用」は古い
転職、フリーで働くヒトが増え、「ソフトな技術」と呼ばれるコミュニケーション能力・協調性が求められる。
長寿命化して、年金が充分にもらえない不安もある。
●クリーンエネルギー
2050年には、世界人口は90億人に達すると予測されている。
世界は、温暖化、食糧問題に直面し、これまでの経済成長が持続可能か疑問を持ち始めている。
**************************新製品誕生ストーリー
新製品誕生には、消費者、出資者、メーカー、マスコミ等、大勢を説得しなければならない。
会社が成長した後も、ライバル会社に先手を打ち、新しい客を獲得し、出資者に利益を配らなければならない。
1.研究開発
新しいアイデアを思いついたら、特許を取る。
市場を調査し、どう製造・販売するか考える。
2.資本の調達
設立して間もない会社の多くは資金繰りに苦労する。
商売が波に乗るまでは、経費を賄うことが大変。
3.製造
まず、試作品を作って形にする。予定通り機能するか確かめ、改良を加える必要もある。
完成したら、少量単位で製造する。
4.マーケティングと広告
商品を買う可能性のある人に伝える必要がある。
「マーケティング」消費者のニーズを探り、需要をうながす方法を調査すること。
「広告」広告費を使って、新聞、雑誌、看板、テレビ等を通じて宣伝する。
5.販売
これまでかかったコスト以上の売り上げが必要。
売り上げからコストを引いた「利益」も、出資者に配当金を配ったり、
将来の事業に再投資したりすることに使う必要がある。
長い時間をかけて収益をあげなければ、成功したとは言えない。
**************************公正な取引
ほとんどの国は、公正な取引のために、さまざまな法律を定め、経済活動を監視している。
「トリプル・ボトムライン」
長く活動するために、利益+社会・環境面も考える。例:適切な労働条件、危険な化学物質を使わない、など。
ボトムラインとは、決算書の最後の行に書き込まれる「利益」を言う。
●フェアトレード(公正な取引)
途上国では、先進国と直接商売するのは難しいため「中間業者」に頼る。
「中間業者」は仲立ちすることで、利益を搾取することがある。
フェアトレードの目的は不公正な取引を正すこと。
経済学者の中には「生き残れない企業はそのまま消えていくにまかせ、失業した者はヒトに求められる商品を作ればいい」という者もいる。
●フリートレード(自由貿易)
上記のような学者は、フリートレードが必要と主張する。
輸入品にかける高い関税こそが問題だと言う。
バングラデシュの経済学者ムハマド・ユヌス氏
貧乏な人たちに少額のお金を貸す「グラミン銀行」を設立。
金利を低く設定し、きちんと返せるようにした。
消費者には、大きな力がある。キチンとした倫理観をもって買い物することは、よりよい世界を買うことでもある。
**************************億万長者になるには?
自分で事業を立ち上げることはよい方法のひとつ。
●ステップ1 すばらしいアイデアを考える
・すでにある商品に、新しい機能を加える
・新しい客を見つける。例:イギリスのドミニク少年は、キックボードを輸入する商売を始め、2年後大金持ちになった。
・他の会社と協力する。例:マイクロソフト社+インテル社
・ブランドを管理する。例:コカ・コーラ社はいまだに市場で1位であり続けている。など
●ステップ2 会社を上手に運営する
・社員とコミュニケーションをとる、社員のヤル気を高める
・顧客を大切にする
・コストを低く抑える など
●世界の大金持ち
・タイガー・ウッズ:1年間で1億ドル(約100億円)稼いだ初めてのスポーツ選手。
・リチャード・ブランソン:イギリスの起業家。ヴァージン・アトランティック航空などつくった
2007年「ヴァージン・アース・チャレンジ賞」を創設。優れた地球温暖化対策技術を開発したものに約25億円を与える。
・カルロス・スリム・ヘル:世界で2番目の長者。母国メキシコで固定電話の90%、ケータイ80%がスリム社が提供している。
・チャールズ・シュルツ:『ピーナッツ』の作者。「死後も稼いでいる有名人番付」でエルヴィス、J.レノンに次いで3位だった/驚
**************************大富豪のお金の使い方
浪費はカンタンだが、自分が幸せになれるお金の使い方を見つけるのは難しい。
●慈善活動(フィランソロピー)
自分のお金、モノ、時間を使って人々を助けること。税金対策の意味もある。
●「ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ基金」
途上国のためにワクチンを研究開発したり、アメリカでは教育に恵まれない人々を支援したりしている。
●U2のボーカル、ボノ
アフリカの貧困や病気の改善、チベットの人権擁護を訴えたりしている。
●アメリカで人気の司会者オプラ・ウィンフリー
数々のチャリティー団体に多額の寄付をし、南アフリカに貧しい女子のための学校を設立した。
「金持ちのままで死ぬことは、不名誉のうちに死ぬことである」アンドリュー・カーネギー
アルヴィン・ホール/著 相良倫子/訳
絵と写真がたくさんある分かりやすさだけでなく、著者のユーモアセンスと、
その裏にある、読者に考えさせる哲学・思想がちゃんとあるところも素晴らしい。
そして、なんといっても、そこいらじゅうにいろんなピクトさんがわんさかいる
「経済学」なんて聞いただけで、拒否反応が出てしまう私のような者でも、
基本から、歴史から、お金の流れ、仕組みが、なんだか分かった気がしてくるv
【内容抜粋メモ】
●経済とは?
