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なるほどデータブック3『ペットの幸福度』(大月書店)

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なるほどデータブック3『ペットの幸福度』(大月書店)
新美景子/著

ペットブームと言われてもう何年もたつけど、動物とヒトとの関係を改めて見てみると問題点がたくさんあることに気づかされる。
本書は、イラストと統計グラフでひと目で分かる、とてもよくまとまっていて読みやすい1冊。

家畜、使役、実験などなど、つねにヒトに利用されてきた動物たち。
愛玩として飼われるようになっても、改良を重ねたことで、遺伝による病気が増えたり、捨てられて大量に殺処分されたり、

珍しさで輸入される外来種が、日本に昔からいる種を脅かしたり、
ヒトのために働く盲導犬、聴導犬、介助犬などの認知がまだまだ広まっていなかったり。
本書でもう一度、野生動物との関わり合い方を考えさせられた。


【内容抜粋メモ】

●最古の家畜はイヌ 約120000年前
現在は、イヌの祖先はオオカミ説が正しいとされている。

「脳重比」(体重に対する脳の重さの比率)
野生動物が家畜化されると、脳重比が小さくなる。

「家畜」
・ヒトが食糧や原料、動力として利用するため、野生動物を改良してつくりだした動物のこと。
・ヒトに都合のいいように遺伝的特徴を変え、繁殖をコントロールしてきた動物。

●3つの区分
「産業動物」使役動物=働く動物・実験動物を含む
「家庭動物」いわゆるペット
「野生動物」


●ペットブームの火付け役はCMやアニメなど
 

日本のペットブームは1950年の日本スピッツからはじまった。よく吠える番犬として好まれた。
「名犬ラッシー」「わんわん物語」の影響で、コリー、アメリカンコッカースパニエルが増えた。
2003〜2005で、日本で1年間に生まれた子犬の1/4以上はダックスフンド。

 

1992年「動物のお医者さん」で大ヒットしたシベリアン・ハスキーは、
日本の気候、住宅事情に合わず、ブームがすぐに終わり、捨てられたりして、動物収容施設にたくさん運び込まれた

トイプードル、チワワも、テレビのCMなどがきっかけで人気が出た。
イギリスなどと異なり、日本ではブームに流されやすい面があるといえる。
今では動物を提供する専門のプロダクションまである。


●エキゾチックペットブーム

「エリマキトカゲ」
エリを広げるのは敵を威嚇するため、それでもダメだと、エリをたたんで走って逃げる。
CMに映っていたのは、エリをたたむのも忘れた異常な姿だった。

この頃から爬虫類ブーム、エキゾチックペットブームがはじまった。

「エキゾチックアニマル」
犬・ネコ以外の動物のこと。ハムスター、ウサギ、フェレット、モルモット、爬虫類、両生類、一部の無脊椎動物など。
国外で捕まえて輸入された野生動物が多い。大量に捕らえるため、地元の生態系の破壊につながり、
輸送の途中で死んでしまう割合も高い。国内で逃がすと、日本の自然に影響が及ぶ。


●世界のペット飼育数
最多はアメリカの2億6950万頭、2位中国2億4080万頭、3位が日本7510万頭・・・
日本の犬とネコの飼育数は、犬が約1310万頭、ネコは約1090万頭。

先進国では、すでに動物好きにいきわたっているため飼育頭数は増えていないが、代わって、途上国でペット熱が高まっている
ヨーロッパでは東欧諸国で増加。上位にブラジル、ロシア、インド、中国。

イスラムでは、「犬は不浄」とされていたが、イラクで治安の悪化から番犬を飼う家が増え、意識も変わってきている。
古代エジプトでネコが神とみなされ、ムハンマドがネコ好きだったため、イスラム圏ではネコは大事にされている。


「コミュニティ・ドッグ」
アジアには、ペットでも野良でもなく、地域の人たちにエサをもらい、気ままに暮らしている犬がいる。
日本も江戸時代まで、犬の多くはコミュニティ・ドッグだった。


●不妊・去勢
2006年の調査で、ネコは純粋種の9割以上、雑種は7〜8割が室内で飼われている。
オス猫はとくにニオイの強いおしっこでマーキングをする習性があるので、去勢しないと室内で飼うのは難しい。
猫の不妊・去勢手術の割合は、2008年時点で76.9%。

