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少年探偵シリーズ31『赤い妖虫』(ポプラ社)

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■少年探偵シリーズ31『赤い妖虫』(ポプラ社)
江戸川乱歩/作 柳瀬茂/カバー絵・挿し絵 1970年初版 1991年第34刷 618円

※notes and movies(1998.7~)からの転記。
「作家別」カテゴリーに追加しました。

一度、2009-08-08に読んだメモがあるが、改めて追加。


▼あらすじ(ネタバレ注意
相川少年と、姉の珠子は、家庭教師・殿村と喫茶店で、先生の読唇術で殺人話を知る。

探偵好きの相川くんは、話に出てきた化け物屋敷で、美少女バレリーナの殺人現場を目撃する。
呼んだ刑事が井戸の中に死体を発見する。

次の殺人予告を受けた珠子にも、赤サソリの死骸が忍び寄り、相川くんは明智に頼もうと事務所を訪ねて、
ニセ明智に落とし穴に落とされる。
そこにいたのは、その前に落とされた明智本人!

平然と七つ道具を出して、自在に伸びる棒と、縄ばしごで這い上がる。

その間、ニセモノは、相川くんと珠子を見世物小屋に誘い、運転手に化けた明智が救出しようとするが、
岩から出た人の手に背を刺されて重傷を負い、犯人は逃げ、
その後、銀座のショーウィンドウに死体となった珠子がマネキンのように置かれていた!

相川くんは、入院中の明智を訪ね、半狂人になった姿に驚くが、敵を欺く芝居。
殺人鬼が常に箱や入れ物に入っているという不気味な秘密に探偵生命を賭けると宣言する。

珠子の友で美少女バイオリニストの品子が次に狙われ、
窓に巨大サソリを目撃し、取り押さえた相川くんは、
相手が子どものように小さく弱いことに気づき、油断したところを仲間に誘拐され、
サソリのぬいぐるみの中に入れられ、ニセ刑事に運び去られ、殺人予告状が届く。

明智はすっかり信用を失ったかに見えたが、犯人当ての解説を始める。

犯人は殿村で、自分の醜さと、一寸法師の不具な娘のことで世を憎み、
教師として被害者に近づいては殺していたと明かす。
他の犯人と同様、彼女は毒を飲んで自殺を遂げるラスト。

今回は怪人二十面相が赤サソリの着ぐるみで世間を驚かせる話ではない。
犯人はカンタンに分かったけど、子どものような共犯者の正体が分からず、不気味さが漂う事件だった。

きっと映画にしたら、ドロドロした松本清張系の恐怖映画になるだろうな。



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