主にお金やヒト、建物などの資源の使い方をいう。
●お金の役割
1.交換の手段:モノを交換していた時代は不便だった。そこで登場したのが「交換媒介物」としてのお金。
2.価値の貯蔵
3.価値の尺度:お金の単位を使って、数種類あるモノの中から、値段と価値が比べることができる。
**************************お金の歴史
「貨幣学」お金と、その歴史を研究する学問のこと。
●物々交換
取引が成立しない時がある。「おつり」がもらえない不便さもある。
そこで、誰もが見分けられる金属を利用して「硬貨」が誕生した。
→でも、金貨を持ち歩くのは重いし危険。
→銀行が“金貨10枚と交換できる券”を発行。人々は金貨を銀行に預けた。
その「引換券」で買い物をするようになった。「紙幣」の誕生。
「兌換紙幣」金銀と交換が可能。
「不換紙幣」金銀と交換が不可能。現在の紙幣。
**************************お金の進化
1.ウシなど、欲しいモノ同士の物々交換
2.「銀塊」中国・紀元前5000年ごろから。重さで価値が決まった。
3.タカラガイ:中国・紀元前1200年ごろから。お金に関する漢字の部首が「貝」の由来(例:貸、財、貯など
4.道具型硬貨:小刀など日常道具が使われた。
5.エレクトラム貨:金銀の自然合金でできている。
6.最初の紙幣:中国・紀元後800年ごろから→大量に作られ価値がなくなり、1455年に廃止。
「古代リディアのクロイソス王」
世界初、金貨・銀貨を作った。
最古の銀行は、紀元前3000年ごろのバビロニア。貴重品を神殿に保管した。
「マネー」の由来は忠告の女神ユノ・モネタ。古代ロージンがお金をカピトル神殿に保管していた。
「為替の原理」(お金の受け渡しを現金以外で行うこと)
古代エジプトでは、穀物がお金として使われ、倉庫に預けた。この記録をもとに実物を移動させずに取引が行われた。
**************************お金はめぐる
中世ヨーロッパで探検ブームが起きる
「隊商交易」
その土地でしか生産されない商品は、他の地で高く売れる。一度に大量に運ぶしくみができた。
当時、胡椒は貴重な交易品だった。お香を運ぶ「香の道」もできた。
●新しい交易路の必要性
交易船は、外国の港に泊まるたび税金を払った。
コロンブス
赤道を通ると死ぬと信じられていた時代、コロンブスは、大西洋を渡ってインドにいく計画を立てた。
バスコ・ダ・ガマ
インド→ヨーロッパに香辛料を運ぶには、ムーア人の陸路を通るため、値段が釣りあがる。
バスコ・ダ・ガマは、喜望峰を回る交易路を開いた。
エルナン・コルテス
黄金を求めて中米アステカ王国を侵略、金銀を略奪し、スペインへ持ち帰った。
(おいおい、探検家が海賊しちゃダメでしょ
●国際通貨(今はドル)の必要性
・オランダ東インド会社:世界初、株券を発行。
・チューリップ恐慌:チューリップが流行って、投機が失敗し、大勢が大損した。
・アメリカドル:1792年、アメリカで貨幣法が作られ、ドルとセントが通貨の正式な単位となった。
南北アメリカ、アフリカ、南太平洋、アジアなど多くの国でドルとセントが使われているが、その価値は国によって違う。
●資本主義vs共産主義
・カール・マルクス
資本主義は、自由市場において、お金を儲けたいという人々の欲望によって働く経済システム。
マルクスは「生産者の利益を雇い主が得る、つまり労働者は見合った賃金がもらえない」と考えた。
共産主義は、すべての財産をみんなで共有する思想だと説いた。
