■『大島弓子選集 2 ミモザ館でつかまえて』(朝日ソノラマ)
「大島弓子書籍リスト」さんも参照させていただきました/礼
大島弓子(作家別カテゴリー)
2巻以降は、これまで読んだものもかぶってくるため、それらは「作家別カテゴリー」を参照のほど。
【収録作品】
●さよならヘルムート 1972年週刊マーガレット6号掲載
[あらすじ(ネタバレ注意)]
両親が交通事故で亡くなり、姉と暮らしているスズナは、夜中に虫歯が痛くなり、
近所の明日から開業するという歯医者に急いで診てもらう。
そこの歯医者にひと目惚れしてしまうスズナ。
映画『雨のエトランゼ』のヘルムート・バーガーに似ていると思い、ヘルムートと呼んで、診療が楽しみになる。
(『ルートヴィヒ』とかは観た気がする。ご健在!
ヘルムートの一人息子・八木沢幾が転入してくる。彼の母も早くに亡くなった。母はスズナ姉妹によく似ているという。
ヘルムートから「僕の精神的な助手になってくれたら嬉しい」と言われ、毎日のように料理を作りに行き、
幾に対しては義母のような態度で接するスズナ。
(妄想がたくましくて笑えるw
ヘルムートにスキーに誘われ、楽しみにしていたが、そこでヘルムートと姉が結婚することを知るスズナ。
「独り立ちって寂しいな。大人になるって・・・なんでも思い出になっちゃうってことかな」
●鳥のように 1972年別冊少女コミック5月号
[あらすじ(ネタバレ注意)]
山上愛のクラスの教師は女子生徒に人気だが、真面目すぎるのが残念。
だが、長男・月のすけ、次男・星のすけが急に学校にやって来て、おしめをかえる姿を見て、印象がガラリと変わり、
2人の子どもの世話を始めるアイ。月のすけの夢は母親とテレビに出て踊ること。
星のすけが高熱を出し、急性肺炎で危ないという時に、先生は出かけていて、
月のすけに聞くと、時々出かけるというので、後を尾けると、女性と会っていた。
校長から、2人の子どもを、子どもに恵まれない友人に預けないかと言われる教師。
月のすけは2~3日だと思って岡山まで行くが、ずぅっとと知って、「アイに会う」と言って家を飛び出したという。
アイは、先生の奥さんが精神病院で亡くなったと聞く。
先生はもう2人の子をどこにもやらないと約束する。
アイは転校して、大学卒業後、ライターになり、「よかったら来て下さい。待ってます」と先生から手紙をもらう。
●星にいく汽車 1972年週刊マーガレット22号掲載
[あらすじ(ネタバレ注意)]
ナナとヒサコは、大の男嫌いで、男性教師を質問攻めにして、これまで3人も辞表を出させた。
出産間近の担任は、臨時教師の高澄に「気をつけて」と忠告する。
その日に産気づいて、適切な処置をした高澄を見て、ヒサコは本気の恋をしてすっかり変身する。
高澄にどうして2人が大の男嫌いになったかを明かすヒサコ。
ヒサコは、父が母の亡くなった半年後に再婚したのがキッカケ。
ナナは、7歳の時の初恋の相手が、何も言わずに引っ越してしまったのがキッカケ。
あだ名が「せんろ」ということだけで、なにも手がかりがなく、それっきり。
『キャンディ・キャンディ』のアルバートさんみたい
ナナは高澄のノートの詩を読み、せんろを思い出し、下の名が千拡(ちひろ)で、彼が「せんろ」だったと気づく。
だが、高澄の部屋に行くと、ヒサコと裸で寝ているところを見てしまう。
臨時教師は1カ月で、あとは北海道へ菌類の研究をするという高澄の話を聞き、
早まったヒサコは、料理に幻覚剤(!)を入れて、ムリヤリした計画だったと明かす。
高澄は責任をとって結婚するという。
式当日、いたたまれず式場に行くと、ヒサコはドレスを脱いで、ナナに着せる。
「ほんとは、あの夜、先生を寝かせて、手を握ってそばにいただけなの」
ヒサコは、高澄がせんろだと知って、本気の恋を諦める。
●わたしはネプチューン 1972年別冊少女コミック7月号掲載
[あらすじ(ネタバレ注意)]
