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絵本『月とあざらし』 小川未明/作 架空社

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「小川未明まとめ」に追加します


2018年初版

小川未明とこしのみのるさんの絵本は
以前も『殿様の茶碗』『負傷した線路と月』で読んだ






寒い北極の凍る大地と吹雪
うねるような風の描写が生き物のように筆で大きく描かれている

アザラシの丸い体がとても可愛い
これもまた大きな月が出てくる話


【内容抜粋メモ】






1匹(頭じゃなくて?)のアザラシが
いなくなった子供のことが心配で
毎日氷山の上にうずくまって
辺りを見回している

今日もまだ姿は見えない

吹雪の風に向かって
子供がどこにいるのか教えてくれと頼む







私は今雪と戦っているのです
この海を雪が占領するか私が占領するか
しばらくは命がけの競争しているのですよ

私はこの辺りの海の上は一通り駆けてみたのですが
アザラシの子供を見ませんでした

今度よく注意をして見てきてあげましょう
しかし秋ごろ猟船がいたため
人間に捕られたならもう諦めなさい


その風もまたいくら待っても戻ってこない
後から来た風にそれを話す

私はその風に会うかどうかわからないが
会ったら言付けをしましょう



太陽が賑やかな街を眺めたりして旅をするのと違って
月はいつも寂しい町やくらい海を見ながら旅をしている


月:さびしいか?

アザラシ:さびしくて仕方がない!



月はいつも哀れな人間の生活の在り様や
飢えにないている哀れな獣などの姿を眺め
子供を亡くしたアザラシも心から可哀想だと思う







月:さびしいか?

アザラシ:さびしい! まだ私の子供はわかりません

月:
私は世の中のどんなところも見ないところはない
遠い国の面白い話をして聞かせようか

アザラシ:
世界中のことがわかるなら
私の子供が今どこにどうしているのか教えてください

月:
この北海の上だけでも
幾匹の子供を亡くしたアザラシがいるかしれない

お前は子供に優しいから一倍悲しんでいるのだ
私はお前をかわいそうに思う
そのうちお前を楽しませるものを持ってこよう







ある晩、南の方の野原で男女が太鼓を鳴らして踊っているのを月が空から見る
この辺は暖かで田畑で働いた後は月の下でこうして踊り
その日の疲れを忘れる







皆がウトウト眠ってしまい
小さな太鼓を哀れなアザラシに持って行ってやろうと思い
月は太鼓をしょっていく/驚








月:さあ、約束のものを持ってきた

月は太鼓をアザラシに渡してやると
それが気に入ったとみえ
しばらくしてこの辺りを照らした時
アザラシの鳴らしている太鼓の音が聞こえてくる








最後のページに2人のアザラシがいるけれども
子供が帰ってきたのか
それとも別の友達ができたのか


とても辛い話ながら
アザラシが太鼓を鳴らしているのを想像すると
ちょっと楽しくなる

こうして自然にもそれぞれ命があって
普通に会話してる様が素晴らしい




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