■『ブルージャスミン』(2014)
監督・脚本:ウディ・アレン 出演:ケイト・ブランシェット、サリー・ホーキンス、アレック・ボールドウィン、ピーター・サースガード ほか
15時半頃に16:45の回のチケを買いに行ったら整理番号は8番とわりと早かったv
人数が多い場合は、整理番号順の入場だから16:30までには来てくれとのこと。
ウディの新作だし、ケイトがアカデミー賞主演女優賞を受賞したし、土曜だし、
もっと混むかと思ってたけど、立ち見が出るほどではなかった。
早く入れたから、出入口に一番近い端っこを取れてラッキー
でも、初めての劇場だから、一応ソラナックス1錠飲んで観た。
内容は暗いけど、華やかだった頃のゴージャスな暮らしぶりと交互に構成されているから、
どんどん気分が沈んでいく感じではない。にせよ、ケイトが主演じゃなかったら、どうかな
「名前を変えたの、ジャスミンに。ジャネットなんて平凡だもの。」
▼story
血のつながっていない妹ジンジャーの家に世話になりにきたジャスミン。
彼女は、かつて実業家ハルの妻として、セレブそのものの生活に浸りきっていた。
ハルの事業は、違法ギリギリの危険なものと薄々知りながらも、
「夫の仕事のことはまったく分からないの」と割り切り、見て見ぬフリをし、
ハルも「君を甘やかさせてくれ」と、お金を使い放題にさせているといった具合。
しかし、それがある日、突然破綻し、豪邸も宝石もすべて失い、借金地獄のどん底に落ちた。
ジンジャーのパートナーの友人の好意で、歯医者の受付で働き、パソコン教室に通い、
自分の得意なインテリア・デザイナーの資格を取ろうと希望をつなぐが、
これまでの贅沢な暮らしとのあまりの差に耐え切れない日々がつづく。
パソコン教室の友人の誘いで、姉妹はあるパーティに行き、
ジンジャーは音楽業界の男、ジャスミンは、ゆくゆくは政治家を目指すという外交官に出会う。
滑り出しは絶好調の2組のカップル
しかし、それぞれのささいな見栄、プライドから、思わぬ展開へと変わってゆく。。。
ウディ作品のこれまでの流れと比べたら、かなり異質かも。
NYの美しさ、ラヴコメディというより、アメリカにもまだまだ根強く存在する貧富の差、それによる差別、
現代人が抱えるココロの病等がテーマで、ストーリーはよくある話でシンプルだけど、観ながら考え込んでしまった。
ケイト演じるジャスミンの精神が壊れてゆく様が、とにかく壮絶。
あんなに安定剤をしょっちゅう処方量の限度を超えて、しかもお酒と一緒に飲み続けていたら、
痙攣や、ヘタすれば副作用で死んでしまってもおかしくないのでは汗×5000
ジャスミンが、完全に自分を見失って、ベンチに取り残されたまま1人で喋り続ける姿は、なんともいえず心が痛んだ。
唯一の救いは、ケイトの変わらない上品な美しさと、いつもながらの極上のジャズのBGM サントラが欲しくなる。
ウディ自身が出演していないのがちょっと残念。
その代わり、病的な不安症、早口でまくしたてるのは、ケイトの役目になっていた。
「“ブルームーン”て曲知ってるでしょ? 昔は歌詞を覚えてたのに、もう忘れてしまった・・・」
もし、お金への執着のほうが強かったら、ハルがどんなに浮気をしようと、不正を働こうと目をつぶったろうし、
年下の女性との熱愛を告白されて「君の面倒はこれからもみるから」と言われたら、
慰謝料をガッポリもらって、サッサと別れることもできたかもしれないけど、
浮気を知った段階での彼女の動揺ぶりからすると、夫への愛情、言葉を換えれば、
完全な“依存状態”から放り出されるのが耐えられなかったんじゃないかと思った。
観る前に、F氏と喫茶店で話したこととのリンクもたくさんあったし
姉妹の価値観の違い、お金で幸せになれるかどうか、ココロの病についても/驚
ウィキには「批評家からは『欲望という名の電車』と比較された」とあるが、なるほど納得。
2人の姉妹がそれぞれ同じ里親に育てられたということは、2人とも実の親から捨てられた身で、
孤児院のような施設で育った生育歴がある可能性もある。
ジャスミンもジンジャーも、愛する者に捨てられることの底知れぬ恐怖、不安感を持っていたからこその心理とも考えられる。
まったく正反対のようでいて、深層心理ではつながっているこの姉妹。
ジャスミンがジンジャーの恋人チリをどうしようもないクズだとののしるのも、
姉妹2人とも、前のパートナーと似たようなタイプを選んでしまう近親憎悪の部分も感じられる。
とにかく、登場人物全員が、ヒトとなりより、肩書き、財産、容姿ばかりを気にして、
相手の価値を判断しているところにそもそもの根因があるのでは???