犬は、純粋犬の約8割、雑種犬の3割が室内で飼われている
犬の不妊・去勢手術の割合は、2008年時点で33.8%。

不妊・去勢手術をすると、生殖器系の病気にかかりにくくなる。


●1年間に35万匹も殺されている
 

「殺処分率」
全国47都道府県に、犬・猫を処分するための動物収容施設があり、1年間に35万匹も殺されている。1日約1000匹!
35年前に年間100万匹以上だったことと比べれば減ったが、当時と大きく異なるのは、ほとんどが元ペットという点。

理由
・飼い主の引越し、高齢化、病気
・ペットが歳をとった、病気になった
・ブリーダー、ペットショップが売れ残りを持ち込むケースもある!驚

最近は、引き取りを有料化する自治体が増えている。
2004年、環境省は殺処分数を10年間で半分に減らす計画を打ち出した。
東京都では、「子犬の譲渡会」「愛護教室」等を通して、処分数が劇的に減少した

欧米に比べ、日本は殺処分の割合が高いといわれる→イギリスは1〜2割、日本は9割

「ノンキル・シェルター」
収容された動物を殺さず、引き取り手を捜す施設が増えている。


●ペットを買った?もらった?


「生体ロス率」
ペットがブリーダー→中間業者→店頭に並ぶまでに死亡する率。
とくに野生動物を捕らえて輸入した場合のロス率は50%を超える!

「生体展示販売」
ペットショップで子犬・子ネコを並べて売ること。
ヨーロッパでは稀で、法律で禁止している国もある。
理由は、子犬・子ネコの健康管理が難しい+客の衝動買いを防ぐため。

ヨーロッパでは、客の要望・条件に合ったブリーダーを紹介するor動物収容施設から譲り受ける。
イギリスでは、動物収容施設からもらう人が32%、ペットショップで買う人は7%。

「販売する時の年齢」
日本:法律がなく、幼いほど売れるため、生後40日前後。
欧米:法律で生後56日以上と決められている。社会性を身につけさせるため(16日しか違わないのに?


●ペットにかかる費用
 
平均すると、年間10万円前後というデータがある。

「購入額」
ミニチュアダックスフンドでは、最低2万円〜最高50万円の差がある。

「飼育費用(購入費も含む)」
例:トイプードル等の長毛種の小型件が15年間生きた場合、総計500万円。
・毎年の定期健診
・月に1度のトリミング
・お葬式、霊園への埋葬

購入費を別にして、平均は約150万円。病気になれば+50万円ほど。

総務省『家計調査報告』では、ペットは「教養娯楽費」扱いになっている。
スポーツ用品、書籍が落ち込む中、パソコンとペット関連の費用は伸びている。
ペットビジネスは不況に強い業種といえる。


●ペットフード
1860年、イギリスで初めてつくられたペットフードは、犬用ビスケット。
キャットフードは1950年代から製造開始。

これまで日本には、ペットフード取締法がなかった。
2007年、アメリカで中国産原料のペットフードを食べた犬・猫が大勢死亡し大問題になった。
2008年「ペットフードの安全を守る法律」を公布。

「犬が食べてはいけないもの」
タマネギ、ニンニク、チョコレート、キシリトールなど

「猫が食べてはいけないもの」
ネギ類、生のイカ・タコ・エビ、生卵の白身、アワビ・サザエの内臓、大きな骨、塩分・香辛料の多いもの、チョコレート、カフェインなど


●ペットビジネス
・トイレ砂の売り上げ:267億円(2006年)
・ペットの葬儀屋の売り上げ:144億円(2006年)

2005年、ペットの犬・猫の数が初めて15歳以下の子どもの数を上回った。
これまでペットと関係なかった企業も、ペット用品を開発するようになった。
猫砂が普及したのは1980年代から。材質もベントナイト系(安価だが、処理が大変)
→紙、木材チップ、シリカゲル(消臭効果)などに代わった。


●ペットと住めるマンション
2007年時点でペットマンションの割合(首都圏)で86.2%。
国土交通省が1997年に中高層の共同住宅の管理規約を大幅に改正したため。
「阪神淡路大震災」の仮設住宅で、ペットがいると被災者の心がやすらぐことが認められたため。

フランスでは、管理規約で禁止していても、無効だと法律で定められた/驚
NYには「3ヶ月法」などもある(大家さんが3ヶ月気づかなかったら迷惑にならない犬ならOK


●ペットのオシャレ
ペットのおもちゃと衣類の売り上げ:161億円(2006年)

