■戦後70年 子どもに“平和”をどう伝えるか@あさイチ
これまでも戦争について、いろんな角度から取り上げてきた「あさイチ」。
今回は、3つのキーワードをもとに、戦争体験者じゃない親から子どもに
「戦争」と「平和」をどう伝えたらいいのか、という視点で特集していた。
その1:同年代
女子高生3人が代表して、「中国残留孤児」だった奥山イク子さん(82)を訪ねて体験談を聞き、
自分たちなりに解釈して、クラスメイトにどう伝えたらいいかを考えるという取り組みを紹介。
イク子さん「私にとっては、思い出したくないことなんです、辛くて」
9歳の時に親に連れられて満州へ
「ソ連兵がたくさんいて、畑の中の私たちは、自動小銃を持ったソ連兵に包囲された。
畑の中で10日間も過ごしました。いつソ連兵に殺されるか、いつ飢え死にするのか、もう限界でした」
イク子さんは、12歳で中国人に預けられ、14歳で強制的に結婚させられた。
「食べ物は私だけコーリャンのぬかと、小麦の皮で作ったものを食べさせられた。
これは鶏と豚に食べさせる家畜の飼料。私は人間でありながら家畜と同じものを3年間食べさせられた。
近所の人たちは、“あの家は嫁をもらったのではなく、ロバを買ってきた”と噂していた」
「帰国した時は嬉しくてたまりませんでした。
中国にいた時は、“外国人”“日本の鬼の子”と呼ばれ、差別を受けた。
帰国した日本では差別を受けなくて済むと心から安堵した」
やっと帰国して待っていたのは、中国人と結婚したことで、日本国籍が認められないということだった。
イク子さんは、国を相手に裁判を起こして、やっと国籍が認められた。
「戦後45年の長い間、国は私を中国に捨ておき、人生のいちばん大切な時、
少女時代、青春時代を奪い去り、そのうえ国籍まで奪うのでしょうか」
その2:身近
「戦争」と「平和」と言われても、日常生活の中ではなかなかピンとこないのが正直なところ。
3年前に取材中に射殺された山本美香さんが現地で撮った写真を通じて、同じ地元の都留市の学生が話し合うという取り組み。
地雷で手足を失った子どもたちの写真を見せて、家族と話し合うという課題が出された。
「ジャーナリストの人たちが伝えてくれた事、残してくれた事を、一生懸命、一緒に伝えていきたい」
「私が今ここにいて何かをできるのは、平和だから。幸せだから。
争いは小さいところからなくしたほうがいい。
例えば、誰かがケンカをしていたら見て見ぬふりをしないで止める。
ケンカをしないことはできないけれど、ケンカを減らすことはできる」
「慶応義塾と戦争」アーカイブ・プロジェクト
慶応に関わる資料だけを収集する取り組み
疎開先の子どもと親との手紙
曽祖父が残した日記には、「衛生兵」として関わった様子が詳細に記されていた。
「何十年経った後でも、その体験を話したくないというぐらい、辛い思いをしている人もいるということが分かりました」
戦争体験者の話を聞く学生
戦争体験者
「学徒出陣になると、海に沈んで死んでしまうかもしれない。飛行機で落とされるかもしれない。
潜水艦でやられてしまうかもしれない。命がなくなることについて切実な悩み、恐れと不安、
ものすごい葛藤だったと思う」
その3:同時性
戦争は今もどこかで起こっている。
今、さかんに議論されている「安保法制」や「集団的自衛権」の問題を授業に取り入れた。
副校長の熱意も凄いなあ!
