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『セイジ-陸の魚-』(2012)

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『セイジ-陸の魚-』(2012)
原作:辻内智貴 監督:伊勢谷友介
出演:西島秀俊、森山未來、裕木奈江、津川雅彦 ほか

西島秀俊さん出演作でチェックしてみた。
旬の俳優らを使って、なぜかもっと荒廃した暴力映画かなにかかと思って観たら全然違って、フシギな余韻が残る。
監督の伊勢谷さんて、こないだ見たドラマ『白洲次郎』で主演してた人だ/驚

▼story
「僕」は、内定をもらった夏休みの間、「長い散歩」と称する自転車の旅に出る。
そこで出会った男に連れられて、山間のバー「HOUSE475」で働くことになってしまった。
バーのオーナー翔子に想いを抱きつつ、雇われ店長のセイジの影にも惹かれてゆく。
平凡な町に連続殺人事件が起こり、盲目のゲン爺と孫りつ子のもとにも突然不幸が訪れる・・・



セイジ「食わなきゃ死んじゃうか。めんどくせーなぁ」
僕「食わなきゃ死んじゃいます、だから働くんです!」

みんな同じ思いで働いてんのかなぁ?

森山くんの20年後を演じてる二階堂智さんて、たしかに似てるかも/驚
動物愛護団体の男性職員役、宮川一朗太さんのウソくさい笑顔が素晴らしい
新井浩文さんのリーゼントも最近見慣れないカールっぷりがすごい。

イノシシが害獣として銃殺されていることに反対して署名をお願いしますと言われて、
「ヒトが多すぎるだけだ」って言うセイジのセリフに一理あると思った。

「いつのまにかニンゲンは地球にとって、がん細胞みたいになっちまった。
 セイジには物事が見えすぎるんだろう。だから自分の無力さに気づき、その先には絶望しかない。
 わしらみたいなニンゲンはある意味、鈍感だからやっていられる。
 鈍感さは絶望を緩和してくれる鎮痛剤なのかもしれん」(ゲン爺

「セイジは陸の魚なの
 この世に1人でも不幸なニンゲンがいたら、自分は幸せにはなれないって考えてるのかもしれない。
 だから、いつも寂しさや悲しさで胸をいっぱいにしてる。
 この世で生きることを諦めてしまった生き物」(翔子

妻との別居、恋人との別れ、バンドを辞めてサラリーマンになったり、生きることの難しさを抱えたヒトたちばかり。
セイジはその後どうなったんだろうか? なにも語られないからいいのか。

西島さんのワイルドさがハンパない。
鍛え上げられたストイックな身体と、静かな表情のギャップが魅力なのかな。
作品選びも、ほかとちょっと違う気がする。



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