サービス例
・ペットホテル
・ペットサロン
・ドッグカフェ
・猫カフェ
・犬の幼稚園、しつけ教室
・ドッグラン
・ドッグアロマテラピー
・ペットシッター
・ペット探偵 など

「猫カフェ」
1998年、台湾で誕生。日本は2004年に大坂で初めて開店。

「ペットの衣服」
エアコンのきいた室内で飼われているペットは、温度調節が苦手だという人がいる一方、
犬はもともと寒さに強いので、毛の短い犬以外は必要ないという獣医さんもいる。

舗装道路ばかりの都会では、靴を履かせないと足を傷めてしまう、災害時に怪我を防ぐという利点もある。
盲導犬・介助犬にコートを着せるのは、公共施設に毛が落ちないようにするため。


●マイクロチップ

マイクロチップの装着率:犬13万5617頭(2008年)、猫3万1127頭(2008年)

「阪神淡路大震災」の直後、動物救済本部が設置され、獣医師やボランティアが活動した。
災害時に、ペットが避難所で暮らすには、日頃のしつけが大切。
一方、避難所生活をする人たちの心を和ませる効果がある

日本では「AIPO(動物ID普及推進会議)」がマイクロチップのデータベースを管理している。
自治体によっては動物愛護センターでマイクロチップの読み取り機を備えている。

マイクロチップをつけると、ワクチン接種歴などの情報も登録できるため、
海外旅行に連れていく時、検疫を簡単に済ませられる。
EUは加盟国に対して、マイクロチップをつけることを義務付けている。


●「地域猫」の対策
動物収容施設に収容される猫の数は、犬と異なり横ばい。
野良猫が産んだ子ネコを拾い物として持ち込むケースが多い。
幼すぎて飼育が難しいため、ほとんどが殺されている/涙

「地域猫」とは?
不妊・去勢手術をして、地域住民が世話をする猫のこと。耳にピアスをして区別している。

「早稲田大地域猫の会(わせねこ)」

2008年、荒川区は全国で初めて、飼い主のいない動物へのエサやりを罰則付きで禁止する条例を定めた
もとはカラス、ハトが対象だが、野良猫も含まれる。


●動物病院


2007年に川崎市で開業した「日本動物高度医療センター」
・眼科診察室
・理学療法
・行動学兼救急処置室
・夜間診察室
・放射線治療室
・MRI室 などがある。24時間対応、救急患者も受け付ける。

「病院にくる主な理由」
・ワクチン接種
・不妊・去勢手術

犬は、ムリに交配させられたために先天的に心臓、関節、皮膚病が多い。
ラブラドール・レトリーバーは46.7%が「股関節形成不全」だった
欧米では、40年前から健康な犬どうしで交配し、成果をあげているが、日本はまだ対策がない。

猫の病気
・ケンカ等の噛み傷の化膿
・猫ウイルス性鼻気管炎
・猫カリシウイルス感染症
・ノミの寄生
・口内炎
・泌尿器疾患 などが多い。


●ペットの高齢化、葬儀


現在飼われている犬・猫の30%が10歳以上といわれるため、生活習慣病、認知症、がんなどが増えた。
これまでは、ペットが死ぬと、自治体に引き取ってもらい、「燃えるゴミ」または他の犬猫と火葬が多かった。
今は個別の火葬、お骨でメモリアルグッズをつくるなど「ペット葬祭ビジネス」が急成長している。
しかし、霊園や火葬場の設置に反対運動が広まり、自治体ごとに条例で規制する動きもある。

「老老介護」
独居老人が高齢のペットを介護するケースも増えた。
欧米では、治る見込みのないペットを安楽死させることがよくある

「ペットロス」
ペットの死で心に傷を負う場合も多く、カウンセラーが相談に乗るところも多い。


●動物に関する仕事・資格
ペットに関わる職業で、現在、国家資格が必要なのは「獣医師」のみ/驚
飼い主のニーズに対応して生まれた民間の資格数は100以上もある。資格をとるための専門学校も増えた。

ブリーダー(繁殖業者)には、登録機関、認定資格がなかった/驚
2005年、動物愛護法改正で、動物取扱業者として登録しなければならなくなった。
「動物看護師」の主な認定団体は3つあり、名称もそれぞれ異なる。

