■『紅茶と海』(偕成社)
川路重之/文 落田洋子/絵
先日『夜猫ホテル』(パロル舎)を借りて、落田さんの絵の世界に惹かれて他の絵も観たくなって借りてみた。
詩とも文とも言えない、とても繊細な文体で語られる「マリコさん」の小さな頃の話。
そのフシギな話とピッタリな落田さんの絵がやっぱりとっても魅力的。
とくに猫がたくさん出てくるところが好き。
【内容抜粋メモ】
大人は、ほんとうの話になれていないから、いつも子どもたちが注意ぶかく、かばってやらなくてはいけない。p.8
「澄んだ青空の中へ帽子をほうりあげてはいけない。そんなことをすると、青空が君に近づいてくる」とパパがいった。
「空や水や、星や雪は、とおいところにあるときだけ、やさしく見える」p.16
「クモの糸のそばで、ゴブラン織りの悪口をいうことさえ、けんのんなんだ」
「星をかぞえたりするのは、考えものだね。あれは、運命をあらわす空の数字なんだよ」p.17
どこからか、カラタチのにおいが、すうんと、あたりにひろがった。
とおく畑のほうまで見わたしても、まだどこにもカラタチの実はなかった。p.24
ある日、マリコは一人の少年と出会った。
少年がくれた真っ白い花にふれると、色はぜんぶ花にすいとられて、そちらへ移っていった。
マリコは大きくなって結婚し、よく似た女の子も生まれた。
「今でも、やっぱり、人のいうことがわからないし、ぎこちなくて、ぎくしゃくしてる。
けど、ぎこちなくても、いいんだと、思うようになったの」p.28
川路重之/文 落田洋子/絵
先日『夜猫ホテル』(パロル舎)を借りて、落田さんの絵の世界に惹かれて他の絵も観たくなって借りてみた。
詩とも文とも言えない、とても繊細な文体で語られる「マリコさん」の小さな頃の話。
そのフシギな話とピッタリな落田さんの絵がやっぱりとっても魅力的。
とくに猫がたくさん出てくるところが好き。
【内容抜粋メモ】
大人は、ほんとうの話になれていないから、いつも子どもたちが注意ぶかく、かばってやらなくてはいけない。p.8
「澄んだ青空の中へ帽子をほうりあげてはいけない。そんなことをすると、青空が君に近づいてくる」とパパがいった。
「空や水や、星や雪は、とおいところにあるときだけ、やさしく見える」p.16
「クモの糸のそばで、ゴブラン織りの悪口をいうことさえ、けんのんなんだ」
「星をかぞえたりするのは、考えものだね。あれは、運命をあらわす空の数字なんだよ」p.17
どこからか、カラタチのにおいが、すうんと、あたりにひろがった。
とおく畑のほうまで見わたしても、まだどこにもカラタチの実はなかった。p.24
ある日、マリコは一人の少年と出会った。
少年がくれた真っ白い花にふれると、色はぜんぶ花にすいとられて、そちらへ移っていった。
マリコは大きくなって結婚し、よく似た女の子も生まれた。
「今でも、やっぱり、人のいうことがわからないし、ぎこちなくて、ぎくしゃくしてる。
けど、ぎこちなくても、いいんだと、思うようになったの」p.28