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ドキュメントロマン『山岳救助犬ララ』(世界文化社)

■ドキュメントロマン『山岳救助犬ララ』(世界文化社)
上條辰夫/写真 加藤由子/文 1991年初版

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これまでも、ヒトを助けてくれるいろんなお仕事をしているイヌたちを紹介してきたけど、
「山岳救助犬」っていうのもいるのね、初めて知った。
日本に1頭もいないって書いてあるから、知らないのも当然か。
マンガ『岳』にもわんこは出てこなかったし!

本書にもある通り、スイスでセントバーナードが助けてくれるっていう話は、なんとなく聞いたことがあったけど、
警察犬に向いているシェパードは、たしかに「山岳救助犬」にも向いているかも!
本書は1991年だから、今の状況が気になる。


【内容抜粋メモ】

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「山岳救助犬」の誕生
中世。サン・ベルナール峠で、近くの修道院で飼われていたバリーという名のセントバーナードが
雪の中で迷っていた旅人を助けたのが、最初の山岳救助犬だった。

現在の山岳救助犬のほとんどはシェパード。
警察犬の多くがシェパードだが、その機敏さが買われている。
スイス、オーストリア、フランスなどには、何百頭もの山岳救助犬がいるが、日本にはまだ1頭もいない。

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山岳救助犬の仕事
雪崩に遭って、雪に埋まった人を見つけること。
雪崩発生直後なら、生存率は80%、1時間後は60%、2時間後は30%と生存率は落ちる。
いかに早く見つけるかが、救出の大きなカギとなる。

長野県穂高町、北アルプスの麓で警察犬の訓練所の所長さんをやっている磯本隆裕さんは、
開設当初、ヘリコプターが遭難した遺体を運んでくるのを見た時、
「日本にも山岳救助犬を」「一人でも多くの人命を救うため、山岳救助犬をこの手で育てよう」と決めたという。

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山岳救助犬として一番必要なのは、どんな場所だろうと、怖がらずに行くこと
犬は元来、平地にいる動物のため、急な岩場、ヘリに乗るのは苦手。それを徐々に慣らしていく。
磯本さんは、自分の休日を山岳救助犬の訓練日にあてて頑張っている。

「山岳救助犬が、雪山で重要な役目を果たすことが定着するには10年くらいかかるでしょう。
 長期戦を覚悟にやっていきます」(磯本さん)


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ララとバルドー

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シェパードのバルドーは、訓練所の優等生。磯本さんをとても信頼している。

セントバーナードのララは、まだ訓練を始めたばかり。気立てがよくて「見込みがある」と磯本さんは思っている。
磯本さんは、この2匹に、最初の山岳救助犬訓練を始めた。


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イヌの嗅覚はヒトの100万倍と言われる。
まずは、山の中で、土に混じったニオイを嗅ぎ分ける。イヌたちにとっては楽しい遊び。

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次は、どんな所でも平気で行く訓練。
イヌは高い所、狭い所が怖くて、なかなか歩けない。
ララはなんとか突破した。


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次は、実際の山に行っての訓練。
ヤル気が出たララも、急な岩場は怖くて、足の裏も痛くて尻込みをしてしまった。


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ごうごうと流れる川の、グラグラする橋、ゆらゆら揺れる高い吊り橋も渡る


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バルドーは黙って磯本さんを見ているだけでなんでも分かってしまうようだ。
ヒトの顔を見ただけで、何をすればいいのかが分かるようになった時、人と仕事のできるイヌになれる。


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冬になり、最後の訓練は、雪山で、雪をかきわけて進む訓練、そして、雪に埋まったヒトを探し出す訓練。
深い雪の中、夜の雪渓、バルドーは先頭に立って走り、ララにお手本を見せてくれる。

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「サーチ! サーチ!」という磯本さんの声。「探せ」という命令です。
どんどん雪を掘り続けるのは「ここに人が埋まっている」という合図。

山岳救助犬は、鳴き声で雪崩が起きるのを防ぐため、決して吠えてはいけない。
ヒトが来て、いっしょに掘りはじめてくれるまで、息もつかずに掘り続ける。

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雪崩救助犬と耐えて待つ

災害救助犬育成支援
「雪崩救助犬」と言っているのかな、今は

災害救助犬(レスキュードッグ)とは

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人とはたらく犬たち
盲導犬、聴導犬、介助犬、災害救助犬、警察犬、麻薬探知犬、検疫探知犬、牧羊犬、猟犬、そり犬、訪問活動犬、タレント犬など。

【ブログ内関連記事】
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老犬介護&災害救助犬、盲導犬への虐待・差別
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盲導犬同伴、宿泊先なく 室蘭・障害者の卓球交流会中止に
まだまだ、フツーのスーパーでも「衛生上のため動物お断り」って書いてあるところもあるし、日本の意識は低いんだ



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