デビッド・ボウイさん追悼/写真特集
東京ドーム公演で熱唱するデビッド・ボウイさん(写真は90年5月15日)
ヒット曲のオンパレード! 90年に東京ドームで行われたデヴィッド・ボウイさんのライブ映像がYouTubeに登場
“彼がさかのぼること25年前(!)に行ったライブツアー、「Sound + Vision Tour」。
このとき東京ドームにて2日間行われたフルセット・ライブ映像が、現在動画サイトYouTubeに投稿されています。
当時のボウイさん、「このツアーで過去の曲を封印する」と宣言していた模様。”
*
【1990.5.16 DAVID BOWIE WORLD TOUR@東京ドーム】
人生最良の日。
まぎれもなく、予感通り、この日のことを忘れてしまうだろうけど、
これから何十年生きることになろうと、
確かに、私の人生の中で最高の感動をもたらした、彼の幻の世界。
(この日の自分の服装がイラストで描いてあるけど、それはさすがに省きますw
ちなみに、この日のために買った黒い帽子→後に全然かぶらないままフリマで黒人男性に安く売った
白いブラウス、母からもらった変わったネックレス、黒いイヤリング、黒いヒール
まだまだライヴ慣れしてないために、街に出掛けるような感覚だな
早く会場に着きすぎて、友だちNちゃんの友だち、Sさんと早めの軽い夕食(私はミックスピザ)を食べる。
17時開場。ダフ屋がいっぱい。
ファストフードショップではボウイの曲が流れている。
23gateは、とんでもない外れで、雨はザンザン降るし、とんでもなかった
Nちゃんが電話で真っ先にとってくれたから期待してたけど、
ほとんど左の端から小指大のボウイを、側面から観るといった席だった
(セットのイラストも描いてある。真ん中がステージ。その周りをアンコールワット遺跡のような
レリーフで額のようにふちどってあり、暗くなると赤っぽく発光する仕掛け。
その両端にスクリーンがあって、短編映画風な演出もあり
本当に限られた空間で、走り回るゆとりもなく、ワゴンみたいのに乗って観客の上を飛ぶみたいな演出もなかった。
ただ真ん中のステージにもスクリーンが下がり、時々素敵な短編映画風に作ってあるボウイの映像が同時に楽しめるのは奇抜で粋だった。
18:30開演が、例のごとくじらされて、じらし過ぎで、始まったのはやっと19時ちょっと過ぎてから。
それまで17時から会場入りしていた私たちは行儀よく座って、他の客を見ていた。
そういえば、松岡英明が妙なメガネをかけて来ていた。
すごく奇妙な連中もかなりいた。
修学旅行中みたいな学生までいた。
19:20頃に開演。
なぜか荘厳な第九が流れて、照明が暗くなり、皆一斉に立ち上がり、
もちろん♪SPACE ODDITY から。もう私は涙があふれそうだった。
雑誌に載っていたセットリスト通りに進んでいく。
あらかじめアルバム『Changesbowie(1990)』と『Hunky Dory(1971)』を聴いていったのもよかった。
でなければ、せっかくの歴史的瞬間にもなにがなんだか分からないまま乗り遅れたことだろう。
私はただただ、小さくていいから、彼の印象の一部分に加わりたくて、
こちらを向くたびに手を振ったり、拍手したりした
時々、ボウイはこちらに手を振ってくれた
私に振ってくれたんだと思っている←みんなそう思うんだよね
背が高くてよかったと、初めて得した気分。
だいたい前奏だけで、会場が沸きあがり、次がどの曲なのか、すっかり分かっている様子で、
黄色い歓声も飛び交っていたので、ボウイもノっている様子。
ギターソロも聴かせてくれたし、お得意の複雑な動きをスムースに繰り返すパフォーマンスや、
ジギーの頃のフィルム、金髪女性の激しいダンス、次から次へとスクリーンいっぱいに
惜しげもなくボウイの魅力がいっぱい詰め込まれた映像が流されて、
歌っている本人にさえ時々目がいかなくなるほどだったけど、彼はそれを狙っていたのかな?
