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『なぜハクビシン・アライグマは急にふえたの?』(農山漁村文化協会)

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シリーズ鳥獣害を考える6『なぜハクビシン・アライグマは急にふえたの?』(農山漁村文化協会)

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実家からクルマで10分ほどのところにある、猫の額くらいの家庭菜園で
両親は食べきれないほどの、あらゆる野菜を育てているのだが、
毎年イノシシが出て荒す話は聞いてたけど、今年は「ハクビシンにやられた」と言っていて、
ハクビシンって誰だっけ?と調べたら、あら、かあいい

でも、彼らもヒトによって害獣扱いになって、大量に殺処分されているのか

今回は、ペットとして輸入され、扱いに困って捨てられて野生化したアライグマのような「外来動物」の話もよく分かる1冊。
まさか、増えたきっかけが、あの大好きなアニメ『あらいぐまラスカル』だったなんて!
しかも、「ラスカル」って「やんちゃ坊主」て意味だそう。

『ラッシー』やチワワのCMもそうだけど、日本人はミーハーな国民性があるよね


【内容抜粋メモ】

ハクビシン
漢字で書くと「白鼻芯」。額から鼻にかけて白いすじが特徴。
もともと日本にいた動物ではなく、東南アジアから連れてこられた可能性がある珍獣だった。

夜行性
もともとは森林の木の穴に住む。

トイレは水洗
一定の場所に糞をまとめてする習性がある(ためふん)ため、池、川、用水路、側溝などに糞をして水の中に隠す。

木登り上手

爪をたてるのではなく、吸盤のように木に足を密着させる

小さい穴をくぐる

直径10cmでも頭が入れば、体をスクリュー回転させて進む

約1m、垂直にジャンプできる

ジャコウネコ科
ジャコウネコはおしり付近から出す液体が、香水の原料になるが、ハクビシンのにおいはとても臭い。
(じゃあ、ジャコウネコも相当、乱獲されたってことだね・・・


アライグマ


目の周りが黒い&尾に黒い縞模様がある。
北アメリカ原産だが、1970年代、ペットとして日本に大量に持ち込まれた。
もともと日本にいた動物ではないので、習性・行動はよく分かっていない。

水辺近くの森林地帯が生活圏。
夜行性。

手を洗っているのではない/驚
水の中に前脚を入れて獲物を探す仕草が、そう見えた。
水の中を泳ぐわけではなく、浅いところを歩いて、水生動物や昆虫を食べる。

木登り上手
長くて鋭い爪を使って、7~8mは軽く登る。

狭い隙間大好き♪
顔が入れば、体を平べったくして狭いところにも入れる。
隙間が好きで、穴など見るとすぐ顔を突っ込みたがる(にゃんこみたいw


【間違われやすい中型の動物】

レッサーパンダ:動物園にしかいない。
タヌキ:両目の黒い部分はつながっていない。
アナグマ:目の黒い部分は縦に伸びている。


なぜ害獣になったのか


アニメ『あらいぐまラスカル』の影響で、ペット業者がどんどん輸入した。
赤ちゃんはとても可愛いが、6ヶ月もすれば手に負えない乱暴者になってしまう。
捨てるヒトが続出し、野生化し、増加した。
※アライグマは、機嫌が悪いと飼い主にも噛みつく(ラスカルの叫び声ってけっこう怖かったよ


それまでは棲み分けていたハクビシンとアナグマ


ハクビシンはケンカ好きではないため、ねぐらと食べ物さえあれば、他の動物がいても、平和に共存していた。
しかし、アライグマは凶暴で、あらゆる空間を独り占めしてしまい、
それまで目立たなかったハクビシンが、ヒトの目にも触れるようになった。


雑食性が増加の原因の1つ


ハクビシンもアライグマも雑食性。食べられるものが多いと生き延びる可能性も高まる。
とくにアライグマは、手当たり次第なんでも食べる。


放置された農作物がエサになる(どの本も原因は似たり寄ったりだね

落下した果実が捨てられたままのミカン園

1.収穫期を過ぎて、商品として出荷できない果実
2.花が咲いてしまった野菜
3.熟しすぎて落下した果実

などがそのまま放置されていると、ハクビシンやアライグマが食べにくる。


生ゴミがエサになる
家庭の生ゴミ、虫に食われた農作物を、畑に肥やし代わりに埋めると、
自然で得るエサに比べて栄養価が高いエサとなり、ますます個体数が増す。


天井裏に棲みつくハクビシン
順応性が高いハクビシンは、家屋の天井裏をねぐらにする。
高い場所が得意で、外敵にも狙われず、子どもを守るのにも最適。
繁殖時期は、1年に1回、2~4頭産む。


壁の隙間に入るアライグマ


家屋の天井裏、物置小屋をねぐらとし、出産・子育ては壁の隙間がよく使われる。
繁殖時期は、3~5月、1年に1回、3~6頭産む。


過疎化も影響
侵入されやすいのは、神社、木造の集会所、廃校、空き家などヒトの出入りが少ない場所。


自由自在な移動能力

細い針金の上を歩くハクビシン(スゴイ!!

