■葛河思潮社 第四回公演『背信』@東京芸術劇場 シアターイースト 2014.9.25 14:00〜
日程: 2014年09月18日 (木) 〜2014年09月30日 (火)
作:ハロルド・ピンター 翻訳:喜志哲雄 演出:長塚 圭史
出演:松雪泰子、田中哲司、長塚圭史、ジョン・カミナリ
「画廊を営むエマ、出版社を経営するロバート、作家エージェントのジェリー。
“逆行”していく時間の中で不確かな現実が浮き彫りになってゆく。
現実認識のあり方を根源的に捉え直した劇作家、ハロルド・ピンターの傑作戯曲。
真実と偽りと。はたして区別できるものなのか?」
昨日からの台風接近を気にしつつ、実際は行きはパラパラ、帰りのほうが降っていた
●カフェデュモンド
「野菜ペンネグラタン」でランチ。
東京芸術劇場は、ちょうど池袋でバイトをしていた時に毎日通っていた場所なのに、
劇場に入ったのは今回が初めて。で、シアターイーストは良い
キャパ的にも、演出的にも照明が常に明るく照らされて、正面は青い空と白い雲が見れるし。
近くにこんな素晴らしい小屋があったなんて! またここで観たいなあ。
席も近かった/驚×5000 2列目のど真ん中
(真ん中ってことで、やっぱりソラナックス2錠投入
表情、目の動き、動揺する心中まで見えるような気がした。
スーツのジャケットの裏地が、2人とも鮮やかな青だったり、
松雪さんは、どんどん若返って、恋をしている時が一番輝いて見えた
とにかく3人の役者のカッコよさにヤラレっぱなし
【感想メモ】(ネタバレ注意
いつも、大人計画の芝居ばかり観ているから、爆笑&社会批判に慣れていたけど、
こんなにストレートな恋愛ものが逆に新鮮だった。
前回観た『冒した者』が、とても難しかったから、
今回も理解できないかもしれないと思ってたけど、終始映画を観るように引き込まれた。
途中、1度休憩が入ると思っていたら、ぶっ通し/驚
1回のステージで、あんなにドリンクを飲んでいたら、途中でトイレに行きたくならないかな?(隣りのコもゆってたw
外国人は、なぜ水代わりにあんなにお酒を飲んでいて、アルコール依存症にならないか、フシギ。。。
途中出てきたウェイター役のカミナリさんが、いかにもラテン系キャラで可笑しかった(ツイッタでつぶやきを読んでるから
「名字が同じだから」ってだけで、手紙を渡した役人の話も、いかにもって感じ
場面が変わるたび、何度もセットを入れ替えるんだけど、
ベッド、テーブル、子どもの馬の玩具とともに、
端に置かれた砂時計が、時間の逆行を象徴していた。
入れ替えている間も、ステージに誰か1人は残っていて、ストーリーの余韻を残しているのがイイ。
遠くで流れているセンスのいい洋楽、子どもたちの声、街の雑踏の音の演出もステキ。
たしか、この話のテーマは「記憶」だと言ってたんだっけ?
恋人との思い出や、記念日などを重要視するのは、たしかに女性のほうが強いかも。
どれほどヒトの記憶が曖昧か。
みんな、「覚えていたいことだけ」を「覚えていたいように」記憶して、
それを「固定した過去=事実」と思い込んで日々暮らしている。
その自分の記憶すらも、時間の経過によって微妙に変化していく。
しかも「あいつもそうに違いない」と、他人にまで波及するから話が余計にこじれてしまう。
「言葉」という表現手段も、テレパシーに比べたら、全然不便だしね。
それでも、今は、その「不確実な記憶」と「不便な言葉」の中で生きていかざるを得ない。
妻を許し、親友を許し、前に進もうとするロバートのように。
でも、多くの人たちは、ジェリーのように、なかなか執着心から逃れられないで苦しむ。
ジェリーは不倫の仲にあったことを、誰が、いつ知ったかに異常にこだわり、狂わんばかりに取り乱す場面が多い。
【内容抜粋メモ】(ネタバレ注意
オックスフォード、ケンブリッジ大学時代からの親友ロバートとジェリー。
出版の仕事に携わり、2人とも結婚して、それぞれ2人の子どもがいる。
この芝居のポイントは、別れた後から出会いのシーンまでを、時間が逆行していく構成になっていること
なので、不倫関係にあったジェリーとエマが久々再会するシーンから始まる。
途中、会話の端々に記憶(気持ち)のすれ違いがあることに観客は気づくが、話している本人は気づいていない。
先日のブログにも、フロイトさんの言葉で「人間のミスには、潜在意識が表れる」「間違いにこそ本音が出る」ってところにもリンクした→here
画廊の仕事をしたいというエマ。これは彼女がズルズルとした付き合いから抜け出す自立の選択だ。
ジェリーを愛しつつ、彼が会いたいと思う時だけ会うシステムに疑問を持って、
家族を犠牲するつもりはないとハッキリ言われたことも原因。ズルいよねぇ・・・
「男児のほうがよく泣く」理由が「男のほうが社会に出るのが不安なんじゃないかな」ってセリフが気になった。