「過去、現在、未来をつないで教育するのが、平和を守っていく上で大切」(副校長
「自分たちは何をすべきか?」と問いかけたら、あるグループは、立命館大学のキャンパスに行き、
留学生に「今の日本がどう見えるか」聞いてみることにした。
理由は、京都には外国人が身近にたくさんいて、外から見た日本の様々な意見を知りたかったから。
「集団的自衛権」のことは知らないという留学生たちに説明する学生
「戦争が出来ないのは前提だけど、武器の使える範囲は広がる。
そういう解釈が変わろうとしているけれども、それは海外から見てどう思いますか?」
「もし攻撃があったら守る方法がありません」
「これを変化させるのは、日本のイメージのためによくないと思います」
「(武器を使えなければ)役に立たないかもしれませんね」
(さすが、三者三様、それぞれの母国の立場からちゃんとした意見を言っていた
「いろいろな人の意見を聞くことで、全然違う意見があるんだなと思った。
そういうのも聞いて、吸収して、意見を持とうと思いました」
「自分から知ろうとして、調べようとして、全部、自分から動いていかないといけないと思いました」
【視聴者からのFAX】
【ブログ内関連記事】
シリーズ戦争遺跡5『歩いてみよう身近な戦争遺跡』(汐文社)
もっと沖縄を知りたい(後編)@あさイチ
女たちの戦争と平和資料館(館内内容メモ)
絵本平和のために『まちんと』松谷みよ子/文
『小型武器よさらば 戦いにかり出される児童兵士たち』(小学館) ほか
これまでも戦争について、いろんな角度から取り上げてきた「あさイチ」。
今回は、3つのキーワードをもとに、戦争体験者じゃない親から子どもに
「戦争」と「平和」をどう伝えたらいいのか、という視点で特集していた。
その1:同年代
女子高生3人が代表して、「中国残留孤児」だった奥山イク子さん(82)を訪ねて体験談を聞き、
自分たちなりに解釈して、クラスメイトにどう伝えたらいいかを考えるという取り組みを紹介。
イク子さん「私にとっては、思い出したくないことなんです、辛くて」
9歳の時に親に連れられて満州へ
「ソ連兵がたくさんいて、畑の中の私たちは、自動小銃を持ったソ連兵に包囲された。
畑の中で10日間も過ごしました。いつソ連兵に殺されるか、いつ飢え死にするのか、もう限界でした」
イク子さんは、12歳で中国人に預けられ、14歳で強制的に結婚させられた。
「食べ物は私だけコーリャンのぬかと、小麦の皮で作ったものを食べさせられた。
これは鶏と豚に食べさせる家畜の飼料。私は人間でありながら家畜と同じものを3年間食べさせられた。
近所の人たちは、“あの家は嫁をもらったのではなく、ロバを買ってきた”と噂していた」
「帰国した時は嬉しくてたまりませんでした。
中国にいた時は、“外国人”“日本の鬼の子”と呼ばれ、差別を受けた。
帰国した日本では差別を受けなくて済むと心から安堵した」
やっと帰国して待っていたのは、中国人と結婚したことで、日本国籍が認められないということだった。
イク子さんは、国を相手に裁判を起こして、やっと国籍が認められた。
「戦後45年の長い間、国は私を中国に捨ておき、人生のいちばん大切な時、
少女時代、青春時代を奪い去り、そのうえ国籍まで奪うのでしょうか」
その2:身近
「戦争」と「平和」と言われても、日常生活の中ではなかなかピンとこないのが正直なところ。
3年前に取材中に射殺された山本美香さんが現地で撮った写真を通じて、同じ地元の都留市の学生が話し合うという取り組み。
地雷で手足を失った子どもたちの写真を見せて、家族と話し合うという課題が出された。
「ジャーナリストの人たちが伝えてくれた事、残してくれた事を、一生懸命、一緒に伝えていきたい」
「私が今ここにいて何かをできるのは、平和だから。幸せだから。
争いは小さいところからなくしたほうがいい。
例えば、誰かがケンカをしていたら見て見ぬふりをしないで止める。
ケンカをしないことはできないけれど、ケンカを減らすことはできる」
「慶応義塾と戦争」アーカイブ・プロジェクト
慶応に関わる資料だけを収集する取り組み
疎開先の子どもと親との手紙
曽祖父が残した日記には、「衛生兵」として関わった様子が詳細に記されていた。
「何十年経った後でも、その体験を話したくないというぐらい、辛い思いをしている人もいるということが分かりました」
戦争体験者の話を聞く学生
戦争体験者
「学徒出陣になると、海に沈んで死んでしまうかもしれない。飛行機で落とされるかもしれない。
潜水艦でやられてしまうかもしれない。命がなくなることについて切実な悩み、恐れと不安、
ものすごい葛藤だったと思う」
その3:同時性
戦争は今もどこかで起こっている。
今、さかんに議論されている「安保法制」や「集団的自衛権」の問題を授業に取り入れた。
副校長の熱意も凄いなあ!
「過去、現在、未来をつないで教育するのが、平和を守っていく上で大切」(副校長
「自分たちは何をすべきか?」と問いかけたら、あるグループは、立命館大学のキャンパスに行き、
留学生に「今の日本がどう見えるか」聞いてみることにした。
理由は、京都には外国人が身近にたくさんいて、外から見た日本の様々な意見を知りたかったから。
「集団的自衛権」のことは知らないという留学生たちに説明する学生
「戦争が出来ないのは前提だけど、武器の使える範囲は広がる。
そういう解釈が変わろうとしているけれども、それは海外から見てどう思いますか?」
「もし攻撃があったら守る方法がありません」
「これを変化させるのは、日本のイメージのためによくないと思います」
「(武器を使えなければ)役に立たないかもしれませんね」
(さすが、三者三様、それぞれの母国の立場からちゃんとした意見を言っていた
「いろいろな人の意見を聞くことで、全然違う意見があるんだなと思った。
そういうのも聞いて、吸収して、意見を持とうと思いました」
「自分から知ろうとして、調べようとして、全部、自分から動いていかないといけないと思いました」
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