再婚した父を恨んで、奨学金だけで一人暮らしを始めた杏子。
父から、養母の息子がドイツから帰ってくると手紙が来るが破り捨てる。
そこに現れた謎の青年ミツル。翌日、女子校にまで現れる。
ミツルはキョウコを、かつて住んでいた家に連れていく。今は人手に渡っている。
母は女の子が欲しがっていたと話す。
心配してキョウコの部屋にくる両親。
養母は、父と幼なじみで、夫が亡くなった時に助けてくれたのが縁だったと話す。
そこにミツルが現れ、彼が養母の息子と分かり、淡い恋心が砕かれるキョウコ。
養母が自分を愛してくれていることを知り、家に戻り、ミツルには手紙を書く。
「アフリカの法律が知りたいのです。そこでは、義理の兄と妹が結婚するのはタブーでしょうか?」
●なごりの夏の 1972年週刊少女コミック37号掲載
[あらすじ(ネタバレ注意)]
美野は、担任の島崎が生き別れた父と勘違いして、これまで夢見てきたあらゆることをしてあげようとはりきりすぎる。
島崎のフィアンセの島崎麗子は、ヨシノのあまりの積極性に呆れつつ、嫉妬する。
ヨシノは、島崎の家にまで押しかけて、母が亡くなり、実の父は島崎先生だと聞いた話を涙ながらに語る。
実は、ヨシノの父は麗子の父。病床にあり、先が長くない。昔、愛した美矢(ヨシノの母)をまだ想っている。
島崎の母も幼い頃亡くなったので(なんでこんなに親がいない登場人物ばかりなのだろう???)、ヨシノの気持ちはよく分かる。
ヨシノが島崎と暮らしていることが学校にバレて、クビになるという。
麗子の父は、ヨシノを見て、ひと目で美矢の娘と分かり、麗子らに話してから息を引き取る。
ヨシノは、そうとは知らないまま、北海道に帰るといい、島崎は父としてではなく愛していることを伝える。
麗子も姉妹だと知らずに意地悪をしてしまったことを謝り、電車を見送る。
以下の作品は既読。
「雨の音がきこえる」 1972年別冊少女コミック10、11月号掲載
「風車」 1972年週刊少女コミックお正月大増刊(12月24日号)フラワーコミック掲載
「つぐみの森」 1973年別冊少女コミック3月号掲載
●ミモザ館でつかまえて 1973年週刊マーガレット12号掲載
[あらすじ(ネタバレ注意)]
園部春子は、男子校の新任教師としてやって来て、お金がないため、1カ月1万円でいいという下宿に行くが、
そこは豪邸で、怠惰で若い青年・亜麗1人しか住んでいない。「条件は、お互いのプライバシーを侵害しないこと」
初出勤で遅刻したのは、亜麗が家中の時計を1時間遅らせたから。
毎日、2時間目から登校し、バンド活動に明け暮れ、母は亡く、問題児だから気をつけてと教えてくれる隣りの担任・米戸。
(クラスメイトの名前が、沖田総司、近藤勇、草下亜麗って・・・w
ビートルズ風
ハルコは、アレイが自分のクラスの生徒だと知ってうろたえ、
最初の給料が入ったら、別の下宿先を探そうと決める。
しかし、その日から亜麗は別人のように真面目な生徒に変わる(なんだか『風と木の詩』と思い起こさせる
ハルコを侮辱する貼り紙を破り捨てたり、ハルコに英語を習いたいという3年生とケンカしたり。
「先生がずっとこの館に来月もいるなら下宿代いらないよ」と言われるが、
生徒と教師が一緒に住むのは問題だからやはり移るというハルコ。
その翌朝、突然、ハルコは亜麗からキスされて驚く。
米戸は、仲の悪い1組と2組でバスハイクに行こうとハルコに提案する。
亜麗がずっと待っていた父からの手紙に、イギリスの女性と結婚するから、亜麗も来ないかと誘われ、亜麗は悩んで泣く。
米戸はハルコにプロポーズして、ハルコが受けるのを聞いて、亜麗は衝動的に海に飛び込み、親友の近藤が助けにいく。
父が、新しい母となるアンジェーラを連れて、5年ぶりに館に来るが、時すでに遅く、亜麗は肺炎で亡くなる。
【書き下ろしマンガエッセイ】
大島さんは「アレクサンダー」という名前が好き。
「雨の音がきこえる」は「ステロタイプマンガ」(紋切り型ってこと?!