●自由競争
・アダム・スミス
『国富論』(1776)で、自由市場が社会の利益につながると説いた。
「金本位制」
お金の価値が金の量と結び付けられている金融制度。
1816年、イギリス政府は、ポンドの価値を金の量で表す制度を始めた。1931年に廃止。
**************************現代のお金
世界で、政府が経済政策に積極的に関わるようになった。
・ジョン・メイナード・ケインズ
アダム・スミスは「政府は経済活動に関わるべきでない」(自由放任主義)を主張したが、
ケインズは、それがうまく機能していないので「政府は経済活動に関わるべき」と説いた。
理由1.失業者がいる。2.貧富の差が激しい。こういう問題の解決のために政府があると言った。
「ブレトンウッズ協定」
国連が大戦後、3つの機関を設立した。
「国際通貨基金(IMF)」「国際開発復興銀行(IBRD)」「関税および貿易に関する一般協定(GATT)」
●クレジットカードの誕生
実業家フランク・マクナマラは、レストランで食事をして財布を忘れたことに気づいた。
他の人が同じように恥ずかしい思いをしないよう、「ダイナースクラブ」を設立。
会員は、メンバーカードを見せれば、食事代をダイナースクラブに請求→クラブは会員に請求。
●ユーロ誕生
1999年、欧州連合の11ヶ国が共通通貨として導入。実際に人々が手にしたのは2002年になってから。
●ATM
1960年、NYの銀行の「バンコグラフ」がはじまりと言われる。
現金を支払う機械が登場したのは、1967年、ジョン・シェパード・バロン氏がチョコレートの自販機から思いついたという
紙幣そのものは紙切れにすぎない。
だが、国が発行し、政府が価値があると決め、人々が認めているからこそ、紙幣には価値がある。
**************************世界のお金いろいろ
「原始貨幣」
アフリカ中部では、妻を鈴50個で買えた
・腕輪のお金:1500年代、ポルトガル。1つ3ペンスほどの価値があった。
・ベルトのお金
・巨石のお金
・トランプ:17Cのカナダ。現地の司令官がカードを1/4に切り、金額を書いて、サインした。買い物にも使えた。
「為替レート」
ある通貨が他と比べ、どれほどの価値があるか示す比率。その総額は毎日変わる。
現在、世界には約180種類の通貨がある。
紙幣や硬貨は、日々新に作られ、廃棄されている/驚
●世界中にある金の量
1年間に生産される金の量は、約2500t。
金の価格は常に変わる。1g2500円とすると、2500tの金塊は約6兆2500億円になる。
現在の技術で掘れる金は、7万8000tと推定されている。
**************************お金をつくる
世界初、硬貨が作られたのは、紀元前7C頃。金銀から1枚ずつ手づくりだった/驚
今は、より長持ちする合金から作られる。
●紙幣の印刷には偽造防止のため、最大5種類の方法が使われている
・記番号
・綿や麻が材料。
・すかし:光に当てると浮かび上がる絵や文字。
・ホログラム:3Dイメージが浮かび上がる。
・微小文字
・金属の線:プラスチックや金属の線が織り込まれている。
・秘密の図柄:赤外線、紫外線を当てると見える。
・署名入り:昔は1枚ずつ手書きしていた。
●偽造とのたたかい
硬貨が作られた頃から偽造もはじまった。
縁のギザギザは、昔、縁を少しずつ削って→溶かし→新たな硬貨を作る人がいたから/驚
注:偽造だけでなく、“損傷”も禁ずる国が多い。お金を作るにも大金がかかるため!