資格+現場の経験が必要、賃金が安い、労働条件が悪いなど、「動物が好き」だけでは勤まらない場合も多い。


●獣医師の仕事
戦前は軍馬、産業動物の牛やブタが主だった。
ペットのための医療の歴史は浅く、約50年。

獣医師の仕事は、もとはヒトの健康に関わるものだった。
・鳥インフルエンザ対策
・BSE
・医薬品の開発 など

現在は、食品衛生や、人畜共通感染症予防の獣医師は減り、小動物を診察獣医師が増加。その半数以上が女性/驚
動物病院は、開業数も増えているが、廃業数も増えている。




●「動物由来感染症」(ペットからヒトに感染する病気)
約200、ペットが原因のものは40前後ある。
注意:カメ類の多くはサルモネラ菌をもっている。ペットの爬虫類の9割が陽性という調査結果もある。

予防対策
・ペットと一緒に寝ない
・キス、口うつしはしない
・食品のある場所に連れていかない
・ペットに触ったら、かならず手を洗う

2007年調査で、ペットと一緒に寝る割合は、犬32.5%、猫37.5%


「コンパニオン・アニマル(伴侶動物)」
ペット(愛玩動物)からもっと対等な立場になった。
だが、欧米では、ペットとヒトを同じように扱わない、動物はヒトが管理するものという考え方に対して、
日本では、昔からヒトも動物も同じ命とみなすところがあった(そうかねえ・・・?


●狂犬病の危険性


WHOの調査では2004年に5万5000人が狂犬病で死亡している/驚
発生していない国は、日本、イギリス、オーストラリアなどごく少数。
日本国内での感染は1957年以降ゼロなので、ワクチン不要論をとなえる人もいる。

イギリスは、検疫を厳しくすることで防いでいる。
WHOは、犬の予防接種率が7割以上が望ましいとしている。
日本では、登録頭数の7割が接種しているが、未登録が半数近くいるので、実際は5割に満たない。
予防注射をしないと、20万円以下の罰金が科せられる法を知らない人も多い。

狂犬病は犬だけでなく、全哺乳動物に感染し、発症すると100%死亡する恐ろしい病気/驚×5000
日本はこれまで先進国で考えられないほど、野生動物が大量に検疫もされずに輸入されてきた。
2000年から猫、キツネ、アライグマ、スカンクの検疫が実施された。


●拡がるアライグマ被害

捕獲頭数:2306頭(2007年)

プレーリードッグ、コウモリは2003年、ペット用のサルは2005年に感染症対策から輸入が禁止されたが、
国内で人工繁殖させたものが今でもペットショップで売られている。

「特定外来生物」
生態系や人命、農林水産業に被害を及ぼす外来生物。飼育、輸入、野外に放つことが禁止されている。

アニメで人気となったアライグマは、大量に輸入され、逃げたり、捨てたりが増え、1960年から野生化した。
今では47都道府県のほとんどに生息しているため、2005年に「特定外来生物」に指定された。

注意:
・アライグマはもっとも多く狂犬病が発見される動物とされている。
・2008年調査では、捕獲した半数がジステンパーウイルスに感染し、7割が日本脳炎ウイルスにも感染していた。


●日本は世界最大のカメ輸入国!
リクガメの輸入量は、3万7416頭(2001年)

動物行動学者ローレンツいわく「リクガメは、飼われだしたその日から死にはじめる」
つまり、野生動物は、生息環境とかけ離れた場所に閉じ込められて死ぬのを待つだけでペットに適さない。

1975年、野生化したミドリガメからヒトにサルモネラ菌が感染し、多くのミドリガメが捨てられた/涙
→日本の淡水カメ類が追いやられてしまった。

動物愛護管理法で守られるのは爬虫類までで、両生類は含まれない。


●日本は海外でも珍しい甲虫輸入王国


カブトムシ・クワガタムシが輸入可能になったのは1999年以降。
現在557種、年間100万匹以上のカブトムシ・クワガタムシが輸入されている。
国内で飼われている外国産の甲虫は5億匹にのぼると言われる。

日本にいる近い種との間で雑種が生まれる「遺伝子汚染」、日本にいない寄生ダニ類、ウイルスが持ち込まれる危険性も指摘されている。
原産地では密猟事件が増え、マニアによってわざと放されたと考えられるホソオチョウ、アカボシゴマダラなどがある。「放虫テロ」


●ワーキング・ドッグ



・警察犬
・災害救助犬
・麻薬探知犬
・軍用犬
・爆発物探知犬
・地雷探知犬
・野生生物探知犬
・シロアリ、カビ探知犬 などもいる!