いろんな書き方があるんだなあ/驚
でも、この書き方は倍時間がかかって疲れるため、一番合理的なのは、
1人のキャラクターがテーマもエピソードも全部内包して現れること。
「ミモザ館でつかまえて」は「ライ麦畑でつかまえて」の変型タイトル。
後になって読者から「ミモザ館」という映画や本があると言われたが、全然知らなかった。
「大島弓子書籍リスト」さんも参照させていただきました/礼
大島弓子(作家別カテゴリー)
2巻以降は、これまで読んだものもかぶってくるため、それらは「作家別カテゴリー」を参照のほど。
【収録作品】
●さよならヘルムート 1972年週刊マーガレット6号掲載
[あらすじ(ネタバレ注意)]
両親が交通事故で亡くなり、姉と暮らしているスズナは、夜中に虫歯が痛くなり、
近所の明日から開業するという歯医者に急いで診てもらう。
そこの歯医者にひと目惚れしてしまうスズナ。
映画『雨のエトランゼ』のヘルムート・バーガーに似ていると思い、ヘルムートと呼んで、診療が楽しみになる。
(『ルートヴィヒ』とかは観た気がする。ご健在!
ヘルムートの一人息子・八木沢幾が転入してくる。彼の母も早くに亡くなった。母はスズナ姉妹によく似ているという。
ヘルムートから「僕の精神的な助手になってくれたら嬉しい」と言われ、毎日のように料理を作りに行き、
幾に対しては義母のような態度で接するスズナ。
(妄想がたくましくて笑えるw
ヘルムートにスキーに誘われ、楽しみにしていたが、そこでヘルムートと姉が結婚することを知るスズナ。
「独り立ちって寂しいな。大人になるって・・・なんでも思い出になっちゃうってことかな」
●鳥のように 1972年別冊少女コミック5月号
[あらすじ(ネタバレ注意)]
山上愛のクラスの教師は女子生徒に人気だが、真面目すぎるのが残念。
だが、長男・月のすけ、次男・星のすけが急に学校にやって来て、おしめをかえる姿を見て、印象がガラリと変わり、
2人の子どもの世話を始めるアイ。月のすけの夢は母親とテレビに出て踊ること。
星のすけが高熱を出し、急性肺炎で危ないという時に、先生は出かけていて、
月のすけに聞くと、時々出かけるというので、後を尾けると、女性と会っていた。
校長から、2人の子どもを、子どもに恵まれない友人に預けないかと言われる教師。
月のすけは2~3日だと思って岡山まで行くが、ずぅっとと知って、「アイに会う」と言って家を飛び出したという。
アイは、先生の奥さんが精神病院で亡くなったと聞く。
先生はもう2人の子をどこにもやらないと約束する。
アイは転校して、大学卒業後、ライターになり、「よかったら来て下さい。待ってます」と先生から手紙をもらう。
●星にいく汽車 1972年週刊マーガレット22号掲載
[あらすじ(ネタバレ注意)]
ナナとヒサコは、大の男嫌いで、男性教師を質問攻めにして、これまで3人も辞表を出させた。
出産間近の担任は、臨時教師の高澄に「気をつけて」と忠告する。
その日に産気づいて、適切な処置をした高澄を見て、ヒサコは本気の恋をしてすっかり変身する。
高澄にどうして2人が大の男嫌いになったかを明かすヒサコ。
ヒサコは、父が母の亡くなった半年後に再婚したのがキッカケ。
ナナは、7歳の時の初恋の相手が、何も言わずに引っ越してしまったのがキッカケ。
あだ名が「せんろ」ということだけで、なにも手がかりがなく、それっきり。
『キャンディ・キャンディ』のアルバートさんみたい
ナナは高澄のノートの詩を読み、せんろを思い出し、下の名が千拡(ちひろ)で、彼が「せんろ」だったと気づく。
だが、高澄の部屋に行くと、ヒサコと裸で寝ているところを見てしまう。
臨時教師は1カ月で、あとは北海道へ菌類の研究をするという高澄の話を聞き、
早まったヒサコは、料理に幻覚剤(!)を入れて、ムリヤリした計画だったと明かす。
高澄は責任をとって結婚するという。
式当日、いたたまれず式場に行くと、ヒサコはドレスを脱いで、ナナに着せる。
「ほんとは、あの夜、先生を寝かせて、手を握ってそばにいただけなの」
ヒサコは、高澄がせんろだと知って、本気の恋を諦める。
●わたしはネプチューン 1972年別冊少女コミック7月号掲載
[あらすじ(ネタバレ注意)]
再婚した父を恨んで、奨学金だけで一人暮らしを始めた杏子。