「スーパーノート」
本物そっくりの100米ドル札。1990年、北朝鮮がアメリカ経済を揺るがす目的で大量に作ったといわれる。
**************************電子マネー
デビットカード:使用者の預金口座からすぐ引き落とされる。
クレジットカード:カード会社が支払いを肩代わり→使用者に請求する。
番号のヒミツ:
偽造防止のため、ホログラムが数字にかかるようデザインされている。
最初の6桁は発行した会社の識別番号、カード所有者の番号、最後の1桁はカード番号が正しいかをチェックする数字。
●オンラインバンキング:ネットや電話で銀行の用事が済む。
●ATM:世界中には約160万台ある(もっとありそうな気がするけど・・・
**************************株と債券
証券:会社が事業に必要な資金を集めたい時に発行する。株と債券がある。
債券を買う=その会社にお金を貸すこと。儲けた分、会社は決められた日までに一定の利子をつけて全額を返すと約束する。
投資:利益を得る目的で、会社やモノに資金を出すこと。
投機:将来の価格の変化を予想して、株など金融商品を買うこと。
「先物取引」
未来の決めた日、決めた値段で、特定の量の商品を買う約束をすること。
たとえば、農業経営者などが安定した収入が得られる。
「立会場」
昔は「場立ち」というトレーダーらが手サインで取引をしていた。
今はコンピュータ化され、効率的になった。
「ブル・マーケット(雄牛市場)」
強気市場。投資家が相場が上がるのを期待して積極的に買う状態。
「ベア・マーケット(クマ市場)」
弱気市場。商品の値段、全体的な相場が下がると予測すること。
**************************キャッシュレスの時代はくるか?
LETS「地域交換取引制度」
カナダでうまれた地域通貨。参加者だけで通用する通貨。2000以上の地域で使用されている。
実際、グリーンドルはなく、口座の数字だけが増減する。
電子決済:電子データをやり取りして支払う方法。
ETC:有料道路の料金所で停車する必要がなくなる
スピードパス:ガソリンスタンドでキーホルダー型の装置を使う。
携帯電話で支払い
ポイントカードが現金の代わり
小切手の使用は減ってきている。
**************************お金の使い道
お金は、ヒトによってちがう意味をもつ。働いたご褒美、不安解消、贅沢、尊敬される条件などなど。
・子どもへのおこづかいは、限られたお金を上手に使う練習になる。
・祝い金などは、使わずにとっておけば大金になる。なにか大きなモノを買う目標があるヒトは銀行に預けるのがおすすめ。
・お金は、時間がたつとインフレのせいで価値が下がる
・子どもに許されている仕事の種類は、法律で決められている。
・ある国では16歳以上でないと銀行口座を開設できない(日本では親の同意があればOK
・多くの国では、未成年は、親の同意がないと投資できない。
●金利とは?
銀行は、預金を使って、大きな買い物をしたいヒト、事業を始めるヒトに貸して利益をあげ、
その一部を利息として預金者に支払う。預ける期間が長いほど、利息は増える。
「複利」
一定の期間についた利息を元金に加えて、次の期間の元金とし、利息を計算すること。
例:
金利10%の場合、元金1万円を、1年預けると千円の利息がつき1万1千円になる。
2年目には、1万1千円が元金となり、10%の利息で1万2100円になる。
「72の法則」
元金を2倍にするには、72を金利(%)で割ればいい。
例:金利10%。72÷10=7.2年
**************************買い物上手のコツ
・本当に欲しいモノだけを買う→安売りに誘惑されない。
例:似たモノが家にないだろうか?(分かっちゃいるけど・・・だよね
・「割引率」に誤魔化されない。最終的にいくらかを考える。
例:バーゲンで6万→2万になっていても、普段買う服は8000円なら、高い買い物ってことになる。
・商品が安くても、そこに行くまでの交通費なども考える。
・ドリンクやスナック類は、小より大サイズのほうが安いことが多い。
自分を幸せにするものは何か? 人生には「選ぶ」ことが重要。
「インセンティヴ」(特定のモノや行為を選ぶ動機付け)
・どっちが楽しい? どっちがカッコいい?