手荷物から検疫を受けなければならない肉製品を発見する「検疫探知犬」が
成田空港に2頭、関西空港で新に2頭導入された(2008年)

2007年、環境省で、動物や鳥被害を防ぐ目的なら放し飼いが許可された。
シカ、イノシシ、クマが人里におりて、農作物を荒らすから。
・ベアードッグ(軽井沢)
・モンキードッグ(大町)
・外来生物探知犬(沖縄・奄美大島)ヤンバルクイナ、アマミノクロウサギを襲うジャワマングースを追いつめるため。
(クマさんたちだってヒトに生息地を追われて、食べ物がなくなっちゃったから、人里に来ちゃったのにね/涙


●アシスタント・ドッグ(補助犬)




2002年「身体障害者補助犬法」が制定。犬の法律ではなく、体の不自由な人たちが社会参加するためにつくられた。
・盲導犬
・聴導犬
・介助犬

補助犬を使う人、育成する人の責任も含め、手入れの仕方、健康チェック項目が定められている。
飲食店などで注意する人もいるが、食品衛生法で立ち入りが制限されるのは調理場のみ。


「アニマル・セラピー」
小児病棟、老人ホームなどに、訪問介護犬や猫が、ボランティアの飼い主に連れられて、相手をする。
それがよい刺激となって、リハビリを助け、闘病を支えている。


●動物実験
 

以前は、動物収容施設の犬や猫を実験用に払い下げていた/驚→2005年に廃止された(殺処分も変わらないが・・・
動物愛護団体の強い働きかけで、獣医大学実習でも、実験動物の使用は減っている。

「猫=寝子」は睡眠の研究によく使われてきた/驚
神経系統の働きがもっとも調べられているのも猫で、今でも欠かせない。


「アニマル・フリー」
化粧品の毒性検査には、ウサギの目が使われる場合が多い。

これまでノーベル医学・生理学賞を受賞した研究では、ほぼ実験動物が使われ、人類は動物実験によって科学研究をすすめてきた。

「動物実験の3R」が2005年に改正
動物実験を他の方法におきかえる(Replacement)
使用する動物を減らす(Reduction)
動物の受ける苦痛を軽くする(Refinement)


●「動物愛護管理法」を知っていますか?
ペットを最期まで責任をもって飼うこと
動物を遺棄、虐待したら罰則が適用される
ペットの所有者明示の責務がある
ペットショップの店員は、購入者に対して、ペットの適性な取扱について説明する責務がある
犬や猫の繁殖制限をすること
動物の適性な飼い方を普及啓発するため、動物愛護推進員、協議会が設けられている

1973年に制定された「動物の保護及び管理に関する法律」が初めて。
当時、日本は捕鯨問題や、動物実験をめぐって、海外から「動物虐待国」と批判されていた。
動物愛護先進国イギリスからエリザベス女王が来日することになり、形だけ整えたザル法だった。

1999年「動物保護管理法」が「動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護管理法)」に改正された。
その後も次々整えられるきっかけにもなった。

2005年「動物愛護管理法」が再度改正された際、世論調査での認知度は71.1%にはねあがった


●ペットの法律@海外

「フンダスト」
イギリス、アメリカでは、公園などにトイレ・コーナーを設けている。
日本では「糞害防止条例」を制定している自治体も多い。

「モトクロット」(フン回収専用のバイク)

フランス・パリの糞害は有名。フンを放置した飼い主から罰金をとるようになってから、だいぶ歩きやすくなったという。

「犬税」
ドイツでは、フンは自治体が処理している。犬税を払うから、行政がやって当たり前という意識。
ベルリンでは1年間に犬1頭あたり約1万円。頭数が増えると1頭あたり高くなり、危険な闘犬は7倍もかける州がある/驚


●犬の改良の歴史
犬の品種は、公認350種、未公認300種、絶滅種を含めると約800種にもなる。猫は40〜50種。
現在の犬の品種の80%が、130年前以降のもの。

品種改良が盛んになったのは、19Cの産業革命以降。
犬の遺伝子は99.8%同じで、わずか0.2%の違いが、これだけのバラエティを生み出している/驚

同じ品種を交配しつづけたため、遺伝による病気までつくってしまった。
一部の愛犬家からは、これ以上ヒトの欲望のままに犬を改良し、新しい役割を担わせるのはやめるべきだと声があがっている。



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