■映画『ムード・インディゴ~うたかたの日々~』(2013)
原作:ボリス・ヴィアン『日々の泡』 監督:ミシェル・ゴンドリー
出演:ロマン・デュリス、オドレイ・トトゥ、ガッド・エルマレ、オマール・シー、アイサ・マイガ ほか
▼trailer
『うたかたの日々』(早川書房)
この奇怪にして、完璧に純粋なヴィアンの恋愛小説を映像化するのはムリだろうと思っていた。
邦画『クロエ』にしても、今となってはもう記憶がない。
先日、TSUTAYA渋谷店で借りたCDの中に音飛びがあったのをフセンで貼って、ポスト返却したら、電話がきて、
お詫びとしてCDまたはDVDを1枚1週間無料でレンタルできる(渋谷店限定・ポスト返却も無料)と言われて、
渋谷に行ったついでに借りてきた。ちなみに、またもう1枚無料券をもらったのはなぜ?(また来て欲しいから?
CGはスゴイなあ! なんでもありな世界を観せてくれる。ヴィアンも生きてたらビックリだろう。
『未来世紀ブラジル』も思い出させた。
文章そのままじゃないにしても、製作チームがどんどんイメージを自由にふくらませてつくったワクワク感が伝わる前半。
その前半部分が幸福であればあるほど、後半に彼らが直面する悲劇を思うと、最初から胸がつまって泣けてくる。
♪Take the 'A' Train ほか、♪Chloe/Duke Ellington も改めて聴くと、どこか哀愁が漂って聴こえてくる。
デュークの映像もそこかしこに出てくる。
一番、気になるアイテム「カクテルピアノ」を弾いていたピアニストは俳優だろうか? ジャズマンだろうか?
▼story(ネタバレ注意
(大体、原作と同じ。それも嬉しいv
資産家で無職の若者コランのもとに友人シックが訪ねてくる。
早速、完成した「カクテルピアノ」で♪Caravan を弾いてみる。
シック「恋をしてるんだ」(相手はコランの身の回りの世話をしているニコラの姪アリーズ
コラン「独りで孤独なのはボクだけじゃないか」
ニコラの料理も、慌ててスケジュールを探す方法も奇想天外、わんこの誕生パーティに行って、
クロエと出逢い「君を編曲したのはエリントン?」と唐突に言ってしまったことを激しく後悔する。
諦めるのは早いと、クロエの好きな場所を検索する方法も面白い。
せっかく行ったショッピング通りは工事中。
でも、2人は白鳥?の乗り物で空中散歩を楽しむ。
(どこに行っても、デューク以外の音楽を認めないコランが可笑しい。でも、♪Lowdown/Boz Scaggs だけはOKなの?w
半年後に同居。
みんなでスケートに出かけ、
シック「金がないからアリーズと結婚できない」
コラン「金を貸すよ」
シック「クロエにプロポーズしたらね」
結婚してすぐ。買い物中に倒れてしまうクロエ。
医者「肺から妙な音楽が聴こえる。病院に来てください」
ショックを受けたコランを笑わせるために、妻の写真を見せるって、なんて純粋なの!?涙
その日から、部屋はどんどん狭くなっていく。。。
医師が処方したクスリは、ウサギからエキスをとってるの?!
レントゲンを撮ると、肺に睡蓮が咲いていると分かる。
部屋中を花だらけにすることで、少しは成長が止まると聞いて、花を買い漁るが、すぐに枯れてゆく。
おまけに無造作に使い込んだコランの資産は、もう尽きようとしていた。
「職を見つけなきゃ」
これまで働いたことがないコランを笑うビジネスマンたち。
「怠け者にやる仕事なんかないよ」
ニコラは、部屋のせいなのかどんどん老け込んでしまった。
療養所に行くことになったクロエは「コランをどうか見守ってあげて、お願いよ!」と言って去る。
しかし、コランはニコラを心配して「出て行け!」と叫ぶ。
コランがやっと見つけた仕事は、人の体温で銃を24時間温める軍事関連の仕事。
クロエは肺の手術をして「右が使えなくても、左があるから大丈夫よ」と言ったが、
その左の肺にも花が咲いていた。
医師「私が間違っていました。医療費の一部をお返しします」
(そうだよ。誤診や、治らなかったら、それまでの医療費は全額返すべきだと思うんだ
コランの温めた銃は不良品でクビになる。
仕方なく「カクテルピアノ」を売る。
♪タバコを吸い 酒を飲む
何も考えずに 明日は風まかせ
気ままに 輝くダイヤ
ダンスやディナー 美しい女性と
レストランで それが本当に望むこと?
シックは、思想家ジャン=ソオル・パルトルに関するモノなら、著書はもちろん、彼の履いたズボンなどなんでも買い漁り、
コランからもらったお金もほとんど使い果たして、アリーズの結婚も諦めている。
アリーズ「シックはあなたのせいで一文なしよ」
パルトル「彼は自由。彼の選択だ」
アリーズ「私も自由よ。彼のためにあなたを殺すわ」(出た!『心臓抜き』!
人に不幸を告げる仕事を始めたコランは、明日、クロエが死ぬという知らせを自分が届けることになる。
結末が分かっていても、こうして映像化されると、なんと絶望的な物語りなんだろう!
たしか、ラストにネズミの粋なことが書いてあったような気がしたんだけど?