*
合間、15分もの長い休憩が入る。
珍しいことだ、Nちゃんは「歳をとったから」と言っていたけれど、
彼なりに意図があるんだと思いたい。
*
♪Suffragette City では、ほとんどメチャクチャのロックのノリで
ドーム後部からの強いライトが1階席中をパアッと照らしたため、
私たちは気絶寸前までのめりこんだ。
コンサートを通じて観客のマナーもよかった。
♪Life on mars? の時だったか、それまでの激しいテンポから一転して
限りなく静かなバラードになったのにもピッタリついていって、
みんな彼の生ギターと声に骨の髄から聴き惚れた
ラストの曲が終わって、当然のごとく鳴り響くアンコールの拍手にバンドはすぐに出てきてくれた。
すべてがあっという間だった。
分かりきっていたことなのに、改めて痛感した。
彼はすでに誰のものでもない。
地上のものでもないことを。
ボウイのステージ、そして彼自身は、青や赤、色とりどりの空気で成った夢なんだ。
これこそが本物の幻だ。
映像と、音楽と、この場の空気。
会場の大勢の観客が、一度にひとつの幻影を体験した。
完全な宇宙意思的世界を、私は体で汗を流しながら受け止めた。
たしかに受け止めたんだ。
2度目の照明がつき、会場は一時的に沸いたが、とうとう戻って来なかった。
この日の体験は、日を追うごとにさらに得体の知れぬ、つかみどころのないものに薄れ、消えてしまうことだろう。
でも、私たちは実際、現実に、彼の最後になるかもしれない、ワールドツアーを自分たちの体で経験した。
終わったのは21:30頃だったろうか。
例のごとく、オッサンたちがどこで手に入れたかも分からないグッズ
(Tシャツ、バッジ、キャップ、スナップ等)を売っているのを横目に、早足で電車に乗る
もう22:10になっていたので、心地よい電車の振動に体を任せながら少し眠った
最寄駅には23時回った頃に着き、2人でたこ焼きを買って、タクシーでアパートに戻った。
もう彼は、ホテルで休んでいるだろうか?
それとも、もう次の会場へ向けて成田から離陸したのだろうか?
チケット 7000円
パンフレット 2000円
21日ラジオ、27日は衛星放送で流れるそう。どちらも不可能。
5.20 2:30am. 記
東京ドーム公演で熱唱するデビッド・ボウイさん(写真は90年5月15日)
ヒット曲のオンパレード! 90年に東京ドームで行われたデヴィッド・ボウイさんのライブ映像がYouTubeに登場
“彼がさかのぼること25年前(!)に行ったライブツアー、「Sound + Vision Tour」。
このとき東京ドームにて2日間行われたフルセット・ライブ映像が、現在動画サイトYouTubeに投稿されています。
当時のボウイさん、「このツアーで過去の曲を封印する」と宣言していた模様。”
*
【1990.5.16 DAVID BOWIE WORLD TOUR@東京ドーム】
人生最良の日。
まぎれもなく、予感通り、この日のことを忘れてしまうだろうけど、
これから何十年生きることになろうと、
確かに、私の人生の中で最高の感動をもたらした、彼の幻の世界。
(この日の自分の服装がイラストで描いてあるけど、それはさすがに省きますw
ちなみに、この日のために買った黒い帽子→後に全然かぶらないままフリマで黒人男性に安く売った
白いブラウス、母からもらった変わったネックレス、黒いイヤリング、黒いヒール
まだまだライヴ慣れしてないために、街に出掛けるような感覚だな
早く会場に着きすぎて、友だちNちゃんの友だち、Sさんと早めの軽い夕食(私はミックスピザ)を食べる。
17時開場。ダフ屋がいっぱい。
ファストフードショップではボウイの曲が流れている。
23gateは、とんでもない外れで、雨はザンザン降るし、とんでもなかった
Nちゃんが電話で真っ先にとってくれたから期待してたけど、
ほとんど左の端から小指大のボウイを、側面から観るといった席だった
(セットのイラストも描いてある。真ん中がステージ。その周りをアンコールワット遺跡のような
レリーフで額のようにふちどってあり、暗くなると赤っぽく発光する仕掛け。
その両端にスクリーンがあって、短編映画風な演出もあり
