●omni Sight Seeing/細野晴臣
細野さんシリーズ。毎回デザインワークも凝ってる。インド的な風味もあり。
【細野さん自身によるライナー抜粋メモ】
・タイトルについて
意味:乗り合い観光、全方位観光
拝金主義と色欲の渦巻く時の流れに訣別し、霊的飛行による輝く世界への旅。
1.ESASHI
日本民謡界の定番「江差追分」。1988年「のど自慢」で14歳の少女がこれを謡っていた。
やっとこの少女、木村香澄さんを探し出してアカペラで録音。
その後、大ベテラン、川崎マサ子さん、本条昌也さんのコーラスをダビングした。
この唄は「野辺の送り」に限られるそうだ。
2.ANDADURA
人は影を内に持ちて、時に肉より出でる。
南米のある部族の言葉で「分身」のような意味をもつ影のこと。
光の経路(レイライン)を辿って旅をする。そこで見たものははたして?
3.ORGONE BOX
1920年、天才学者ウイルヘルム・ライヒ(フロイトの弟子)は、宇宙に偏在するオルゴン・エネルギーを発見し、
それを利用してUFOを呼んだり、雲を集めたり消したり、病気を治療したりした事件があった。
ある時、それは軍部によって妨害され、投獄され獄死してしまった。
最近、オルゴノミーとして再認識されつつある。
4.OHENRO-SAN
映画『人間の約束』(1987)の挿入曲。
日本人にとって観光を尽きつめ、浄化させると、お遍路さんに行き着くような気がします。
5.CARAVAN
砂漠にはフシギなことがいっぱい起こるらしく、時には楽隊の奏でる音楽も聴こえるそう。誰が演奏するのやら・・・
6.RETORT
実は歌詞はあるが、私には上手く歌えないので、いつか歌曲版を録音していただこうと思っております。
私はレトルト 浄めのメハニカ
ミネラルを蓄え 真水を湛えて
ネガティヴを吸っては
吐き出すポジティヴ
やがて朽ち果てる 命の泉も
あなたのために 潔めておこう
これが私の 願い
7.LAUGH-GAS(歌詞のみ
笑気ガスは要らない
私はいつも笑っているから
心はいつも子どものように笑っている
あなたの子どもが笑わないからといって
笑気ガスを吸わせることはない
時代が変わったことを教えてあげるだけで
子どもは新しい笑い声を発するのだから
今、二つの時代が平行して流れている
私は新しい流れに
彼はアンシャン・レジームに御執心のよう
こんな別離は、何て今日的なのだろう
旧体制は笑わない
だからアシッドをやめられない
トリ・コロール~赤、白、青。自由、平等、博愛の色。
1989年、パリの「自由の女神」。彼女は果たしてミューズなのか、マモンなのか?
謎の思想が西と東を交錯し、今やタブラ・ラサ(白紙状態)へとなだれこむ。
8.KORENDOR
コレンドアとは「宇宙人の故郷の星」といった意味の新しい言葉。
見慣れぬ月の下でルナティックなピアノを弾いているのはインセミノイド(in-seminoid)。
そこで思い巡らす故郷は、きっと日本の田舎の音がするでしょう。
9.PLEOCENE
まゆらぎの鳴く 常世の春
静かに揺らぐ 内なる浜辺
地底の海 プリオシーヌ
まゆらぎ:孔雀明王の真言「オン マユラギ ランテイ ソワカ」のことか?→here
(1989.4.18)
2年前、突如、アラブ風の音が、同時多発的に耳に入ってきた。
同じ頃、パリでもアラビック・ポップの胎動を目の当たりにし、
1988年、アルジェリア系のスターがメジャーレーベルからリリースした。
モダーン・アラビック・ポップを、まるでジャズやロックが生まれた時のように「ライ」と呼ぶのだ。
少し前、ロンドンでは、目先の利く音楽商人がモロッコ系のアラビック・ポップ・グループをカタログに加えた。
そのレーベル名は「グローブスタイル」。
そのグローブ・ムーブメントは、ベルリンも刺激し、「難民排斥運動」もなんのその。
そしてロンドンで、ついに「ワールド・ミュージック」というスローガンを掲げるに至る。
これらは放送されないニュースだった。
日本のみならず、先進国と言われる国々に安住する人々には、皮肉なことにこの世界精神の胎動は放送されない。
今や世界が先祖返りしているとのことだった。
そういえば数年前から日本でも、神道系のシャーマニズムが取り沙汰されたりした。
この運動はアメリカで最も顕著で、アングロ・シャーマニズムともいうべき彼らの先祖返りは、
勿論アラブでもイスラエルでもなく、アイルランドからケルトにいたる北方へと向かっている。