代表作ですら、こんなに悲しいんだから、その他の作品が映画化される希望は薄いかも。
たとえフランス映画でも。
原作:ボリス・ヴィアン『日々の泡』 監督:ミシェル・ゴンドリー
出演:ロマン・デュリス、オドレイ・トトゥ、ガッド・エルマレ、オマール・シー、アイサ・マイガ ほか
▼trailer
『うたかたの日々』(早川書房)
この奇怪にして、完璧に純粋なヴィアンの恋愛小説を映像化するのはムリだろうと思っていた。
邦画『クロエ』にしても、今となってはもう記憶がない。
先日、TSUTAYA渋谷店で借りたCDの中に音飛びがあったのをフセンで貼って、ポスト返却したら、電話がきて、
お詫びとしてCDまたはDVDを1枚1週間無料でレンタルできる(渋谷店限定・ポスト返却も無料)と言われて、
渋谷に行ったついでに借りてきた。ちなみに、またもう1枚無料券をもらったのはなぜ?(また来て欲しいから?
CGはスゴイなあ! なんでもありな世界を観せてくれる。ヴィアンも生きてたらビックリだろう。
『未来世紀ブラジル』も思い出させた。
文章そのままじゃないにしても、製作チームがどんどんイメージを自由にふくらませてつくったワクワク感が伝わる前半。
その前半部分が幸福であればあるほど、後半に彼らが直面する悲劇を思うと、最初から胸がつまって泣けてくる。
♪Take the 'A' Train ほか、♪Chloe/Duke Ellington も改めて聴くと、どこか哀愁が漂って聴こえてくる。
デュークの映像もそこかしこに出てくる。
一番、気になるアイテム「カクテルピアノ」を弾いていたピアニストは俳優だろうか? ジャズマンだろうか?
▼story(ネタバレ注意
(大体、原作と同じ。それも嬉しいv
資産家で無職の若者コランのもとに友人シックが訪ねてくる。
早速、完成した「カクテルピアノ」で♪Caravan を弾いてみる。
シック「恋をしてるんだ」(相手はコランの身の回りの世話をしているニコラの姪アリーズ
コラン「独りで孤独なのはボクだけじゃないか」
ニコラの料理も、慌ててスケジュールを探す方法も奇想天外、わんこの誕生パーティに行って、
クロエと出逢い「君を編曲したのはエリントン?」と唐突に言ってしまったことを激しく後悔する。
諦めるのは早いと、クロエの好きな場所を検索する方法も面白い。
せっかく行ったショッピング通りは工事中。
でも、2人は白鳥?の乗り物で空中散歩を楽しむ。
(どこに行っても、デューク以外の音楽を認めないコランが可笑しい。でも、♪Lowdown/Boz Scaggs だけはOKなの?w
半年後に同居。
みんなでスケートに出かけ、
シック「金がないからアリーズと結婚できない」
コラン「金を貸すよ」
シック「クロエにプロポーズしたらね」
結婚してすぐ。買い物中に倒れてしまうクロエ。
医者「肺から妙な音楽が聴こえる。病院に来てください」
ショックを受けたコランを笑わせるために、妻の写真を見せるって、なんて純粋なの!?涙
その日から、部屋はどんどん狭くなっていく。。。
医師が処方したクスリは、ウサギからエキスをとってるの?!
レントゲンを撮ると、肺に睡蓮が咲いていると分かる。
部屋中を花だらけにすることで、少しは成長が止まると聞いて、花を買い漁るが、すぐに枯れてゆく。
おまけに無造作に使い込んだコランの資産は、もう尽きようとしていた。
「職を見つけなきゃ」
これまで働いたことがないコランを笑うビジネスマンたち。
「怠け者にやる仕事なんかないよ」
ニコラは、部屋のせいなのかどんどん老け込んでしまった。
療養所に行くことになったクロエは「コランをどうか見守ってあげて、お願いよ!」と言って去る。
しかし、コランはニコラを心配して「出て行け!」と叫ぶ。
コランがやっと見つけた仕事は、人の体温で銃を24時間温める軍事関連の仕事。
クロエは肺の手術をして「右が使えなくても、左があるから大丈夫よ」と言ったが、
その左の肺にも花が咲いていた。
医師「私が間違っていました。医療費の一部をお返しします」
(そうだよ。誤診や、治らなかったら、それまでの医療費は全額返すべきだと思うんだ
コランの温めた銃は不良品でクビになる。
仕方なく「カクテルピアノ」を売る。
♪タバコを吸い 酒を飲む
何も考えずに 明日は風まかせ
気ままに 輝くダイヤ
ダンスやディナー 美しい女性と
レストランで それが本当に望むこと?
シックは、思想家ジャン=ソオル・パルトルに関するモノなら、著書はもちろん、彼の履いたズボンなどなんでも買い漁り、
コランからもらったお金もほとんど使い果たして、アリーズの結婚も諦めている。
アリーズ「シックはあなたのせいで一文なしよ」
パルトル「彼は自由。彼の選択だ」
アリーズ「私も自由よ。彼のためにあなたを殺すわ」(出た!『心臓抜き』!
人に不幸を告げる仕事を始めたコランは、明日、クロエが死ぬという知らせを自分が届けることになる。
結末が分かっていても、こうして映像化されると、なんと絶望的な物語りなんだろう!
たしか、ラストにネズミの粋なことが書いてあったような気がしたんだけど?
代表作ですら、こんなに悲しいんだから、その他の作品が映画化される希望は薄いかも。
たとえフランス映画でも。