本当に限られた空間で、走り回るゆとりもなく、ワゴンみたいのに乗って観客の上を飛ぶみたいな演出もなかった。
ただ真ん中のステージにもスクリーンが下がり、時々素敵な短編映画風に作ってあるボウイの映像が同時に楽しめるのは奇抜で粋だった。
18:30開演が、例のごとくじらされて、じらし過ぎで、始まったのはやっと19時ちょっと過ぎてから。
それまで17時から会場入りしていた私たちは行儀よく座って、他の客を見ていた。
そういえば、松岡英明が妙なメガネをかけて来ていた。
すごく奇妙な連中もかなりいた。
修学旅行中みたいな学生までいた。
19:20頃に開演。
なぜか荘厳な第九が流れて、照明が暗くなり、皆一斉に立ち上がり、
もちろん♪SPACE ODDITY から。もう私は涙があふれそうだった。
雑誌に載っていたセットリスト通りに進んでいく。
あらかじめアルバム『Changesbowie(1990)』と『Hunky Dory(1971)』を聴いていったのもよかった。
でなければ、せっかくの歴史的瞬間にもなにがなんだか分からないまま乗り遅れたことだろう。
私はただただ、小さくていいから、彼の印象の一部分に加わりたくて、
こちらを向くたびに手を振ったり、拍手したりした
時々、ボウイはこちらに手を振ってくれた
私に振ってくれたんだと思っている←みんなそう思うんだよね
背が高くてよかったと、初めて得した気分。
だいたい前奏だけで、会場が沸きあがり、次がどの曲なのか、すっかり分かっている様子で、
黄色い歓声も飛び交っていたので、ボウイもノっている様子。
ギターソロも聴かせてくれたし、お得意の複雑な動きをスムースに繰り返すパフォーマンスや、
ジギーの頃のフィルム、金髪女性の激しいダンス、次から次へとスクリーンいっぱいに
惜しげもなくボウイの魅力がいっぱい詰め込まれた映像が流されて、
歌っている本人にさえ時々目がいかなくなるほどだったけど、彼はそれを狙っていたのかな?
*
合間、15分もの長い休憩が入る。
珍しいことだ、Nちゃんは「歳をとったから」と言っていたけれど、
彼なりに意図があるんだと思いたい。
*
♪Suffragette City では、ほとんどメチャクチャのロックのノリで
ドーム後部からの強いライトが1階席中をパアッと照らしたため、
私たちは気絶寸前までのめりこんだ。
コンサートを通じて観客のマナーもよかった。
♪Life on mars? の時だったか、それまでの激しいテンポから一転して
限りなく静かなバラードになったのにもピッタリついていって、
みんな彼の生ギターと声に骨の髄から聴き惚れた
ラストの曲が終わって、当然のごとく鳴り響くアンコールの拍手にバンドはすぐに出てきてくれた。
すべてがあっという間だった。
分かりきっていたことなのに、改めて痛感した。
彼はすでに誰のものでもない。
地上のものでもないことを。
ボウイのステージ、そして彼自身は、青や赤、色とりどりの空気で成った夢なんだ。
これこそが本物の幻だ。
映像と、音楽と、この場の空気。
会場の大勢の観客が、一度にひとつの幻影を体験した。
完全な宇宙意思的世界を、私は体で汗を流しながら受け止めた。
たしかに受け止めたんだ。
2度目の照明がつき、会場は一時的に沸いたが、とうとう戻って来なかった。
この日の体験は、日を追うごとにさらに得体の知れぬ、つかみどころのないものに薄れ、消えてしまうことだろう。
でも、私たちは実際、現実に、彼の最後になるかもしれない、ワールドツアーを自分たちの体で経験した。
終わったのは21:30頃だったろうか。
例のごとく、オッサンたちがどこで手に入れたかも分からないグッズ
(Tシャツ、バッジ、キャップ、スナップ等)を売っているのを横目に、早足で電車に乗る
もう22:10になっていたので、心地よい電車の振動に体を任せながら少し眠った
最寄駅には23時回った頃に着き、2人でたこ焼きを買って、タクシーでアパートに戻った。
もう彼は、ホテルで休んでいるだろうか?
それとも、もう次の会場へ向けて成田から離陸したのだろうか?
チケット 7000円
パンフレット 2000円
21日ラジオ、27日は衛星放送で流れるそう。どちらも不可能。
5.20 2:30am. 記