・同じモノを2つ食べるより、違うモノを1個ずつ食べるほうが満足度は高い
・すでに持っているモノより、持っていないモノをもらうほど嬉しい。
●必需品と贅沢品
欲しいモノと、必要なモノはちがう。あるヒトにとって必要なモノが、別のヒトには贅沢な場合もある。
生活に必要なモノ
住居費:多くの人は、住む場所を確保するために全収入の1/3を支払う。
交通費:クルマを買えば、購入費、ガソリン代、高速料金、保険、自動車税も入る。
食費:自分で作るのが一番安上がり(最近、そうでもない気がする・・・
服飾費:服は必要だけど、オシャレは贅沢。
水道光熱費:電気、水道、ガス、電話、税金、年金、保険等
●物価の変化
政府は、一般消費者が購入する数百の商品の値段を定期的に調査し、インフレ率を発表している。
「インフレーション」
需要が供給を上回る→モノ・サービスの値段が上がる→物価が収入より上昇すると購買力は下がる
つまり、インフレになると、同じモノを買うのに高く支払うことになり、お金の価値が下がったことになる。
●もしもの時の備え
・老後のための蓄え:年金制度には、個人年金、企業年金、公的年金などがある。
・保険:事故、火事、盗難などの損害を補ってもらえる。
例:自動車保険、医療保険、海外旅行保険、ペット保険まである。
ヨーロッパでは、税金を高くして、公的な保険制度を提供している。
Q:4000万円すぐにもらえる宝くじ、毎年150万円を死ぬまで受け取れる宝くじ、どっちを選ぶ?
・すぐもらって大きな買い物をするorあと40年生きるとしたら6000万円になる。
・住宅ローンを一括払いor一部をローンに当てて、残りで旅行に行く。
・投資すればもっと儲かるor生活費にあてる
(毎年150万くれる会社が、数年後に潰れるって可能性もあるよね
大切なのは、持っているお金の額より、そのお金で何ができるか。
**************************経済学とは?
経済学=モノ、サービスの生産、分配、消費を研究する学問。社会科学の1つ。
経済学では、子どもや大人、企業、政府、国がどんな選択をするかを研究する。
その選択が積み重なり、どんな影響を与え合うかを、大きな視野で調べることでもある。
「経済学とは、お金を研究する学問ではない。ヒトやヒトの感情、行動に関する学問だ。
そして、ヒトほど理解するのが難しいものはない」
「経済学は、数字をあつかう科学であり、感情をあつかう芸術でもある」
「ヒトがどんな選択をするかを研究する学問だ」
「どちらを買ったほうが幸せになれるだろうか?」
●4大資源
1.天然資源:たくさんの労力が必要。限りがある。
2.資本的資源:仕事をするためにはPCなどの設備、維持するコストが必要。
3.人的資源:モノを作ったりするヒトや、サービスを提供するヒト、その人たちを管理するヒトも必要。
4.企業家精神:アイデアはけして尽きることはない。これがないと何も始まらない。
●供給と需要
起業して、商品にふさわしい値段を決めるには「供給と需要の法則」がある。
「供給」消費者が購入できるモノやサービスの量。
「需要」消費者が購入したいと思うモノやサービスの量。
需要が上がると値段も上がる、需要が下がると値段も下がる
値段が高いと買う人は減る、値段が安すぎると、どこの店に行っても売り切れて、買えない消費者が出る。
生産者はモノの利益が上がると分かると量を増やす。
→市場に同じモノが大量に出回り、供給が需要を上回る→値段は下がる
→供給と需要がバランスよく釣り合うことで「均衡価格」となる。
アダム・スミスの「見えざる手」の考えには、このことも含まれる。
モノの値段は「均衡価格」に向かって常にコロコロ変わる。
●自由市場とは?
「計画経済」政府が資源を所有し、何をどれだけ作るかなどを決める経済システム。
儲けは国のものになる。共産主義国、社会主義国で用いられている。
自由市場経済では、自分の好きな値段で商品を売ることができる。
1.住居、職業など自由に選べる。
2.生産者は、生産コストより高い値段で商品を売り、利益を自分のものにできる。
3.稼いだお金を自由に使える。
4.複数の企業で競争が生まれ、価格が下がる。
注:子ども、違法薬物、偽ブランド品などは売買してはいけない。また、利益の一部は税金として納める。
「私有財産」
稼いだ分だけ自分のものになるから働き甲斐となる。
「サンクコスト(埋没費用)」
たとえば花屋を開こうとして、開店のために使った300万のうち200万円使ったところで、近所に大手の花屋ができた。
開店しても利益は見込めないから、計画をやめても回収できないコストをサンクコストという。
●グローバル経済(国同士の取引)
【3つの市場】
・地域経済
・国家経済
・グローバル経済
モノの売買には輸送が欠かせないが、情報、アイデアなどの無形物や、人材には必ずしも必要ない。
「国債」国が発行する債券。一般の人々が買うことで国にお金を貸す→利子をつけて返す
「借款」別の国からの借り入れ→利子をつけて返す
返せない場合・・・
利子だけを返す
「棒引き」返さなくてもよい→国は信用を失う→先進国や国際機関などの救済を受ける必要が出てくる。
●経済にも四季がある(その長さはさまざまで予想は難しい)
・春:新しいビジネスが生まれ、雇用も増え、将来に対し楽観的になる。
・夏:景気がよくなり、恩恵を受ける。需要が増え、インフレが起こる。
・秋:購買力が減り、企業の利益が減り、人員削除など。
「景気の後退」国や地域の経済活動が6ヶ月以上縮小し続けること。
・冬:政府が税金や金利を下げる。少しずつ買うモノが増える。企業の生産が増加する。
経済循環の予測が難しいのは、お金の動きより、将来に対するヒトの感情の影響を受けるから。
例:
楽観:拡大期の時
不安:近い将来、この好景気は終わるのでは?
