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あいつぐ犬の遺棄 なぜ"命"は捨てられる?@週間ニュース深読み

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あいつぐ犬の遺棄 なぜ"命"は捨てられる?@週間ニュース深読み
 

以前もブログに書いた事件の背景をより掘り下げていた。
捨てられる犬たち 背景には何が?!

ペットとして飼われる犬に“流行”があるのは日本の特徴
 

スピッツは番犬として流行り、ドラマ「名犬ラッシー」ではコリー、マンガ「動物のお医者さん」ではシベリアンハスキー、
その後、団地が増えて、室内犬・小型犬のブームになった。
今や、それぞれの犬種の雑誌が売られるほど。


ペットはいまや新規産業。一般の人が売る商売を始めるケースも出ている


日本ならではのペット事情

  

1.「カワイイ」ものが大好き、流行好きな国民性も絡んで、今はチワワ、ミニチュアダックスフンドなどの小型犬が人気。

2.ペットショップでの「生体販売」。生まれて2~3ヵ月の子犬が、ショーケースに入れられて売られている。
  24時間営業、ネット販売もある/驚×5000

3.ブリーダーも増え、売れる小型犬をたくさん繁殖させる。
売れる子犬の時期が短いので、余るとゴハン代などがかさんで損になる。
売れ残ったコたちを、業界では「在庫」と呼ぶって・・・

4.衝動的に買ってきてはみたものの、ゴハン代、医療費やらがかさみ、手間もかかるという理由で手放す人も多い。

5.行き着く先は「動物愛護センター」。持ち込まれる犬の数は、年間7万頭!

 

「譲渡会」で引き取り先を探す活動にベストを尽くしているが、その半分は、「殺処分」されていた(2012年)。
  ある時は流行りのミニチュアダックスフンドばかりが大量に来た時があり「まるでペットショップですね」と言われたことがある。

6.飼い主の高齢化:病気、死亡などで行き先を失うケースもある。飼い始める時期の考慮も必要




法改正が逆効果に・・・


  

1.法律が改正され、最後まで面倒をみましょうと決めた(当然のことだ・・・
2.ブリーダーへの規制を強化
3.ネット販売を禁止し、ペットショップも規制。販売する際に「説明責任」を課した。
4.安易に手放さないよう、本人の勝手な都合の場合はセンターで「引き取りを拒否」できるようにした。
5.結果、在庫の子犬たちが大量に捨てられることになってしまった/涙



成犬は“売れ残り”ではない~「生体販売」の問題点
子犬のうちに引き離されると、社会性が育たず、吠える、怖がり、甘噛みするなど問題行動の原因となる。
本来は、親やきょうだいとじゃれ合うことで、その加減を学ぶ。
犬の健康、しつけを考えれば、9ヵ月くらいは必要。



日本では「カワイイ」「子犬」を求めるニーズがあり、成犬を売っていると「大きいコしかいないね」と言われる。
成犬=売れ残りというイメージが強く、実際、値段が下げられる。
成犬のほうがゴハン代がかさむため、コストが高くなる

成犬はしつけが難しいのでは?というイメージも誤り。
 むしろ人馴れして飼いやすい。昼間に一人ぼっちの留守番も出来る

ニーズがあるから、ペットショップ、ブリーダーの供給があるという悪循環
最近、犬を捨てた容疑で逮捕された男も、ブリーダーから100万円受け取ったが、困って捨てたという。

「ショーブリーダー」犬種にこだわり、環境も整っている。
「パピーミル」ミル=工場の意味。不衛生な状態だったり、狭いケージに詰め込んで、子犬を産ませるだけの犬「繁殖犬」もいる。


解決策~スイスの場合
スイスも以前は、同じような問題が多かったため、世界初、憲法に動物保護法を盛り込んだ。

 

[憲法の内容]
1.免許が必要。講習会では徹底的に教えるため、ここで脱落する人も多い国家資格者が実地訓練をさせる。


2.ペットショップは廃止し、営利売買を禁じた

  非営利団体を作り、引き取られた犬(犬種も年齢もバラバラ)を譲渡する。
  その際も、厳しい「マッチング」を経て審査し、許可が出て初めて譲られる。
例:「免許は持っていますか?」「どうして飼いたいのですか?」

3.「犬税」を導入。年に1~2万円。2頭目から上がる。番犬や狩猟犬など獰猛とされる犬種は上乗せされる。
  「犬税」は、保護された犬たちの環境整備に回される。



日本にもかつて昭和20~30年に税収を上げるため「贅沢税」としての「犬税」があったが、
 狂犬病接種義務などお金がかかるため、支払う人と、支払わない人がいて、不公平だという理由で廃止された

結果として、スイスでは捨て犬の数が減った。



[視聴者からのコメント]
「登録制にしてほしい」
「老犬介護にはお金がかかると知ってほしい」
「犬税をかけて、さらに家計が苦しくなって、また捨てる人が出るのでは?」
「近所にもっとドッグランを増やしてほしい」
「災害時の対策も重要」

横浜では登録制だが、実際は登録しない人も多い。


高いハードルを儲けた譲渡会


・ゴハン代、病気になった場合の手術代など、かかるお金の話をしっかり説明する
・家庭環境、家族構成、ライフスタイルなども調査するので、3回以上来てもらうことになる。

日本での現状として、生体販売を禁止するのは不可能
マッチングに力を入れ、成犬=売れ残りというイメージを変える。


マイクロチップの普及
震災時もこれで巡り会えたというケースがあった。
逆に、マイクロチップを埋め込んでいても、登録していないため再会できないケースもあった。
今の普及率はわずか5%義務化が必要。

一度捨てられた犬は、ココロのダメージが大きい。

ユーザーが増えれば業者も増える。逆に、保護法をキチンと守っている人たちの商売が苦しくなってきている。
かつてない“ヒトとの共生”を考える時期になっている。


スタジオ内にケースを設けて子犬を遊ばせていて、最後は遊び疲れて寝ちゃってるコもいて可愛かった

 


【ブログ内関連記事】
『ばっちゃん 助けられた繁殖犬たち』(小学館)
なるほどデータブック3『ペットの幸福度』(大月書店)
『動物たちが開く心の扉 グリーン・チムニーズの子どもたち』(岩崎書店)
『小さないのち まほうをかけられた犬たち』(金の星社)
『待っている犬 東日本大震災で被災した犬猫たち』(角川書店)
『いつか帰りたいぼくのふるさと 福島第一原発20キロ圏内から来たねこ』(小学館)


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