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『ディーゼルカー』 大島弓子/著(飛鳥新社)

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『ディーゼルカー』 大島弓子/著(飛鳥新社)

[amazon紹介文抜粋]
1978年、カラー漫画誌「リリカ」で発表された大島弓子の絵物語『ディーゼルカー』が単行本で復活!
パステル、透明水彩、ポスターカラー、色鉛筆と、たくさんの画材で描かれた、大島弓子の貴重なカラー絵物語!

図書館のサイトで大島さんで検索したら、思わぬ新作絵本を見つけて小躍りした
2012年12月31日初版ながら、昔描いた作品の復刻本。

「あとがきマンガ」には、自画像のヘアスタイルの変化も描いてて可笑しいw


「昔の自分の絵を見ると穴があったら入りたい気持ち」だったが「描いている当時は楽しかった」という。

マンガ雑誌のカラーページは水彩絵具やポスターカラーで着色するのがふつうだったが、
色鉛筆を使いたいと思っていたら、印刷に出ると聞いて使ったそう。

細く柔らかな線、淡い色使いも深みが出ていて、なにより詩的なストーリー、音楽みたいなセリフが大島さんの魅力。

 

▼あらすじ(ネタバレ注意
君太は黄野子を愛していました。
黄野子は君太をその倍も愛していました。



ある日、白無垢、内掛け姿の花嫁さんを見た2人は、即婚約して、2人とも「花嫁さんになりたい」と言った。



黄野子が「花嫁の条件」を母に聞くと、
「女らしく、美しく、料理が上手、獅子が我が子を千尋の谷に落として育てるがごとくの深い愛情と度胸が必要。
 まず大切なのは忍従。ひたすら我慢して夫に家族に尽くす。これが妻の正しい姿です」
母親はゆるぎなく申されました(まったく奴隷そのものだな

2人はどっちが花嫁になるか、競い合うことにした。まずは「忍耐」。
互いに侮辱した後、ヤナギでムチウチ。これには君太が先に泣いてしまって負け。



次はお化粧。これは君太の独創性が認められて勝ち。

 

「優しさ」では、子どもに寝物語を作ることで、毛虫の首輪の話をつくった黄野子が勝ち(とっても詩的

 

ある日、黄野子の家に従兄弟が来て、すっかり夢中になり、
君太に「私は従兄弟と結婚して、君太も花嫁募集の人を探せばいい」と提案。
納得した君太だったが、なぜか淋しい。


そこに従兄弟の見合い相手がやって来て、2人はひと目惚れ


試合は続行となり、「度胸」試しに、ディーゼルカーで初めて終点まで乗る2人。



ディーゼルカー
車の終点
果てなく遠い暗黒の異国
車の墓地 恐怖の未開地

この事件は、すっかり家族らを心配させることになる。


23歳になったセールスマンの君太とフリーライターの黄野子の結婚式。
挙式では君太が花嫁衣裳で登場し、お色直しで黄野子と衣装を交換。



これでこのドキュメンタリーはおしまいです
あのディーゼルカーの終点の町はふつうの明るい町でしたが
そしてその線路はもはやありませんが
あの試合で得たことで
黄野子は母親とは異なった人生を歩むでしょう
君太は父親とは違った人生を歩むでしょう

当日の式のひきでものは、おかまとおなべでした






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