悲観:自信を失う
希望:最悪は過ぎたと思う
●経済学を築いた人たち
経済学の歴史は、18Cに入ってからでまだ浅い。
・カウティリヤ 紀元前350−283 世界で最初の経済学者。『実利論』は世界初の経済書と言われる。
・アダム・スミス 1723−1790 (前述)
・トマス・マルサス 1766−1834 『人口論』で人口の急激な増加、飢餓・貧困を示唆した。
・カール・マルクス 1818−1883 (前述)資本主義は、労働者や農民が反発する時がくると予言した→革命を引き起こし共産主義国家を誕生させた。
・アルフレッド・マーシャル 1842−1924 アダム・スミスの理論を数学的に証明し「供給と需要の法則」の生みの親。
・ジョン・M・ケインズ 1883−1946 「国の経済が危機の時は、政府が刺激し回復させるべき」と説いた。
・ミルトン・フリードマン 1912−2006 経済的に自由な社会には、政治的な自由も訪れると考えた。「レッセ・フェール」(自由放任主義)
「いかなる状況においても、いかなる名目や理由のためにも、税金は可能なかぎり減らされるべきである」と説いた。
・ジョン・F・ナッシュ 1928− ダーム理論の第一人者。相手の選択を知れば、自分の取るべき選択に役立つと説いた。
**************************税金
政府の大事な仕事の1つは、税金を使って国民にサービスを提供するor税金を安くして民間企業からサービスを買ってもらうか決めること。
●政府がお金を集める3つの方法
1.お金を印刷する→インフレを引き起こす
2.借りる→返さなきゃならない
3.税金をとる「徴税」
●税金の使い道
国際援助、学校等の建設、ごみ収集、裁判所、社会保障、年金制度、国防費・・・etc
●税金制度を使って、国民の行動を変えることができる
・タバコに高い税をかけて喫煙者を減らす。など
・IT企業にかかる税金を減らして活性化させる。
●税金の公平さ
例:A氏の収入は200万円、B氏の収入は2億円の場合。
・両方から20万円ずつとる。
・両方から収入の10%をとる。A氏は20万円、B氏は2000万円。
**************************幸せはお金じゃ買えない
「お金より時間が欲しいと思うこともある」
「友情はお金では買えない」
「買えば買うほどモノは欲しくなる」
「ごちそうは、毎日食べるより、時々食べたほうが幸せな気分になれる」
●幸福のものさし
政府の仕事は、国民を安心させ、幸せにすること。それには以下のような指標がある。
GDP(国内総生産)
1年間に国内で生産されたモノ・サービスの価値の合計額。高いほど国民は豊か。
だが、交通事故、環境破壊、凶悪事件などにかかったお金も含まれるため不適切だという考えもある。
GPI(真の進歩指数)
GDPを基に、無償の活動(ボランティア、家事など)の価値をお金に換算して加え、犯罪などの価値を差し引く。
HDI(人間開発指数)
GDPだけでなく、長寿命、識字率・就学率など、総合的に見る。
GNH(国民総幸福量)