父から、養母の息子がドイツから帰ってくると手紙が来るが破り捨てる。
そこに現れた謎の青年ミツル。翌日、女子校にまで現れる。
ミツルはキョウコを、かつて住んでいた家に連れていく。今は人手に渡っている。
母は女の子が欲しがっていたと話す。
心配してキョウコの部屋にくる両親。
養母は、父と幼なじみで、夫が亡くなった時に助けてくれたのが縁だったと話す。
そこにミツルが現れ、彼が養母の息子と分かり、淡い恋心が砕かれるキョウコ。
養母が自分を愛してくれていることを知り、家に戻り、ミツルには手紙を書く。
「アフリカの法律が知りたいのです。そこでは、義理の兄と妹が結婚するのはタブーでしょうか?」
●なごりの夏の 1972年週刊少女コミック37号掲載
[あらすじ(ネタバレ注意)]
美野は、担任の島崎が生き別れた父と勘違いして、これまで夢見てきたあらゆることをしてあげようとはりきりすぎる。
島崎のフィアンセの島崎麗子は、ヨシノのあまりの積極性に呆れつつ、嫉妬する。
ヨシノは、島崎の家にまで押しかけて、母が亡くなり、実の父は島崎先生だと聞いた話を涙ながらに語る。
実は、ヨシノの父は麗子の父。病床にあり、先が長くない。昔、愛した美矢(ヨシノの母)をまだ想っている。
島崎の母も幼い頃亡くなったので(なんでこんなに親がいない登場人物ばかりなのだろう???)、ヨシノの気持ちはよく分かる。
ヨシノが島崎と暮らしていることが学校にバレて、クビになるという。
麗子の父は、ヨシノを見て、ひと目で美矢の娘と分かり、麗子らに話してから息を引き取る。
ヨシノは、そうとは知らないまま、北海道に帰るといい、島崎は父としてではなく愛していることを伝える。
麗子も姉妹だと知らずに意地悪をしてしまったことを謝り、電車を見送る。
以下の作品は既読。
「雨の音がきこえる」 1972年別冊少女コミック10、11月号掲載
「風車」 1972年週刊少女コミックお正月大増刊(12月24日号)フラワーコミック掲載
「つぐみの森」 1973年別冊少女コミック3月号掲載
●ミモザ館でつかまえて 1973年週刊マーガレット12号掲載
[あらすじ(ネタバレ注意)]
園部春子は、男子校の新任教師としてやって来て、お金がないため、1カ月1万円でいいという下宿に行くが、
そこは豪邸で、怠惰で若い青年・亜麗1人しか住んでいない。「条件は、お互いのプライバシーを侵害しないこと」
初出勤で遅刻したのは、亜麗が家中の時計を1時間遅らせたから。
毎日、2時間目から登校し、バンド活動に明け暮れ、母は亡く、問題児だから気をつけてと教えてくれる隣りの担任・米戸。
(クラスメイトの名前が、沖田総司、近藤勇、草下亜麗って・・・w
ビートルズ風
ハルコは、アレイが自分のクラスの生徒だと知ってうろたえ、
最初の給料が入ったら、別の下宿先を探そうと決める。
しかし、その日から亜麗は別人のように真面目な生徒に変わる(なんだか『風と木の詩』と思い起こさせる
ハルコを侮辱する貼り紙を破り捨てたり、ハルコに英語を習いたいという3年生とケンカしたり。
「先生がずっとこの館に来月もいるなら下宿代いらないよ」と言われるが、
生徒と教師が一緒に住むのは問題だからやはり移るというハルコ。
その翌朝、突然、ハルコは亜麗からキスされて驚く。
米戸は、仲の悪い1組と2組でバスハイクに行こうとハルコに提案する。
亜麗がずっと待っていた父からの手紙に、イギリスの女性と結婚するから、亜麗も来ないかと誘われ、亜麗は悩んで泣く。
米戸はハルコにプロポーズして、ハルコが受けるのを聞いて、亜麗は衝動的に海に飛び込み、親友の近藤が助けにいく。
父が、新しい母となるアンジェーラを連れて、5年ぶりに館に来るが、時すでに遅く、亜麗は肺炎で亡くなる。
【書き下ろしマンガエッセイ】
大島さんは「アレクサンダー」という名前が好き。
「雨の音がきこえる」は「ステロタイプマンガ」(紋切り型ってこと?!
いろんな書き方があるんだなあ/驚
でも、この書き方は倍時間がかかって疲れるため、一番合理的なのは、
1人のキャラクターがテーマもエピソードも全部内包して現れること。
「ミモザ館でつかまえて」は「ライ麦畑でつかまえて」の変型タイトル。
後になって読者から「ミモザ館」という映画や本があると言われたが、全然知らなかった。