「昔からあいつのことが好きなんだ。実を言うと、君よりあいつのほうが好きなくらいなんだ。
ボクがあいつと関係したほうがよかったんじゃなかったのかな」
ってロバートのセリフも衝撃的。まさかボーイズラヴ イギリスの寄宿生には多いもんね。
熱愛してた頃のジェリーとエマのシーンでは、キスもいっぱいでドキドキ
観ていくうちに、誰が、どの時点で浮気に気づいたのかが明らかになってゆく。
7年間も付き合ってたら、本人たちは大丈夫って思ってても、周りにはバレバレだと思うよ
そもそも本の趣味が合う、ジェリーとエマが結婚すればよかったのにね。
ジェリーの妻は、腕のいい女医で、いつも多忙だから、ジェリーも寂しかっただろうし。
レストランで、難しい料理名を早口で流暢に注文している哲さん驚
ドラマ『ST赤と白の捜査ファイル』でバカにされてたヒトと同じには見えません
「あいつ(妻)は今の生活を愛してる。子どもたちを愛してる。僕を愛してる
これは、みんなバカにしちゃいけないことだ。けど、ボクは君が大好きだ!」(ジェリー)
自分の浮気は認めても、自分の妻の浮気、愛人の浮気は完全否定するのは男性の典型的心理だね
そして、最後に、この2人がいつ、どう出会ったか、衝撃の事実が分かる。
ロバートも、もし浮気をしていたのだとしたら、エマの裏切りのショックからではないのかなあ?
アンコールで出たのは1度だけだった。
追1。
次回作のDM先行などの関係もあって、「感想アンケート」を丁寧に書きたいんだけど、
終演とともに早々と撤収させられるケースが多いから、いつも焦る
あのプラの小さいエンピツは腱鞘炎には厳しいし
でも、「空調はどうでしたか?」など、とても細かいところまで気遣っていて好印象
ツイッタで長塚さんは「次、何を演って欲しいか?」まで募っててビックリ
ぜひ、部長の本で演って欲しい! もちろん、主演は今回の3人でv
追2。
劇場も、ライヴハウス同様、トイレがポイント大。
各階にあるのは結構だけど、数が少ないのが残念。
それから、2階の手前のトイレのドアが完全に壊れているので修理をお願いします/切願
追3。
題材は不倫。これを演る小屋の前で、自分の結婚の囲み取材を受けた哲さんはユーモアがあるなあw
日程: 2014年09月18日 (木) 〜2014年09月30日 (火)
作:ハロルド・ピンター 翻訳:喜志哲雄 演出:長塚 圭史
出演:松雪泰子、田中哲司、長塚圭史、ジョン・カミナリ
「画廊を営むエマ、出版社を経営するロバート、作家エージェントのジェリー。
“逆行”していく時間の中で不確かな現実が浮き彫りになってゆく。
現実認識のあり方を根源的に捉え直した劇作家、ハロルド・ピンターの傑作戯曲。
真実と偽りと。はたして区別できるものなのか?」
昨日からの台風接近を気にしつつ、実際は行きはパラパラ、帰りのほうが降っていた
●カフェデュモンド
「野菜ペンネグラタン」でランチ。
東京芸術劇場は、ちょうど池袋でバイトをしていた時に毎日通っていた場所なのに、
劇場に入ったのは今回が初めて。で、シアターイーストは良い
キャパ的にも、演出的にも照明が常に明るく照らされて、正面は青い空と白い雲が見れるし。
近くにこんな素晴らしい小屋があったなんて! またここで観たいなあ。
席も近かった/驚×5000 2列目のど真ん中
(真ん中ってことで、やっぱりソラナックス2錠投入
表情、目の動き、動揺する心中まで見えるような気がした。
スーツのジャケットの裏地が、2人とも鮮やかな青だったり、
松雪さんは、どんどん若返って、恋をしている時が一番輝いて見えた
とにかく3人の役者のカッコよさにヤラレっぱなし
【感想メモ】(ネタバレ注意
いつも、大人計画の芝居ばかり観ているから、爆笑&社会批判に慣れていたけど、
こんなにストレートな恋愛ものが逆に新鮮だった。
前回観た『冒した者』が、とても難しかったから、
今回も理解できないかもしれないと思ってたけど、終始映画を観るように引き込まれた。
途中、1度休憩が入ると思っていたら、ぶっ通し/驚
1回のステージで、あんなにドリンクを飲んでいたら、途中でトイレに行きたくならないかな?(隣りのコもゆってたw
外国人は、なぜ水代わりにあんなにお酒を飲んでいて、アルコール依存症にならないか、フシギ。。。
途中出てきたウェイター役のカミナリさんが、いかにもラテン系キャラで可笑しかった(ツイッタでつぶやきを読んでるから
「名字が同じだから」ってだけで、手紙を渡した役人の話も、いかにもって感じ
場面が変わるたび、何度もセットを入れ替えるんだけど、
ベッド、テーブル、子どもの馬の玩具とともに、
端に置かれた砂時計が、時間の逆行を象徴していた。
入れ替えている間も、ステージに誰か1人は残っていて、ストーリーの余韻を残しているのがイイ。
遠くで流れているセンスのいい洋楽、子どもたちの声、街の雑踏の音の演出もステキ。
たしか、この話のテーマは「記憶」だと言ってたんだっけ?