エンヤの受け入れは、このような呪術的アタヴァスと無関係ではない筈だ。
そこで私としては、さらに透視を進めて、エジプト以前、オリハルコンの輝く旧世界までの観光をもくろんだ。
ここまで来れば、アラブもインディオも、モンゴロイドも、ヨーロポイドも通じ合う。
内なる海に住む八百万の民。世界に何も難しいことは無い。といいつつ肩をもむ。
●Soul on Fire- The Best of LaVern Baker/LaVern Baker
急にまたブラックミュージシャンをいろいろ発掘したくなった。
以前もここで書いた『無敵のブラック・ミュージックCDガイド380』を参照。
【ライナー抜粋メモ~1991 桜井ユタカ】
アトランティック・レコード時代のベイカーは、何と言ってもR&B歌手の分野では、
レーベル・メイトのルース・ブラウンと並んで頂点に立っていた。
ベッシー・スミスを目指して17才でクラブ歌手としてスタートし、7年後にR&B歌手として再デビュー。
1953年と言えば、R&Bでは女性歌手が本格的に台頭し、ビルボード誌の1位~53位まで女性歌手で占められていたほど。
C.Paulは、後にモータウンレコードで大活躍したライター。
バックのコーラスはThe Gliders。
ベイカーは、当時としてはかなり洗練された都会的なアレンジのR&Bバラード。
♪Tweedle Dee はベイカーを一躍人気歌手に押し上げた記念すべきデビューヒット。
♪Jim Dandy Got Married は、♪Jim Dandy のアンサーソングというか
続編としてリリースされたノベルティーソング(目新しい趣向をこらした歌曲)。
♪See See Rider は有名なトラディナル・フォーク、ブルース曲。
♪I Cried A Tear は彼女の看板ソングであり、アトランティック・レコードが生んだ名曲トップ10に入る絶品
細野さんシリーズ。毎回デザインワークも凝ってる。インド的な風味もあり。
【細野さん自身によるライナー抜粋メモ】
・タイトルについて
意味:乗り合い観光、全方位観光
拝金主義と色欲の渦巻く時の流れに訣別し、霊的飛行による輝く世界への旅。
1.ESASHI
日本民謡界の定番「江差追分」。1988年「のど自慢」で14歳の少女がこれを謡っていた。
やっとこの少女、木村香澄さんを探し出してアカペラで録音。
その後、大ベテラン、川崎マサ子さん、本条昌也さんのコーラスをダビングした。
この唄は「野辺の送り」に限られるそうだ。
2.ANDADURA
人は影を内に持ちて、時に肉より出でる。
南米のある部族の言葉で「分身」のような意味をもつ影のこと。
光の経路(レイライン)を辿って旅をする。そこで見たものははたして?
3.ORGONE BOX
1920年、天才学者ウイルヘルム・ライヒ(フロイトの弟子)は、宇宙に偏在するオルゴン・エネルギーを発見し、
それを利用してUFOを呼んだり、雲を集めたり消したり、病気を治療したりした事件があった。
ある時、それは軍部によって妨害され、投獄され獄死してしまった。
最近、オルゴノミーとして再認識されつつある。
4.OHENRO-SAN
映画『人間の約束』(1987)の挿入曲。
日本人にとって観光を尽きつめ、浄化させると、お遍路さんに行き着くような気がします。
5.CARAVAN
砂漠にはフシギなことがいっぱい起こるらしく、時には楽隊の奏でる音楽も聴こえるそう。誰が演奏するのやら・・・
6.RETORT
実は歌詞はあるが、私には上手く歌えないので、いつか歌曲版を録音していただこうと思っております。
私はレトルト 浄めのメハニカ
ミネラルを蓄え 真水を湛えて
ネガティヴを吸っては
吐き出すポジティヴ
やがて朽ち果てる 命の泉も
あなたのために 潔めておこう
これが私の 願い
7.LAUGH-GAS(歌詞のみ
笑気ガスは要らない
私はいつも笑っているから
心はいつも子どものように笑っている
あなたの子どもが笑わないからといって
笑気ガスを吸わせることはない
時代が変わったことを教えてあげるだけで
子どもは新しい笑い声を発するのだから
今、二つの時代が平行して流れている
私は新しい流れに
彼はアンシャン・レジームに御執心のよう
こんな別離は、何て今日的なのだろう
旧体制は笑わない
だからアシッドをやめられない
トリ・コロール~赤、白、青。自由、平等、博愛の色。
1989年、パリの「自由の女神」。彼女は果たしてミューズなのか、マモンなのか?
