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妖怪と神さまの不思議な世界 ~遠野物語をめぐる心の旅~歴史秘話ヒストリア

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妖怪と神さまの不思議な世界 ~遠野物語をめぐる心の旅~歴史秘話ヒストリア

柳田国男が書いた『遠野物語』に興味を持って、随分前の予録を見てみた。

 

本編には目撃談が119編入っていて、さまざまな妖怪の名前と、その由来も分かった。
すべて遠野出身の男性から聞いた話で、実在の人物がモデルっていうのもビックリ。
そして、妖怪話を集めたキッカケが切ない片思いだと分かって意外/驚


いきなり水木サン登場!

 
河童が現れたという場所。今では観光客相手に、物語の子孫が案内をしている。人気はキュウリを餌にした河童釣りw


「ザシキワラシ」:家を栄えさせる
 

ある長者の家があり、ザシキワラシがいるからだろうという噂だった。
ある日、村でヘビが遊び半分で殺された。
後日、ある男は2人の童子に出会う。「これまで長者の家にいたが、別の村に行くのだ」という。
その後、家は没落し一家滅亡。使用人も含め二十数名が亡くなった墓が今でも残っている。


「オクナイサマ」:家の守り神
 

ある時、猫の手も借りたいほど忙しく田植え作業をしているところに、手伝いに来た子どもがいた。
仕事後、子どもは消え、泥の足跡は家の中のオクナイサマにたどり着く。オクナイサマは泥にまみれていたという。


「オシラサマ」:娘と馬の一対の像からなる神さま
 

馬をこよなく愛した娘は、馬と夫婦となると言って、父は激怒して馬を殺してしまった。
嘆き悲しんだ娘は、馬とともに天に昇ったという。

「神々や妖怪を親しみながら畏れた。そういう感覚が人々の生き方を律してきた」(専門家)


 
富国強兵・近代化まっしぐらの最中、遠野物語は大反響を呼んだ

 
妖怪や迷信を政府は厳しく禁じた/お!円了さん。アレ? 信じてるほうじゃなかったっけ?

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[なぜ縁もゆかりもない遠野の物語を書いたのか?]


旧高善旅館(遠野)

 
柳田の故郷は兵庫

父は小学校教師。国男は幼い頃から本が大好きで、真面目な優等生だった。

 
現・東大に進学/国男が田山花袋に宛てた手紙

7歳下のいね子に片思いをし、3年間想いを告げられなかった。
その想いをウグイスに例えた話を書く。

 

明治29年(国男22歳)の時に父母が相次いで急死。
その後、いね子は結核となり、遠い親戚の家で療養生活を送り、19歳で短い生涯を閉じた。
悲しみのどん底に落ちた国男は、友人宛のハガキに句を詠む。




[死んだ人間の魂は、どこへ行くのか?]

「国男は、魂は自分のそばにいてほしいという願望を持っていたのかもしれない」(専門家)

 
明治41年。遠野出身の佐々木と知り合い、いろんな物語を聞き集める


「オット鳥」


恋人が突然消え、必死に探すうちに娘は鳥になってしまった。
その話は、以前、国男が書いたウグイスの話と似ていることに驚く。


「九十七 魂の行方」
瀕死になった男は、夢の中で空を飛び、菩提寺に着くと、以前亡くした息子がいて「今は来てはいけない。戻ってください」と言われる。
目を覚ますと生き返ったという。

 

「これまで国男は、自身の問題として魂の行方を考えていたが、
 自分だけでなく、日本人全体に及ぶ大きな問題として考えるようになった」(専門家)


東京で役所勤めをしながら、佐々木から聞いた話をまとめて執筆し、36歳で出版する


 

 
馬は農耕を手伝ったり、重い荷物を運んだり、強い絆で結ばれていた


「馬っこ」:豊作を願う人形 客にお茶をふるまう風習もある
 


[3.11後の遠野]

 
3.11で大きな被害を受けた田の浜は、120年前の「明治三陸大津波」でも同じように被害を受けていた

 
「明治三陸大津波」明治29年6月15日夜8時過ぎに起きた災害


「九十九 オオツナミ」
一家で平和に暮らしていたフクジ。ある時、津波が来て、妻子が流されてしまった。
1年後、浜辺を歩く妻の幽霊に会う。「今は結婚前の恋人と夫婦になっている」という。

 



フクジの玄孫に当たる長根さんもまた3.11で自宅を流され、母を亡くした

理不尽さに悩んでいたが、1年後、母が台所に立っている夢を見て、普通に会話をしたことで救われたという。

「もやもやして怒りたい気持ちがあったのが、会って話すことで、日常に会話に戻った。
 あれ以来、考え方が変わりました。決着をつけて、前に一歩踏み出すようになった。
 きっと、フクジさんも、妻を一人で逝かせるのは可哀想だという優しさから、
 そういう方が一緒にいればいいんじゃないか、という思いがあったのではないか」


 
遠野には、1人の生徒が1つの物語を覚えて、発表している小学校もある





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