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絵本『砂漠の町とサフラン酒』 小川未明/作 架空社

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2005年初版

山福朱美
1963年 北九州市若松区の印刷屋に生まれる
ルポや雑誌等のイラストを生業とし
2004年に木版画の制作を開始
木版画での出版は今回が初仕事



小川未明の何とも悲しい物語
ダイナミックでカラフルな版画が
毎ページに入っていて、どれも美しい
いろんな原色を使ってとても立体的目に見える

確か小学校の時に彫刻刀セットを買ってもらって
図工の授業でレリーフとか彫った記憶があるけれども
その後一度も木を彫ったことがないのは
とてももったいない気がしてきた

サフラン酒って本当にあるのだろうか?
恨みつらみの入った自分の血を一緒に入れるってとても恐ろしい話


【内容抜粋メモ】




昔美しい女がさらわれて
遠い砂漠の小さな町に売られ
サフラン酒を作る手伝いをさせられる






子供の頃や家族、故郷を思い出しても仕方がないから忘れようとつとめる
いつしか固い果物のように黙って
人に何か聞かれても知らぬというので
この女はつんぼではなかろうかと言われる

それほど年を取らないのに病気になり
どうせ家に帰れないんだから
死んでしまったほうが幸福であろうと思うが
胸の内は恨みでいっぱいでどうにかして晴らしたいと思う

女は小指を切って赤い血をサフラン酒の瓶の中に垂らす!
酒の色は一層美しく紅く色づく





女はそれからまもなく死んでしまい
異郷の地に葬られる

その年のサフラン酒はかつてないほど良い味で
美しい紅い酒となり
それを種子(たね)として地中深くにしまわれ
やがて魔力を持つ

砂漠の中の赤い町は不思議に富む
魔女の住む町と言われる







この町の女は不思議に美しい女ばかり
その理由は世界中からさらわれてきた
種族の違う女たちの子孫だから

山から砂金、ダイヤモンド、宝石類が出ると
いろんな国から若者が目指してやってくる







赤い町で美しい女が歌を歌いながら歩き
サフラン酒を飲むとたちまち疲れが治る

土を掘り、金を貯めて
故郷に帰り、安楽に送りたいと思うが

町を出る前にサフラン酒を1杯
また1杯と飲むうちに
すっかり頭の中が空になり
持ってきただけの金を使い果たしてしまう











砂漠で酔いが覚めて
何も持たずに故郷へは帰れないと
再び山へ戻るが金がたまって山を降りると
またサフラン酒を飲むため

ついに故郷に帰ることができず
やがて歳をとり
永久に故郷を見捨てなければならない







砂漠の彼方に赤い町が毒々しい花のように咲き誇っている









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