1972年、ブータンの国王が唱えた。経済成長でなく、精神的な豊かさ、自然環境保護などを目指す。
**************************ヒトはなぜ働くのか?
「世界を動かすものがお金ならば、毎朝ヒトを起こすものは仕事だ」
ヒトは人生を通して、平均75,000時間も仕事に費やしている。
●働く理由のいろいろ
・お金のため
・チームの一体感が好き
・職場の仲間が好き
・大切な仕事だから
・忙しくしていたいから
「最低賃金」法律によって決められている。
「労働条件」企業は法律に基づき、健康保険制度、有給休暇など設けなくてはならない。
「差別」 企業は性別、国籍、民俗、宗教、年齢などを理由に差別してはならない。
「労働時間」労組の努力により、1週間の労働時間が、1日8時間×5日と制限された。日本は週40時間
(超えてる会社のほうが多い気がするけどね
「定年退職」寿命が延び、定年で辞めるヒトが減った。
「ヤミ市」違法薬物、武器、盗品が売買される。子どもや、不法滞在者が劣悪な環境で働かされている。
16歳以下の子どもの労働は禁じられている。途上国では、子どもが家族を養っている場合がある(子役の俳優ってどうなの???
●みんなが消費者、税金を払っている
家の材料となる木材等、建てる、冷暖房に使うエアコン、電気、通信、エンターテイメント、輸送機関、クスリ、
わたしたちは、他の誰かがつくったモノ、サービスを意識せずに使っている。
子どももお菓子を買えば、税金を払っていることになる。
**************************会社のしくみ
会社を分類する方法の1つとして「だれが得をするか」という考え方がある。
家族、株主、共同経営者、従業員、顧客、慈善団体、一般社会・・・
「株式会社」
一般のヒトが株を買う。株主は取締役(代表者)を通じて、さまざまな決定を行い、株の数に応じて配当金を受け取る。
「合名会社」社員が会社を所有、経営し、損失の責任を負う。
「合資会社」債務の責任が少ない社員が含まれる。こちらのほうが一般的。
「社会的企業」商売をして利益をあげつつ、社会に役立つ目的をもつ。
「フランチャイズ」他社の商品を売る権利を買って商売すること。ファーストフード店など。
「同族経営」1つの親族が所有・支配、経営などする会社。
「協同組合」組合のサービスを利用する人々によって所有・経営され、「議決権」を持ち、意思決定を多数決で決める。
●会社の組織図
【経営陣】
会長、取締役会 株主代表→CEOの決定が違法じゃないか、利益にかなっているか確認する。
CEO(最高経営責任者・代表取締役・社長)
COO(最高執行責任者)CEOをサポート
CFO(最高財務責任者)お金の流れを管理
マーケティング部部長 広告など
情報システム部の部長 コンピュータ、ソフトウェアなどの管理
人事部部長 人材募集、従業員の評価など
●会社の成長の論理的パターン
例:テニスボールの場合
1.テニスボールの販売数を増やす。
2.それ以外のボールも売る。
3.いろんなスポーツ用品を売る。
4.テニスクラブに売り込む。
5.第三者とフランチャイズ契約を結ぶ。
6.他の会社を買収、または合併する。
「企業間取引」
個人にボール1個売るより、大企業と交渉すれば、たくさん売れる。
「複合企業(コングロマリット)」
直接関係ない事業を含め、幅広い業種に携わる大会社のこと。リスクを分散させる。
世界最大の複合企業は、ゼネラル・エレクトリック社。
「専門企業」
核となる事業以外を切り離して別会社にしたりして、得意事業に専念する。
**************************未来の働き方
●通信技術の発展
自宅、車内、飛行機の中でも仕事ができる。デメリットは、プライベートの時間がなくなる、など。
●多国籍企業
途上国で安く雇う。
●グローバル化
世界が1つの市場となる。
一部のヒトは「グローバル化はすべての国を“同じ”にする」と反対する(それのどこがいけないの?