謎の思想が西と東を交錯し、今やタブラ・ラサ(白紙状態)へとなだれこむ。
8.KORENDOR
コレンドアとは「宇宙人の故郷の星」といった意味の新しい言葉。
見慣れぬ月の下でルナティックなピアノを弾いているのはインセミノイド(in-seminoid)。
そこで思い巡らす故郷は、きっと日本の田舎の音がするでしょう。
9.PLEOCENE
まゆらぎの鳴く 常世の春
静かに揺らぐ 内なる浜辺
地底の海 プリオシーヌ
まゆらぎ:孔雀明王の真言「オン マユラギ ランテイ ソワカ」のことか?→here
(1989.4.18)
2年前、突如、アラブ風の音が、同時多発的に耳に入ってきた。
同じ頃、パリでもアラビック・ポップの胎動を目の当たりにし、
1988年、アルジェリア系のスターがメジャーレーベルからリリースした。
モダーン・アラビック・ポップを、まるでジャズやロックが生まれた時のように「ライ」と呼ぶのだ。
少し前、ロンドンでは、目先の利く音楽商人がモロッコ系のアラビック・ポップ・グループをカタログに加えた。
そのレーベル名は「グローブスタイル」。
そのグローブ・ムーブメントは、ベルリンも刺激し、「難民排斥運動」もなんのその。
そしてロンドンで、ついに「ワールド・ミュージック」というスローガンを掲げるに至る。
これらは放送されないニュースだった。
日本のみならず、先進国と言われる国々に安住する人々には、皮肉なことにこの世界精神の胎動は放送されない。
今や世界が先祖返りしているとのことだった。
そういえば数年前から日本でも、神道系のシャーマニズムが取り沙汰されたりした。
この運動はアメリカで最も顕著で、アングロ・シャーマニズムともいうべき彼らの先祖返りは、
勿論アラブでもイスラエルでもなく、アイルランドからケルトにいたる北方へと向かっている。
エンヤの受け入れは、このような呪術的アタヴァスと無関係ではない筈だ。
そこで私としては、さらに透視を進めて、エジプト以前、オリハルコンの輝く旧世界までの観光をもくろんだ。
ここまで来れば、アラブもインディオも、モンゴロイドも、ヨーロポイドも通じ合う。
内なる海に住む八百万の民。世界に何も難しいことは無い。といいつつ肩をもむ。
●Soul on Fire- The Best of LaVern Baker/LaVern Baker
急にまたブラックミュージシャンをいろいろ発掘したくなった。
以前もここで書いた『無敵のブラック・ミュージックCDガイド380』を参照。
【ライナー抜粋メモ~1991 桜井ユタカ】
アトランティック・レコード時代のベイカーは、何と言ってもR&B歌手の分野では、
レーベル・メイトのルース・ブラウンと並んで頂点に立っていた。
ベッシー・スミスを目指して17才でクラブ歌手としてスタートし、7年後にR&B歌手として再デビュー。
1953年と言えば、R&Bでは女性歌手が本格的に台頭し、ビルボード誌の1位~53位まで女性歌手で占められていたほど。
C.Paulは、後にモータウンレコードで大活躍したライター。
バックのコーラスはThe Gliders。
ベイカーは、当時としてはかなり洗練された都会的なアレンジのR&Bバラード。
♪Tweedle Dee はベイカーを一躍人気歌手に押し上げた記念すべきデビューヒット。
♪Jim Dandy Got Married は、♪Jim Dandy のアンサーソングというか
続編としてリリースされたノベルティーソング(目新しい趣向をこらした歌曲)。
♪See See Rider は有名なトラディナル・フォーク、ブルース曲。
♪I Cried A Tear は彼女の看板ソングであり、アトランティック・レコードが生んだ名曲トップ10に入る絶品