監督・脚本:ウディ・アレン 出演:ケイト・ブランシェット、サリー・ホーキンス、アレック・ボールドウィン、ピーター・サースガード ほか
15時半頃に16:45の回のチケを買いに行ったら整理番号は8番とわりと早かったv
人数が多い場合は、整理番号順の入場だから16:30までには来てくれとのこと。
ウディの新作だし、ケイトがアカデミー賞主演女優賞を受賞したし、土曜だし、
もっと混むかと思ってたけど、立ち見が出るほどではなかった。
早く入れたから、出入口に一番近い端っこを取れてラッキー
でも、初めての劇場だから、一応ソラナックス1錠飲んで観た。
内容は暗いけど、華やかだった頃のゴージャスな暮らしぶりと交互に構成されているから、
どんどん気分が沈んでいく感じではない。にせよ、ケイトが主演じゃなかったら、どうかな
「名前を変えたの、ジャスミンに。ジャネットなんて平凡だもの。」
▼story
血のつながっていない妹ジンジャーの家に世話になりにきたジャスミン。
彼女は、かつて実業家ハルの妻として、セレブそのものの生活に浸りきっていた。
ハルの事業は、違法ギリギリの危険なものと薄々知りながらも、
「夫の仕事のことはまったく分からないの」と割り切り、見て見ぬフリをし、
ハルも「君を甘やかさせてくれ」と、お金を使い放題にさせているといった具合。
しかし、それがある日、突然破綻し、豪邸も宝石もすべて失い、借金地獄のどん底に落ちた。
ジンジャーのパートナーの友人の好意で、歯医者の受付で働き、パソコン教室に通い、
自分の得意なインテリア・デザイナーの資格を取ろうと希望をつなぐが、
これまでの贅沢な暮らしとのあまりの差に耐え切れない日々がつづく。
パソコン教室の友人の誘いで、姉妹はあるパーティに行き、
ジンジャーは音楽業界の男、ジャスミンは、ゆくゆくは政治家を目指すという外交官に出会う。
滑り出しは絶好調の2組のカップル
しかし、それぞれのささいな見栄、プライドから、思わぬ展開へと変わってゆく。。。
ウディ作品のこれまでの流れと比べたら、かなり異質かも。
NYの美しさ、ラヴコメディというより、アメリカにもまだまだ根強く存在する貧富の差、それによる差別、
現代人が抱えるココロの病等がテーマで、ストーリーはよくある話でシンプルだけど、観ながら考え込んでしまった。
ケイト演じるジャスミンの精神が壊れてゆく様が、とにかく壮絶。
あんなに安定剤をしょっちゅう処方量の限度を超えて、しかもお酒と一緒に飲み続けていたら、
痙攣や、ヘタすれば副作用で死んでしまってもおかしくないのでは汗×5000
ジャスミンが、完全に自分を見失って、ベンチに取り残されたまま1人で喋り続ける姿は、なんともいえず心が痛んだ。
唯一の救いは、ケイトの変わらない上品な美しさと、いつもながらの極上のジャズのBGM サントラが欲しくなる。
ウディ自身が出演していないのがちょっと残念。
その代わり、病的な不安症、早口でまくしたてるのは、ケイトの役目になっていた。
「“ブルームーン”て曲知ってるでしょ? 昔は歌詞を覚えてたのに、もう忘れてしまった・・・」
もし、お金への執着のほうが強かったら、ハルがどんなに浮気をしようと、不正を働こうと目をつぶったろうし、
年下の女性との熱愛を告白されて「君の面倒はこれからもみるから」と言われたら、
慰謝料をガッポリもらって、サッサと別れることもできたかもしれないけど、
浮気を知った段階での彼女の動揺ぶりからすると、夫への愛情、言葉を換えれば、
完全な“依存状態”から放り出されるのが耐えられなかったんじゃないかと思った。
観る前に、F氏と喫茶店で話したこととのリンクもたくさんあったし
姉妹の価値観の違い、お金で幸せになれるかどうか、ココロの病についても/驚
ウィキには「批評家からは『欲望という名の電車』と比較された」とあるが、なるほど納得。
2人の姉妹がそれぞれ同じ里親に育てられたということは、2人とも実の親から捨てられた身で、
孤児院のような施設で育った生育歴がある可能性もある。
ジャスミンもジンジャーも、愛する者に捨てられることの底知れぬ恐怖、不安感を持っていたからこその心理とも考えられる。
まったく正反対のようでいて、深層心理ではつながっているこの姉妹。
ジャスミンがジンジャーの恋人チリをどうしようもないクズだとののしるのも、
姉妹2人とも、前のパートナーと似たようなタイプを選んでしまう近親憎悪の部分も感じられる。
とにかく、登場人物全員が、ヒトとなりより、肩書き、財産、容姿ばかりを気にして、
相手の価値を判断しているところにそもそもの根因があるのでは???