●中国の巨大市場
中国の人口は13億人。世界人口の1/5。
ここ25年間で経済が著しく成長し、毎月100万人が貧困から抜け出していると言われる。
●インド、ブラジル、ロシアも発展
インドの人口は現在11億人。2050年には中国を追い越すと言われる。
国民の約60%が農業で生計を立てているが、先端技術産業も盛んになってきている。
●「終身雇用」は古い
転職、フリーで働くヒトが増え、「ソフトな技術」と呼ばれるコミュニケーション能力・協調性が求められる。
長寿命化して、年金が充分にもらえない不安もある。
●クリーンエネルギー
2050年には、世界人口は90億人に達すると予測されている。
世界は、温暖化、食糧問題に直面し、これまでの経済成長が持続可能か疑問を持ち始めている。
**************************新製品誕生ストーリー
新製品誕生には、消費者、出資者、メーカー、マスコミ等、大勢を説得しなければならない。
会社が成長した後も、ライバル会社に先手を打ち、新しい客を獲得し、出資者に利益を配らなければならない。
1.研究開発
新しいアイデアを思いついたら、特許を取る。
市場を調査し、どう製造・販売するか考える。
2.資本の調達
設立して間もない会社の多くは資金繰りに苦労する。
商売が波に乗るまでは、経費を賄うことが大変。
3.製造
まず、試作品を作って形にする。予定通り機能するか確かめ、改良を加える必要もある。
完成したら、少量単位で製造する。
4.マーケティングと広告
商品を買う可能性のある人に伝える必要がある。
「マーケティング」消費者のニーズを探り、需要をうながす方法を調査すること。
「広告」広告費を使って、新聞、雑誌、看板、テレビ等を通じて宣伝する。
5.販売
これまでかかったコスト以上の売り上げが必要。
売り上げからコストを引いた「利益」も、出資者に配当金を配ったり、
将来の事業に再投資したりすることに使う必要がある。
長い時間をかけて収益をあげなければ、成功したとは言えない。
**************************公正な取引
ほとんどの国は、公正な取引のために、さまざまな法律を定め、経済活動を監視している。
「トリプル・ボトムライン」
長く活動するために、利益+社会・環境面も考える。例:適切な労働条件、危険な化学物質を使わない、など。
ボトムラインとは、決算書の最後の行に書き込まれる「利益」を言う。
●フェアトレード(公正な取引)
途上国では、先進国と直接商売するのは難しいため「中間業者」に頼る。
「中間業者」は仲立ちすることで、利益を搾取することがある。
フェアトレードの目的は不公正な取引を正すこと。
経済学者の中には「生き残れない企業はそのまま消えていくにまかせ、失業した者はヒトに求められる商品を作ればいい」という者もいる。
●フリートレード(自由貿易)
上記のような学者は、フリートレードが必要と主張する。
輸入品にかける高い関税こそが問題だと言う。
バングラデシュの経済学者ムハマド・ユヌス氏
貧乏な人たちに少額のお金を貸す「グラミン銀行」を設立。
金利を低く設定し、きちんと返せるようにした。
消費者には、大きな力がある。キチンとした倫理観をもって買い物することは、よりよい世界を買うことでもある。
**************************億万長者になるには?
自分で事業を立ち上げることはよい方法のひとつ。
●ステップ1 すばらしいアイデアを考える
・すでにある商品に、新しい機能を加える
・新しい客を見つける。例:イギリスのドミニク少年は、キックボードを輸入する商売を始め、2年後大金持ちになった。
・他の会社と協力する。例:マイクロソフト社+インテル社
・ブランドを管理する。例:コカ・コーラ社はいまだに市場で1位であり続けている。など
●ステップ2 会社を上手に運営する
・社員とコミュニケーションをとる、社員のヤル気を高める
・顧客を大切にする
・コストを低く抑える など
●世界の大金持ち
・タイガー・ウッズ:1年間で1億ドル(約100億円)稼いだ初めてのスポーツ選手。
・リチャード・ブランソン:イギリスの起業家。ヴァージン・アトランティック航空などつくった
2007年「ヴァージン・アース・チャレンジ賞」を創設。優れた地球温暖化対策技術を開発したものに約25億円を与える。
・カルロス・スリム・ヘル:世界で2番目の長者。母国メキシコで固定電話の90%、ケータイ80%がスリム社が提供している。
・チャールズ・シュルツ:『ピーナッツ』の作者。「死後も稼いでいる有名人番付」でエルヴィス、J.レノンに次いで3位だった/驚
**************************大富豪のお金の使い方
浪費はカンタンだが、自分が幸せになれるお金の使い方を見つけるのは難しい。
●慈善活動(フィランソロピー)
自分のお金、モノ、時間を使って人々を助けること。税金対策の意味もある。
●「ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ基金」
途上国のためにワクチンを研究開発したり、アメリカでは教育に恵まれない人々を支援したりしている。
●U2のボーカル、ボノ
アフリカの貧困や病気の改善、チベットの人権擁護を訴えたりしている。
●アメリカで人気の司会者オプラ・ウィンフリー
数々のチャリティー団体に多額の寄付をし、南アフリカに貧しい女子のための学校を設立した。
「金持ちのままで死ぬことは、不名誉のうちに死ぬことである」アンドリュー・カーネギー