ヒトのいる所には必ず電線がある。それをつたって家屋に近寄る。

市街地では側溝、農村では、用水路をつたって歩くアライグマ



「外来生物」の問題点
ハクビシンは「在来生物」、アライグマは「外来生物」。

1.「外来生物」は「在来生物」のエサを横取りして絶滅させ、生態系のバランスを崩す恐れがある。
2.もともと日本になかった「病気」を「在来生物」やヒトに感染させる恐れがある。


2005年、アライグマを「特定外来生物」に指定
1.輸入、飼育は原則禁止
2.許可をとれば駆除できる。
※ハクビシンは「在来生物」なので、一方的な駆除の対象にされていない。


農作物の被害
スイカ畑は、被害が多い。食べ方の違いで、どちらが食べたか分かる/驚

アライグマは穴を開けて、前足を入れて食べる。


ハクビシンはグシャグシャに食べ散らかす(動物はマナーなんて習わないもんね



果樹の被害
ナシ、ブドウ園も被害が多い。
アライグマは実際食べなくても、引っ掻き傷をつけると売り物にならない。


トウモロコシ
2人ともトウモロコシが大好きなので、狙われやすい。


ビニールハウスの被害
アライグマは小さな隙間から強引に入って、穴を広げる。


飼育動物、家畜の被害
学校、家庭のウサギや小鳥がアライグマに襲われるケースもある。
養鶏場では、雛が連れ去られたり、卵を盗まれたりした。
家畜飼料を盗むこともある。
アライグマは水生動物も好きなので、池の鯉や鮒、金魚鉢の金魚も食べられる。
(それをゆったら、ヒトが食べてる動物の量、捨ててる量のほうが甚大だ


家屋の被害
1.床下の通風口を壊す
2.外壁を破く
3.断熱材を引き剥がす
4.大量の糞尿で汚れる


騒音、においの被害
1.夜中に動き回る音、鳴き声(実家はネズミがよく走ってるけどね、天井も、壁の中も、部屋の中も!
2.くさいにおい
3.ノミ、ダニの発生


ゴミを食べ散らかす
飲み残しの缶ジュースは、甘いものが大好きなハクビシンに狙われる。


「アライグマ回虫」
アライグマの小腸に寄生し、卵は糞といっしょに排泄される。
それをヒトが誤って口に入れると、重度の脳障害を引き起こす。
日本でのヒトへの感染は報告されていない。


私たちにできること

生ゴミを放置しない
ゴミ出しの時間を守る。夜に出すと、エサを与えているのと同じ。

庭の果実をとり残さない
ハクビシンやアライグマを呼び寄せる(ヒトも来るよね

ペットのエサを放置しない

登山、ハイキング、バーベキューでのゴミは持ち帰る

家屋への侵入を防ぐ
1.通風口などの侵入口をふさぐ。
2.屋根にのぼれそうな庭木の枝は切り落とす。
3.用水路、側溝を頻繁に掃除するとアライグマは警戒する。
4.空き家を定期的に見回る。


対策例
1.収穫物を、ハクビシンやアライグマの手の届かない場所に保管する。
2.早めに収穫する。
3.出荷しないものは、早めに処分する。
4.雑草を刈って、田畑の見通しをよくし、近づきにくくする。
5.「電気柵」でイヤな場所だと覚えさせる。

ハクビシン・アライグマ用の罠


ハクビシン用に開発された「白落くん」と呼ばれる「電気柵」。登らせて感電させる。



被害の統計
ハクビシン、アライグマによる農作物被害額


ハクビシン、アライグマの捕獲数




ペットは最後まで責任をもって飼育する
「死ぬまで面倒をみる」という最低限の責任を自覚する必要がある。

【飼う時のポイント】
1.成長すると、どれぐらい大きくなるのか?
2.どんな性格か?
3.どれくらい生きるのか?


今、ハクビシンやアライグマは、年に数千頭も捕獲され、殺されています。
彼らをよく知り、考えることが大切。


しってるかな?外来生物(環境省自然環境局)




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