恋人との思い出や、記念日などを重要視するのは、たしかに女性のほうが強いかも。
どれほどヒトの記憶が曖昧か。
みんな、「覚えていたいことだけ」を「覚えていたいように」記憶して、
それを「固定した過去=事実」と思い込んで日々暮らしている。
その自分の記憶すらも、時間の経過によって微妙に変化していく。
しかも「あいつもそうに違いない」と、他人にまで波及するから話が余計にこじれてしまう。
「言葉」という表現手段も、テレパシーに比べたら、全然不便だしね。
それでも、今は、その「不確実な記憶」と「不便な言葉」の中で生きていかざるを得ない。
妻を許し、親友を許し、前に進もうとするロバートのように。
でも、多くの人たちは、ジェリーのように、なかなか執着心から逃れられないで苦しむ。
ジェリーは不倫の仲にあったことを、誰が、いつ知ったかに異常にこだわり、狂わんばかりに取り乱す場面が多い。
【内容抜粋メモ】(ネタバレ注意
オックスフォード、ケンブリッジ大学時代からの親友ロバートとジェリー。
出版の仕事に携わり、2人とも結婚して、それぞれ2人の子どもがいる。
この芝居のポイントは、別れた後から出会いのシーンまでを、時間が逆行していく構成になっていること
なので、不倫関係にあったジェリーとエマが久々再会するシーンから始まる。
途中、会話の端々に記憶(気持ち)のすれ違いがあることに観客は気づくが、話している本人は気づいていない。
先日のブログにも、フロイトさんの言葉で「人間のミスには、潜在意識が表れる」「間違いにこそ本音が出る」ってところにもリンクした→here
画廊の仕事をしたいというエマ。これは彼女がズルズルとした付き合いから抜け出す自立の選択だ。
ジェリーを愛しつつ、彼が会いたいと思う時だけ会うシステムに疑問を持って、
家族を犠牲するつもりはないとハッキリ言われたことも原因。ズルいよねぇ・・・
「男児のほうがよく泣く」理由が「男のほうが社会に出るのが不安なんじゃないかな」ってセリフが気になった。
「昔からあいつのことが好きなんだ。実を言うと、君よりあいつのほうが好きなくらいなんだ。
ボクがあいつと関係したほうがよかったんじゃなかったのかな」
ってロバートのセリフも衝撃的。まさかボーイズラヴ イギリスの寄宿生には多いもんね。
熱愛してた頃のジェリーとエマのシーンでは、キスもいっぱいでドキドキ
観ていくうちに、誰が、どの時点で浮気に気づいたのかが明らかになってゆく。
7年間も付き合ってたら、本人たちは大丈夫って思ってても、周りにはバレバレだと思うよ
そもそも本の趣味が合う、ジェリーとエマが結婚すればよかったのにね。
ジェリーの妻は、腕のいい女医で、いつも多忙だから、ジェリーも寂しかっただろうし。
レストランで、難しい料理名を早口で流暢に注文している哲さん驚
ドラマ『ST赤と白の捜査ファイル』でバカにされてたヒトと同じには見えません
「あいつ(妻)は今の生活を愛してる。子どもたちを愛してる。僕を愛してる
これは、みんなバカにしちゃいけないことだ。けど、ボクは君が大好きだ!」(ジェリー)
自分の浮気は認めても、自分の妻の浮気、愛人の浮気は完全否定するのは男性の典型的心理だね
そして、最後に、この2人がいつ、どう出会ったか、衝撃の事実が分かる。
ロバートも、もし浮気をしていたのだとしたら、エマの裏切りのショックからではないのかなあ?
アンコールで出たのは1度だけだった。
追1。
次回作のDM先行などの関係もあって、「感想アンケート」を丁寧に書きたいんだけど、
終演とともに早々と撤収させられるケースが多いから、いつも焦る
あのプラの小さいエンピツは腱鞘炎には厳しいし
でも、「空調はどうでしたか?」など、とても細かいところまで気遣っていて好印象
ツイッタで長塚さんは「次、何を演って欲しいか?」まで募っててビックリ
ぜひ、部長の本で演って欲しい! もちろん、主演は今回の3人でv
追2。
劇場も、ライヴハウス同様、トイレがポイント大。
各階にあるのは結構だけど、数が少ないのが残念。
それから、2階の手前のトイレのドアが完全に壊れているので修理をお願いします/切願
追3。
題材は不倫。これを演る小屋の前で、自分の結婚の囲み取材を受けた哲さんはユーモアがあるなあw